新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

自刻表


その街には
時が無かった

それでも
レールの向こうから
時々、時がやってきた

無限に変わり続ける場所で
無限に狂い続ける時計には
もはや正確な時間など無かった

進化しているのか
退化しているのか
順番という概念すら
成立しなかった

どこからが生で
どこからが死なのか

ある者は空を見上げ
ある者は地を見下ろし
時を探していた

駅には
時刻表のようなものがあった

行先には時刻が書かれ
リストには、その時刻への
移動手段が書かれていた