当ブログはプロモーションを含みます

2014シーズンを振り返る 森本貴幸編

 2013年8月にジェフに加入し、1年目はリーグ戦12試合に出場し2ゴール。
 2014年はリーグ戦34試合に出場し、10ゴールとなりました。
 特にシーズン終盤に成績を伸ばしたことになりますね。


 2013シーズンも試合にはある程度出場していたものの、ゴール前での存在感が出せず活躍しきれなかった印象です。
 年末の練習試合でも大学生相手に決定的なシーンを何度も外していましたし、技術やレベルの問題ではなかったように思います。
 公式戦から離れていたせいなのかどこか感覚が鈍っているように見え、これがいわゆる"得点感覚"のなさというものなのか…と感じていました。


 2014シーズン序盤もケンペスのコンディションが上がってこないこともあって、第2節岡山戦、第3節東京V戦にスタメン出場。
 しかし、ボールのさばきや守備面ではケンペスを上回っていたものの、やはりゴール前における強さを見せられず結果を残せませんでした。
 「ゴールを決める」という点においては、かなり深刻な状況だったように思います。



 2014年初ゴールとなったのは、斎藤監督代行が指揮した7月5日第21節大分戦。
 監督解任が決まった直前から「絶好調」と本人が言っていた森本が、ケンペスと2トップでスタメン出場し2ゴールをあげました。
 続く関塚監督の公式戦初采配となった天皇杯2回戦長野戦でも、2ゴールを記録します。


 それ以降リーグ戦でもケンペスの2試合出場停止などもあって、スタメン出場を続けます。
 しかし、得点力不足はその後も目立ち、リーグ戦では決定的なシーンでもシュートを外すシーンが目立ちました。
 そして、8月3日第25節の湘南戦以降からはスタメンから外れ、また途中出場でのプレーが増えていきました。
 


 本当の転機となったのは、8月31日の第29節水戸戦ではないでしょうか。
 前節岡山戦の負傷によってケンペスが欠場となり、代わりに森本がスタメン出場。
 PKではありましたが、長野戦以来のゴールをあげました。


 その後はケンペスの状態も上がらず(スタメンから外れてモチベーションも下がっていたようですが)、森本が1トップでレギュラーの座につきます。
 そこからは、14試合で8ゴールの活躍を見せました。
 10月19日の第37節では試合終了間際にミドルシュートを決めるなど、印象に残るゴールも多かったように思います。



 シーズン後半に入ってからも決定機を外すシーンは珍しくなかったですし、決して決定力の高いFWというわけではなかったように思います。
 しかし、本人も言っていたように「打ちまくってやろうという気持ち」で、積極的にシュートを打つ方向に変わっていったことが、良い結果につながったのではないでしょうか。
 シュート力に関しては非常に強力なものがありますし、トラップも正確なので相手の一瞬の隙を突いてゴールを決めることが出来る。
 関塚監督の早いタイミングでゴール前にボールを集めるスタイルとの相性も良く、シーズン後半に活躍できたのだろうと思います。


 ただ、以前にも話したように、昨年の成績で見ると森本は34試合に出場し出場時間2108分で10ゴールで、ケンペスは34試合に出場し出場時間2176分で13ゴールだったことを考えると、決してずば抜けて凄い成績ではなかったように思います。
 実際にシーズン終盤の森本も相手にスペースがあり前を向ける状況ではないと、試合から消えてしまうことが多かった印象です。
 森本が周りに活かされるタイプのFWであることを抜きにしても、自らの力で状況を打開するといった場面は非常に少なかったと思います。


 そういった点で言えば、ケンペスの方が期待できたのではないでしょうか。
 ゴール前での特出した"強さ"、"武器"という点においては、森本は物足りない部分があったように思います。
 ケンペスは相手がわかっていても止めらないパワーがあっただけに、昨シーズン終盤途中出場から活躍する試合が多かったのでしょう。 
 ただし、安定感や細かい技術・守備などにおいては、課題も非常に多かったわけですが。



 それだけに今年J1昇格を目指すのであれば、個人でも打開できる・あるいは何かしらの"武器"で相手DFに勝てるFWを補強するのかなと思っていました。
 特に相手のDFラインの前でボールを持って、グイグイと抜きに行けるようなFWが理想的なのかなと。
 関塚監督のサッカーを考えると、それが一番の近道ではないかと思っていました。


 森本に関しては相手DFに勝てる明確な"強み"というものをもっと打ち出していってほしいと思いますし、J1昇格を引っ張っていけるストライカーになるには更なる成長が必要ではないかと思います。
 技術はあるわけですから強引に相手を抜き去る形などがないのであれば、もっと周りを活かすプレーなどもおぼえていかないといけないのかもしれません。
 シーズン終盤の成績は素晴らしいものではありましたが、まだまだ物足りない部分もあると思いますし更なる飛躍を期待したいと思います。
 昨年末も相手に警戒されてきて苦しんだところがあったように思いますし、森本が今年も引き続き結果を残せるかどうかは、チーム全体においても極めて重要なポイントとなってきそうですね。