2010-02-11 ときどき世界は美しくて
幻人ダンテ 三田誠 C-
レンタルマギカで人気の三田誠ノベルスデビュー作。レンタルマギカで・・・と言っても僕は作者の小説を読むのは初めてである。
読み始めて驚いたのは、一般的に想像するような「ライトノベルっぽい文章」にジャストミートしているということ。持って回った言い回しや、自嘲的言動の多さなど、読んでいて妙に納得してしまうほどである。僕はライトノベルを読むこともあるが、そのほとんどがライトノベルではどちらかと言えば異端の作品や一般小説とラノベの境界上の作品と言われているものが多い。なのでノベルスという版型で「いかにもラノベ」な文章を体験することになるとは思わず、驚いてしまった。個人的にはここまで無意味に言葉を連ねることにはあまり賛成できない(物語的理由がある場合を除く)。
さて、本書は神出鬼没かつ誰にでも擬態できるという怪人・ダンテをめぐる物語である。私立探偵や怪しげな手品師、破天荒な刑事などそれっぽい人物は多く出てくるが、推理の要素はほとんどない。そもそもダンテの能力が完全に反則クラス(擬態すると家族にもそれがダンテかはわからない)なのでまともな手続きは一切通用しないのだ。当然作者もそれを理解しているのだろう、推理小説という方向性ではなく、ダンテという彷徨える怪人の行方を追うサスペンスとしての側面を強く書いている。
そしてこのダンテの特殊性を作者は上手く利用することに成功している。確かに反則でルールらしいルールも皆無だが、それでも怪人としての論理を最終的には解体して作品にしっかりとオチをつけているのだ。続編にもそれなりに気を引くこともできており、ノベルスデビュー作としては悪くない出来ではないだろうか?
- 85 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GFRE_jaJP366JP366&q=追想五断章
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こっちでなくて『V.T.R.』の方を読みましたけど、チラシの舞城王太郎(越前魔太郎)が一番衝撃的でした(笑)。