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  今宵、すべての劇場で。

2007-11-15

[]「抜け穴の会議室」ケイファクトリーパルコPRESENTS チーム申第2回公演

かつて大阪の惑星ピスタチオに籍を置いていた佐々木蔵之介も、NHKの連ドラをステップボードに全国区の人気者となって久しいが、その佐々木が劇作家に声をかけて舞台を作っていくために結成した演劇ユニットのチーム申(さる)。前回(2005年)は、モダンスイマーズの蓬莱竜太を招いたようだが(未見)、今回は、な、なんとイキウメの前川知大の作品というから、これは観ないわけにいかないだろう。

どこだかわからない場所。六角形の部屋が無限に並ぶそこは、死んでから次の生まれ変わりまでの間、しばらく立ち寄る場所らしく、そこで人は前世の復習を行わなければならないらしい。過去の記憶はここに着いた時点ですべて失われているが、生前の記録が年次ごとに整理され、本になって備えられている。

そこで目を覚ました男(佐々木蔵之介)は、先客の男(仲村トオル)と、前世で何らかの縁があったらしい。ふたりは、本をひもとき、お互いの過去を探り始める。前世では医者だったとおぼしき先生、一方、親のあとを継ぎ会社の経営にかかわっていた部長。互いにそう呼び合うふたりだったが、しかし、彼らには前々世にまで遡る恐るべき因縁が隠されていた。

もう前半は最高。観客は、幕開きの時点で、登場人物の一方と同じように、ほとんど無の状態におかれるのだけれど、先輩格の部長のレクチャーによって、登場人物(先生)とともにふたりが置かれた状況を理解していく。しかし、これから何が起きるのかは、まったく見当がつかない。相手の出方を見るような佐々木と仲村のジャブの応酬よろしくのやりとりもいい感じで、期待が高まっていくこの序盤の展開は、照明効果や音楽のの良さもあって、非常にスリリングだ。

しかし中盤、前世ばかりでなく、前々世へと話が及ぶに至り、どうやら話がちんまりとまとまりそうに思えてきて、緊張感は薄れてくる。いや、とはいえ、きっちりとした物語性が用意されているので、期待を裏切るというのとはちょっと違うのだけれど、前川への期待値の高さゆえのことだろうか、物足りなさをおぼえてしまうのだ。

ひとつには、その不思議な場所のルールを説明しなければならない、という足枷があるのだろう。しかし、そこで壮大なスケールのようなものを見せてしまうと、逆に部長と先生にまつわる物語は卑小なものに見えてしまううらみがある。舞台設定なのか、ドラマなのかが、どっちつかずのジレンマはそのあたりが原因かもしれない。

そうはいうものの、幕切れに用意されたふたりの関係の落としどころにはジーンときたし、飄々としながらも緊張感が最後まで途切れない佐々木蔵之介と、固さが役柄に結びついた仲村トオルも善戦していて、満足した。佐々木の忙しさを考えると、なかなか公演は難しいだろうが、ぜひとも活動を続けてもらいたいユニットだ。(90分)※24日まで。その後、京都、福岡公演あり。

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■データ

客席を占める女性が95%という女性上位も甚だしいソワレ/赤坂RED/THEATER

11・10〜11・24(東京公演)

作・演出/前川知大(イキウメ)

出演/仲村トオル佐々木蔵之介

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