当ブログはプロモーションを含みます

2016シーズンを振り返る 町田也真人編

 2016年に大きな躍進を遂げた町田。
 スカパー!中継内での情報によると、2015年終盤はほぼ戦力外で金沢への移籍が決まりかけていたほど。
 しかし、昨年はチーム内で得点王となり、名実共にチームの中心選手として活躍しました。



 町田は昨年も開幕戦はベンチスタートで、シーズン序盤はまとまった出場機会がありませんでした。
 しかし、4月に入ってチームの成績が下がっていくと、4月29日の水戸戦からスタメン起用されます。
 関塚監督は困ると町田に期待するところがありましたね。


 5月3日の讃岐戦で2016年初ゴールをあげると、5月7日からは2トップの一角としてプレー。
 続く5月15日の熊本戦では震災直後で相手のコンディションに問題もありましたが、町田が2ゴールの活躍を見せ久々の勝利に導きます。
 この頃から、町田のブレイクが始まっていきました。



 FWの位置から積極的に前へチェイシングしていき、チームのプレッシングを促進。
 町田がファーストディフェンダーになることによって、守備範囲が限定されたエウトンもフィジカルを駆使したボール奪取が増えていきました。
 そして、町田は攻撃時においても、こぼれ球を拾ってのダイレクトでのシュートが増えていき、コンスタントにゴールを決めていきます。


 5月は町田の活躍もあってチームの成績も上がりましたが、一時の勢いを維持できないのが関塚監督の大きな課題でした。
 チームとしては、6月以降再び下降していきます。
 町田自身の状態は良かったものの、7月終盤になって監督交代となってしまいます。



 長谷部監督になってからは、左SHでのプレーが増えていきました。
 しかし、SHのポジションではありましたが、そこから攻守において積極的に前に飛び出す形で、3トップにも近い状況になっていた印象です。
 その分、左SBの比嘉がアップダウンしてサポートする形も作れており、SHでも攻守に貢献していました。


 しかし、シーズン終盤には、町田も怪我に悩まされます。
 もともと町田も怪我の多い選手ではありましたが、これにより欠場した試合もあり、調子も下降傾向だった印象です。
 それでも11月12日の札幌戦では、こぼれ球を押し込みゴールを決めています。



 2016年はリーグ戦11ゴールをあげ、二桁ゴールを決めたことになります。
 二桁ゴールは初めてどころか、前年まではリーグ戦で1ゴールしかあげていません。
 あまり試合に出ていない選手や後方の選手ならばともかく、60試合に出場して1ゴールしかあげていなかったわけですから、二桁得点は大きな進歩と言えるでしょう。


 深刻だった決定力不足が改善した理由を探るのは難しいですが、1つには自信をつけたことが大きいのではないかと思います。
 ゴール前でのプレーを見ても、以前は焦っていたところがあったように思いますが、冷静にプレーできるようになった印象があります。
 やはり決定力に関しては技術面も大きいとは思いますが、精神的な部分が大事なのかもしれません。


 加えて、昨年はダイレクトでのシュートから得点を決めることが多かった。
 もともと中盤でのプレー時もダイレクトプレーが得意な選手でしたし、うまくこぼれ球を予測してダイレクトでゴールを狙うというのがパターンとしてハマっていたように思います。
 逆にドリブルからのシュートは相変わらず外してしまう場面もあり、ダイレクトで狙うことによって迷わずにシュートを狙えるようになったことが良かったのかもしれません。



 そして、FWとしてプレーしたことも、町田にとっては非常に大きな変化だったのではないでしょうか。
 これまでは相手の間で受けるプレーが得意で、そこからのゲームメイクなどを求められつつ、状況に応じてゴール前に飛び出すプレーが多かった。
 それによってタスク過多になり、ゴール前のプレーにおいては質が下がっていた部分もあったのかもしれません。


 しかし、FWとしてプレーすることによって、ゴール前でのプレーに集中しやすくなり、プレーエリアも高くなった。
 そのため、こぼれ球からのダイレクトシュートも狙いやすくなったし、決定力も増していったのかもしれません。
 長谷部監督になってSHに戻ってからも、前への姿勢は以前より高まっていたと思いますし、FWに近いタスクだったように思います。



 しかも、町田を前線で起用すればハイプレッシャーをかけ、そこからハーフカウンターも狙えるようになる。
 高い位置でボールを奪って得点を狙う形も何度かあったと思いますし、攻守にFWへのコンバートは成功したように思えます。
 どこまで狙っていたかどうかはわかりませんが、町田のFW起用は関塚監督一番の成果だったとも言えるのかもしれません。


 先日のNYCでも2トップの一角に入り、ハイプレッシャーをかけ続けて、チームを牽引していました。
 札幌戦での立ち上がりでは、ダイレクトで惜しいミドルシュートを放っており、攻撃面でも貢献していたと思います。
 今年も町田が中心選手となっていくのでしょうか。



 町田の激しいチェイシングやこぼれ球を拾ってのシュートなどを考えると、前線あるいは2列目でもアタッカーとして期待した方がいいのかなとも感じます
 今までのような中盤でゲームメイクを期待するよりも、より前へアグレッシブなプレーを期待した方が意外と町田には合っているのかもしれません。
 そう考えると、町田という選手の見方を少し変えた方が良いのかなとも思います。


 とはいえ、基本的には攻守に期待できるジェフでは数少ない選手であり、本来はお膳立てが得意なタイプでもあると思います。
 高い位置でプレーしていたとしても、生粋のゴールスコアラータイプではないし、攻撃に変化を付けるエキストラキッカーでもないと思います。
 あくまでもアグレッシブに動き回り周りを活かしつつ自身もゴールを狙う選手で、どちらかといえばハイレベルな"水を運ぶタイプ"といえるのではないでしょうか。



 それだけにチーム全体を考えれば、町田の他にゴールスコアラーやエキストラキッカーも必要になってくるのではないかと私は思います。
 町田がチーム内得点王になっているようでは厳しく、それを超える点取り屋の出現に期待したいところではないでしょうか。
 やはりラリベイ、船山、清武あたりが、いかに強さや違いを攻撃面で見せられるかどうかが、攻撃陣のカギを握っているのでしょうか。


 町田に関しては昨年十分な活躍を見せたとは思いますが、シーズン序盤は試合に出られなかったし、シーズン終盤は負傷してしまいました。
 それだけにフルシーズンを通して安定した活躍をできるかどうかが、今年は大きな目標となるのではないでしょうか。
 怪我などには十分気を付けてほしいところです。


 町田も来年で28歳になりますから、チームの主軸としてしっかりとチームを引っ張っていく立場にならなければいけないでしょう。
 今年から背番号10を付けることになりますが、ジェフの背番号10は長らく定着していないだけに、「ジェフの背番号10と言えば町田」と言われるような存在になってほしいと思います。