第16回口頭弁論傍聴記 2


原告証人尋問続き。



被告側代理人反対尋問。


◆証人は在特会HPで襲撃予告を見て、被告らが、朝鮮学校が公園を不法に占拠しているという主張だったと。
それは意見が異なる。

◆調査を踏まえてここは不法占拠だと主張したのは知っていたか。
主張したのは知っている。

◆学校で協議をしたと言うが、在特会のメンバーが言う公園の不法占拠という事実は本当だろうかという観点からの協議はなかったのか。
その時はなかった。

◆では、彼らが本当か嘘かわからないままの協議だったのか。
いえ、その時は、不法占拠か否かというそのものの話はなかったという事だ。

◆では、不法占拠かどうかを議論したのは何時ごろか。
私個人が、それが話に出るようになったのは、恐らくこの案件の刑事裁判の過程においてだ。

◆逮捕は8月なので、3回の街宣が終わり、保護者としてはその後という事か。
私がそれを担当したとか、直接、調査した事はない。

◆陳述書で学校の先生と協議したりという場面が出てくるが、不法占拠の調査は特に相談しなかったという事か。
個別に何かした事はない。

◆学校の中で、弁護士や先生の中で協議した事はないのか。
間接的に聞いた事はある。

◆何時ごろ。
8月の被告ら逮捕以前に、学校にも取り調べがあり、その過程ででてきた事がある。

◆それまでは、公園に置いてある朝礼台とかは、問題になるのだという認識はなかったという事か。
それは校長先生が略式命令を受けた過程で、京都市から連絡を受けたと聞いたが、具体的な内容は知らない。

◆では略式命令の経過の話を聞くまでは。不法占拠かどうか、特段な話は聞いていないという事か。
特段なとはどういう意味か?

◆(在特会)HPを見ているから、あそこにゴールポストがあり朝礼台があるという事が問題だとは知っていて、彼らが言っていたのは知っていたと。
彼らは言っていた。

◆そこで彼らが言っていたのは本当か嘘だろうか、そういう事について協議しなかったのかと訪ねている。
先ほども言ったが、刑事事件の過程の中で、苦情が来ており、2010年の1月に撤去するという文脈で知った。

◆何回も重複するが、サッカーゴールを置いているのが不法占拠に当たるかどうかという協議をするというのは、学校の中でも弁護士からも協議したというのをご存じないという事か。
はい、ない。

◆結果として取り調べを受けた校長先生が、一定の期間であるが不法占拠を認め、略式命令になったのは知っているか。
不法占拠という事か?

◆不法占拠という言葉には確かに教唆的なものも含むが、都市公園法違反で処罰を受けたのはご存知か。
はい。

◆その事について、保護者としてはどのように感じるのか。
私個人としては、戦後ずっと朝鮮学校が不法占拠してきたという事で、校長が略式命令を受けたとは思っていない。

◆しかし、都市公園法違反で略式命令を受けた。その事についてはどう思っているのか。
その件は、この事件と関連しないと思っている。

在特会の人らは、不法占拠だというのを大義名分にしていた。
はい、彼はしていた。

◆それを撤去する事で奪還すると街宣をしてきた。実際、それを置くことが不法と後で確認された。
それは校長先生が略式命令を受けるに至って知った。

◆それは在特会側の主張の一部で、直接的本質な部分ではないと言われるかもしれないが、それには理由があったと思わないか。
いえ。先ほども言ったように、彼らが言う、戦後から不法占拠し続けたという事と校長先生が京都市からの連絡を受けての話し合いと別次元であると認識している。

◆証人は在特会の街宣のために保護者の協議の場に参加したか。
子供たちの不安を取り除くために保護者で相談した。

◆子供たちを守ろうと、それで対処していたという事でいいか。
学校内部、周辺ではそうだ。

◆そういう協議は何時までしていたのか。
何時まで?

◆例えば3回目の街宣の後もしたのか。
3月の対応の反省も含め、4月に行った。

在特会のメンバーが8月に逮捕された。その時期にも協議したのか。
刑事裁判のために何かを(対応のための協議)したというのは私個人はない。

◆子供たちの心配と恐怖、それから子供たちを守るための対策のために話し合ったというのはないのか。
話し合いになるかどうかわからないが、それにまつわって弁護団に講師にきて頂いて講演を開いた。

◆本件学校は、昨年の4月に休校する事になった。
はい。

◆休校の原因は何だったのか。
私が聞いているのは、できるだけ新しい学校ができる前に、学校統合に慣れさせると聞いている。

◆地域住民からの苦情が、在特会の街宣以降も出ていたとかはなかったのか。
具体的には知らないが、幾つかあるというのは聞いた。

◆いま、お子さんが言っている学校が変わったが、見守りとかは続いているのか。
留学していたので、今はわからない。

◆自身がやるという事はないのか。
今年度、そういった行動は、私はしていない。

◆先ほど原告主尋問で、子供を学校に通わせる経緯を聞いていた。言うように日本において、民族的なアイデンティティ育んでいく民族教育は、私たちも必要だと思っているが、現在の朝鮮学校の民族教育というものはどういうものだろうという疑問があがっているのは知っているか。
批判をする人もおられると。

◆証人はそれにどのような意見があるのか。
本件と関連するのか?

◆街宣の中で、朝鮮学校の教育が問題であると、個人崇拝の教育が行われていると発言している。その事に証人はどう感じているのか。
私は、朝鮮学校に通った事はない。その限りで私はなんともいえないという事と、私の子供が直に接してみて、南北朝鮮の話しもするし、学校の話しもする。そういった限りでは、今言ったような印象はない。

反対尋問以上。



原告側追加尋問。


◆陳述書別紙を示す。証人はこの一覧表を見て確認した事はあるか。(見守りスケジュール表など)
はい、ある。

◆これを見ると、3月28日以降もずっと6月まで行われている。
はい、されている。

◆8月の逮捕以降もされている。
はい。

◆逮捕されたからもう安全だ。見守りは大変だからもうやめようという議論はあったか。
ずっとそれがルーティン化していたので、基本的に続けていこうとなっていた。

◆この見守りというのは、父母の皆さんに、どの程度の負担があるのか。
仕事抜けてこなければいけない人がたくさんいた。ちょうど3時半から4時半の間だったから。多くの人らにとっては負担が大きかった。

◆証人は留学という事で、今は知らないと。
したかったけど、できなかった。

原告代理人交代。

◆地域住民から苦情があったというが、逆に励まされたという事はあるか。
それはいろんな形、行事があるたびに交流があるので、私自身は好意的に受け止めてくれていると、私自身は認識している。

(裁判長:事件の後、好意的な対応をしてくれたという事はあるか)
はい。そういう方もいる。

◆例えば。
大変やなと、学校の先生に言ったりとか、間接的ではあるが聞いた。



被告側より八木氏が追加尋問。

◆Cさん(朝鮮学園理事長)ですか、朝鮮学校の理事長は現場にはいたのか。
(裁判長:どういう観点から聞いているのか)
◆私たちの侮辱発言というか不適切な発言、それを直接、Cさんは聞いたのかを確かめたい。
(裁判長:うーん。質問に答えるならばお答えください)
12月4日でいえば、私も必死だったので、正直、記憶が薄れたというかわからないので、声を聞いたかどうかわからないが、終わった後にはいたと記憶にある。

◆他の街宣では?
その点は記憶にない。

(裁判長:12月4日の街宣の後、お子さんが学校にいくのを怖がったとかいやがったというのは実際にあったのか)
怖がったとか、態度にだしてというのは、私の子供にはない。でも、他のお子さんはあったと聞いている。


以上、A氏尋問終了。