『予告された殺人の記録』感想

予告された殺人の記録 (講談社ノベルス)

予告された殺人の記録 (講談社ノベルス)

うーん、正直いまいち、いや、いまみっつくらいな印象です。本格ミステリではあるのですが、ちっぽけな恋愛小説的展開やハリウッド映画的なカーチェイスなど不必要と思われる要素がふんだんに取り込まれています。文章もこなれてはおらず、ノベルスにして270ページ程度なのにひどく冗長に感じました。ラストのアクロバットが読みどころなのでしょうが、似たような前例があるのでさほど驚けず、効果的だとも思えません。自画自賛的なあとがきや、著者紹介で小学三年生のときのIQが170だったことを自慢しているのもお寒い限り。作中もっとも萎えた文章は


キスからドッキングまでほどよく取り揃えたセックスのフルコースは、私にとっては世界最高のディナーだった。


というところ。こんな文章読まされたらさすがに脱力します。ドッキングってすごいな。