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後半からプレスが復活し3-1で勝利

 岐阜相手に3-1でジェフの勝利。
 これがジェフにとって、ホームで5試合ぶりの勝利となったそうです。
 内容に関して言えば、前半はジェフの苦しい時間帯が続き、後半はジェフが優勢に進んだ試合でしたので、前半アディショナルタイムのキムのゴールが非常に大きなポイントだったのではないでしょうか。


 ただ、後半は岐阜の守備が非常に悪く、参考にはしづらい試合だったようにも思います。
 岐阜の総失点42にはダントツの最下位で、次いで多いのが京都の33。
 それでもまだ最下位でないのは、難波が得点面で頑張っているからなのかもしれません(岐阜はこの敗戦で21位に後退)。
 この試合も、そういった岐阜の特徴がよく出た試合だったと言えるのではないでしょうか。
■先制されるも前半終了間際に同点弾
 井出が累積警告で出場停止となったジェフは、水野か田中のスタメン出場が予想されていましたが、ペチュニクと森本の同時起用となりました。
 シーズン序盤は2人を同時起用していましたので、ここはそこまで大きなサプライズではなかったと思うのですが、驚いたのがCB栗山のスタメン起用。
 2013年にジェフ入りし、14年8月からは町田にレンタル移籍したものの大きな怪我をしてしまったこともあって、これが公式戦初出場ということになりました。


 岐阜も若干メンバーに変化があり、今シーズン開幕からレギュラーとしてプレーしていたものの、怪我でポジションを失っていた冨士が左SBで出場。
 また、高木と岡根がCBでプレーし、前節CBだった阿部が右SBへ。
 元ジェフの益山は、ベンチスタートとなりました。



 試合の立ち上がりは、両チームともスロースタートといった印象。
 しかし、13分、岐阜の攻撃。
 左サイドから小野がクロスを上げると、中央の難波が抜け出しゴールを決められてしまいます。


 栗山がマークについていた状況ですが、難波が栗山との競り合いからすっと前に出て行って、裏を取られてしまいました。
 難波がクロスボールに合わせる前に一度手前で競ることでタメを作り、そこから前に出ていった動きに栗山がついていけずにやられてしまいました。
 左サイドでの展開で、後ろに下げたところにいた小野をフリーにさせてしまったのも問題だと思います。


 15分にも、岐阜が右サイドの阿部からクロス。
 ここでもCBが難波に裏を取られて、完全にフリーでヘディングシュート。
 2失点目を決められてもおかしくない場面でした。
 難波はさすが得点ランキングトップといった印象で動きにキレを感じましたが、それにしても簡単に裏を取られすぎていたように思います。



 19分にも岐阜の攻撃。
 右サイドでパスをつないで阿部から、裏にいたロドリゴにパス。
 ロドリゴがシュートを放ちますが、枠外に終わります。
 阿部とロドリゴが前後にいてジェフは中村と勇人が対応した場面ですが、どちらが詰めに行ってどちらがカバーするのかあいまいな印象を受けました。


 流れの悪いジェフですが、23分にはビックチャンス。
 左サイド長い距離からのFKを中村がけると、ニアの森本に合わせます。
 森本が完全にフリーな状況になってヘディングでシュートを放ちますが、GK太田が反応してゴールならず。



 試合はそこから動きの少ない状態に。
 両チームともに、中盤の守備でスペースが目立つ状況だったと思います。
 ジェフは前からのプレスがはまらないことが多い印象。
 岐阜は両ウイングのレオミネイロロドリゴが守備で継続的に貢献できないこともあって、中盤のサイドが薄くなりがちに。


 その結果、試合はオープンな展開が増えていたように思います。
 また、岐阜は攻めた後のリスクケアに甘さがある印象で、特に両SBの裏が空きがちだった印象です。
 しかし、ジェフは相変わらず流れからの攻撃が作れず。
 岐阜も序盤の勢いは落ちていき、パスがつなげない展開も目立ち、両チームともに決定機が作れない時間帯が続いていきます。



 このまま岐阜リードのまま後半に進むかと思われましたが、前半アディショナルタイム
 ジェフが得た右サイドでのCKを中村が蹴ると、中央のキムが競り勝ってヘディングでゴール。
 時間帯からしても、素晴らしいタイミングでの同点ゴールだったと思います。
■勝ち越し点を取って勢いづくジェフ
 1-1で迎えた後半。
 47分に早くも試合が動きます。
 森本が右サイドに流れてボールを受けると、そのままセンタリング。
 これがファーの町田まで流れると、町田は思い切ってシュート。
 これが見事に決まって、2-1となります。


 森本はファーの町田ではなく中央の谷澤を狙ったのではないかと思いますし、町田までボールが流れたのはラッキーだったと思います。
 流れてきたボールを、町田がダイレクトでシュートを放ちゴール。
 ダイレクトで合わせたという選択もよかったですが、何よりもここまでリーグ戦ノーゴールの町田が決めたことが大きかったですね。



 1点リードしたこともあって、後半はジェフが優勢となる時間帯が長かったように思います。
 特に後半からは前からプレスに行ける機会が増えて、高い位置でボールを奪う回数が多かった。
 そのプレスによって、攻守に良いリズムで試合を進められるようになっていったように思います。


 56分にはジェフのカウンター。
 後方からのボールを受けたペチュニクが、1人で持ち込んでシュートもゴール左隅をそれます。
 前半から感じていましたが、岐阜の守備は非常に戻りが遅く、カウンターを仕掛けやすい状況でした。


 その直後には岐阜の攻撃。
 FKから何度もヘディングでの"押し合い"が続きましたが、最後のシュートは枠をそれます。
 ジェフとしてはゴール前でしたが、シュート前にクリアしたいところだったと思います。



 そして、62分にジェフの追加点。
 森本が左サイドで得たFKを、谷澤の指示で素早くリスタート。
 谷澤がフリーでセンタリングを上げ、ファーでペチュニクが冷静に合わせてゴール。
 これで3-1とし、早くもとどめを刺した印象でした。


 この得点シーンで、岐阜の守備陣は完全に集中力を切らしていたように思います。
 また岐阜攻めた直後のFKからの流れだったわけですが、岐阜は守備の戻りが遅くカウンターのような形でゴールまで持ち込むことができました。
 しっかりとそこをついた谷澤の素早いリスタートは、さすがでしたね。



 その直後には森本に代わってオナイウが投入されます。
 66分には金井の浮き球のパスを受けて、オナイウがシュート。
 しかし、これは枠の外。


 68分にもジェフの攻撃。
 右サイドの深い位置でオナイウ、ペチュニク、町田で囲んでボールを奪ったところから、ペチュニクが鋭いクロス。
 これをGK太田がはじき、オナイウが繋いで中村がシュートを放ちますが枠外に終わります。



 しかし、このプレーで中村が負傷し、田代が投入されます。
 中村は一度はプレーを続けようとしていましたが駄目だったようですし、今後は心配ですね。
 前半は中村のプレースキックでしか、チャンスを作れませんでしたし。


 この試合では、中村のけがのシーン以外でもラフなプレーが目立ったように思います。
 岐阜も危険なプレーが多かったように思いますが、ジェフも今季は後ろからガッツリ削りにいくプレーが目立ちます。
 球際に激しくいくのは悪いことではないですが、クリーンな守備を目指してほしいですね。


 その後もジェフが有利に進めていきますが、ゴール前でのプレーは減っていきます。
 90分には町田に代えて健太郎を投入し、守備固め。
 最後は岐阜も1点を奪い返そうと前に出てきましたが、時すでに遅くそのまま3-1で試合終了となりました。
■気温が低い中でのプレッシング
 前半のジェフは今までの試合の流れと同じように、内容の良くない展開だったと思います。
 守備でも後手に回りがちで、攻撃もセットプレーからのみ。
 しかし、後半からは、比較的安定した戦い方だったのではないでしょうか。


 後半早々にゴールが生まれたことで、選手たちが勢いに乗って攻守にアグレッシブにプレーできた。
 シーズン序盤の良かった頃ほどではないにせよ、前からのプレスが効いて高い位置でボールを奪えたことが、後半試合をリードできた要因ではないでしょうか。
 近年のジェフは調子に乗りやすいので、自分たちの流れになれば良い試合ができるけれども、そうではないときは脆さが目立つ印象もあります。
 関塚監督になって前への姿勢が強いサッカーになって、ますますその傾向は高まったように思います。



 後半、プレスが効くようになったのは、岐阜の出来にも問題があったのではないでしょうか。
 単純にうまくボールを散らせずプレスを掻い潜れなかったこともありますが、試合序盤以降は難波の飛び出しを活かすことができなかった。
 序盤は難波の飛び出しを活かした攻撃ができていたため、ジェフのDFラインが下がりプレスにも行けない状況になっていたと思うのですが、その形が試合途中からなくなってしまった。
 これによってジェフのDFラインが高い位置をキープできるようになり、プレスにも行けるようになったと。


 岐阜としては1点を先に取ってしまって、その後受けに回ってしまったのも失敗だったのではないでしょうか。
 受けに守って守れるチームではないことは、冒頭にいった失点数からも見えていたこと。
 岐阜はここまで無失点試合が2試合しかなく、1試合平均で2失点をあげていることになります。


 加えて、後半はもっと栗山を狙ってくるかと思ったのですけど、それもしてきませんでしたね。
 ラモス監督は、どこかサッカーを徹底できていない印象もある気がします。
 もっとも、受けに回ったのは意図的なものではないかもしれませんが



 一方のジェフとしては、前半序盤はいつもより抑え気味だったのかもしれません。
 今季の基本的なベースはプレッシングサッカーだからこそ、前半から飛ばしすぎ失速するところがある。
 その抑え気味だった序盤に先に失点しまったわけですからゲームプランとしては厳しい状況になってしまうところだったと思うのですが、前半終了間際に何とか得点を奪えた。


 そして、岐阜の選手が思ったよりも早く疲れが見え始めていた。
 逆にジェフの選手たちは、最後まで走れていた印象です。
 単純にコンディションの差も、この試合では非常に大きかったように思います。



 シーズン序盤のジェフはフィジカルに特徴のある選手を中心に起用して、ハイプレスで結果を残してきた。
 そのサッカーが気温が高まってきて陰りが見えてきたものの、ナイトゲームになって一度はコンディションが回復したのが6月6日の札幌戦。
 しかし、それ以降はまたプレスが効かなくなっていった印象ですが、この日の試合では本格的に梅雨が始まって気温が低かったために、動きやすくプレスがかけやすい試合だったと言えるのではないでしょうか。


 結局のところ、プレスがかけられない状況でどう戦うのか…という大きな課題の解決には、まだ至っていないように思います。
 前半は相手にラインを押し下げられ、プレスがかけられずにセットプレー頼りになっていたわけですし、今後も気温が上がることを考えればプレス頼りだけでは不安なことは変わりないでしょう。
 とはいえ、シーズン折り返しの試合で、なおかつ連戦の初戦でしたから、3-1で勝利できたことはよかったと思います。
 ここから流れを変えていきたいところですね。