大阪圭吉が評判なのは知っていました。でも、それも「戦前の作家にしては」って事だろう? とたかをくくっていました。間違いでした。現代にも通じる、すばらしい短編集です。まさに全編これ本格です。かなりの濃厚さにげろ吐きそうです。ほめてます。いやあ、とにかくびっくりしました。あまりに面白くて。挿絵も味があっていいです。いろんなアンソロ
ジーでとられている作家ですが、僕が読んでいたのは『怪奇探偵小説集1』に収録されていた「幽霊妻」だけでした。私的ベスト3は「三狂人」、「
灯台鬼」、「動かぬ鯨群」。1作だけだと「三狂人」かな。この論理さばきには脱帽。