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Apes! Not Monkeys!  本館

2012-07-08

[]「誰も『昔はどうだったか』を気にしないんだ」

f:id:apesnotmonkeys:20081226100549j:image:right

gansyu さんに教えていただいてみた番組、「ガイアの夜明け」の感想ツイートがまとめられております。

http://togetter.com/li/331747

 ポーリーは、一般の人々が自分で買って食べている魚のことをほとんど知らないのも問題だと考えている。「市場に魚があふれているから、誰も『昔はどうだったか』を気にしないんだ」と、ポーリーは少し前に運ばれてきたハリバット料理を前にして言った。「だから、状態はそれほど悪くないと思っている。でも、本当はそうじゃない。いまは『危機』なんだ。危機が迫っているんじゃなくて、今ここに危機があるんだ――」。

(G・ブルース・ネクト、『銀むつクライシス 「カネを生む魚」の乱獲と壊れゆく海』、早川書房、209ページ)

ウナギについても同じことが言えるのかもしれません。しかし鮮魚売り場で「昔はどうだったか」を思い出せば、いくつかの魚種については素人でも危機的な状況を理解することができます。

なお「ポーリー」とは漁業学者、ダニエル・ポーリーのことです。昨年 HNK BS プレミアムで放送されたドキュメンタリー、「海から魚が消える日」にも登場していました。

blackseptemberblackseptember 2012/07/08 17:38 ニシンなんかも街一つ壊滅するぐらい漁獲高落ちたとか憶えててもいいはずなんですがねえ・・・。
小学生の頃読んだ学習図鑑でも乱獲による現象は取り上げられてましたが。

そんなわけでおせちに数の子入ってると微妙な表情に・・・。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2012/07/08 18:34 カニなんかを見ても、こんな獲り方して大丈夫かよ、といつも思いますけど、やっぱり大丈夫じゃないですよね。私が死ぬころはかなり惨憺たる状況になっているかと。いや、もっと早いか。

基本的に、動物なんかは家畜化できますから(餌の消費の問題はありますが)まだいいですが、魚介類はなかなか養殖も難しいから、私たちもそれなりの覚悟をしなければいけないんでしょうが、やはりなかなか…。

ところで、昨年亡くなった北杜夫が「どくとるマンボウ航海記」でのりこんだ船は、マグロの漁獲するための調査船だったわけで、半世紀前以上前からそのようなことをしていれば、それはたしかに海洋資源がダメージを受けるのも当たり前でしょうね。

くま(仮)くま(仮) 2012/07/08 20:29 むかし大学の講義でイエーツの詩を読んで「The herring are not in the tides as they were of old」(ニシンは海のうしおの中にむかしのようにたくさんはいない)というところで「これは比喩なんですか」と言ったところ講師に「そうだったらどんなにいいか」と言われたのが思われます……

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/08 20:43 blackseptember さん、くま(仮)さん

ニシンはねぇ……それこそ肥料にするほど穫りまくったわけですからね。

>おせちに数の子

産卵期前を狙って魚卵食ったり子持ち魚を食うというのも恐ろしい食習慣ですよね、考えてみれば。

>むかし大学の講義でイエーツの詩を読んで

おかげさまでエントリの格調があがりましたです。

Bill_McCrearyさん

例えば「底引き網」漁法の類比物を陸上で考えたなら……森を一つすべて切り倒して猪や鹿を獲るようなものですからね。一時期、牛肉の環境負荷がかなり喧伝されましたけど、持続可能性という点で言えば水産資源の方がはるかにまずいのではないかと思っています。

madhattermadhatter 2012/07/08 21:27 今日TBS系の「噂の東京マガジン」でもウナギ高騰が取り上げられてました。老舗店が何店も休業に追い込まれてる、とかはありましたがやっぱり資源の危機という視点の内容ではなかったですね。そういうのは画にならないと考えているのか、あるいはウナギを控えろとかいう話だと業者からクレームが来るのでそれが怖いのか。コーナーの締めが「ウナギが食べたくなりましたねぇ」でしたし…

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/08 23:09 madhatter さん

関西では放映してなかったんですが、ツイッターのTLで話題になってるのを見ました。ひどかったらしいですね>「噂の東京マガジン」

>そういうのは画にならないと考えているのか、あるいはウナギを控えろとかいう話だと業者からクレームが来るのでそれが怖いのか。

「種の絶滅」って、その気になればいくらでも視聴率とれそうな題材ですよね。「土用の丑の日」を前に冷や水ぶっかけるようなことを言うな! というプレッシャーがかかっていると考えるべきでしょうね。

nobunobu 2012/07/09 09:04 市場じゃないですが最近気が付いたのは、サバ缶の切り身の大きさが以前よりかなり小さいなということです。以前は胴の部分が缶のほぼ全体を占めており少し余った空間を腹の一部や尻尾の部分で埋めていたように思うのですが、今ではお腹から尻尾まで四分割で丸々一匹文入っている感じ(頭はもちろん入っていませんが)でなんです。
あら、サバ缶じゃエントリの格調を下げちゃいましたか?

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/09 12:06 nobuさん

いやいや、サバはこのトピックにとって重要な魚です。以前なら見かけなかったような小さいサイズのものが鮮魚コーナーに並んでおり、一般の消費者でも異変に気づきやすい魚種の一つですね。私は缶詰はサンマを主に消費しているのでサバ缶の変化には気づきませんでしたが、鮮魚コーナーだけでなく加工食品にも影響が出ていて当然ですよね。

chada_5chada_5 2012/07/09 20:15 nobuさん

それは私も感じていました。
私はサバの水煮が好物でよく食べるのですが、2000年からの十年余りで切り身が小さくなったと思います。
価格も以前は100円以下の物をよく見かけていたのに今では珍しくなりましたね。
同一メーカーの同一商品でも10円、20円値上がりしています。
代わりに400〜500円以上する高級サバ缶が増えてきました(食べてみたいけどちょっと高い)。
こうしてみると加工食品は資源量と魚のサイズに応じた価格の影響をもろに受けてるんですね。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/09 22:22 chada_5さん

漁獲量の減少分がきちんと価格に転嫁されて漁業者にまで波及すればまだいいのですが、おそらくは小売り→加工業者→漁業者という順にコストカット圧力がかかっていて、漁獲高の減少ほどには小売価格は上昇しておらず、後先考えない乱獲を招いているのではないか……ということが危惧されますね。

>代わりに400〜500円以上する高級サバ缶

私は自分で鯖を生鮨にするのが好きだったのですが、「これは」と思うような鯖はもはやとうてい「大衆魚」とは言えなくなってますね。

blackseptemberblackseptember 2012/07/12 13:26 そしてこれがモーニングの最新号だ!

http://kc.kodansha.co.jp/kc_up/image/MAG/1772/cover/1772.jpg

まー中身も 推して知るべしです。
ラズウェル細木とかここまで危機感も緊張感も無かったのかとがっくりしました。

築地魚河岸三代目がどんだけ良心的かって話で。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/12 21:45 blackseptemberさん

>そしてこれがモーニングの最新号だ!

あぁ……。絶滅へのテンカウントが……。

ちなみに、ナショジオではこんな連載が始まってます。
http://htn.to/eyRHoH

くま(仮)くま(仮) 2012/07/13 19:46 >まー中身も
 クッキングパパは「まさかと思うがこれ焼きそばにウナギ投入せんじゃろうな」と戦々恐々としながら読みましたバイ(本当)

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/14 23:04 くま(仮)さん

本日、立ち読みしてきました。「焼きそばにウナギ」が杞憂だった分、巻頭カラーがトバしまくってましたね。

ConstellationConstellation 2012/07/15 07:50 先日の朝日新聞デジタルもこの通りです。

「ウナギ 米、豪、アフリカ産に活路」
http://www.asahi.com/food/news/TKY201207140238.html

最後に出ている水産庁栽培養殖課のコメントを見ると(この記事の執筆者もそうですが)、懸念すべきポイントがずれまくっているとしか思えません。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/15 11:27 Constellationさん

昨日の「報道特集」(TBS系)はこの記事や「ガイアの夜明け」に比べればまあマシでした。「絶滅」という単語も出てきましたし、日本人の責任にも言及していましたから。突っ込みたいところはいくつかありましたけど、他がひどすぎて。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2012/07/16 09:03 「報道特集」を私も見ました。養殖の最新技術とかいろいろやっていましたけど、なーんか見ている印象では、やっぱり絶滅の心配をした方がよっぽどいいんじゃないかと感じてしまいました。そういう問題意識を全面に出した方がいいのではと思うのですが、世間の心配は「ウナギが食えない」にかぎるということなのでしょうね。

私もウナギは好きですし、食べ続けたいのはやまやまですが、だからと言って昨今の現状はそんなに気楽に食べたいと感じられるものではありません。土用の丑の日が過ぎたら忘れられた話題になるのでしょうか…なりますね、きっと。

TeruTeru 2012/07/16 11:40 昔あこがれ、戦後イベント食として普及という「手中にした贅沢」という意識の護持で、
ウナギも扱われているのかなと。
偶然、牛丼チェーンで「ウナギ」を食べ比べたという高齢女性の会話を耳にしましたが、
幸福感と、価格対価意識(身の厚みが云々)を交互に行き来していました。

鶏卵や牛肉も、昔(戦前戦中など)は贅沢なあこがれ食でしたけれども、
一旦、日常習慣的に市場流通するようになると、
「イベント」「贅沢」という意識の集中も薄れていったたように思えます。

ウナギの場合、特に食産業がイベントにする時期が限られている点が、
生物の多様性に必要な、継続した再生産性とかけ離れていった理由のひとつかなと。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/16 22:52 Bill_McCrearyさん

>世間の心配は「ウナギが食えない」にかぎるということなのでしょうね。

日本社会が自らが引き起こした問題、しかも放置していれば取り返しがつかなくなるであろう問題にきちんと直面できない、というのはウナギに限らないように思えてなりませんね。

>土用の丑の日が過ぎたら忘れられた話題になるのでしょうか…なりますね、きっと。

で、来年の今頃は「シラスウナギが4年続けて不漁、ウナギがさらに高騰」とか言ってるんでしょうね。

Teru さん

マグロについても言えることですが、メディアの責任も大きいですよね。「本マグロがこんなに安い回転寿司!」といった具合に、持続可能性を無視した「お得情報」を流しまくって来たわけですから。

>ウナギの場合、特に食産業がイベントにする時期が限られている点

同感です。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2012/07/18 07:12 朝日新聞に米国がウナギ問題に介入しそうだという記事を掲載していました。

でもその記事も切れ味が鈍い(笑)。もうすこしまともな記事を書けと思いましたが、できない相談なんでしょうね、きっと。

ウナギ絶滅の問題とウナギ価格高騰の問題でしたら、後者のほうがよっぽど読者にも興味があるということなのでしょが、絶滅かそれに近い状態になったら食えなくなっちゃうじゃん程度の思考すらはばかれるんですかね。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/18 08:20 私も「また「市場への影響」か。「生態系」とか「生物多様性」といった単語は内規で禁じられてるのか?」というブクマコメントを書きました(^^; 農水大臣は「(ウナギは)特別に資源が枯渇している状況ではないだろう」なんてのんきなこといってますしね。

くろしばくろしば 2012/07/18 12:39 17日の朝日新聞夕刊(東京版)には
『土用の丑は豚蒲焼き? ウナギの消費者離れ 知恵絞る業界』という記事が。

稚魚の不漁→価格暴騰→消費者離れ→全国蒲焼商組合連合会が6月の総会で緊急声明
「消費者のウナギ離れで業界が沈没する」として、養殖産地に適正価格での出荷を求めた

だそうです。業界団体が自らの首を絞めているとしか思えません。

TeruTeru 2012/07/18 21:08 >業界団体が自らの首を絞めているとしか

台湾の日本向けうなぎ輸出激減
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120718/k10013667191000.html

>台湾では、稚魚のシラスウナギの不漁が続いて価格が高騰しているため、
>うなぎの養殖から撤退する業者も相次いでいて、
>業界団体によりますと、ことしに入ってからの日本への輸出量は去年の同じ時期の4分の1程度と、
>過去およそ40年間で最低の水準

量の減り具合をNHKも報じていましたが、

>台湾の業界団体の代表は
>「このまま稚魚の高騰が続けば、養殖業者がどんどん減り、
>台湾のうなぎ養殖業は立ち行かなくなってしまう」と危機感を募らせています。

養殖「業が立ち行かなくなってしまう危機感」までは報じても、
種の存続に対する危機感は(パンダやトキと異なり、困る業界がいないためか)報じないのですよね。

紅葉修紅葉修 2012/07/18 22:18 ウナギがこれだけ強気なのは、生態がよくわかっていないということもあります。
「多分、回遊ルートが変わったのだろう」などという言い訳を否定できませんから。
そうやってニホンアシカもニホンカワウソもトキも滅ぼしてきたというのに。
(エントリの趣旨とは外れますが、ウナギは注目されるだけマシです。経済効果を持たない多くの生物はだれにも顧みられることなく、恐るべきスピードで絶滅に突き進んでますから。例えばヤンバルクイナは発見されてから30年しか経っていないのに、あと10年経たぬうちに野生絶滅するでしょう。)

土用の丑の日が過ぎ去り、ニュースからこの話題が消えるタイミングを狙って、ワシントン条約で規制してくれますように。
絶滅史のハイライトであるリョコウバトの産地であったアメリカには、責任をもってリーダーシップを取っていただきたい。

apesnotmonkeysapesnotmonkeys 2012/07/19 08:30 くろしば さん、

>養殖産地に適正価格での出荷を求めた

「適正価格」って……。コンビニや牛丼チェーンではとうてい扱えないような価格こそ「適正」だと思いますけどね。

Teru さん

どう考えても国が、それも単独ではなく国際協調のもとで取り組むべき課題なのですが、動きが鈍すぎますね。

紅葉修 さん

>エントリの趣旨とは外れますが、ウナギは注目されるだけマシです。経済効果を持たない多くの生物はだれにも顧みられることなく、恐るべきスピードで絶滅に突き進んでますから。

これはこれでごもっともです。ただ、ウナギの方ももっぱらマスコミで話題になるのは「価格の高騰」と「代替ウナギ」ですからね。

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