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ジェフが来季監督に元ヘタフェ監督エスナイデル氏が浮上

 ジェフの来季監督にスペインでヘタフェ監督などを指揮した、フアン・エスナイデル氏の名前が浮上しました
 「就任することが分かった」、「近日中に来日し正式契約を結ぶ見込みだ」と書かれており、記事からはほぼ決定済みといった印象を受けます。
 以前の報知はサッカー関連で信頼できない新聞社の代名詞でしたが、近年は信憑性の高い記事が多くこのまま決まるのかもしれませんね。


 今オフは徳島東京Vと不振にあえぐJ2クラブがスペイン人監督を招聘するケースが続いていますが、スペインルートの代理人が動いるのでしょうか。
 徳島も東京Vも「スペイン人で大丈夫?」なんて思っていましたが、まさかジェフもその流れに続くとは。
 Jクラブを指揮したスペイン人監督となると、フリューゲルスのレシャック監督かマリノスアスカルゴルタ監督などから10年近く不在で、成功例も少ないですから不思議な印象を受けます。



 エスナイデル監督は選手時代にサラゴサなどで活躍し、レアル・マドリードでもプレー経験のある人物。
 現役時代は前線の選手でアルゼンチン代表にも選出されていますが、ドイツ国籍、スペイン国籍も持っているようです。
 しかし、Wikipediaを見ても選手時代の文章は厚いですが、肝心の指導歴は薄い内容となっています。


 補足すると09年から11年まではヘタフェのコーチでしたが、11-12シーズンはスペイン3部で古巣サラゴサのBチームを指揮。
 しかし、1年で交代になると、13年4月にスペイン2部コルドバ監督に就任します。
 14年までの契約だったそうですが、シーズン終了後に解任となりここでも9試合しか指揮を執っていません。


 そして、少し間が空いて、16年4月に残留争いをしていたスペイン1部ヘタフェの監督に就任。
 残留を阻止することができず2部に降格しましたが、ヘタフェは監督続投を選択。
 しかし、2部でも開幕から1勝3分3敗と低迷し、9月末に解任となっています。



 長谷部監督にはまずまずの可能性も感じていただけに、少なくとも実績のある監督を招聘するかと思いきや、情報を調べると頭を抱えるような内容となっています。
 サラゴサBチームでもあまり良い状況ではなかったようですし、指揮を取った3チームすべてで苦戦し、全クラブで一年以内に監督交代となっています。
 少なくとも記録上では「経験のない監督」というより「失敗が続いている監督」というほうが正しく感じる上、スペイン国外での指導歴もなく日本に適応できるのかも不安な状況です。


 もともと外国人監督の招聘は「ギャンブルに近い」と話しましたが、これを見ると成功の確率はさらに低いのではないかと思わざるを得ません。
 エスナイデル監督としてはスペインで苦労し続けている状況ですから、日本で再起をかけたいという思いもあるのでしょうか。
 しかし、ジェフも過去10年間右肩下がりで低迷しているクラブですから、まだ43歳と若い外国人監督を見守るだけの余裕があるかどうか…。



 サポーターとしては、もういっそクラブの大きなギャンブルに乗って、楽しむしかないのかもしれません。
 もっともドワイト監督就任前も同じようなことをブログで話していましたが、実際のシーズンでは予想通り苦労したわけですが…。
 もちろん実績だけで判断するのは良くないかもしれませんが、冷静に考えればクラブも監督も何度も失敗している組み合せとなるわけで状況は明るくないように思います。


 結局、高橋GMは1年間何らポリシーを感じるようなコメントを発していませんし、事務的な仕事は得意なのかもしれませんが、強いポリシーを掲げてリーダーシップを取るタイプではないように感じます。
 そこは選手、コーチとしてプロ経験がないことも影響しているのかもしれませんし、神戸時代も安達監督やネルシーニョ監督、高橋GM前後のGMであり高橋GM時もアカデミー統括だった村野氏の存在が大きかったのかもしれません。
 だから、今回も外国人監督だったりスペインだったりといった、"明確なシンボル"を求めて監督に方向性の確立を期待するという流れなのでしょうか。



 しかし、"ギャンブル"するのはともかくとして、報知の記事が確かなら「土台作りを託せる人物」とのことですが、どこにその要素を感じたのでしょう。
 一般的に「土台作りを託せる人物」と考えると、実績のある監督や年齢の高いベテラン指導者、長年ユース年代を見ている人物などだと思うのですが、どこにも引っ掛かりがないように思います。
 もしかしたら長期契約も検討しているのかもしれませんが、関塚監督の時と同じような失敗をする可能性も考えられ、予算面での問題にも絡んでくる恐れがあります。


 そして、記事内で最も気になったのは、メインの内容よりも最後の文章。

アカデミーダイレクターにもスペイン人を招へいし、育成部門も強化。中長期的なビジョンで再建を図る。

 こちらの方が、クラブの将来においては不安要素が大きいのではないでしょうか。


 トップチームにおいては、最悪"ギャンブル"するのは構わない。
 ダメならやり直せばいいし、もともと現状のチームでは期待薄。
 長谷部監督がコーチとして残ったとしても、実際に指揮を執るのは監督ですから継続性などは望めないでしょうし、スペインサッカーとなればなおさらでしょう。



 しかし、アカデミーに関しては、より長い目で見なければいけないはずです。
 ころころと監督や主要スタッフを挿げ替えて方針がぶれては、伸び盛りなユースの子たちの将来に影を落としかねない。
 もちろんアカデミーもテコ入れは必要かもしれませんが、"ギャンブル"などは以ての外な領域ではないかと思います。


 もしエスナイデル監督が早期解任となった場合、スペイン人アカデミーダイレクターはどうなるのか。
 そのシーズンは残るかもしれませんが、翌年以降トップチームに他国から監督を招聘することになっても驚きはないでしょう。
 そうなった時にも、アカデミーだけはスペインルートを維持できるのか。


 個人的には江尻監督や坂本監督、立石コーチや櫛野コーチなどジェフOBの成長が、アカデミーからクラブの哲学を少しずつ固めてくれる可能性も期待していたのですが、それもどうなるかわからなくなりますね。
 もしかしたら日本で海外クラブのスクール展開が盛んになって、千葉県でもミランリバプールアーセナルなどが開校しているので、そちらも意識しているのでしょうか。
 ただ、それらは何となく"育成"というより"ビジネス"の匂いを感じてしまいますが。



 明確なビジョンが作れない状況だからこそ、クラブとしてスペイン路線に振り切って方向性を確立する。
 そのために徹底してスペイン路線でやり切るといった揺るぎ無い姿勢があるのであれば、その気持ちは買いたいとも思います。
 しかし、その場合のキーパーソンとなるべきエスナイデル監督に、あまりにも不安要素が大きすぎる。


 組織に大きな変革を求めるのであれば、キーパーソンにはやはり説得力が必要だと思います。
 そこを欠けてしまっては皆が同じ方向を向いて舵を取るのは難しく、計画段階からブレが生じる恐れも否定できない。
 そして、クラブ単位での大きな変革を目指すとなれば失敗した時の損失は大きく、今まで良かった部分やこれまでの財産などを失う可能性もあるのではないでしょうか。



 それらも理解した上で、この"ギャンブル"に乗るかどうか。
 そして、現実問題として"ギャンブル"成功の確率がどれだけあり、リスクマネジメントなども含めてどれだけの準備が出来る状況にあるのか。
 ちょうどスペイン人監督の報道が出た東京Vを応援するアトさんが「派手なこと高望みをする前に、まず"サッカークラブ"としての「信用」を取り戻すことに、努めてもらいたい」とブログで書かれていますが、私もジェフに同じような印象を受けてしまいました。


 多くのクラブ関係者が、ジェフに変化を求めているのは事実だと思います。
 しかし、多くの人は今のクラブに足りていない"着実性"を求めているのではないかと思いますし、今回はその逆をいっているように思わなくもありません。
 確かに外国人監督、スペイン路線といえば聞こえはいいかもしれないですが、その言葉だけに期待しては今までのふらふらした運営と変わらないように思いますし、ネームバリューに乗って全権を任せて失敗した関塚監督の時と似たような印象も受けてしまいます。



 首尾よくこの"ギャンブル"が当たれば良いのでしょうが、かなり危険な賭けではないかと思います。
 しかし、リスク覚悟でこれをやるからには「ダメでも長谷部コーチが控えているから」というような発想ではなく、腹をくくり強い覚悟を持ってやり通して欲しいところです。
 だから、個人的には"保険"として長谷部コーチを残すようなことは、どうなのかなとも思うわけですが…。


 あの状況で監督を任せてノルマまで背負わせて、ある程度のチームを作っても監督続投はなくコーチとしては残ってもらうと、長谷部監督には甘えっぱなしですね。
 そういった甘えが、クラブをダメにしているように思わなくもありません。
 ともかく、今は不安の方が大きいですが、クラブがどういった選択に出るのか注目ですね。