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Apes! Not Monkeys!  本館

2017-01-19

[]誤認逮捕で国賠請求棄却

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自白の有無にかかわらず、冤罪事件一般を「自白の研究」タグで扱っております。ご承知おきください。

(前略)

 男性は2012年6月にレジの現金を奪ったとして強盗容疑で逮捕、窃盗罪で起訴された。入り口の自動ドアから検出された男性の指紋が有力証拠となったが、初公判後に開示された防犯カメラ映像で、ドアに触れたのは事件5日前だったことが判明。大阪地裁岸和田支部は14年7月、無罪判決を言い渡した。

 国賠訴訟の判決は、判例を踏まえ「無罪確定で、ただちに逮捕や起訴が違法とはならない」と指摘。店員がドアを清掃したのは事件4日前だったことから、警察や検察がそれ以前の映像を確認していなかったとしても「通常要求される捜査」は逸脱していないと判断。犯人と疑う合理的な根拠があったと結論付けた。

(後略)

別の報道によれば、被疑者の母親が独自に防犯カメラの映像をチェック、5日前の映像を見つけたことが無罪判決に繋がったとのことです。母親が警察と同じ理由で諦めていたら、有罪になっていた可能性があるわけです。

本日夕方のMBSのニュースでは「有罪の証拠なら1年前のものでも探すのに、無罪の証拠は探さない」と警察を批判していましたが、実にもっともな批判でしょう。

2016-12-31

[]絶滅危惧種を「人間ドラマ」のネタにするメディア

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昨日、テレビ東京(関西ではテレビ大阪)で「http://www.tv-tokyo.co.jp/maguro_2016/:title=洋上の激闘!!巨大マグロ戦争2016]」なる番組が放映されていました。正月を前に憤死したくないので見ませんでしたが。

マグロに命を賭けた凄腕漁師たちの飽くなき挑戦に密着!長崎壱岐、青森深浦、沖縄久米島、日本各地から凄腕マグロ漁師が大集合!巨大マグロとの格闘と人間ドラマは圧巻!

壱岐のマグロ漁が一本釣りで行われるのはマグロ資源への配慮でもあるのですが、そこのところはちゃんと紹介されたんでしょうかね。番組公式サイトの内容案内から判断するとされてないっぽいですね。なんせ〆が「安くて美味いマグロの名店も数々紹介!テレビ初登場の隠れた名店から、赤字覚悟!大盛りトロ丼300 円の激安店まで」ですから。

そこまで「ドラマ」が好きなら、マグロの一人称視点でつくったらどうですかね? 主人公は幼魚の時に巻き網で捉えられ、養殖場で「近大マグロ」にされそうになる。台風に乗じてなんとか逃げ出し、ようやく最初の産卵期を迎えて産卵場に向かったら、またしても巻き網で仲間ともども一網打尽に! エンドタイトルは廻る寿司のレーンをバックに。

[]『ドント・ブリーズ』ほか

輸入盤のブルーレイで。露骨に『アジョシ』をパクりまくり。主人公には認知症の症状が現れており……という設定はオリジナルなのだが、その設定をびっくりするぐらい活かさないユルい脚本&演出。劇場で見るより、自宅でツッコミ入れながら見る方が楽しい。

  • ドント・ブリーズDon't Breathe (監督:フェデ・アルバレス、出演:ジェーン・レビほか)

ほとんど予備知識なしで観に行ったので、最初のうちは「おいおい、これで90分もつのかいな」と心配だったが、ちゃんと成立していた。

2016-12-15

[]意地でも正義を振りかざさせたくないひと

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先日放送されていた NHK スペシャルの「ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉」(ちなみに、17日に再放送されるそうです)をいちおう録画しておいたので、ちょっと再生してみたんです。

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そうしたら、こんなナレーションが流れ始めたので思わずメモしちゃいました。

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ベトナム戦争にアメリカが本格的に介入を始めると、戦争と正義についても歌詞に取り込んでゆく

だがそれは、単に正義を振りかざすのではなく、戦争の本質に言葉で挑んだものだった

で、紹介されるのが「戦争の親玉 Masters of War」という1965年の歌です。

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お前らは大砲を作り

爆弾を作る

それでいて

弾丸が飛び交い始めたら

どこかへ消えちまうんだろう?

お前らは戦争の親玉だよ

「戦争で儲けてるやつがいる」「そういう奴らは血を流さない」って、よくも悪くも非常に素朴な反戦論じゃないでしょうか? ノーベル賞受賞者様のお言葉はありがたく解釈せねばならないという権威主義とともに、なにがなんでも「正義への希求のストレートな表現」を貶めたいという時代の精神を感じずにはいられませんでした。

2016-12-05

[]とりあえず蒲焼きの絵をツカミに使うのやめろ

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12月1日に放送されたクロ現+の「“白いダイヤ“ウナギ密輸ルートを追え!」なんですが、番組の冒頭が公式サイトからのスクショに映ってる蒲焼きの映像でしたね。

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取材のテーマそのものは至極真面目なのに、まるで「ほら、美味しそうですね」と言わんばかりの蒲焼きの絵は必要ですかね? どうせなら土用の丑の日にスーパーで山と積まれているパックのウナギとか、ファーストフードチェーンのウナギポスターとかの絵にした方が、番組の趣旨にはかなうんじゃないですか?

2016-11-27

[]「冤罪弁護士」

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「無罪」獲得「14件」。その実績に他の弁護士は「異常な数字」「ありえない」と舌を巻く。“えん罪弁護士”の異名を持つ今村核(いまむら・かく)は、有罪率99.9%と言われる日本の刑事裁判で20年以上も闘ってきた。過去に取り組んだ放火事件や痴漢事件では、通常裁判の何倍もの労力をかけて科学的事実を立証し、矛盾や盲点、新事実の発見からえん罪被害者を救った。自身の苦悩を乗り越え、苦難の道を歩み続ける男に迫る。

虚偽自白のある事件がとりあげられるかどうか現時点ではわかりませんが、冤罪一般に関連するエントリのために「自白の研究」タグを用いています。

番組視聴後、追記する予定です。


追記:これは番組のコンセプトそのものによるのでしょうが、刑事裁判における検察と弁護側の圧倒的非対称性(番組中の放火事件の場合でいえば、弁護側はカンパを募って燃焼実験をせざるを得なかったことなど)を今村弁護士個人(と有志支援者)の頑張りで埋め合わせていることが美談として扱われています。そうすると、刑事司法のあり方について問題意識のない視聴者は「いや〜、エライ人もいるものだね」とか、(番組の最後に扱われた痴漢冤罪事件の一審有罪判決について)「ひどい裁判官もいたもんだね」といった感想で終わってしまいかねないのではないか、という危惧もいだきました。

「人物」にスポットを当てつつきちんと「構造」を描くのはなかなか簡単なことではないのでしょうが。