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青い鳥ブログ

2011-12-02 最近のシンガポール進出ブームに、現地在住の日本人が思うこと

aoitoriblog2011-12-02

最近のシンガポール進出ブームに、現地在住の日本人が思うこと


■いやー、ガチでブームだったのね!

 この前、知り合いのビジネスコンサルタント(日本人・シンガポールを拠点に活動中)の方が日本出張に行ったらしいんだけど、その時の日本の様子に、目を丸くして帰ってきたんだ。「スゴイスゴイとは聞いてたけど、本当にスゴイよ。今日本で、シンガポール進出がガチでブームなんだ。“やっぱシンガポールですよね、時代は”みたいなことを猫も杓子も言ってるんだよ、メディアで伝え聞く話は本当だったんだよ!」って。

 実際にシンガポールで暮らしていると、「今ダイヤモンドとかが一生懸命日本でシンガポール進出ブームを盛り上げてるらしいよ」「へー」程度の感覚でしか伝わって来ないんだけど、どうやらこのブームは大きな企業の上層部まで巻き込んだ本物のブームになりつつあるようだね。それはきっと在シンガポール邦人としては喜ばしいことなのだろうけど、正直、でもブームに乗せられてシンガポールにやって来てどうするんだろう? と思うことも多いんだ。

■税制面のメリット?うーん……。

 よく言われることだけど、税制面でのメリット。これ、今日本ですでに実績のある会社が「シンガポールに会社作ってある程度事業移管しました! これからシンガポールで税金納めますんでヨロシク!」なんて言っても、タックスヘイブン税制があるからそう単純にはいかないんだよね。本気で税制面でのメリットを享受しようと思ったら、相当入り組んだ仕組みを創り上げるか、もしくは現地化してやっていくかだと思うんだけど、ホクホク顔で「シンガポールは法人税がすごく安いんですよね!」って興奮してる担当者の中に、そこまでやるつもりの人は少ないような気がするんだ。

■商圏としての魅力?んー?

 あと、単純にここでビジネスをする場合で考えても、商圏として小さすぎると思うのよ。シンガポール国民全員を対象にできるビジネスだとしても、ここに住んでいるのは500万人に満たない人々だけなのよね。先々増える予定とは言え、政府が考えてるのは650万人くらいまで。超気合を入れてシンガポールに出てきたからといって、1億2千万人も住んでいる日本に比べると、マーケットが小さすぎるんだよね。そんなにアンビシャスじゃなければ満足いく大きさのマーケットではあるけれど。

 しかももっと恐ろしいことに、進出してくる日本企業の多くが、実はシンガポール在住の日本人相手にしか成立しないビジネスをしてたりするんだよね。シンガポール在住の日本人なんか2万人くらいしかいないと思うんだけど、お金も労力もかけてわざわざ2万人の商圏に殴りこみをかけるって、けっこう慎重に考えるべきなんじゃないかしら。

■アジア進出の拠点に?むむ……。

 アジア進出の拠点にって言えば聞こえは良いかもしれないけど、シンガポールに進出すれば自動的に東南アジアが制覇できるなんてオートマチックな仕組みはないわけで、結局は各地方でローカルな取り組みを地道に繰り返すことになると思うんだよね。噂で聞いたけど、シンガポールに置かれてるいわゆる「統括機能」には、仕組み的にかなり無理や無駄が多いところも少なくないらしいよ。

■政府の補助や支援があるから?Think Twice!

 あ、あとシンガポール政府が補助や支援をしてくれる仕組みも色々あるけど、「なぜシンガポール政府がそれをしているのか」って視点が抜けてるケースが多い気がするよ。日本にはけっこう謎というかムダというかバラ撒きの支援金システムがけっこうあって、それに慣れてると「もらえるモンはもらっとこう!」的な感覚になるんだろうけど、シンガポール政府は極端に“小さな政府”なので基本的にバラ撒きはしないんだよね。そこの意図をわかってないと、後々後悔することになると思うよ。

■確かにイイトコではあるけど、さ。

 確かに、シンガポールはエキサイティングな街だと思う。ある種の起業家にとっては面白い場所だろうし、単に資産を移したいって人にもメリットはあるだろうし、住み心地も良いし、日本の財やサービスをそのまま持ち込んでも多少は売れるし、そういう理由でここに来る人が増えるのは在住者にとっても喜ばしいことだよ。でもさ、この企業進出ブームの中にはどうも、「まさかノリでシンガポール進出しようとしてるわけじゃないよね??」って企業も、含まれてる気がしてならないんだよね。違うんだよね、ノリじゃないんだよね?

……と、マーケットリサーチを生業にしている私はふと思ったりするのでした。いや、ノリで来ても良いと思うんだけどさ、自分のクライアントが後で困る姿は見たくないよね。え、私がシンガポールに来た理由? 「なんとなく楽しそうだから」ですが、何か?

兎に角野郎兎に角野郎 2011/12/03 00:44 とてもとても納得です。よくわかりました。海外でのビジネスは中小企業には難しいですね。多分資金余力のある企業、もしくは小さく小回りの効く個人や会社なのかなと思ったりします。
今は日本国内を飛び回っています(笑)

aoitoriblogaoitoriblog 2011/12/08 12:39 コメントありがとうございます!そうですね……会社の規模もそうですが、事業の性質も、「あれ?来てどうするんだろう?」と思うところが進出してきてたりします。何かウラがあるのだと思うのですが、よくわからないことが多いです、最近のブーム。

KazSaitoKazSaito 2012/08/10 20:12 ブログのご意見を拝見しました。
日本のビジネスとマーケットの認識で、単なるシンガポール国内にマーケットだけで考えて進出していけば、おっしゃる通りだと思いますが、多くの企業が戦略的に考えているのは、シンガポールをアジア全域でビジネスをするために活用する拠点にするという意思決定なのです。

しかし、日本の地方にいる中小企業の技術や商品は、日本ではもうニーズがなくても、シンガポールを拠点にインドを含めた東南アジでは、まだまだこれからニーズがあるのです。

お願いですから、日本の中小企業の本当にある可能性について、否定するようなご意見をきちんとシンガポールへの企業の進出戦略を理解せずに日本人なら、やめてください。
日本を応援できないでしょうか。

海外に住む日本人なら、どうか日本と日本人を応援していただけないのでしょうか? <m(__)m>

aoitoriblogaoitoriblog 2012/08/12 15:18 >KazSaitoさん

コメントありがとうございます!
そうですね、ちょっとスパイシーに書きすぎたかもしれませんね。
私も海外に挑戦する方々を応援したいと思っています。
ただ、ポジティブな情報を伝えて応援する方はいっぱいいらっしゃいますし、日本のメディアもおしなべて肯定的な書き方が多いようでしたので、精一杯の愛をこめて、率直な意見を書いたつもりでした。
海外に活路を見出すことができる方や企業が、少しでも増えれば幸いだなという思いはいつも思っています。

同感同感 2015/12/04 13:53 その国のルールや制度を理解するためにその道に詳しい現地の人を探してそれなりの待遇で迎えることもせず、中途半端な決定権しかないちょっと英語ができる日本人数人だけ送り込んでゆくゆくは東南アジアのマーケットを拡大とか言っている企業少なくない気がします。
まずシンガポールで販売できる審査や検査をしてから営業に来てもらいたいものです。日本の検査は通ってますと言われても。。。

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