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祖母井氏「毎年「J1昇格」と言いますが肩に力が入ってはいけません」

 長崎戦の話もあまり出来ていませんが、明日にはC大阪戦が行われますので明日は更新お休みします。
 C大阪戦の話の前に昨日調べ物をしていたら、元ジェフ祖母井GMのインタビューを見つけましたのでご紹介。
 昨年のものですが、クラブ運営やGMという職業について語られている興味深い内容となっております。


 一部を引用させていただくと。

僕はJリーグを見る人たちをチャンピオンスポーツ症候群だと言っています。
つまり、上しか見えていない。
だから、底辺とかそういった人たちに目がいかないんです。

 こちらは地域密着の話の流れで語られていますが、「Jリーグを見る人たち」とおっしゃっていることからしてもサポーターも関係しており、地域密着に限った話ではないように思います。
 上ばかりを見ずに地に足の着いた運営をしていかなければいけないし、それを周りもしっかり見守っていかなければいけないということなのかもしれません。

現在、2050年W杯優勝という目標掲げていますが、肩に力が入ってしまいます。
チームがワンステップ上がれないのはそこです。周りからプレッシャーがあるからだと思います。毎年、毎年、チームの全員が「J1昇格」と言いますが、肩に力が入ってはいけません。
もっと子供たちが豊かで、笑顔のある世界を作っていかなければなりません。
そしたら、自然にいい選手が育ってきますよ(笑)

 途中までは日本サッカー界に関しての話ですが、「毎年J1昇格と言っている」とジェフのことも意識されているのでしょう。
 今でもジェフを気にかけてくれていることは、うれしいことですね。
 昨日のブログでも短期間での結果ばかりを目指すことに関して指摘しましたが、それでは現場にプレッシャーをかけることに繋がる。
 祖母井さんによると「チームがワンステップ上がれないのはそこです」とのことです。


 実際、現在のチームもPO進出がノルマとなった結果、10月に追い詰められると、そこから一気に成績が出なくなった。
 「勝たなければいけない」というプレッシャーに追い込まれた結果、前に出過ぎてバランスを崩したところがあるように思います。
 あるいは、2014年には開幕直後からサポーターの居残りなどが起こった。
 そんな状況で結果を出すというのは、酷な話でしょう。


 現在のジェフは様々なプレッシャーがかかりすぎているのではないか…とは、以前から思っていたところがあります。
 その根底にあるのは、短期での結果を求める周囲に問題があるのかもしれません。
 クラブだけでなくサポーターを含めて、その雰囲気を変えていかないといけないのかもしれませんね。



 さて、明日対戦するC大阪も環境は違うものの、ここ数年は厳しいプレッシャーに苦しんでいるのかなと外から見ると感じます。
 オシム監督が「浦和は毎試合ダービーのようなもの」と話していたことがありますが、現在のC大阪も相手チームからも厳しいマークにあい、クラブ関係者も勝利を欲している。
 戦力や予算はあるものの、結果を出すには簡単な環境ではないのだろうなと感じます。
 ジェフも人のことは言えないところではないでしょうか。


 今年のC大阪は4-4-2でスタート。
 4×4のボックスが前後左右にコンパクトに守って跳ね返すスタイルで、リカルドと柿谷の2トップの負担を軽くし、攻撃に専念させる意図があったのではないかと思います。
 シーズン序盤こそ好調だったものの4月から調子を落としていくと、7月途中から一時は4戦勝ちなしで3敗1分と厳しい成績に陥ります。



 すると、大熊監督は3バックに変更。
 この背景には守備の改善はもちろんですが、柿谷の長期離脱やブルーノの移籍もあったのではないでしょうか。
 また、守備が計算できない上に結果も出なかったリカルドを、ついにスタメンから降ろすことにもなりました。


 1トップ2シャドーというより3トップに近い形で、攻撃時は前3人が高い位置に張り出す。
 それによって相手守備陣を押し下げ、中盤でソウザを中心にパスを繋いで前方に供給。
 あるいはウイングが相手SBを引き付けて、空いたスペースにWBが駆け上がる。



 大熊監督らしく、自チームの戦力の強みを活かす戦術と言えるのでしょう。
 4-4-2の時は柿谷とリカルドとブルーノの攻撃力を押し出す形で、3バックにしてからはソウザの展開力やWBの走力などを打ち出そうとしているのではないかと思います。
 以前は柿谷のチームといった印象でしたが、最近目立っているのはソウザなのかもしれません。


 ただ、攻撃的でハイテンションなチームだけに、テンションを保てなくなると一気に脆さが出る。
 これは昨年序盤から見られる、C大阪の課題なのではないかと思います。
 ジェフもそれに近い傾向はあるわけで、この"チーム体質"のようなものをどう変えるのかというのは悩ましいところですね。
 かといって、ハイテンションに戦わないと点が取れない、悪いムードが流れ始めるといった点も含めて。
 


 ジェフは前節長崎戦で0-0の引き分けでしたが、収穫もあったと思います。
 特に乾と岡野が活躍したことは、今後に向けても希望となるのではないでしょうか。
 もっとも来年チームが変わってしまったら、また評価もリセットとなる可能性もあるのでしょうが。


 右サイドでパスを繋いで崩す展開が見られた中、乾は積極的に前へ仕掛けて左サイドで良いアクセントとなっていたと思います。
 先週、乾の積極性を褒めておいてよかったです(笑)
 また、岡野も前に激しく潰しに行き、スピードも見せてくれました。
 あれだけ激しく行ってくれれば、後ろに構える近藤もやりやすいでしょう。



 この2人の活躍も、しっかりと我慢して起用し続けた方こそ。
 徳島戦だけでは低評価で終ってしまった可能性もあったかもしれませんが、粘り強くスタメンで起用したことで緊張も解けて公式戦のスピードにも慣れ始めた。
 やはり若手の起用は、「我慢して見守る」ことが重要なのだと改めて感じました。


 また長崎戦では勇人、岡本のベテランコンビも良いプレーを見せていました。
 加えて岡野が「前からの限定があるからこそ後ろはボールを取りやすくなった」と話していたように、吉田の起用もある程度の効果は見せてくれたように思います。
 勇人が前に潰せに行けていたのも、吉田のファーストディフェンスがあったからこそではないでしょうか。



 このように、長谷部監督は起用法を"当てる"ことが多い印象です。
 菅嶋のSHや比嘉のSBも効果を見せていたし、長澤も長谷部監督になってから活躍できるようになった。
 岡野や乾の起用も北爪や富澤など他の候補があったにもかかわらず抜擢し成功しているし、ここにきての勇人や岡本の起用も驚きでしたがしっかり効果を出したと思います。


 もちろん成績は振るっていないわけでそこに目をそむけてはいけませんが、やっていることは大きく間違っていないようにも思います。
 そういった内容の部分に関しても、しっかりと見ていくべきでしょう。
 特にジェフは結果ばかりで内容を見ずに評価をして、失敗することが多いだけに。

 

 ジェフはPO進出がなくなりましたが、C大阪は現在4位。
 このところ3試合は引き分けで勝ち切れない弱さも感じますが、8月途中に3バックに変更してからは6勝2敗3分の好成績となっているはずで、やはり力のあるチームだと思います。
 自動昇格圏の2位とは勝点6差と厳しい状況になってしまいましたが、まだ諦めていないでしょうしジェフにとっては簡単な試合にはならないでしょう。


 C大阪は前節水戸戦でも2-2ながらも、シュート数では19本対7本と相手を圧倒しています。
 水戸は耐えながらカウンターでゴールを狙う展開となっていましたし、ジェフもC大阪の攻撃に耐えて隙を待つ展開となるのでしょうか。
 もしそうなればより守備力が求められるでしょうし、連戦なのでメンバーも変わるかもしれませんが、岡野、乾が出るのであれば大きなチャレンジとなる試合となるのかもしれません。
 この試合を乗り越えればさらに成長できるかもしれませんし、見どころの1つとなるのではないでしょうか。