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レンタルの熊谷が完全移籍、山形DF高木も獲得

 遅くなってしまいましたが、横浜FMからレンタルで加入していた熊谷がジェフに完全移籍することが決定しました。
 また、山形DF高木利弥の獲得も決まりました。
 高木に関しては以前にも取り上げましたので、本日は熊谷に関して。


 11月末の段階でBLOGOLAに「熊谷が千葉に完全移籍へ」という記事が出ており、記事によると横浜FMと契約満了の末にジェフへ移籍することになるそうです。
 また、矢田と為田の完全移籍も交渉中とも書かれています。
 キムや菅嶋などその他のレンタル選手は、どうなるんでしょうね。



 今シーズンからジェフにレンタル移籍していた熊谷は、シーズン序盤こそインサイドで幾度か試されていましたが、4月からはアンカーとしてレギュラーに定着。
 当初は慣れない1ボランチでのプレーに苦戦。
 攻守に仕事が見つけきれず、フラフラとしていた印象です。


 しかし、徐々に1ボランチに慣れていき、少しずつ改善していったように思います。
 特に守備時において、局面で激しく潰しに行けるようになったことが、一番の変化ではないでしょうか。
 もともと体格には恵まれている選手でしたが、それをうまく守備に使えるようになっていったように思います。


 また、攻撃時においては縦にパスを出せる能力が高く、そこがアランダや勇人との違いだと思います。
 特にボールを奪った直後の縦パスから攻撃を作り、ショートカウンターの起点になっていました。
 DFラインからのボールの受け方など、攻撃時のポジショニングでも勇人などを上回っていた印象です。



 ただ、守備においては局面での強さはあるものの、基本的には気の利いた守備が出来る選手ではないように思います。
 1ボランチ脇のスペースをカバーするというような動きが出来るタイプではなく、守備のスペース管理においては勇人などの方が期待できた印象です。
 そのためハイラインを維持して全体を圧縮できている時には問題がないものの、押し込まれると熊谷の脇を取られることが多くなっていたと思います。


 さらにチームとしてビルドアップに課題があったため、熊谷のパスセンスを活かし切れないことが多かった印象です。
 チームとして中央からの攻撃を作れないため、遅攻時に熊谷から縦へという展開が少なかったですね。
 そのため左右に大きく振れるアランダの方が、効果的に見えた部分もあったのかもしれません。



 改めて熊谷のパスセンスを感じたのは、ダブルボランチで起用された第41節名古屋戦でのスルーパス
 コースはもちろん、パススピードもタイミングも含めて絶品だったと思います。
 その時にも取り上げたように、熊谷曰く「アンカーの時はFWの動きを見てあげられなかった」とのことで、ダブルボランチになって高い位置でプレーできるようになったことで決定的なパスを出せるようになった。


 やはり熊谷の一番の武器はこの時のようなパスセンスだと思いますし、それを活かすためには1ボランチよりもより高い位置でプレーさせた方が機能するのではないでしょうか。
 守備面でも現状だと中後と同じようなイメージで、中後も局面には強いけれども、カバーリングは計算できないところがあった。
 そのため中盤の底においても、守備でのリスクマネジメントにおいてはあまり期待できない選手だったと思います。



 1ボランチで起用された時の熊谷は健闘してはいたものの、どこか我慢を強いられていた印象です。
 それだけに、来年はより高い位置でのプレーを期待したいところではないでしょうか。
 前方へのスルーパスが熊谷がブレイクした金沢時代の強みでもあったわけですし、そのイメージがある分正直物足りなさも感じていました。


 また、より積極的なプレーも、期待したいところではないかと思います。
 PO名古屋戦では熊谷がボールを持って前が空いたにもかかわらず、前方の選手が動き出さなかったために後方に下げてしまったシーンがありました。
 チームの司令塔となっていくのであれば、そういった場面でも自らのアクションで動きを作り出すことが必要ではないかと思います。


 パスセンスにおいてはチームトップクラスだと思いますし、個人的にはさらに上を期待したい選手です。
 ジェフにはパサータイプが少ない問題もありますし、チームとしてもより熊谷のパスセンスを活かせるようになりたいところではないでしょうか。