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反省会'08その3『ミラー監督の就任』

 ミラー監督が就任してからのジェフは、リーグ戦で8勝6分7敗(澤入代行監督時代を除く)。
 21試合で勝点31だったわけですから、もしフルシーズンに換算すると単純計算で勝点50.19となります。
 勝点50となれば8位前後です。
 ちょうど真ん中あたりですね。


 短い準備期間したなかったことを考えれば立派な数字ですし、ようやく組織的なベースも出来たことで選手達も前期と比べて見違えるような動きをしてくれました。
 ミラー監督の指導力に助けられたといっても過言ではないと思います。
 もちろん緊急補強も的確だった、ということも忘れてはいけませんね。
 まぁ、このあたりは今さら細かく取り上げることもないでしょう。



 しかし、鹿島や名古屋が下位のジェフに油断していたところがあったように、より順位が上となれば当然マークもきつくなるでしょう。
 実際、新潟や大宮など下位争いをしていた相手にはかなり細かくリサーチされて、試合内容も悪く結果も出ませんでした。
 そう考えると、来期も決して楽観視できる状況ではないということがわかると思います。
(こちらも来期ミラー監督の戦術が浸透すればよりレベルアップする可能性はあるでしょう。ただ、ミラー監督はどちらかというと即効性のあるタイプではないかとも思います。)



 サッカーの内容に話しを移すと、ミラー監督は非常にオーソドックスなプレミア流のサッカーだと思います。
 プレミア流のサッカーを実施するチームは日本では珍しいですから、それが1つの売りになればジェフの評価を高める上でもメリットがあるかもしれません。
 まぁ、今さらですけどプレミアでの指導経験がある方が監督としてきてくれること自体がすごいことなわけですから、「プレミア流のサッカーは日本ではあまり見ない」のも当然のことですけどね(笑)


 特に5連勝していた間は、守備がベースではあるものの攻撃に移った際には迫力のあるサッカーが出来ており、試合内容も非常に面白いものでした。
 来期もそのような魅力あるサッカーを目差してほしいと思います。




 ミラー監督の特徴として守備は極めてオーソドックスに、攻撃に関しては戦力に応じて戦法を変えていくというところがあると思います。


 根本が加入すると、工藤をトップ下に置いて谷澤を右に根本を左に使い、そこからクロスというサッカー。
 ミシェウが加入すると、工藤、戸田などパスを回せる選手を置いて、ポゼッションに重きを置くサッカー。
 深井が加入すると、左に谷澤、右に深井を置いて、中に切り込むドリブルサッカー。
 そして最後は、右にレイナウドを置いてそこから高質なクロスで巻にあわせるサッカー。


 …と、選手が入ることで、サッカーも大きく変わっていきました。
 これは見ている側にとってもなかなか興味深い点でしたね。




 ミラー監督は、今ある戦力をそのまま活かすのが得意な監督。
 オシム監督などは、戦力がなくとも選手達の能力を引き出して、チームの全体を成長させていくのが得意な監督。


 料理屋で言えばミラー監督は素材の良さをそのまま活かす寿司屋のような感じで(和風な感じではないけど)、オシム監督はコトコトと長い時間をかけて煮込む小料理屋といった感じではないかと思います。


 ただ、このままだと、しっかりとフロントがネタを仕入れることが重要になってきます。
 ネタ…ようするに戦力ですね。
 戦力がそのまま結果に反映される監督と言ってもいいのかもしれません。
 西部さんもこのあたりから、ミラー監督が就任してからのジェフを「個人能力に依存するところが高い」と分析していたのでしょう。


 しかも、ミラー監督はターンオーバー制を導入しているから、かなりの選手層が求められます。
 スタメンの11人だけでなく、それ以上の戦力が必要になってくるかもしれません。



 ジェフにそれだけの資金があるのか、ジェフにそういった手法があっているのか。
 そのあたりの疑問は必ず出てくることだと思います。
 少なくとも去年までのジェフでは厳しいでしょう。
 JR東日本がどこまでサポートしてくれるのかどうか…。
 そして、それは大幅な補強を行うということになれば、クラブの大幅な転換ということにもつながります。



 それがジェフにとっていいことなのかどうか。
 果たして上手く行くのかどうか。 
 そのあたりについてを次回考えて見たいと思います。