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ドワイト監督就任 実績・時期・方向性に関して

ドワイト ローデヴェーヘス 新監督就任内定について(ジェフ公式サイト)


 ドワイト氏の監督就任が決まりました。
 日本でも確定的な報道があった上、エドモントンの地元紙にも報じられていましたから、驚きはないですね。
 Edmonton Journalによると、FCエドモントンはドワイト氏だけでなくHans Schrijverも失ったと書かれていたので、そちらの発表もあるのかな?と思っていたのですが、そちらは新体制発表で…ということでしょうか。
 記事によるとお金の面でジェフの方が上回っていたようなので、それなりの年俸ということになるかもしれませんね。


 個人的にドワイト監督就任において、現時点で気になる点は3つ。


 1つは「実績」に関して。
 フローニンゲンヘーレンフェーンなどオランダ1部リーグでの監督経験のあったドワイト氏は、06年から07年に名古屋でフェルフォーセン監督の下、コーチに就任(その前のアルジャジーラでも2人のコンビだったようですね)。
 そして08年、フェルフォーセン氏がPSV監督に就任すると共にPSVに加入。
 監督が交代してもドワイト氏はチームに残りますが、09年1月末ステフェンス監督が解任されたため暫定監督に昇格。
 しかし、4月にはフレット監督が就任したようなので、ここでは短い監督経験だったようです。
 また、その後就任したオランダ1部NECナイメヘンでも、09年10月末に退団となっています(どうも一悶着あったようだけど)。
 そして、カナダのFCエドモントン監督就任。
 こちらはなんと今年創設したばかりの新設チーム。
 来期にはNASLに入会する予定で、NASLは今期のままだとUSLと共に北米2部リーグ扱いになるはずです。
 このあたりのリーグの仕組みもあやふやですが、新設チームがその翌年に2部リーグに入会できてしまうというのもなかなか凄い話。
 なんとなくアメリカっぽいですね。
 このため、今季はどのリーグにも所属しておらず、もちろん公式戦はなし。
 クラブのサイトによると、今年の試合は6月から8月にかけてチリのコロコロやアメリカのチーム9試合と練習試合を行ったのみとなっています。


 ドワイト氏のメリットとして日本サッカーを知っているというところが考えられるのでしょうが、少なくとも近年に関しては良い実績のある監督とは言いづらいのかなと思います。
 もちろん実績=手腕とは言えませんが、監督に全てを任せるというのもクラブとしてあまりよい傾向ではないとも思いますし、その分クラブ全体で成長することを意識していきたいところではないでしょうか。



 2つ目は監督就任の「時期」。
 報道されたレベルではありますが、ドワイト監督就任までドワイト氏しか報じられていませんでしたし、『一本釣り』状態だったのかなぁと思います。
 個人的にはもう少し時間をかけて他の可能性も考えるべきではなかったか…とも思うのですが、早くに監督を決定すれば来季への準備も早く始められるということで、こういった決定に到ったのでしょうか。
(アマル監督後、なかなか次の監督が決まらず主力選手残留の交渉が難航したこともあって、早期に内定の出せる監督を選んだのかな?とも。)
 単純に他のルートがあまりなかったのかもしれませんし、そうであれば仕方がないのかもしれません。
 ただ、ここに来て仙台甲府が監督交代というまさかの情報も流れていますし、(それらの監督がいいかどうかは別として)粘れば可能性が広がる場合もあったのかなとも思うのですが。
 上記のようにFCエドモントンは今期の公式戦もない状況ですから、早い段階での内定発表ができたのでしょうね。
 決まったからには「来季へのスタートを早く行える」という部分のメリットを最大限に活かした、良い準備をしてほしいと思います。



 最後は「方向性」に関して。
 私は「方向性」や「来季の結果」を考えれば、次期監督には実績のある日本人指導者が良いのではないかと思っていました。
 今期のチームは明らかに『日本人監督が作ったチーム』だったわけですし、日本人監督でも個々の特徴はあるとはいえ、大枠では「方向性」が近い場合が多いと思います。
 オシム監督がザッケローニ監督就任後に「私の聞いていた方向性とは違う」と雑誌で話していたのもスペイン人監督が就任すると聞いていたからでしょうし、同国出身の監督というのはやはり近い発想を持っていることが多いと考えられるのではないかと。
 大枠での「サッカースタイル」や「方向性」が維持されれば、その分チーム作りの時間に関しても選手補強に関しても、メリットは多いはずです。
 しかし、オランダ人監督でJリーグでの監督経験もない(コーチとしてはあるにしても)となればチーム作りに時間がかかる覚悟も、それなりにしておかなければいけないのではないかと思います。
 もちろん即効性のある監督だったり、日本人にあったサッカーが出来るというリサーチが出来ていればいいのでしょうが、そのあたりは実際に日本で指揮を取ってみない限りはなかなかわからないでしょうし。


 そう考えると、今回の監督決定は「博打」的なところもあるのかなぁなんて思う部分があります。
 特に『来年のJ1昇格』を目標として考えるとするとすれば。
 もちろん今期の「方向性」が絶対ではない(正直、今期を軸に考えるにしては脆すぎるとも思いますし)とは思うのですが、『来年のJ1復帰』を目標とした上で次期監督選定をするとするのであれば、出来るだけ今期からの移行のロスをなくするという意味で、「方向性」の維持は優先順位として高いところに置くべきなのではないのかなと思っていたのですが。
 まぁ、現行の「方向性」というか江尻監督を選んだのは神戸TDではないだけに、ここからのリスタートは当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんけど。
 本来は欧州の監督でやりたかったんでしょうか。


 ともかく、現段階ではまだわからないことも多いですが、決まったからにはクラブ全体でしっかりと新監督サポートして、万全の体制で来季を迎えたいところですね。
 周囲としてももしかしたらまたチームが大きく変化する可能性もあるんじゃないかということに関しては、考えておいた方がいいのではないかなと私は思います。