(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

サスペンデッズ第12回公演「GO HOME」

早船聡の戯曲は、人間関係の機微を濃やかに描くところにウェルメイドで確かな力を感じるけれど、そこに演劇的なセンスオブワンダーが加わったときに、とてつもない作品が生まれるのではないかという気がしている。例えば、星のホールにかけた『夜と森のミュ…

中野成樹+フランケンズ「ナカフラ演劇展」Aプログラム

あまたある翻訳劇の紹介と、誤意訳を掲げてのその解釈の可能性を広げてくれるという点で、ナカフラへの期待は尽きないが、見逃している作品も実は多い。というわけで、少しでも多くの演目を観たいと思っているファンにとって、ショーケース形式でのエントリ…

ppoi-っぽい-第1回本公演「星がるキミは雲の下」

コミックのタイトルではありません。そんな名前の新しい劇団による旗揚げ公演。ホテルの一室に出入りする人々をめぐって、思わせぶりな人間関係、思わせぶりなエピソードが繰り広げられていくが、結局、それらの断片は何も絵柄を浮かび上がらせないまま終わ…

青年団第66回公演「月の岬」

「海と日傘」で岸田賞をとっているマレビトの会の松田正隆の代表作にして、平田オリザとのコラボ作。初演は1997年。その後再演を経て、今回は12年ぶりの再々演だとか。わたしは初見である。 長崎方面の離れ島。姉と弟の二人暮らしの風景を軸に、島で暮らす人…

ナカゴー特別劇場「なしのつぶて」

同日に観た青年団をくさし、ナカゴーを褒めるのは、ちょっとオタクが過ぎるかなという気もするけど、やむをえないよなぁ、面白いんだから。先の浅草に続く特別劇場だが、ナカゴーなら何を見せられても面白い状態、の今のわたしである。 自宅の居間で、カップ…

直子あんりタイタイ「乙女ごころ三人姉妹」

芸達者、パワフル、天然。気になる若手女優三人によるユニットの最初の一歩。とくれば、スルーするのはちょっともったいない。出し物が、もともとは成瀬巳喜男の戦前の映画(1935年)という目のつけどころも嬉しい。(ちなみに、この映画、原作は川端康…

「南部高速道路」

「石蹴り遊び」で知られるアルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの短編小説に想を得ての舞台化らしい。原作は、作品集「悪魔の涎・追い求める男」(岩波文庫)に収録されている同題の小説で、今回の舞台化への経緯は、次のとおりだという。 3年ほど前に、フ…

ホチキス プロデュース公演「看板娘ホライゾン」

ロリータ男爵が観られなくても構わないけど(失礼)、丹野晶子の姿が舞台で見られなくなったのは寂しく思っていたわたし。というわけで、彼女をフィーチャーしてのホチキスの公演、当然期待に胸も膨らみます。 客が全く来ない饅頭屋「金蝶堂」。父が饅頭を焼…

劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」

久々に劇場で聴くジューダス・プリーストの曲とそれに続く列車発車の合図音。シアタートップス進出以来のオールドファンだけど、チケット争奪戦とお高いチケットにちょっと嫌気がさして、遠のきがちだった劇団☆新感線。久しぶりにちょっと観てみたくなって。…

青☆組 vol.16「キツネの嫁入り」

劇団自身の言葉を借りるならば、「ほろ苦いペーソスと透明感を持ち味に、市井の人々の営みを描き続ける」のがこれまでの彼ら。そこから一歩、いや大きく踏み出してみせる吉田小夏@青☆組の新作だ。 むかしむかしの、未来の昔。ある村に、おじいさんと、おじ…