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米国統合医療ノート RSSフィード

 食事・微量栄養素・サプリの研究が世界中でどんどん進み、その効果も限界も、
 次第に明らかになっています。このブログではその最新情報をご紹介します。
 ― サプリメントをして、その所を得さしめよ。

2015年01月11日

生活習慣と放射線のインパクト

ここまで「リスク比」(発がん率とかの比)が低減する、という話をしてきました。でも実際のインパクトの大きさはピンと来ません。なので、より直接に、「発がん率」「がん死率」「総死亡率」を使って表現してみます。


例えば「総死亡」です。論文には全体の総死亡数と各群の「総死亡率の比」しか出ていませんが、計算すれば各群の総死亡率を算出することができます。1群(1番ガイドラインから外れた暮らし)の13.6年間の総死亡率は23.2%、5群(1番ガイドラインに沿った暮らし)の総死亡率は17.2%でした。100人ずつで比較すれば、1 群は5群より6人多く亡くなっています。

同様に、男性の1群の18.8%が発がんする10.5年の間に、5群では17.0%が発がんします。そして1群の4.4%ががんで死亡する12.6年の間に、5群では3.3%ががんで死亡します。各群100人で比較すれば、暮らしによる差は、発がんで1.8人、がん死では1.1人です。

1番悪い暮らしをしている中高年男性が100人いるとして、その人たちが全員1番いい暮らし方に切り替えたら、11〜14年ほどの間に、死亡する人を6人減らし、発がんする人を1.8人減らし、がんで死ぬ人を1.1人減らすことができます。生活習慣のインパクトはそのくらいなのです。


この影響力は大きいのでしょうか、それとも大したことないのでしょうか?


「がんで死ぬ人が1.1人減る」ことを覚えておいてください。参考のために、これをみんなが心配した(今も心配している)放射線被曝と比較して考えてみます。

1シーベルトを被曝すると、生涯がん死亡率が5%上がります。これは(原発に対する主義主張に関わらず)誰もが認めている科学的な議論の出発点です。(例えば生涯がん死亡率を20%とすると、これが25%に上乗せされる、という意味です。)

それ以下の被曝では、さしあたり比例すると考えましょう、というのが多数の合意です。つまり10分の1の100ミリシーベルトなら、5%の10分の1で0.5%の上乗せ。20%から20.5%になる、という考えです。

計画的避難区域の設定に使われた「20ミリシーベルト」というレベルは、更に5分の1、20%を20.1%に上乗せするインパクトです。(ちなみに除染の長期的目標とされている「1ミリシーベルト」はその20分の1、20%の死亡率を20.005%に上乗せするものです。)


つまり20ミリシーベルトの追加被曝を浴びた人が100人いるとして、浴びずに済んだ人100人に比べて何人多く一生のうちにがんで死亡するかというと、『0.1人』です。


放射線被曝を避けるために家を捨てて避難する、という重大な判断の基準として語られていたのは、『生涯のうちに』がん死する人が100人中『0.1人』増えてしまうかもしれない、という話でした。単純に確率の問題として考えれば、対象となる地域住民が1万人なら10人、10万人なら100人の運命に関わる、ということになります。ですから私たちは、これは大変なことだ、と思いました。

それに対し、いい暮らしをするかしないかで、『12.6年の間に』がん死する人が100人中『1.1人』違ってくるのです。しかも対象は(日本だけ考えても)何百万人、何千万人です。


1人の対象にがんによる死をもたらす作用は、20ミリシーベルトの被曝よりも生活習慣のほうが10倍以上大きいらしい。理由を問わない総死亡で考えたら、数十倍大きい。しかも対象の広がりを考えたら、その社会的なインパクトは・・・。私たちの多くはこういう「相対的な比較」ができていなかったように思えます。

もし福島の原発事故の影響は深刻だ、と考える人なら、日々の暮らしは10倍も深刻に考えて当たり前だ、ということになります。逆に、生活習慣なんて自分の人生にとって大した問題ではない、と考えるような人生観の人なら、原発事故なんてはなから気にするまでもない、と考えるのが理屈です。


福島の原発事故の影響を、私たちは過剰に深刻に思い込んでしまったのかも知れません。生活習慣のもたらすインパクトと落ち着いて比較すれば、それがじんわりと分かってきます。外部被曝も、内部被曝も、危惧したほど深刻ではなかったというデータがどんどん蓄積してきています。情報の乏しかった当時とは、もう違います。そろそろ、舵を切り替える潮時ではないかという気がします。


一方、生活習慣は、実際に与えうるインパクトよりもはるかに軽視されているように思います。今回の論文はがんのない人を対象にしたものでしたが、がん患者が生活習慣を変えることが予後に与えるインパクトも、次第に分かってきています。20ミリシーベルトの数十倍の影響がありうると考えれば、私たちの暮らしぶりも変わってくるかも知れません。

私たちにはこういう「常識あるバランス感覚」が求められているように思います。

2015年01月10日

生活習慣のインパクト

前ページで「がん予防ガイドラインに従うと、がんや死亡リスクが低減する」という研究をご紹介しました。ここでは、それについての私の解釈をまとめています。

●生活習慣は「発がん」「がんによる死亡」「理由を問わない総死亡」のリスクを変えることができる

この結論は、研究規模の大きさ(対象者数の多さ、観察期間の長さ)、結果の明らかさ(発がんや死亡という結末の単純さ、および有意差の明瞭さ)から言って、ほぼ疑う余地はないと思います。

●良い生活習慣で発がんリスクを「低減できる」がん

(男女共通)大腸がん、直腸がん、 腎臓がん、 食道がん
(男性のみ)肝がん、肺がん、胃がん、すい臓がん、膀胱がん、白血病
(女性のみ)口腔がん、乳がん、子宮内膜がん
(性差不明)小腸がん、胆のうがん

*性差不明とは、男女を合算して解析したため、男女別に判断できないがんです。

●良い生活習慣で発がんリスクを「いくらか低減できるかも知れない」がん

下記のがんは、0.05<P-trend<0.10でした。統計的には、ふつうは「有意な違いはなかった」と判断されます。しかし、Pは確かにやや大きいものの、1群→5群の順にきれいにリスクが減り、また別性では有意差があったりしますので、実生活では生活習慣に気をつける意味はあると思いました。

(男性)口腔がん
(女性)多発性硬化症、白血病
(性差不明)喉頭がん

● 良い生活習慣を守っても「あまりはっきりした好影響は無かった」がん

下記はPが大きいとか、リスク比が下がる傾向が見られなかったがんです。

(男女共通)甲状腺がん、非ホジキンリンパ腫
(男性のみ)前立腺がん、 多発性硬化症
(女性のみ)胃がん、肝がん、すい臓がん、卵巣がん、子宮頸がん、膀胱がん、肺がん
(性差不明)脳腫瘍、ホジキンリンパ腫

これらのがんには、この試験で定義した「生活習慣」以外の発がんに至る原因があるのでしょう。例えば女性の肝がん(女性ホルモンの代謝)や子宮頸がん(HPVウィルス感染)のように。がんの部位ごとに発がん率が違う原因を「組織により幹細胞の分裂頻度が違う」ことで説明しようとした報告が最近ありましたが(http://goo.gl/fkblDf)、おそらくそれも理由の1つなのでしょう。

メラノーマ(皮膚がん)は、5群(いい暮らしをする群)のほうがリスク比が高い、という結果でした。ここは解釈が難しいですが、例えば次のようなことかも知れません。

この試験では、よく運動する人ほど「いい暮らし方」になります。戸外でたくさん運動する人は日光をたくさん浴びます。日光は浴びすぎるとメラノーマのリスクが高まることがわかっています。こういう撹乱要因が排除できていないのかもしれません。

(続きます)

2015年01月09日

「がん予防ガイドライン」は有用

米国から「がん予防ガイドラインに沿った暮らし方をしているほど、発がんも、がんによる死亡も、理由を問わない総死亡のリスクも低い」という研究が報告されました。http://goo.gl/NfKm9n 

これまで例を見ないほど大規模で詳しい研究で、がんの部位によって、生活習慣でリスクを減らせるがんと、減らしにくいがんがあることもわかりました。

●研究の概要

研究者らは米国に住む50歳から71歳の男女350万人にアンケートを送り、生活習慣を調べました。そしてアメリカがん協会の「がん予防ガイドライン」の勧める生活習慣(下記)を基準にして、それに沿っているほど点数が高くなるように、それぞれの生活習慣を点数化しました。

・健康な体重を維持する
・運動する
・良い食事をする(野菜果物が多い、全粒穀物が多い、赤身の肉が少ない)
・アルコールは適度に飲む

総合点数によって、一番点数の低い(ガイドラインから外れている)第1群から、一番点数の高い(ガイドラインに沿った暮らしをしている)第5群まで、5群に分けました。

そして彼らががんになったか、死亡したかを追跡しました。追跡期間は、発がんについては10.5年(中間値)、がんによる死亡については12.6年(同)、理由を問わない総死亡については13.6年(同)に及びました。

調査開始時に既にがんになっていた例、本人以外が回答した例、データ不備の例などを除外しました。最終的に、476,396人のデータを解析しました。

観察期間の間に、このうち73,784人ががんの診断を受け、16,193人ががんで亡くなり、全部で81,433人が(とにかくいろんな理由で)亡くなりました。研究者らは、第1〜第5の群によって発がんしたり亡くなったりするリスクが違うのかを調べました。

なお、学歴・人種・喫煙歴・結婚歴などは結果に影響することがわかっているので、そういう要因は統計的に調整し、結果を左右しないようにして比較しました。

その結果、多くのがんについて「1群→5群の順に(ガイドラインに沿った生活をするほど)発がんリスクが小さくなる」という結果が得られました。

■1群→5群の順に(ガイドラインに沿った生活をするほど)発がんリスクが小さくなったがん(P-trend≦0.05のものだけ記載します*)

*P-trendは、得られた「群ごとに変化している様子」の確からしさ(偶然こうなったのではなく、本当に意味がある)の度合いを示します。この数値が小さいほど、この結果は信用できる、という意味です。

カッコ内の数字は、第1群のリスクを1としたときの第5群のリスク比で、例えば0.52 とは第5群の発がん率が第1群の52%であることを示します。

男性:大腸がん(0.52)、直腸がん(0.60)、 腎臓がん(0.62)、 食道がん(0.59)、肝がん(0.52)、肺がん(0.85)、胃がん(0.62)、すい臓がん(0.80)、膀胱がん(0.81)、白血病(0.80)

女性:大腸がん(0.65)、直腸がん(0.64)、腎臓がん(0.54)、食道がん(0.59)、口腔がん(0.71)、乳がん(0.81)、子宮内膜がん(0.40)

これらはほとんどがP-trend≦0.02(しかも多くが<0.0001)で、はっきりと有意差が出ています。

なお小腸がん(0.53)と胆のうがん(0.35)は、例数が少なく、男女合わせて解析してこの区分に入りました。

ただしメラノーマ(皮膚がん)だけ、男性(1.19)、女性(1.21)と、1群よりも5群のほうがリスクが大きくなりました。この解釈は次のページに書きます。

●本研究では、(全てのがんをまとめた)総発がんリスク、がんによる死亡リスク、(理由を問わない)総死亡リスクも1群→5群の順に(ガイドラインに沿った生活をするほど)小さくなることが示されました。

<総発がんリスク比>
1群→5群の順に
男性:1.00、0.96、0.95、0.93、0.90 (P-trend<0.0001)
女性:1.00、0.92、0.88、0.82、0.81 (P-trend<0.0001)

<がんによる死亡リスク比>
男性:1.00、0.89、0.88、0.84、0.75 (P-trend<0.0001)
女性:1.00、0.89、0.83、0.83、0.76 (P-trend<0.0001)

<総死亡リスク比>
男性:1.00、0.89、0.86、0.81、0.74 (P-trend<0.0001)
女性:1.00、0.89、0.79、0.74、0.67 (P-trend<0.0001)


ガイドラインに沿うほど(1群→5群の順に)きれいにリスクが低減し、P-trendの値も極めて小さいので、とても説得力があります。このガイドラインに従った生活をすれば、発がんやがんによる死亡リスクを低減できるだけでなく、脳卒中や心臓病なども含めて、とにかく死亡リスク全体を大きく(男性では26%、女性では33%も)低減することができるのです。

実に面白い研究で、この報告からさまざまなことがわかります。この論文をどう解釈するかは、次のページにまとめてみましたのでご覧ください。

2014年01月05日

ビタミンD

■ ビタミンDと院内感染

入院前の血中ビタミンD濃度が高い人は、低い人に比べ、院内感染のリスクが有意に低かった。ボストンの2病院に1993ー2010年の間に入院した2135例についてのレトロスぺクティブなデータ。 http://goo.gl/qLAC4m

■ ビタミンDと院内感染

入院前の血中ビタミンDが低いと術後の院内感染のリスクが3倍(有意)に高まる。マサチューセッツ総合病院に2007ー2011年に胃バイパス手術で入院した770例についての研究、アメリカ医師会雑誌から。 http://goo.gl/QvHBqr

(前の論文と同じ著者による、患者の質をもっと揃えた場合のデータ。研究者の言うとおり、こんどはビタミンDを予め補充したら感染が減らせるかどうか検討したらいい)

■ ビタミンDと感染

高齢者に1年にわたり高用量のビタミンDを毎月1回注射(60,000 IU/月)。感染が起きて抗生物質が必要になったかどうかを調査した。有意差はないが、投与群で抗生物質がいらなかった人が多かった。70歳以上に限ると、ビタミンD注射を受けた群では、抗生物質が必要になった人が47%も少なかった(有意)。オーストラリアの研究。 http://goo.gl/uHd6OC

■ ビタミンDと早産

非白人では、血中ビタミンD濃度が高い妊婦は自然早産のリスクが低い。白人ではこの関係は見られない。ピッツバーグ大の研究。 http://goo.gl/lX9qao

(非白人は一般に白人よりビタミンD濃度が低く、欠乏ぎみ。なので足りてる人との差が現れやすいのかも)

■ ビタミンDと腎機能

腎臓移植患者で血中ビタミンD濃度が低いと、腎機能の低下が早い。 http://goo.gl/RRlVYp

■ ビタミンDと疾患の相関

多くの疾患で、病気の人はビタミンDが低い。しかしビタミンDを補う試験をしても、疾患の予防効果はなかなか示せない。それは低ビタミンDが病気の原因ではなく結果だからではないか。病気で炎症が起きてビタミンDを消費しているのではないか、というフランスからの論文。掲載誌はLancet。 http://goo.gl/e4k1ip

(とても重要な指摘。確かにそういう一面はありそうだけど、どうもそれが全てと言うわけでもなさそう)

■ ビタミンDと人種差

黒人は白人より血中ビタミンDが低いが、ビタミンD結合タンパクも低い。その結果、生理活性のあるビタミンDはどちらも同じくらい。 http://goo.gl/jL6NvR

■ ビタミンDと妊娠糖尿病

妊娠糖尿病の妊婦54人をビタミンD群とプラセボ群に割付。開始時と3週目にビタミンD 50,000 IU またはプラセボを投与し、6週まで観察。ビタミンD群は空腹時血糖、インスリン値、インスリン抵抗性、インスリン感受性がいずれも有意に改善。総コレステロールもLDLも有意に減少。 http://goo.gl/6Kj2PH

2014年01月04日

ビタミンD(再掲含む)

■ ビタミンDと死亡リスク

ビタミンD値の低い人は、黒人でも非黒人でも、死亡リスクが高い。 http://t.co/y7iOk09w

■ ビタミンDと骨折

ホルモン補充療法を受ける女性がカルシウムとビタミンD(400 IU/日)を併用すると、大腿骨骨折のリスクが38%も減少する。36,000人を7年間追跡したアメリカのデータ。 http://goo.gl/b2vFxt http://t.co/1VZnzi3a

■ ビタミンDと乳がん

サウジアラビアの症例対照研究。乳がんの女性はそうでない女性より有意に血中ビタミンDが低い。ビタミンDが低いほど乳がんリスクは高まる。 http://goo.gl/hBhjEI

(サウジの女性は血中ビタミンDがとても低いのでびっくり。全身を覆う黒いローブとスカーフで日光を浴びれず、肌でビタミンDが合成できないためか)

(日本の女性も心配。日傘や手袋で一生懸命に日光を遮ってる女性が多いけど、ビタミンDのこと知ってる?)

■ ビタミンDと肺機能

カナダの3300人の横断研究。血中ビタミンDが低い人は肺機能が低い。肥満者ではそれがより顕著に。 http://goo.gl/PzzGJE

■ ビタミンDと骨密度

ビタミンDサプリの単独投与では骨密度を改善するエビデンスは弱い、というメタ解析。 http://goo.gl/xOQrF6

(カルシウムと一緒に投与すべきなのでしょうね)

■ 統合腫瘍学会(SIO)において

バンクーバーで行われた今年の統合腫瘍学会(SIO)では「がん治療に用いるサプリメント」のセッションが持たれた。数人の演者がウコン、ビタミンD、アストラガルス(黄耆)、ミルクシスル、オメガ3についてそれぞれ報告。委員会としてまとめた論文はこちら→ http://goo.gl/MYKrHT

(SIOは10年前、アメリカの3大がんセンター(ニューヨークのスローンケタリング、ヒューストンのテキサス大MDアンダーソン、ハーバード大のダナ・ファーバー)の人々が作った、がんの補完代替医療を検討する学会)

■ ビタミンDと肺がん

閉経後女性で喫煙したことの無い人では、ビタミンD摂取が多いと肺がんが少ない。喫煙者ではビタミンDのリスク低減効果はなくなる。アメリカの閉経女性13万人のデータ。 http://goo.gl/e7edDv

2014年01月03日

ビタミンD(再掲)

■ ビタミンDと胎児の発育

妊娠中の母親の血中ビタミンDが高いほど、新生児の体重は重く頭部周は大きい。 http://t.co/aq9UqbuD

■ ビタミンDと膝関節症

黒人の膝関節症患者は白人よりビタミンDレベルが低く、痛みに敏感。 http://t.co/v4fGNm9H

(ビタミンDは痛みを軽減するか?)

■ ビタミンDとリウマチの痛み

通常のリウマチ治療にビタミンD(500 IU/日)を上乗せすると、痛みが有意に軽減する。 http://t.co/zIHOANOn

■ ビタミンDと薬剤性の筋骨格痛

乳がん患者にアロマターゼ阻害剤を使うと筋骨格痛の副作用が問題になるが、高用量のビタミンD(50,000 IU/週)はその痛みを有意に軽減する。 http://t.co/QoT16xL0

■ ビタミンDと高齢者の痛み

超高用量のビタミンD(300,000 IU)を高齢者に筋注または経口投与したところ、TUG(起立歩行時間試験)、QOL、痛みを改善した。 http://t.co/XyyVNIVS

■ ビタミンDと慢性の筋骨格痛

中高年でビタミンDレベルが低い人では、慢性の筋骨格痛を訴える人が多い。 http://t.co/M2DUTXDH

■ ビタミンDと筋骨格痛

びまん性の筋骨格痛や膝関節痛の患者において、痛みとビタミンDレベルは関係ない。ビタミンD(50,000 IU/週)を3ヶ月投与しても効果がなかった、という報告。 http://t.co/uhALgpbZ

■ ビタミンDと膝関節症

JAMAの論文、146人の二重盲検試験。ビタミンD (2,000 IU/日)またはプラセボを2年間投与し、有意の差なし。

http://t.co/dK5bGeXc

(ビタミンD群がごくわずか良いようにも見えるけど、有意差はなし。膝関節痛に対するビタミンD補充は、効果がもしあるとしても、ごく緩和なものらしい)

(でもビタミンDは安いし安全だし骨にもいいから、膝の痛い高齢者は飲んでみたらいいと思う)

2014年01月02日

ビタミンD(再掲)

■ ビタミンDと骨折

ビタミンDは800 IU/日 以上で高齢者の骨折リスクを低減する、というNEJMの論文。3万1千人を対象にした欧米など多国籍の共同研究。11の二重盲検試験をプールド解析(計31,022人、平均76歳、91%が女性)した。ビタミンDをサプリで投与した群は、骨折リスクがわずかに低減(股関節部骨折は非投与群の0.90倍、非脊椎骨折は0.93倍に)。ビタミンD 800 IU/日以上投与した人に限ると、股関節部骨折のリスクは30%減(0.70倍)、非脊椎骨折リスクは14%減(0.86倍)に。 http://t.co/yt2PmbYN

(日本のビタミン剤のビタミンD含量はたいてい100 IUくらい。ささやかすぎる。ビタミンDは安全性は高く、アメリカでは1カプセル1000 IUくらい普通)

■ ビタミンDと転倒・認知症

後期高齢者で転倒する人の血中ビタミンDレベルは、転倒しない人より有意に低い。またビタミンD不足は認知症リスクと有意に相関する。 http://t.co/HQAMibwT

■ ビタミンDと認知機能

血中ビタミンD濃度が高いほうが認知機能(MMSE)が高い。アルツハイマーの人は対照群よりビタミンD濃度が低い。カナダのメタ解析から。 http://t.co/kfK7ZvEv

■ ビタミンDと多発性硬化症

血中ビタミンDが高いほど、MRIで見た脳病変が少ない。その後の再発や身体障害への進行も少ない。  http://t.co/d4Exs0IV

■ ビタミンDと急性気道感染

ビタミンDが不足しているモンゴルの子供では、300 IU/日のビタミンD投与は急性気道感染を有意に減少させた。 http://t.co/tN1woRBS

■ ビタミンDと前立腺がん

低リスク前立腺がんにビタミンD 4000 IU/日を1年間投与すると、生検で陽性コアが減少した。ビタミンDサプリメントが前立腺がんの進行(progression)を抑制する可能性を示唆。 http://t.co/yZvmqvmx http://t.co/scmOzvAK

■ ビタミンDと肥満・糖尿病

肥満者は血中ビタミンDが低いと2型糖尿病のリスクが高まる。 http://t.co/tPRdKbEI

■ ビタミンDと糖尿病

血中ビタミンDの低い人はHOMA-IRが高い(=インスリンが効きにくい=糖尿病 or 予備群)。日本人のデータ。 http://t.co/JKc8dl5E

2014年01月01日

ビタミンD(再掲)

■ ビタミンD誘導体の新薬

活性型ビタミンD誘導体の薬が慢性腎疾患の人の左心室機能を改善できなかった、というJAMA論文。 http://t.co/Ck9oDeLw

■ 直腸結腸がんと微量栄養素

カナダからの症例対象研究。まず食事にサプリメントも合わせた総摂取量で考えた場合、直腸結腸がんのリスクを下げるのは、カルシウム、ビタミンC、D、B2、葉酸。

次に食事からの摂取量だけを考えた場合、直腸結腸がんのリスクを下げるのは、カルシウムとビタミンD。鉄の摂取量が多いと、逆に直腸結腸がんのリスクが高まる、という結果。 http://t.co/uL1PMd0w

(つまりサプリメントでビタミンC、B2、葉酸の摂取量を増やすのはとても意味があるということ。)

(生理のある女性が鉄欠乏性の貧血を防ぐために鉄剤を摂るのは意味がある。しかし閉経後の女性や男性は漫然と鉄を摂るべきじゃない。あなたのマルチビタミン剤に鉄は入ってない? 一度ラベルを見たらいいです。)

■ ビタミンDと脳梗塞

血中のビタミンDレベルが低いと脳梗塞のリスクが高まる。 http://t.co/iqY2BtcJ

■ ビタミンD2(キノコ由来)とD3(魚・動物由来)の比較

D3のほうが単回投与では明らかに血中ビタミンD(25ヒドロキシビタミンD)を上げる作用は強い。1万IUを超える大量を単回投与するとき、明らかに効果はD3>D2。しかし1,000 IUを毎日投与する場合には、D3はいくらかD2よりいいが、有意の差は無い。  http://t.co/DtHTyPd5

(現実にはD2でもそんなに劣らないんだ。へえ)

■ ビタミンD3と25ヒドロキシビタミンD3

血中のビタミンD(25ヒドロキシビタミンD)を上げる作用はビタミンD3よりも25ヒドロキシビタミンD3のほうが強い。 http://t.co/rnGIOF3Z

■ ビタミンDと高齢者

60歳の4731人の血中ビタミンD(実際は血清25(OH)D)を測り体力を検査し12年間追跡した。ビタミンDの低い人は、高い人に比べ、「虚弱」であるリスクが1.94倍だった。

なお「虚弱」とは次の5つのうち3つ以上当てはまるもの、という定義。BMIが低い(やせ)、歩くのが遅い、弱い、疲労こんぱい、体を動かさない。

虚弱でビタミンDの低い人は、虚弱でなくビタミンDも高い人に比べ、12年のあいだの死亡リスクが2.98倍。アメリカの研究。 http://t.co/zCcl2SDH

(ビタミンDを飲めばリスクが下がるかどうかは別の話。でもビタミンDが低いのはまずい。健康診断でビタミンDを必ず測るようにすればいいのに)

2013年12月29日

オメガ3(再掲含む)

■ オメガ3と鎌状赤血球症

 鎌状赤血球症の子供140例にオメガ3を1年間投与。症状やイベントが対照群より有意に改善した。 http://t.co/ORq4Z2aM

■ オメガ3と喘息

 喘息の人(18-30歳)4100人を20年追跡。食事からのオメガ3の摂取が多い人は喘息発症のリスクが低い。 http://t.co/RGTR8VcT

■ オメガ3と冠動脈疾患

 1日1gのオメガ3投与はハイリスク群の冠動脈疾患の発症や死亡リスクに影響しなかった。12,500人のイタリアの研究、NEJM論文。 http://goo.gl/Q5oDI

■ オメガ3と新生児のアレルギー

 オメガ3はDNAのメチル化調節を介して新生児の免疫系発現(アレルギー抑制)に影響してるのでは、という論文。 http://goo.gl/sF1adN

 (妊娠中にオメガ3を摂ると、生まれてくる子供がアトピーなどアレルギーになりにくくなる。そのメカニズムの研究。オメガ3が体内で消炎物質に変わるというのは、前にResolvin D2 http://goo.gl/jYcNn0 が話題になった。今回のは似ているけど別の物質らしい。オメガ3の抗炎症作用は、アラキドン酸に置き換わることでプロスタグランジンE2の産生を減らす、というだけじゃない。安全だし、オメガ3いいなあ。)

■ オメガ3と自閉症

 妊婦のリノール酸(オメガ6)摂取が多いと、生まれた子が自閉症になるリスクが34%も低くなる。オメガ3摂取が少ない方の5%に属するお母さんでは、その他のお母さんに比べて、生まれた子が自閉症になるリスクが53%も高い。 http://goo.gl/wfSjXN

■ オメガ3と認知機能

 健康な中高年の男女65例にオメガ3を26週間投与。オメガ群はプラセボより認知機能が有意に良く、脳白質の微細構造も改善。オメガ3群は灰白質のボリュームが多く、動脈硬化は少なく、拡張期血圧は低く、末梢でのBNDF(脳由来神経成長因子)は多く、インスリンは低かった。TNF-アルファもIL-6も減少。オメガ3はよくある品質レベルの魚油1000mgを毎日4カプセル。対照群はひまわり油(オメガ6、オメガ9)。 http://goo.gl/K5SnTl

 (オメガ3と認知機能の最強データかも。)

■ 統合腫瘍学会(SIO)において

 バンクーバーで行われた今年の統合腫瘍学会(SIO)では「がん治療に用いるサプリメント」のセッションが持たれた。数人の演者がウコン、ビタミンD、アストラガルス(黄耆)、ミルクシスル、オメガ3についてそれぞれ報告。委員会としてまとめた論文はこちら→ http://goo.gl/MYKrHT

 (SIOは10年前、アメリカの3大がんセンター(ニューヨークのスローンケタリング、ヒューストンのテキサス大MDアンダーソン、ハーバード大のダナ・ファーバー)の人々が作った、がんの補完代替医療を検討する学会。このSIOががん治療におけるサプリメントの役割を真剣に考慮しているのは、とても重みがある。)

■ オメガ3とリウマチ

 食事からオメガ3をたくさん摂る人は、少ない人に比べ、リウマチになるリスクが35%低い。スウェーデンの3万2000人7.5年間のデータ。 http://goo.gl/X6eqw1

2013年12月28日

オメガ3(再掲)

 昨年の2月頃から、忙しくて記事をまとめる時間が取れず、ツイートを貼り直すだけになりました(この1年はさらに忙しく、それさえ満足にできていませんでした)。にもかかわらず、その間にもここを訪れて頂いた方には、お詫びと感謝を申し上げます。

 このままでは自分の覚書としても使い勝手が悪いので、年末年始を利用して、テーマごとにその間の記事を再集約してみます。まずは<オメガ3>から。


■ オメガ3と網膜色素変性症

 網膜色素変性症でビタミンAを飲んでいる人は、オメガ3の摂取が多いほど視力の低下が遅い。ハーバード大の研究。 http://t.co/zuXVR7TN

■ オメガ3と心臓動脈疾患

 心臓動脈疾患の患者2500人にビタミンB群とオメガ3を5年間投与。がんのリスクを低減する効果はなかった。 http://t.co/MXUc2EEs

■ オメガ3とがん

 オメガ3はがんのリスクを下げるという新しいデータ。フランスのSU.VI.MAXという多施設研究から。 http://goo.gl/BIs3w 

 ( ICAM-1(細胞間接着分子)が関係している。ICAM-1は細胞の表面にある糖タンパクで、細胞同士の接着などを助ける。がん細胞も表面にICAM-1を発現する。このICAM-1がちぎれて血液中に遊離したものがsICAM-1(可溶性ICAM-1)。sICAM-1はリンパ球の働きを阻害し、がん細胞の浸潤や転移を促進する。

 今回の研究は血中のsICAM-1濃度と食事からのオメガ3の摂取をかけあわせたもの。sICAM-1濃度を測定し、高い群・中間の群・低い群にわけ、がんのリスクを比較した。低い群に比べ高い群では、オメガ3の摂取が平均以下だと、がんのリスクが2.8倍だった。オメガ3の摂取が平均以上なら、がんのリスクに差は無かった。sICAM-1の悪さをオメガ3が打ち消している、と解釈できる。)

■ オメガ3とsICAM-1

 オメガ3をサプリメントで摂るとsICAM-1が低下する。18の二重盲検試験のメタ解析、中国から。 http://t.co/NBRSs8tr

 (脂肪酸は炎症・免疫系だけ見ても、かなりいろんなことをやってるようだ。がんの人はいい油を摂ることがほんとに大事。)

■ オメガ3と多発性硬化症

 92例の多発性硬化症患者にオメガ3またはプラセボを6ヶ月投与。オメガ3は多発性硬化症の活動度に影響を与えなかった。ノルウェーの二重盲検試験。 http://t.co/WOW3iaZh

■ オメガ3と前立腺がん

 525人の前立腺がん患者の食事と予後を調査。オメガ3のDHAと魚の脂肪酸の摂取が多い群では、前立腺がんによる死亡率が40%低い。 http://t.co/9cZhaw6L

■ オメガ3と遺伝子多型

 持っているアラキドン酸代謝酵素の遺伝子型の違いにより、オメガ3の効果が違う、という論文。黒人にオメガ3の効果が出にくい遺伝子型を持つ人たちがいる。 http://t.co/HeePNF66

 (こういう話は、もちろん黒人に限らないし、オメガ3にも限らない。体質によって微量栄養素への反応はまちまち、ということ。そういう中で、作用の峻烈な医薬品のために考案された試験方法を用いて、作用の緩和な微量栄養素の効果を「立証する」のがどんなに大変なことか。)

■ オメガ3と死亡リスク

 オメガ3のサプリは全死亡率、心臓疾患死、突然死、心筋梗塞、脳卒中のリスクを低減しなかった、という20研究のメタ解析、JAMA論文。 http://t.co/KW8qs6B6

■ オメガ3とビタミンB6

 ビタミンB6不足気味の食事を続けたら、血中のオメガ3(アラキドン酸, EPA, DHA)が減少し、オメガ6/3比が高まった、という報告。 http://t.co/SOzGhTKQ

 (ビタミンB6は脂質代謝にも関与するので、血清の脂質のバランスが好ましくない方向に変わる。これが血管系の不具合をもたらし、心臓動脈疾患のリスクが高まる、という筋書き。)