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2016シーズンを振り返る 岡野洵&乾貴哉編

 今年の日程の問題もあって、2人はまとめて取り上げさせていただきます。
 この2人は昨年何度も取り上げてきましたしね。
 昨年は共にリーグ戦7試合に出場し、うち6試合がスタメン出場でした。


 ルーキーCB岡野は、10月23日の徳島戦で初スタメン。
 そのままシーズン最終節まで、レギュラーポジションを維持し続けました。
 CB、左SBはともに頼りないポジションだったので、2人の健闘が目立ちましたね。



 岡野は高さがあるだけでなく、スピードの面でも期待できる選手。
 足元の技術も非凡なものを持っていると思います。
 トータルでのポテンシャルが高いCBと、言えるのではないでしょうか。


 特に印象的だったのが、局面で戦える選手だということ。
 激しく前に出ていって相手を潰しに行くプレーは、チーム全体を盛り上げていたと思います。
 そこが他のCBとは違う、一番の武器だったようにも思います。



 ただ、まだ若い選手ということで、がむしゃらさは買いたいものの、安定感においては課題もあったと思います。
 11月6日に対戦した金沢戦では、対面したテクニカルな中美に苦労していた印象でした。
 パワーやスピードなどはあるものの、細かな駆け引きなどにおいてはまだ学んでいかなければいけないところが多いように思います。


 加えて、ポジショニングなども、これから覚えていくべきところなのかもしれません。
 先日のニューイヤーカップでも、経験が少ないであろう3バックでのプレーだったせいか、バタバタしていた印象でした。
 今年の開幕までに、3バックでの動きを習得していかなければいけませんね。



 昨シーズン終盤の流れからすると、岡野が今年のスタメン候補にあがってもおかしくないと思います。
 しかし、監督が代わってしまいましたから、また評価はリセットとなるのではないでしょうか。
 3バックになればCBのポジションは一つ増えるわけですが、若い西野も補強しましたし3バックの経験不足といった問題もあるでしょうから、開幕スタメンは厳しい状況なのかもしれません。


 とはいえ、身長が高くスピードがあって足元の技術もある若いCBというのは、そういるわけではないと思います。
 チームの将来を考えれば多少我慢してでも使ってほしい選手だとは思うのですが、現時点での戦力を優先すると他の選手になる可能性もあるのでしょうか。
 まだ若い選手ですので焦らず頑張ってほしいところではあると思いますが、一度試合に出てしまっただけに試合から遠のけばレンタルという話も出てくるかもしれませんね。



 続いて乾も岡野と共に、10月23日の徳島戦で初スタメン。
 比嘉の時にも話した通り、阿部のコンディション不良と比嘉の負傷もあって、スタメンが回ってきました。
 長身SBでCBもこなす選手ということで、当初はフィジカル系のDFなのかなと思っていたのですが、プレーを見るとむしろ技巧派といった印象でしたね。


 ボールを持ってもスピードで突破するようなプレーは少なく、相手の動きを見て長い足を活かしてうまくいなすスタイル。
 冷静にボールを持てるタイプで、クロスを上げる際にもゴール前の動きをしっかりと見て、ボールを供給できる選手だと思います。
 筋力があるためか高いボールを落としてターゲットを狙える選手だと思いますし、ボールを持った時の質の高さを感じました。



 また、ここぞという時の思い切ったスプリントも特徴で、プレーがはっきりしていてボールを出しやすいタイプの選手なのではないでしょうか。
 加えて、187cmの長身で、セットプレーのターゲットとしても優秀です。
 現代サッカーではクロスに逆サイドの選手が飛び込むようなプレーも多いためSBにも高さを求められることが多いですから、乾は日本では貴重な長身SBとも言えるのではないでしょうか。


 セットプレーやサイドを駆け上がる時のダイナミックなプレーが印象的で、気持ちの強い選手なのではないかと思います。
 岡野と乾はともに若いだけでなく、気持ちを込めてアグレッシブにプレーしていた。
 そこが昨年のチームに足りなかった1つの要素だったと思いますし、2人がシーズン終盤に良い風を送り込んでくれたのではないでしょうか。



 ただ、乾に関しては、岡野以上に課題も多かったと思います。
 特に守備時に劣勢に立たされることが多く、相手チームに左サイドを狙われていました。
 ドリブルでのマッチアップ時に、最初の対応が遅れがちで前を向かせてしまう場面が目立っていました。


 そこからの対応も課題が多く、相手を潰し切れずにズルズルと下がってしまう。
 そうなると相手のクロスを上げるポイントが上がってしまい、そこからラインも下がってしまう。
 もともと攻守にスピードのある選手ではないだけに、苦労する部分があったのではないかと思います。



 守備面を考えると前目でプレーさせた方が良いのではないかとも感じ、実際に高校ではFWとしてもプレーしていたようです。
 しかし、本来は前を向いて良さが出るタイプだと思うのでFWだと良さが活かし切れないのかもしれませんし、SHだと中盤的なプレーが求められるため難しいのかもしれません。
 やはりSBとして守備も改善するというのが、一番妥当な選択となるのでしょうか。


 先日のNYCでは、3バックの左でもプレーしていました。
 これは先日も話したように、3バックが左にスライドして4バックのような形になるため、左CBにSBも出来る選手を起用した可能性もあるのかなと思います。
 阿部を左CBで試したという話もあるそうなので、ビルドアップへの貢献や4バックへのシフトも含めて、乾や阿部をテストしているのでしょうか。



 確かにWBとなると運動量やスピードを求められることも多いと思うので、乾や阿部は苦労する部分もあるのかもしれません。
 昨年の乾は体力的に厳しくても懸命に走る姿勢を見せてくれましたが、90分間プレーすると疲労を隠せないところがありました。
 まだ若いことや試合経験の問題もあって、スタミナにも課題があるのでしょう。


 CBならそこも隠せることにはなりますが、ストッパーとなるとどうしても一対一での守備力が求められる。
 そこに大きな課題を感じる選手なだけに、公式戦となると難しい部分があるのかもしれません。
 SBにせよCBにせよ、守備力の向上が必要となってきますね。



 ボールの持ち方やクロスの質など、光るものは持っている選手だと思います。
 一方で課題もはっきりしている選手なだけに、その壁を超えられるかどうかで将来は大きく変わってくるのではないでしょうか。
 ポジションに関しても悩ましい部分のある選手だと思いますから、1つ間違えば使いにくい選手という判断で消えてしまう可能性もあるかもしれません。


 基本的には、4バックにおけるSBの方が適している選手なのではないかと思います。
 特に守備時に高さも活かせるSBとして成長していった方が、本人の将来を考えると良いのではないでしょうか。
 そう考えると3バックは逆風なのかなとも思わなくもないですが、高いセンスを持ち合わせている選手なだけにどうにかそれを活かせるようになってほしいところだと思います。


 ジェフとしても、岡野と乾はせっかく昨年久しぶりに出てきた"若い可能性"です。
 この2人を何とかモノに出来るようなクラブに、なってほしいところではないでしょうか。