2009-04-03(Fri): メールマガジン「ユーラシア・ウォッチ」への期待

長年愛読しているメールマガジンに「ユーラシア・ウォッチ」がある。編集に携わる広瀬佳一さんに、

・「メルマガ「ユーラシア・ウォッチ」と秋野豊ユーラシア基金のめざすもの」(第199号、2004-11-29)
http://archive.mag2.com/0000005669/20041129011000000.html

をご寄稿いただいたこともあり、メールマガジンの内容や発行の経緯については、ここに詳しく記されている。

さて、最近の号の編集後記が興味深かったので紹介しておきたい。

本や雑誌が読まれなくなったと言われて久しいですが、最近でも朝日新聞社の『論座』に続いて、文藝春秋社の『諸君』が休刊となりました。学術出版社も軒並み台所事情は大変なようです。かくいう筆者の勤務先(博士課程まである教育機関)でも、学生会館のテナントとして入っていた書店が情けないことに採算が合わないとして撤退してしまい、なかなか次の書店が決まらないでいます。

インターネットで閲覧できるニュース、ブログやメルマガなど、多様な媒体がでてきているため、紙媒体のニーズが下がったのかもしれません。しかしインターネットの閲覧だと、ディスプレイがどんなに大きくても、まとまった文章を読むにはスクロールをしなければならず、そのため読んでもらえる限界はせいぜい10〜15キロバイト程度ではないでしょうか。本メルマガ「ユーラシア・ウォッチ」も実はあまり分量が長くならないよう、毎回、苦労しています。

ただ、媒体が多様化したという割には、創刊7年目の本メルマガ、読者数が800人を超えてから、なかなか増えないのが悩みの種です。どうぞみなさま、新学期ですのでお友達や先輩後輩などに、本メルマガをすすめていただければ幸いです。

・「ユーラシア・ウォッチ」150(2009-03-17)
http://archive.mag2.com/0000091758/20090318000331000.html

前号(150号)の編集後記に、インターネットの普及が社会科学系を含む評論・情報を掲載する媒体の多様化をもたらしている、という指摘がありました。この話題の引き継ぐと、私自身は、今よりももっと媒体間の敷居を低くできないか、あるいは相互連携によって論壇を活性化させ、情報をもっと活用する手段はないものか、と思います。それが縮小しつつある紙媒体を質的にも補えるのではないか、と。当メルマガはウェブ上の媒体ですが、きわめて微力ではありますが紙媒体を含めた情報を提供しようという趣旨に立っています。あわせて、これからはウェブ上に記された評論・情報についてももっと注目し、場合によっては連携をすることがあっても良いのではないか、とも思っています。これからも試行錯誤を続けてまいりたいと思います。

・「ユーラシア・ウォッチ」151(2009-04-03)
http://archive.mag2.com/0000091758/20090403190000000.html

課題と可能性を共に感じられるのが、インターネットを手にした我々の幸いと思う。応援したい。

少し現在に引き寄せて考えれば、たとえば、いまは北朝鮮の動向に一時的に関心が集まっている。しかし、この瞬間だけ関心が沸騰してもしょうがない。実際、この段階に至って関心を持って熱くなったところで、発射という事実に対して一人ひとりができることはほとんどない。だが、瞬間的な関心ではなく、持続的な関心があれば、もう少し状況は変わってくるだろう。私はそう思う。多くの人は中央アジア情勢に積極的な関心はないだろう。消極的な関心でもいい。ただ、その消極的な関心を持続しよう。消極的で持続的な関心を持つ上で、たとえば定期的にメールボックスに届くメールマガジンは我々の関心のリマインダーとして有用であるはずだ。

・秋野豊ユーラシア基金
http://www.akinoyutaka.org/