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米国統合医療ノート RSSフィード

 食事・微量栄養素・サプリの研究が世界中でどんどん進み、その効果も限界も、
 次第に明らかになっています。このブログではその最新情報をご紹介します。

2010年09月01日

090110

心筋梗塞とオメガ3不飽和脂肪酸

オメガ3不飽和脂肪酸と心筋梗塞の論文がニューイングランド医学誌に載りました。オランダからの報告です(ソースはこちら)。

オメガ3といえば魚由来のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が有名ですが、植物由来のALA(アルファリノール酸)もあります。オランダの研究者らが心筋梗塞の患者にこれらを長期間投与し、循環器疾患の発症を調べました。

60歳から80歳の心筋梗塞のあった患者4837人が対象になりました。この人たちは78%が男性で、しかるべき抗高血圧剤、血栓溶解剤、脂質低下剤などは飲んでいます。

対象者に、4種の試験用マーガリンを、40ヶ月取り続けてもらいました。それぞれ活性成分を次の量だけ含んでいます。(1)EPA+DHA群:EPA+DHA 400mg/日、(2)ALA群:ALA 2g/日、(3)EPA+DHA+ALA群:両者の合計、(4)プラセボ対照。

そして40ヶ月観察し、大きな循環器イベントが起きるかどうかを観察しました。大きな循環器イベントとは、致死性および非致死性の循環器イベントと、心臓への治療介入です。

すると患者らは平均18.8gのマーガリンを毎日摂り、各群ともほぼ狙い通りの活性成分量を摂取しました。

観察期間中に、671人(13.9%)が大きな循環器イベントを引き起こしました。そしてイベント発症と各マーガリンの関係を分析しました。

するとプラセボ群の発症リスクを1.0としたとき、EPA+DHA群の発症リスクは1.01倍と、プラセボ群と変わりませんでした。

ALA群のリスクも0.93倍で、プラセボ群と有意差はありませんでした。

女性だけについて見ると、ALA群のリスクは0.73倍でした。これは有意差に大分近づきました(P=0.07)。

研究者らは、適切な治療を受けている患者がこのような低用量のオメガ3を加えても、有意な違いは見られない、と結論しています。

オメガ3の循環器への好影響はいくつもの報告がありますが(こちらこちら)、今回は有用性が認められませんでした。研究者の言うとおり、投与量が足りなかったのかも知れません。薬の効果が栄養の効果をマスクしたのかも知れません。また心筋梗塞の後なので、皆が生活に気をつけるようになったのかも知れません。

そして気になるのはマーガリンです。1日18.8gのマーガリンのうち有用成分は400mgとか2gです。残りの油脂はどんなものだったのでしょうか。毎日そんなにマーガリンを摂る習慣の無かった人も、40ヶ月もマーガリンを摂ったのですね。単純にサプリメントで試験できなかったのでしょうか。

(last updated 9/1/2010 H)

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