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得点能力の高さを見せる金井

 第4節岡山戦で金井が値千金のゴールを決めました。
 これで金井は第2節水戸戦に続き、今季2ゴール目。
 ジェフはこれまで井出、ペチュニク、森本がゴールを決めていますが、それぞれ1ゴールですから金井が現在チーム内での最多得点者ということになります。


 実際のプレーぶりを見ても、金井の得点能力は今季のジェフにおいてもトップクラスではないでしょうか。
 谷澤は一発があるものの安定感はないですし、森本も岡山戦後半で何度もチャンスがあったものの得点まで持ち込めませんでした。
 昨シーズン後半の好調ぶりは影を潜め、以前の森本に戻ってしまった印象です。
 ペチュニクも総合能力は高いものの、得点を量産するようなタイプではないように感じます。



 金井は非常に体幹がしっかりしており、プレッシャーがある状況などでも身体がぶれない印象があります。
 スピードに乗った状況でも安定したプレーができ、ゴール前でのポジション取りも良い。
 そして、シュート時の落ち着き、自信も感じます。
 決定力においては精神面が重要だという意見も多くありますし、そういった点でも金井の得点能力・決定力は期待できるのかもしれません。


 ゴール前のプレー以外でも相手の読みと球際の強さからボール奪取能力が高く、中央へ絞った際の守備もできて、ポジショニングも安定感を感じる。
 足元の基本技術も高く、タイミングを見計らった攻撃参加も計算できる選手だと思います。
 ゴール前でのプレー以外においてはそこまで目立つ選手ではないかもしれませんが、近年のジェフは攻守に計算できる安定感のあるSBというのがいませんでしたから、金井の存在は大きいように思います。



 今後も金井の得点力には期待したいところですが、一方で前線の選手の得点力に関しては物足りなさを感じます。
 開幕戦でゴールを決めた井出も、岡山戦では56分と早々に交代。
 ここまで公式戦全4試合に先発してきましたが、全試合で途中交代となっています。


 BLOGOLAにはこのような記事も出ていました。

今年は開幕ゴールと幸先の良いスタートだったが、前節・栃木戦(明治安田J2第3節/1△1)では相手の厳しいプレスに苦しんだ。この日の練習では、ネイツ・ペチュニクとポジションを変えて右サイドで試されるなど、まだチーム内で確固たる地位は築けていない。

 右サイドで起用されたからというだけでは評価が低いという判断には至らないとは思うのですが、確かにチーム内での地位は若干厳しいものになっているように感じなくもありません。



 以前、井出への期待は高い位置で浮遊して仕掛ける動きではないかと話しましたが、関塚監督としてはよりボールに絡むプレーも期待しているのかもしれません。
 しかし、実際のチーム状況でいうとペチュニク、谷澤が中央に入ってくることもあって、井出は押し出されてプレーエリアがなくなっているという状況になっているように思います。
 それは意図としてやっているものではなく、結果的にそうなっているということなのかもしれません。


 そこで、岡山戦途中からは井出を左サイドにおいて、サイドを駆け上がらせたと。
 練習でも試した昨年のポジションである右サイドではなく、あえて左利きの井出を左サイドにおいたのも縦へ走ってのクロスというプレーを期待したものだったのかもしれません。
 2列目の中盤のエリアはペチュニクと谷澤で埋まってしまうから、サイドをアップダウンさせる形で井出を使おうとしたということでしょうか。


 しかし、サイドのアップダウンだけなら、運動量や守備面などを考えても田中の方が期待できる。
 だから、わざわざ一度トップ下にポジションを移した谷澤を左サイドに戻して、今度はペチュニクをトップ下にずらしてまで、井出を変えて田中を起用したと。
 井出とは反対に田中は左サイドだと斜めに出ていく動きが多いですが、右サイドだと上下にアップダウンする傾向が強いですしね。



 トップ下でもはまらずサイドに移され、サイドでは田中の方がいいということになれば、井出の立場というのは難しくなっていく可能性も出てきてしまうかもしれません。
 左右から中央にパサータイプの2人が入ってきてトップ下の役割が見えないというのであれば、単純に2トップでもいいのではないかと感じなくもありません。
 今年のパワー系サッカーには井出は合いにくいところもあるでしょうし(岡山戦でも岩政に潰されたシーンがありましたし)、森本が1トップとして体を張れて得点能力も期待できる状況ならばいいのですが、そちらも現状だと物足りない印象です。
 森本は岡山戦のようにコンディションが良ければ守備などで貢献できますが、栃木戦のような運動量の少ない試合が増えてくれば悩ましい状況になってくると思います。


 得点力やクロスに合わせる動きなど一発に関しては、オナイウの方が期待できるのではないかと思います。
 関塚監督はロンドン五輪で永井などを走らせるサッカーをしてきたわけですし、タイプ的にはオナイウのようなフィジカル系FWのほうが関塚監督のサッカーには合うのではないかと思います。
 しかし、守備力や細かなプレーに関しては課題があるため、現状だと井出のトップ下か田中の右サイドの方が優先順位は上ということでしょうか。
 特にプレスでガツガツと相手を押し込んでいくスタイルが、今季の戦い方ということになりそうですから、フィジカルは強くてもうまくプレスをかけられない、継続した守備には課題も見えるオナイウはその点でもう1つということなのかもしれません。


 だから、鈴木隆行を補強したと考えたと考えれば納得もできます。
 しかし、ここまで4試合で森本がフル出場を果たしていない状況にもかかわらず、まだ鈴木隆行に出場の機会がないことを考えると、やはり動き自体はもう1つということなのでしょう。
 やはりFW不足という不安は変わらず、もしかしたら夏に補強などもあるのかもしれませんね。



 井出の"立場"の問題、森本の得点力の問題。
 これらは結果が出ている今は大きな問題ではないかもしれませんが、もしチームが低調に陥った場合には目立つようになってしまうかもしれませんね。
 チームが好調な今のうちに、2人が良いバランスを作る流れが理想なのかなと思います。