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北の考古学─日々の着想

2014-06-28

系統樹か周圏論か

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 6月20日の記事でとりあげた、murawaki氏ご教示の「Evolution of the Ainu Language in Space and Time」について、同氏のブログでも同論文が取り上げられています。サハリン方言を諸方言の分岐の起点に置くのではなく、方言周圏論的にアイヌ社会の周縁であるサハリンに古い時代の言葉の特徴がのこったと理解するのが適当ではないかとのご指摘。考古学の成果からみても、まさにそのとおりだとおもいます。たいへん興味深く、おおいに勉強になりました。
http://rekken.g.hatena.ne.jp/murawaki/20140623/p1

murawakimurawaki 2014/06/29 12:57 私自身のことなどどうでも良いのですが、私の書き散らしたものが言語学の意見だと思われるのはまずい気がするので、少し補足させていただきます。私の専門は自然言語処理あるいは計算言語学とよばれる分野でして、工学を背景とする人間です。言語学は隣接分野として横から眺めているにすぎません。ついでに言えば、計算モデルを使った系統推定も主にバイオ系の人がやっています。私としては、ちゃんと言語の特性を考慮したモデル化を行いたいと思っているのですが、まだ横から眺めている段階です。言語学プロパーの人たちについては、かつて服部四郎が言語年代学をアメリカから持ち込んだ際、否定的な反応ばかりだったと聞いています。ここ10年ほどの計算モデルについても、海外を含めて、概して批判的です。ただ、言語学者のレビューなしにNatureやScienceに掲載されることへの不満は目にするのですが、モデルの仮定や特性を踏まえた本格的な批判は見かけません。大勢としてはこの種の研究を無視し続けるのではないかと予想しています。

arch74324arch74324 2014/06/29 20:32 murawakiさま。
コメントありがとうございました。
なるほど、murawakiさんの専門的なお立場や言語学において言語年代学の置かれている状況がよくわかりました。年代学については言及に注意が必要そうですが、考古学的な成果と整合的な状況がうかがえるのはたいへん興味深く、内部からの評価を期待したいところです。

arch74324arch74324 2014/06/29 22:21 なお、コメントを拝見して文章に多少手を入れました(年代学に対する「言語学の立場からの評価」といった文の削除)ので、よろしくお願い致します。

murawakimurawaki 2014/07/01 22:21 修正いただきありがとうございました。

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