当ブログはプロモーションを含みます

エル・ゴラッソにおける成功とは

 昨日のされたエルゴラは、今回もジェフが表紙ということになりましたね。
 開幕前にも表紙から7ページを組んで、ジェフを特集したことがあります。
 ただ、その時も今回も購入しましたが、内容に関しては何か特別に新しい情報を得れたというわけではないですし、正直面白さはあまり感じませんでした。


 ちなみに、今回のエルゴラを読んでフラストレーションを感じられる方もいるようですが、私は現時点でのジェフはオーロイ頼りになっている部分があるのは事実だと思いますし、記事を読んでもそれが悪いことだという論調ではないはずで。
 そもそも江尻監督後ドワイト監督が就任し、オーロイを補強した段階である程度そういったサッカーになるというのは折り込み済みだったはずで、チームとしてはある程度予定通りなんじゃないでしょうか。
 今後オーロイ対策を取られる可能性があるため、その他の強みを作っておきたいというのも間違いないことだと思います。
 昨年と比べるとすれば流動性がないサッカーであることも確かだと思いますし(ただ、「流動性オシム監督以降の特徴」と言われていますが、ミラー監督時代もなかったと思うのだけど)、それらの分析に大きな間違いはないんじゃないでしょうか。
 …むしろそういった当たり前の記事しか掲載されていないことに、(その人ではなく)メディアとしての物足りなさを感じるというのが今回の話のですが。



 こちらによるとエルゴラは成功してるということになっているそうなのですが、それはビジネス的な観点でということなのでしょうか。
 エルゴラが創刊したのは2004年10月。
 当時はちょうどブログなどの普及もあって、ネット上で多くの面白いサッカーコラムが読める環境が出来始めていた頃でした。
(どうでもいいことだけど、当ブログも2004年初旬にスタートしていたりします。)
 その一方で既存のメディアの質はなかなか上がらず、もっとも矛盾を感じていたのがジーコ監督への評価だったんじゃないでしょうか。
 当時のメディアはスター選手を多く起用するジーコ監督を高く評価する一方で、ネット上での評価はかなり厳しいものでした。
 もちろんジーコ監督を巡る問題だけでなくJリーグの扱いの悪さなども話題になっており、サッカーメディアの現状を打開するためにエルゴラが創刊した…というのが自分なりの解釈です。
 そのため、ネット上で有名だった方達も何人か参加されていたはずで。
 そういった経緯があるため、当初ネット上では「エルゴラを応援しよう」「現時点では課題が多くても今後の成長に期待しよう」と、エルゴラ購入を後押しする声も多かったですし、実際私も毎週のように買っていました。
 当時は販売網も今ほど安定しておらず、買いそびれることもよくありましたが。


 しかし、途中からエルゴラは露骨に、その時人気のあるJリーグクラブを表紙に起用して集中的に取り上げるようになっていきました。
 当初は浦和が多く選出され、今年に入ってからはジェフが頻繁に取り上げられています。
 ジェフの場合他に取り上げるメディアも少なく「ジェフならば買いたい」というファンも多いため、多く取り上げられているのでしょう。
 実際、ジェフを取り上げた時には売り上げが伸びるとか…。



 それに関してはあまりにも露骨にやるのはどうかとも思うのですが、それで利益が出る(それでしか利益が出せない)というのなら仕方がない部分もあるんじゃないかとも思います。
 ただ、肝心の記事に関するクオリティの部分は、既存のメディアと比べてもあまり変わりがない…というのが実際の印象で。
 正直、ネット上での方が面白い記事を読める印象は創刊当時ともあまり変わらず、試合のデータやニュースに関しても検索すればすぐに見つかるような時代になったわけで。
(ちなみにF1メディアでもネットが普及してから紙媒体が売れなくなったと言われていますが、名前の通り速報性を売りにしていた「F1速報」はネット時代に突入してからよりコアな記事を増やして、現在の地位を確立していった印象があります。)


 例えばエルゴラがジェフの表紙になるとジェフサポの中では注目を浴びることになりますが、そのエルゴラがサカマガに変わろうがサカダイに変わろうが状況は大きく変わらないはずで。
 ようするに、エルゴラの野望として「高質でコアな(マニアックな?)記事を載せて、既存のメディアから脱した新しいメディアを作る」くらいの意気込みであったと自分の中では思っていたのですが、結局はその他メディアと大差がない状況になってしまっているのではないかと思うわけです。


 しかし、それでも今の位置に落ち着いているのは、サカマガやサカダイがドイツW杯での大敗の後方向を転換していったことと、ネットが普及して誰でも簡単にネット上のメディアを読めるようになったことにあるのではないかなと。
 それによって、エルゴラが当初期待されていた部分というのは、当時ほどの必要性はなくなっていったのかもしれません。



 そういった思いもあって、個人的な印象としてはエルゴラが成功したかどうかを考えると、当初の野望は果たせておらず既存のメディアのうちの1つに埋もれてしまっている印象が強いため、少なくとも大成功といったようには見えないかなと感じています。
 エルゴラ関係者が成功したと言っているということであればここからの変化とうのはあまり見込めないのでしょうし、これ以上は望無のは無理なのだろうなぁという寂しさも。
 ビジネス的な観点では軌道に乗ったのかもしれませんし、サッカーファンに普及したという意味においては成功したと言えるのかもしれません。
 新聞という形状を選んだことで携帯しやすくスタジアムなどでも良く見かけますし(自分も開場前の暇つぶし程度に買うこともありますが)、そういった意味での独自性を打ち出したということは間違いないのでしょうが、そのあたりがエルゴラ創刊当初の一番の目標だったのかなぁと。
 そのような目標もあったのかもしれませんけど、一番の目標・野望はそこではなかったのではないかと私は思うのですが…。