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J2最多失点で降格圏内の21位熊本と対戦

 横浜FC戦、愛媛戦と0-1での敗戦が続いてしまったジェフ。
 順位は変わらず16位ですが、17位の新潟、18位の愛媛と勝点42で並びました。
 このため、次の試合で18位まで落ちる可能性もあります。



 現在、ジェフと19位の京都とは勝点8差。
 さらにJ3降格圏内にいる21位の熊本とは、勝点差が15と開いています。
 今シーズンも残すところ7試合となっていますし、さすがにジェフの降格はないでしょうが、どの順位でシーズンを終えられるのか気になる状況ですね。


 また、現在のジェフは総失点で64ということで、J2で2番目に多い数字となっています。
 最も失点の多いチームが熊本の69で、3番目に多いのが讃岐の60ということに。
 順位でいうと熊本は21位、讃岐は22位ということで、ジェフは失点数で降格圏内にいる2チームに挟まれている状況ですから、改めて失点の多さが目立つ成績になっていると思います。



 今週末のジェフは、その熊本とアウェイで対戦します。
 今季の熊本は渋谷監督が就任し、ボランチなどを使ったパスワークを中心に、アグレッシブなサッカーを目指しているのではないかと思います。
 細かくパスを繋ぐだけでなく左右にボールを動かすことが出来ている印象ですが、後方でボールを奪われて失点するケースも目立っているように思います。


 守備に関しては3-1-4-2で前からプレスをかけるのが基本だったと思うのですが、失点数が減らないこともあってかここ数戦はボランチを2枚にして3-4-2-1で戦っています。
 2トップでプレーすることの多かったアン・ビョンジュンがシャドーに移って、引いて守る時には5-4-1に近い形になるシステム。
 アン・ビョンジュンは攻撃面でも前を向いた時の力強さを見せており、大事な戦力となっている印象です。



 ただ、ダブルボランチにしても失点を減らすことは出来ず、前節も残留を争う京都との大事な試合で0-4と大量失点を浴びて大敗しています。
 シーズン序盤から感じていましたが、熊本の守備陣は単純にスピードに不安があって、競争になると負けてしまうことが多い印象です。
 京都戦でも小屋松に裏を走られて、そのままゴールを決められています。


 また、DFラインにスピードがないためかズルズルと下がってしまう傾向があり、DFライン前にスペースが出来がちな印象を受けます。
 さらに京都戦では空中戦やセットプレーでも競り負ける場面が目立ち、闘莉王や本多の高さで負けてそこから3失点しています。
 単純にCBの質の問題を感じる印象がある熊本ですが、夏に補強したのは水野晃樹や横山など、CB専門の選手ではなかったことも少し気になるところではないでしょうか。



 個人的にはあまり他チームに贔屓を作るつもりは全くないのですが、それでもやはり巻の存在は気になってしまいます。
 巻は皆川、アン・ビョンジュンなどライバルが多い状況となっていますが、現在もスーパーサブとしてチームに貢献しています。
 その他にも多々良や水野、アン・ビョンジュンなど、元ジェフの選手たちが多くプレーしており、頑張ってほしいチームの1つではないかと思います。


 また、現在の熊本が苦戦しているキッカケを考えると、どうしても2年前の熊本地震による影響を思い返してしまいます。
 もちろん震災だけが原因ではないとは思うのですが、2016年の熊本は震災が起こるまでは好調だっただけに、あんなことがなければここまで苦戦していなかったかもしれません。
 そこから長らくクラブを引っ張ってきた池谷氏が退団することにも繋がったわけで、今はクラブとしても過渡期にある難しい時期に入っているのではないでしょうか。


 巻も震災以降、復興活動に力を注いでおり、その姿勢はプロスポーツ選手としても模範の1つとして考えられ、震災直後にはスポーツの可能性も示したのではないかと思います。
 しかし、一方で現在もサッカー以外で多忙な日々を送っているのではないかと思いますし、負担が大きすぎるのでは…という心配もあります。
 かといって、復興のために求められるのなら答えることも重要だと思いますし、判断の難しいところではあると思うのですが、巻に限らず様々な面で震災の負担は重く圧し掛かっているのではないかといった印象を受けます。



 それだけに熊本にはなんとか残留してほしい気持ちもあるのですが、一方で勝負は勝負。
 真正面から戦わなければ失礼にも値するわけで、週末の試合では全力で戦うべきでしょう。
 ジェフも降格はないにしても、状況からすればかなり厳しい立ち場にいるわけですし、降格圏のチームに油断できるような状況にもいません。


 ジェフも2連敗中ですし、苦手なアウェイゲームとなります。
 昇格も降格もほぼ可能性は消えた状況で、このままズルズルと行かないようにしなければいけないと思います。
 ジェフに限らず目的を失ってチームの気持ちが切れるということも珍しくはないわけですから、ここからどのようにモチベーションを管理していくかも注目ではないかと思います。



 一方の熊本もここ6試合で勝ち星なしとなっており、前節は0-4と大敗しています。
 しかも、ライバルの京都に敗れてしまったということで、精神的なダメージも考えられます。
 それでも現在12試合勝利なしとなっている20位岐阜との勝点は6ということで、ここで踏ん張れればまだ残留の望みは残るはずですし、ジェフ戦は大事な試合となるのではないでしょうか。


 熊本としては気持ちを切り替えて、もう一度前を向いて戦うことが求められるのではないかと思います。
 京都戦でもチャンスは作っていたし、ボールは運べていたので、やはり課題は守備ということになるのではないでしょうか。
 90分間集中することが必要だと思いますし、CBへのサポートなども足りていないのかもしれません。



 ジェフとしては2試合連続で完封負けを喫していますが、熊本は守備に不安があるチーム。
 しかも、残留争いをしているチームということで、相手に焦りの色などが見えてくれば、そこをしっかりと突きたいところです。
 ジェフは攻撃的なチームには強い傾向もありますので、熊本が勝点3を狙いに前へと出て来れば、大きなチャンスが見えてくるかもしれません。


 なお、ジェフは残り試合で熊本、岐阜、京都と試合が残っているため、意外に残留争いのカギを握ることになるかもしれませんね。
 本来なら下位チームとの試合が残っているのであれば上位進出のチャンスとも言えるのでしょうが、愛媛にも敗れてしまいましたしそんな余裕もない状況だと思います。
 ジェフとしても1つでも多くの勝点を取って、未来に向けて何らかの希望を見出せるような試合内容を、今後に期待したいところではないでしょうか。