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ゆっくりいこう

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2016-05-28

[] ボールを持たされて1-1の引き分け

 アウェイ長崎戦の前日。

 ジェフは大韓航空機のエンジントラブルによる影響を受け、陸路で長崎まで移動したそうです。

 どうもジェフだけが被害を受けたわけではないようで、空路でアウェイに遠征する予定だった他チームでも苦労したところがあったようです。


 イングランドで長らくコーチを務めていたミラー監督が、日本は国土が広いため飛行機移動が多く、長時間飛行機に乗っていてもまだ日本だったという話をしていました。

 国土の広さだけでなく細長い国でもあるので、どうしても移動が大変にな部分があるのかもしれません。

 こういったトラブルが起こった時こそ、選手やスタッフの対応力が求められますね。

 ただ、この試合における一番の問題点は、コンディション面ではなかったようにも思います。

■1点を取り合った前半

 ジェフは怪我で離脱していたアランダが、いきなりスタメンで復帰。

 ボランチが少しずつ復帰してきたと思いきや、今度は山本が再び不在。

 山本も怪我明けで、無理をしていたところがあったのでしょうか。

 この試合でのアランダは、長澤とボランチコンビを組むことにないました。


 前節開幕戦以来の勝利をあげた長崎は、前節と同じスタメン。

 ベンチには開幕戦から5月上旬までスタメン出場していた、パク・ヒョンジンが復帰。

 また、元ジェフのGK大久保は今季も不動の守護神となっています。



 立ち上り、長崎が積極的に前へ仕掛けていきます。

 2分には長崎のCK。

 中央とニアにフリーな選手がいたものの合わず、ボールは逆サイドに流れます。


 9分にも長崎の決定機。

 中盤で奪ったところから、梶川が素早くDFの裏へ出してカウンター。

 永井がイを抜き去りシュートまで持ち込みますが、GK佐藤の正面。


 10分にはジェフの攻撃。

 井出がハーフウェイラインから、ドリブルで持ち上がります。

 そのままミドルシュートを放ちますが、バーの上を逸れます。



 先制したのは長崎。

 13分、左サイドの松本がカットインしていって、中央の永井へパス。

 永井がタメを作って、逆サイドを走り込んできた岸田に展開。

 フリーの岸田がクロスを上げて、佐藤洸一がヘディングで合わせてゴール。


 岸田が完全にフリーになったところから、やられてしまいました。

 長崎の複数選手が左サイドに寄ることで、ジェフのDFライン全体が右サイドに寄り、近藤も永井に付いていったことでスペースが出来てしまった。

 それを埋めるため阿部が絞った結果、岸田の前が空いてしまったことになります。

 全体的なバランスが悪かったのが問題でしょうが、阿部が中に絞りすぎた印象もありました。


 その直後にも、長崎のチャンス。

 永井が前線でチェイスをして、バックパスを受けたGK佐藤がパスミス。

 これを梶川が拾ってクロスを上げ、永井がヘディングでゴールを決めるも、ギリギリのところでオフサイド判定。



 1点を失ったジェフですが、17分に同点ゴール。

 左サイド奥から長めのスローインをエウトンがワンタッチで落として、井出が思い切ってミドルシュート。

 角度のないところでしたが、これがGK大久保の脇をかすめて決まります。

 井出の見事なゴールで1-1に。


 試合序盤はどちらのチームも守備が安定しない展開に。

 ロングボールを蹴って前の選手が落とし、そこに走れば簡単に前が取れるような状況でした。

 長崎の先制ゴール前にもお互いに1本ずつミドルシュートを放つ場面があるなど、打ち合いになりかけていました。



 しかし、ジェフが先制ゴールを上げてからは、長崎が引いて守る形に代わっていった印象です。

 長崎は変則的な5-3-2か4-4-2といった印象で、前線をハーフウェイラインの後ろまで下げて守りを固める展開に。

 結果的に、ジェフがポゼッションする時間が長くなっていきます。

 けれども、ジェフはこの試合でもビルドアップがうまくいかず、動きが少ない流れになっていきます。


 ただ、長崎の守備も安定感はなかった。

 守備時は4-4-2の時間が長かったと思いますが、ゾーンでボックスを形成するといった印象はなく、状況に応じてSHが下がって5バック気味になったり、中盤がふらふらと前に出ていったり。

 それらが連動して動いていけばいいのでしょうが、周りの選手の反応も遅く選手が動く分、スペースが出来てしまう。

 前線からのプレスもほとんどないようなもので、対人で何とか守るといった展開が多かったと思います。



 37分には、ようやくジェフのチャンス。

 町田が後方からのボールをうまくすらして、エウトンが中央で粘って繋ぐと、町田が裏へ抜け出す形となります。

 そのまま放った町田のシュートは、GK大久保がセーブして相手DFがクリア。


 続いてそのクリアボールを逆サイドの阿部が拾って、素早くアーリークロス。

 船山が触りますがシュートまでは持ち込めず、GK大久保が対応します。

 その後も大きな動きはなく、1-1で前半を終了します。

■後半ジェフは失速し1-1の引き分け

 後半に入ってから、長崎は前半より前からのプレスを強めていった印象です。

 しかし、基本的にはジェフがボールを持ち、長崎が守る展開に変わりませんでした。


 前半同様、なかなかチャンスを作れないジェフ。

 55分には、長澤が中盤で思い切ってミドルシュート。

 しかし、ゴールの右を逸れます。



 それ以降はジェフの運動量が落ち、試合の動きが少なくなっていきます。

 長崎は無理をしない選択を取ったのか、サイドの選手が前に出てこなくなってきました。

 5バック気味に守る時間が長くなって、守備のバランスが落ち着いていったように思います。


 68分、両チームの選手交代。

 長崎は松本に代えて、パク・ヒョンジン。

 ジェフは町田に代えて、吉田を投入します。

 吉田は右SHに入り、船山が中央に移りました。


 その直後には、ジェフの攻撃。

 ハーフウェイラインで船山が3人を引き付けて、吉田に展開。

 吉田が長い距離を持ち込みシュートを放ちますが、GK大久保がセーブ。



 75分には長崎の攻撃。

 左サイドからセンタリングを上げ、永井がヘディング。

 シュートは枠を逸れます。


 しかし、後半途中からの長崎は攻撃時の距離感も良くなって、攻撃回数が増えていきます。

 77分、長崎の選手交代。

 岸田を変えて中村を投入。


 84分にも長崎の攻撃。

 永井が前線でキープしたところを、ジェフDFが倒してFK。

 ゴール正面の良い位置でしたが、李栄直の放ったシュートは壁に当たって終わります。



 86分、ジェフの攻撃。

 右サイドで船山が繋いで、多々良がクロス。

 エウトンがヘディングでゴールを狙いますが、枠には飛ばず。


 87分、ジェフは船山に代えて菅嶋を投入。

 90分には、長崎が佐藤に代えて田上。

 ジェフは井出に代えて北爪を投入。


 後半アディショナルタイム。

 長崎が角度のないところからFK。

 これを前田が直接狙いますが、GK佐藤がセーブ。

 その後の連続CKもジェフがしのいで、1-1の引き分けで終りました。

■ボールを持たされて苦しむ展開

 前半はジェフが優位に試合を進めたものの、後半から長崎の守備が落ち着いていった試合。

 冒頭で話した移動の影響がどこまであったのかはわかりませんが、後半のジェフは失速した印象があります。

 ただ、ジェフは前節岐阜戦でも前半から飛ばしていきましたし、この試合でもそのパターンだったのではないかと思わなくもありません。


 ジェフが前半の方が動けていたこと。

 あるいは長崎の守備が前半バタバタしていたことを踏まえても、前半のうちにリードできなかったこと。

 これが極めて大きな試合だったと思います。 


 正直、あの守備に対して1点しか取れなかったというのは、ちょっといただけないのではないかと思います。

 それほど特に前半の長崎の守備は、かなり不安定だった印象です。

 やはり前節山口に勝利したとはいえ、下位に沈む理由はそれなりにあるのだろうなと感じました。



 攻撃の形が作れなくなったのは、お互い点を取り合った20分あたりからだったと思います。

 この時間帯から、長崎は後方に引いて守るようになった。

 ジェフからすれば、後方の選手がかなり高い位置まで楽にボールを持てる展開になっていきました。


 しかし、そこからビルドアップが展開できず、チャンスを作ることが出来なくなっていった。

 これは後半に入ってからも大きく変わらず、ビルドアップの課題が大きく出た試合だったと思います。

 この試合における一番の問題点は運動量の低下ではなく、ビルドアップだったのではないでしょうか。



 振り返ってみれば、岐阜戦での攻撃もカウンターが主体でした。

 細かなビルドアップからのチャンスは作れず、高い位置で奪ってのカウンターが多かった。

 奪った3得点もカウンターでのものばかりでした。


 この日も立ち上がりは長崎が前に出てきていたので、その裏を突くような形でシュートまで持ち込めていた。

 しかし長崎は1-1になってから、極端に引いていきました。

 それによってジェフはボールを持てるようになってしまった。


 見方によっては、ジェフが優位に進めていたようにも見えるとは思います。

 しかし、前半1-1になってからは、37分の一度きり。

 後半に入ってからもミドルシュートばかりで、決定機は作れませんでした。



 長崎としては守備が不安定で仕方なく引いたという面もあったかもしれませんが、「ジェフはボールを持たせた方が怖くない」という判断もあったのかもしれません。

 実際、後方からのビルドアップでゴールというのは、今のジェフには想像しがたい。

 今回の得点もそうだったように、バタバタとした状況で2列目の選手が個人技でゴールを決めるといった展開の方が期待できる。


 もしかしたら、今後の試合でも「ジェフにはボールを持たせてカウンター狙い」というチームが多くなってくるかもしれません。

 そうなれば、ジェフがカウンターを仕掛ける機会は減ってくるかもしない。

 そうなった時に、コンスタントに攻撃の形が作れるかどうか。



 やはり最終的にはビルドアップの質を高めることが、求められてくることになるのではないかと思います。

 ここ数試合は前線の選手たちのコンディションの良さと、相手の問題に救われていた部分もありましたが、それだけで勝点を稼いでいくのは難しい。

 細かくつなぐ形ではなくても、相手が守備を固めた時にチームとしてどのようの得点を狙っていくか。

 遅攻時の共有意識を持てるかどうかが、重要だと思います。


 今はエウトンや町田、井出などが好調な印象ですが、それもどこまで続くかはわからない。

 夏場に入れば調子を落としてくる選手もいるかもしれないし、そうなってくれば個人技での得点は難しくなってくる。

 コンスタントに攻撃の形を作れるようになるためにも、今のうちにチームとしてどういった攻撃を作るのかを明確にしていくことが重要なのではないかと改めて思います。

2016-05-27

[] 前節山口戦で開幕戦以来の勝利をあげた長崎と対戦

 昨シーズンは6位で終え、プレーオフ進出を決めた長崎。

 しかし、前節終了前の段階では最下位。

 勝ち星も第1節金沢戦から遠ざかる、苦しい状況でした。



 前節の対戦相手は、C大阪に4-2で勝利した山口。

 アウェイゲームでもあり厳しい試合が予想されましたが、立ち上がりに2点を奪い試合を先行。

 試合終盤にも追加点を奪って、3-0で勝利しました。


 この試合で長崎は4-4-2にシステムを変更。

 2013年に昇格してから長らく3バックをベースに戦ってきた長崎ですから、大きな変化だったのではないでしょうか。

 しかし、高木監督は横浜FCでも4-4-2で堅守を作った経験のある監督でもあります。



 今年の長崎は失点が非常に多く、総失点数19はJ2で19位の成績。

 昨年は総失点数33でJ2で2番目に良い成績だったわけでですから、チームの武器が失われていたことになります。

 そこで4-4-2にして前からプレスに行き、コンパクトなサッカーに変更していったということでしょう。


 山口戦では相手の出来が悪く守備でも簡単に裏を取られ、攻撃で運動量が少なく得意のパスワークが展開できない状況でした。

 それでも長崎にとっては90分を通じて安定して守備を構築したことは、大きなプラスだと思います。

 4-4-2でコンパクトな布陣をできるだけ維持して、奪ったら縦に速く攻めるというスタイルは、現在のトレンドでもありますね。



 対するジェフは、2連勝でアウェイ長崎戦に臨みます。

 現在8位と順位はまだ中位ですが、2位との勝点差は3にまで縮まりました。

 2連勝したとはいえ、それまで1ヶ月勝ち星がなかったわけですから、この差は意外でもあります。

 優勝候補と言われたC大阪や清水が低迷し、混戦となっていることも大きいのでしょうか。

 いつの間にか、清水を抜いていましたね。


 ここ2試合は2-0、3-2と勝利しているわけですから、攻撃陣が結果を残していることが大きいでしょう。

 エウトン、町田の調子がよく、そこから前に圧力をかけることが出来ている。

 ただし、熊本はコンディションに、岐阜は守備面に問題があったように思います。

 前節山口を相手にして、完封に抑え込んだ長崎相手にも通用するかが注目ですね。



 一方で、岐阜戦で気になったのは守備面。

 1点目はCKの流れから完全にマークを外し、ゴール前でフリーな選手を3人も作ってしまいました。

 今年も左右への揺さぶりに弱い印象です。


 また、2失点目はジェフが3点目を取った直後にやられたもの。

 視点に至る流れにおいても、簡単にバイタルエリアを取られ、相手のクリアボールへの反応が遅れ、攻撃を作られてしまった。

 その後のCKからの流れでやられたもので、完全に気が抜けた状態だったと思います。



 何度か話していますが、今年のジェフは得点を奪ってから減速してしまうことが多い印象です。

 岐阜戦で先に2点取ってからも、攻撃の形が作れず防戦が長くなってしまった。

 2-0でリードしたから無理に攻めなかったという可能性もありますが、2失点目の状態を思い返すとそれだけでもないような気がします。


 ビルドアップが安定しないから、常時良い形で攻めるのが難しいのか。

 深く守るスタイルだから守備に回ると押し込まれ、ボールの奪いどころが低くなってカウンターを狙い続けるのが難しいのか。

 同じ4-4-2でも現在のトレンドとは、コンセプトが違うサッカーになっている印象です。

 

 しかし、それらを差し引いても2失点目までの流れは酷かったと思います。

 ここ数年、簡単に失点してしまうことは珍しくないとは思いますが、あそこまで気が抜けた状況は珍しいのではないでしょうか。

 やられるべくしてやられた2点目だったと思います。


 考えられるのは、メンタル的な問題と言うことでしょうか。

 点を取って満足してしまう、あるいは安心してしまうことで、気が抜けてしまう。

 チームにリーダータイプがいないというのも大きいのかもしれません。



 阿部や近藤など経験豊富なベテランは少なくないかもしれませんが、周りを引っ張っていくようなキャラクターではないようにも思います。

 気が抜けた時に叱咤できるような選手がいない。

 しかも、今年はメンバーも総入れ替えで、誰が精神的な軸かもまだはっきりしていないのかもしれません。

 勇人や富澤が怪我で不在となっているのも、大きいのかもしれませんが。


 1人のリーダーに依存するのはあまり良くないようにも思いますが、ここぞという時にチームを締めることが出来る存在が必要なのかもしれません。

 戦えるチームになって、空白の時間をなくすことが出来るか。

 それも今後のポイントとなっていくのでしょうか。