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長谷部監督率いる2連敗中の水戸と対戦

 前節町田戦では0-3から、PK3連続で同点に追いついたジェフ。
 劣勢の展開から追いついて、引き分けに持ち込めたことは良かったと思います。
 ただ、PK3本でゴールを上げても、勝点1しか得られなかったことにもなります。


 現在のジェフは10勝5分13敗の勝点35で、1試合当たりの平均勝点は1.25ですので、勝点1では平均を下げてしまったことになります。
 順位も1つ下がって16位となってしまいましたし、平均勝点1の計算で行くと19位と20位の間ということになります。
 そのため、勝点1という成果は、数字上では手放しに喜べないものと言えると思います。



 今週末のジェフは、水戸と対戦。
 第2節で対戦した水戸との試合も、スコアレスドローという結果になっています。
 水戸がかなり慎重な戦い方をしてきた印象のあった試合でした。


 現在の水戸は、10勝6分12敗の13位。
 僅差ではありますがジェフより上位につけており、開幕前に多くの選手が抜けた状況を考えれば健闘していると思います。
 4月途中からは4連敗の後に1つの勝星を挟んで、また3連敗を喫するなどかなり厳しい状況に陥りましたが、その後は持ち応えています。



 水戸の長谷部監督はやはりジェフ時代と同じようなサッカーをしている印象で、守備時は4-4-2でポジショニングを細かく修正しバランスを重視してプレスに行く形。
 攻撃においてもポストプレーを挟みながらセカンドトップを中心に2列目が前に飛び出すサッカーで、ジェフでもエウトンに当てて船山や町田が飛び出す展開を狙っていました。
 こうやって似通ったスタイルになっているのを目の当たりにすると、やはりサッカーというスポーツは監督の影響が大きいのだなと改めて感じます。


 今季序盤にはセカンドトップ役としてC大阪からレンタルした21歳の岸本が活躍し、最近では浦和からレンタルしている20歳の伊藤が主力となり7ゴールをマーク。
 その他にも、若い選手が多く活躍しているのが特徴的です。
 チームとしての約束事をハッキリと作れていることが、若手にとってもプレーしやすい環境を作り出しているのではないでしょうか。


 一方で、7ゴールを上げている23歳のCFジェフェルソン・バイアーノが怪我がちなのが懸念材料で、前節福岡戦でも欠場しています。
 先週加入が発表された192cmの長身FWバティスタが、ジェフ戦に間に合うかも注目ではないでしょうか。
 また、右SHのレギュラーとしてプレーしていた20歳の黒川も7月中旬の京都戦で負傷し、全治8週間の診断を受けて離脱中です。



 攻守にオーソドックスなサッカーをしている印象ですが、一方で個人技で打開できるチームが相手だと、ズルズルと下がってしまうところがあるようにも見えます。
 前節福岡戦でも劣勢を強いられて0-2で敗戦し、前々節の徳島戦も0-1で敗れて、現在2連敗となっている印象です。
 戦力が豊富とは言い難い中で離脱者も出ており、現在は若干調子も落ちてきているのかもしれません。


 個人技での打開が武器で、相手を押し込むサッカーをしていくジェフにとっては、相性の良い相手と言えるのかもしれません。
 その当たりも含めて冷静に判断をして、前回対戦時の長谷部監督はかなり慎重に戦ってきたのでしょうか。
 今回も水戸がどういったジェフ対策を知ってくるのか、注目ではないかと思います。



 ジェフとしては町田戦を3-3で引き分けたとはいえ、今後に向けて手応えを感じる試合だったとは言い難いように思います。
 後半から矢田が左サイドの裏を狙って走るようになり、そこにボールが出る展開もありましたが、あれは町田がコンパクトなサッカーをしていたからこそやれたところがあったと思います。
 船山の裏抜けに関しても同様で、他のチームであそこまで自由に裏を走らせてくれる展開は期待しづらいように思います。


 それならば甲府戦のように工藤が中盤中央でポイントを作るような展開を狙うのか…とも思いますが、工藤も甲府戦以降は目立たない試合が続いています。
 では、矢田に戻すのか、それともせっかく補強をしたのだから工藤のままでいくのか…。
 そうやって悩んだ時に大事なのがチームとしてどういった攻撃を目指しているのかといったところになるのでしょうが、そこがハッキリ作れていないというのが実際のところではないでしょうか。



 ジェフは町田戦でも3失点を浴びて、同節で5失点を喫した熊本と並びJ2最多失点の状態が続いています。
 町田のスピーディな攻撃に対して少しずつ守備が遅れを取っており、守備で後手を踏んでしまった印象です。
 相手の攻撃に対して準備が遅れ、攻撃を遅らせることも出来ていないから、劣勢な状況での対応が多くなっていた印象でした。


 水戸戦はまた違った展開になる可能性も高いのではないかとも思います。
 ただ、どんな展開になったとしても、自分たちの狙いを明確に持った試合をしていかなければいけないのではないでしょうか。
 もちろんハイプレス・ハイラインという指標はあるのでしょうが、それだけではアバウトで具体的な形を築き上げられるかが重要だと思います。


 そのあたりを改めて感じさせてくれたのが、町田だったとも言えるのではないでしょうか。
 「コンパクトなサッカーをする」という目標だけでなく、そのために何をしなければいけないのかといった理論を明確に持っていて、それを貫いているチームだと思います。
 ジェフはその「何をしなければいけないのか」の部分が大きく欠けている印象ですし、そこをつめられないとスタイルの確立も難しい状況になってくると思います。