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長澤の浦和復帰が決定との報道

 日曜日の日刊に、浦和がレンタル移籍中の長澤と矢島を復帰させると掲載されました。
 浦和はルヴァン杯優勝直後ということで、毎年この時期からオフの話題が本格的にスタートしますね。
 長澤の浦和復帰は予想できていたことですが、これでさらに可能性が高まったと言えるのでしょう。



 ただ、浦和に戻って出場機会が得られるかどうか。
 今期序盤から話していますが、長澤はスピードや一瞬のキレがあるタイプではないだけに、2列目やシャドーでのプレーは難しいところもあるように感じます。
 特に浦和のシャドーは流動的な動きや縦への鋭さを求められるところがありますから、長澤がそこにはまるイメージが湧きにくいところがあります。


 そのため、ジェフでも現在はボランチでの起用となっています。
 しかし、浦和には柏木、阿部と不動のダブルボランチがいる上に、青木なども控えていて、矢島も復帰するとの報道。
 矢島はシャドーなどでもプレーできるかもしれませんが、テンポよくボールを回すといった点で矢島などの方が浦和には合っているようにも思います。



 古くから浦和は選手層が厚いと言われている上に、今年はルヴァン杯も制するなど充実している状況なわけで、長澤が浦和で出場機会を得るのは簡単なことではないでしょう。
 選手として考えれば、もう1年ジェフにいた方が試合に出場でき成長できる可能性もある。
 ただ、試合に出場できる、できないといった問題に関わらず、契約状況などを考えると浦和に戻って当然なのかもしれません。


 長澤はケルンから浦和に完全移籍をして、浦和でプレーすることなくジェフにレンタルとなった。
 そういった状況で、レンタル期間を延長して長々と武者修行に出していては、浦和のうま味はなくなるはずです。
 一部報道によれば長澤はかなりの年俸をケルンから受け取っていたわけで、移籍金も安くはなかったでしょうから、それを無駄にしないためにも浦和は自分たちの下で長澤をプレーさせてみる必要があるのではないでしょうか。



 今回のレンタル移籍が決まった時にも話しましたが、レンタル元でプレーして戦力として物足りないからレンタルするという流れならともかく、レンタル元でプレーもせずに即レンタルということになれば、一度は戻ってプレーをして実際に見極めようという流れになるのは妥当ではないかと思います。 
 特に長澤の場合は大きな怪我もあり今年は"リハビリ期間"とも取れたわけで、当然レンタルからの完全移籍なども期待しづらく、ダメなら再レンタルすればいいという考えもあるでしょう。
 高橋GMが移籍金を支払いたがらなかったのか、クラブとして払える額ではなかったのか、長澤や浦和サイドの要望だったのかはわかりませんが、この一連の移籍が決まった時点でこうなることは見えていたはずです。


 しかし、ジェフとしては残念な流れだと思います。
 今シーズン途中まで…というか、関塚監督が指揮を執っていた頃は、本領を発揮できずレンタルバックしても痛手は少ないと思っていました。
 けれども、長谷部監督になってボランチのタスクもはっきりしたこともあって、見る見る持ち味を出し活躍していきました。
 ようやく長澤を、モノに出来てきたのに…といった段階だと思います。



 球際で粘れるボールキープからの展開やシュート。
 あまり表には出さないものの、試合終盤に劣勢になった状況でも頑張れるメンタリティ。
 狭いエリアでタメを作れるから攻撃時のアクセントにもなるし、ジェフでは数少ないパサーでもある。
 今のジェフでは貴重な戦力であり、まだまだジェフで伸ばせる可能性もある選手だと思います。


 確かに課題もあって、キープの判断も「そこで持たなくても」と思う場面もあるし、自らパスを散らしてゲームを作るといったシーンも少ない。
 守備に関しても成長してはいますが、アランダに任せているところも大きいと思います。
 また、松本戦終盤に船山に直接FKを譲ってしまったように、周りに遠慮しているところもある。
 正直船山の決定力などを考えれば、あそこは長澤に蹴ってほしいところでした。



 ただ、現在のジェフの選手の中では、"スケール感"の大きさが1人抜けているように思います。
 "潜在能力の高さ"とも言えるのかもしれませんが、ボールの持ち方や相手のかわし方、時折見せるスルーパスやシュートの質などは、やはりスペシャルなものがあると思います。
 それをコンスタントに出せているとはまだ言い難いですが、それらはプロに入って取得できるような技術ではなく、持って生まれたセンスだと思います。


 特にホーム岡山戦で42分に見せたロングスルーパスは、目が覚めるようなプレーでした。
 ボールを奪った直後、中盤の低い位置から一瞬で状況を判断し、相手選手の間を通して町田の前に供給。
 スカパーでのハイライト動画でも映っていますが、出来ればもう少し前から見たかったかなとも思います。



 ジェフがオフに選手の大幅入れ替えをして、一番失われたのはそういったスケール感のある選手だとか、潜在能力の高い選手ではないかと思います。
 中村やキムはうまく育った上で幸運もあれば、将来的に代表に呼ばれる可能性もなくはなかったかもしれない。
 実際、ペチュニクやアンも代表に呼ばれていたし、松田なども雰囲気はある選手だったと思います。


 今年の選手たちも頑張ってはいるのだけれど、そこからの伸び代がどれだけあるか…。
 もちろん少しずつ成長には期待したいものの、実際問題として潜在能力やセンスといったものを伸ばすのは簡単ではないはずで。
 チームとして全体的に小粒になってしまった感は否めないように思います。



 長澤はボランチに移ってほぼ半年ですし、まだ粗削りなところはあると思います。
 パスを散らしてゲームを作るタイプのボランチでもないので使いにくく感じるところもありますが、伸び代や可能性はすごく感じる選手だと思います。
 浦和に復帰するのであればどこまでやれるのか見たいところでもありますが、シーズン途中にどこかに再レンタルという可能性も捨てきれないのではないかといった印象です。


 ジェフとしては伸び代なども考えた補強を目指したいところですが、そう簡単に良い選手を獲れるわけでもないでしょう。
 一度縮小してしまった感のある戦力を、ここからどう膨らませていくのか。
 前にも言った気がしますが、大幅入れ替えの影響は今年だけでなく、長期的なダメージが大きいのかもしれません。