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Apes! Not Monkeys!  本館

2012-03-19

[]『黒く濁る村』ほか

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DVD でカン・ウソク監督の『黒く濁る村』(2010年、韓国)を見た。原題の『이끼』は「苔」の意、とのこと。出演はパク・ヘイル、やはりカン・ウソク監督の『シルミド』で第1班長と教官の下士官をそれぞれ演じていたチョン・ジェヨンとホ・ジュノなど。

部分部分をとると面白いシーン、面白いキャラクター(特に検事のツンデレっぷり)はあるのだが、全体としての仕上がりは「?」な感じ。首を傾げたくなるような演出やカットの繋ぎ方がちょくちょくあるので、ヴェテランの監督のことだから意図的なのかと思いもしたが、やはり脚本にいろいろ穴があるのが原因か。レンタルで借りてみる分には損はないかと。

それから、オリジナル版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009年、スウェーデンほか、原題 Män som hatar kvinnor )をレンタルDVDで。劇場公開版より約30分長い「完全版」と題したもので、第1部と第2部に分けて再生することもできるようになっている。ジャケ写のリスベット(参考)が『アジョシ』のマンソク兄弟の弟の方に見えて仕方なくて困った。

フィンチャー版はもちろんオリジナルとは力点の置き方などをちょこちょこ替えている*1が大筋ではオリジナルに忠実なリメイクになっているので、「ああなるほど、こういうのがハリウッド仕様か」というのが非常によく分かる。例えば主人公は、フィンチャー版のダニエル・クレイグとは違って見事な中年のおっさん体型。バイクの疾走シーンなどもずいぶんと感じが違う。一番興味深かった違いは、フィンチャー版ではロンドンが日差し燦々の街に見えるほどにヘーデビー島のシーンは陰鬱な絵づくりだったのに、オリジナル版ではいたって普通だったところか。なお、猫好きにはオリジナル版をお勧めします。


正月くらいにDVDで見てまだ言及していなかったのがクライヴ・オーウェン主演の『ブラザー・ハート』(2004年、アメリカ、原題 I'll Sleep When I'm Dead )。復讐モノなのだが、劇中で主人公の恐ろしさを何度も語るおっさんが出てくるので、結末ではギャング皆殺しか? と思わせておいて……。もう一つはザック・スナイダーの『エンジェルウォーズ』(2011年、アメリカ、原題 Sucker Punch )。ひとことで言えば「もう、そういうの飽きましたから」かな。

*1:例えば、「レビ記」からの引用を示す符号の解読については、オリジナル版の方が丁寧。しかし「3」でもってモーセ5書の3番目たる「レビ記」を指すのって、よくあることなんだろうか。

rawan60rawan60 2012/03/19 21:13 >ジャケ写のリスベット(参考)が『アジョシ』のマンソク兄弟の弟の方に見えて

(参考見て)似てますね(笑
近年は、こういうスタイルもある種の人物表現に定型化されてきたようです。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/03/19 22:37 rawan60 さん

似てますでしょう? レンタルビデオ店で最初は「いつマンソク兄弟のスピンオフ映画ができたんだ?」と思いましたもの。

JodorowskyJodorowsky 2012/03/21 00:17 『黒く濁る村』は劇場でみましたけど、
長いのとオチがイマイチすぎるのがとにかく残念ですよね。
村民のルックスとか過去の回想描写は最高なんですけどw

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/03/21 09:15 Jodorowskyさん

劇場で見るとたしかにもっと辛かったでしょうね。

>村民のルックス

外見は特殊メイクでばっちり老人になってるのに、身のこなしは老人になり切っていない感があって、それがまたモンスターっぽさを醸し出してましたね。

くろしばくろしば 2012/03/22 01:00 はじめまして。ちょくちょく拝見させていただいております。『ドラゴン・タトゥーの女』、ハリウッド版は見ていないのですが、オリジナル版はシリーズ全作をCSのミステリーチャンネルで見ました。女性に対する虐待がテーマのひとつでもあるという事ですが、やはりスウェーデンが舞台の刑事ドラマで、主人公の刑事は移民に対する偏見もなく、自分には差別意識はないと認識していたのですが、娘が連れてきた婚約者がアフリカ出身の黒人青年だった事で自分の中にある人種差別に思い悩む、というような作品があったなあと思いだしました。また、イギリスのドラマでは、娘に対する父親の性的虐待(孫に対する祖父、というのもありました。)がテーマになっているのも見たことがあります。日本のドラマではなかなかあつかえない(あつかわない)テーマかも、と思ったものです。

くろしばくろしば 2012/03/22 01:02 長々とわかりにくい文章でしたね。お目汚し失礼しました。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/03/22 10:16 くろしばさん、はじめまして。どうかお気軽にご投稿ください。

>自分には差別意識はないと認識していたのですが、娘が連れてきた婚約者がアフリカ出身の黒人青年だった事で自分の中にある人種差別に思い悩む

半世紀近く前に『招かれざる客』が描いたテーマですが、どの辺りに現代性が現れているか、興味深いところですね。
私はテレビドラマはさほど見ないのですが、欧米のドラマでは特に“社会派”を標榜しない、普通の娯楽作品でも差別等のモチーフを取り入れることがよくあるように感じます。

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