パチ怪獣サミット2006春。

 よりによって東京(しかも新宿)に用件がある日に、新宿駅大工事で列車運休ってのは何よ? それに伴う山手線の臨時ダイヤはすさまじく、帰りは夜9時を回っていたというのに2分ヘッドという超過密ダイヤ。普段が埼京線との2路線でいかに捌いていたかがよく分かった。
 それはともかくパチ怪獣である。怪獣仲間の方と合流して、そのまま会場となる新宿ロフトプラスワンへ。今回も狭い会場にお客がびっしり(後の発表によると127名だとか)。予定通り19:00頃開幕。さて、今回はどんなネタかというと……。

<特撮ヒーロー絵本・仮面ライダー&サンダーマスク&メガロマン>

 これらは全てきちんと版権を取った絵本だが、絵柄がすさまじくぶっ飛んでいて(お見せできないのが残念!)読む方を脱力させる。例えば仮面ライダー絵本の場合は明らかにデッサンが変で、TV版どころか石森の絵にも似ていない。おまけにショッカー怪人・ドクガンダーのつけているベルトの細部が適当だったりと「まともな資料は無かったのか?」と思わせる脱力ぶり。しかも最後の爆発の効果音は「ドカーン」とかじゃなくて「バッザーン」! 初めて聴いたぞ、こんな擬音。

<怪獣かるた>

 これは問題作。箱の写真はいかにもパチモンなのだが、中身がヒドい。パチモン商品ならば、既存の怪獣に対して角やらヒレを生やしたり色を変えたりしているのが普通だが(いや普通というのも変だが)、ここに出てくる怪獣絵札はそんな手間を一切かけておらず、どこかから拾ってきた図版をそのまま流用。それだけならまだしも、元となった怪獣の設定を一切無視した適当な読み札は、笑いどころか怒りを買うばかり。
 どれくらい適当かというと「め メタリウム光線口から発射」で絵札がガメラとか、「ろ ロボット怪獣世界征服をねらう」で絵札がダストマンとか……。ね、適当でしょ? 極めつけは「け ケムール人地球でおおあばれ」で絵札がヒバゴン。適当にも程があるわ!

<怪獣プラモ・ゴーゴンバット>

 誰、それ? と思ったあなたは正しい。俺だって知らなかったが、こんなブログを見つけた。→ココ。名前からして「黄金バット」のパクリにしか聴こえないのだが、実はコイツは正義の怪獣で、宇宙から来た悪の怪獣・ブラックイーグルを迎え撃つ良い奴なのだ。で、このプラモにはそんなゴーゴンバットだけでなく、敵怪獣ブラックイーグルのプラモもおまけで付いてくる。その中身が→コレ。うわぁ、超簡単だよ!2体作るのに3分かそこらで作れちゃうよ、これは。
 しかし作る側も何を思ったか、第2段として「怪獣プラモ・ゴーゴンキジラ」(←え、雉!)なるものを発売。しかもこちらにもブラックイーグルがおまけで付いてくる。いらんわい! ちなみにこんなバカプラモを製造・販売したのは、現在は鉄道模型マイクロエースとして名を上げているアリイ。そう、太陽系戦隊ガルダンを生み出したあのメーカーである。

<大激突!ウニゴン対アゴラ>

 パチ怪獣サミット2005秋でも大好評だった「週刊少年キング」の連載絵物語第二段である。もちろん作者は大伴昌司。沈没船探索に向かったダイバーの前に、突如としてウニの怪獣ウニゴン*1が出現、ダイバーをいきなり食べてしまう。そんなウニゴンの前に、今度はアンコウの怪獣アゴ*2が出現し、ウニゴンを食べようとする。かくして二大怪獣の大激闘が始まるわけだが、さすがは大伴、話の細部が妙に凝っている。
 人の味を覚えたウニゴンは三崎港に出現し、海水浴客を次々と捕食。一方のアゴラというと、横須賀に寄航しようとした空母エンタープライズを体当たりで撃沈。うわぁ、いいのか? かくして横浜市内で再度出会った2体は凄まじい戦いを繰り広げるが、放電能力を持つウニゴンは炎が苦手であり、逆に火炎を吐けるアゴラは電気が苦手という弱点があった。お互いの能力がきちんと干渉し合っているという設定はいいですね。そこで科学者や防衛隊の人々は、二体の好物を利用して引き離し、ウニゴンには火炎放射を、アゴラには電気ネットを被せて退治するのだった。うーん、熱い。大伴昌司の空想力には驚かされるばかりだ。子供の頃にこの手の話をもっと読みたかったよ。

<かいじゅう特そう隊 かいじゅうゴランをたおせ!>

 さて……これもオリジナル怪獣ストーリーだが、発行形態は紙芝居であり、しかも発売元は小学館。さらに朗読や効果音入りのソノシートまで同封されている。そんなメジャーなところが作った怪獣紙芝居が、はたしてどんなものかというと……。
 正義の組織・怪獣特捜隊の大ファンだという子供新聞の記者2名(男の子と女の子&犬1匹)が、大きな卵を産んだダチョウの取材に向かうために動物園へ。ところがその卵は空飛ぶ怪獣ゴランのものだった。たちまち巨大化して飛び去ったゴランを追い、怪獣特捜隊はスカイマリン一号(海空両用?)で追跡を開始。大雪山の洞窟に逃げ去ったゴランを追って、隊員と記者2名&犬(なぜか付いて来ている)が見たものは……!
 話もぶっ飛んでいるのだが、何より凄いのはおまけのソノシート。効果音入りなのにも関わらず、効果音の台詞をきちんと表現していること。「キイーン」とか「グワァー」というところまで、どこかのおっさんが大熱演している。それなりに盛り上がってきたところで、この効果音台詞に何度も脱力させられたことか。
 ……以上でネタは終了。最後にアマプロの喜井氏から、残念ながら今回で「パチ怪獣サミット」はとりあえず終了、という告知が。え、終わっちゃうの? と思ったらそうではなく、次回からは「パチモンサミット」として、怪獣に限定せずアニメやSFネタも紹介するという。おお、楽しみだ!

*1:水爆の放射能を浴びたプランクトンを食べたウニが怪獣化したもの。怪獣の誕生方法としてはちょっと遠回し?

*2:誕生方法はウニゴンと同じ。