黒田硫黄 「黒船」

むこうは青空なのに雨ふってるし間違っとるよこんな夏

それは大気が不安定だからあ

ねえこのまんまさあ
このまんまプイとどっか行って身ひとつで 生きてくの

……ほう
それで?

ん―――
勉強はする一応 受験生だし

どこで

ん――遠い町
あー んー 遠い町でたまたま知り合った人と安吾の話でもり上がって 2人で堕落すんのもいいな


立ててもいない計画について考えると 世界でたった一人だけのような
宙ぶらりんで糸が切れたら飛んでくような感じになる

黒船 (Cue comics)

黒船 (Cue comics)

わたしのせんせい
海に行く
トゥー・ヤング
鋼鉄クラーケン
自転車フランケン
年の離れた男
ナイト オブ ザ リヴィングデッド
課外授業
肉じゃがやめろ!
最近どうよ?
象の股旅
さらばユニヴァース

今まで黒田硫黄の作品は「セクシーボイスアンドロボ」「大日本天狗党絵詞」「あたらしい朝」と読んできて、知った気でいたのですが、まだまだ底が深い黒田硫黄が見えた1冊でした。「鋼鉄クラーケン」の船の圧力とか、「象の股旅」の異国感と最後の寂しさとか、「肉じゃがやめろ!」は作者は絵もうまい上に料理もすごいのかよ!と思ったり、そして「わたしのせんせい」は車の中のパンツはくシーンがエロすぎ!
で、なんだかんだあって「海に行く」とか「自転車フランケン」とかの「んで?w」っていう適当な短編が好きなのです。女の子がかわいいし!w「セクシーボイスアンドロボ」が好きなら気に入ると思います。