ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 このページをアンテナに追加 RSSフィード

"Ask not what the net can do for you - ask what you can do for the net."

インターネットの学術利用をテーマにした専門サイトACADEMIC RESOURCE GUIDEブログ版です。記事は主に以下の4点です。

1. 新着・新発見リソース - 最新の学術サイトの紹介と批評。
2. 編集日誌 - 編集長・岡本真の日誌。
3. イベントカレンダー - 順不同のイベント情報。
4. 産官学連携クリップ - ウェブ産業の産官学連携に関するニュース、講演情報等。
5. メルマガ版 - 本ブログを再編集したメールマガジンの発行情報。

New!【重要】サイト移転のお知らせ:2011年1月1日より、arg.ne.jpに移行します。過去の記事も移行済みです。本ブログ自体もアーカイブします。



好評販売中!『ブックビジネス2.0』

好評販売中!『これからホームページをつくる研究者のために』

 | 

2009-04-20 (Mon)

[][]2009-04-15(Wed): 読書記録−鹿島みづき著、愛知淑徳大学図書館編『レファレンスサービスのための主題・主題分析・統制語彙』(勉誠出版2009年、2625円)

・「いただいた本−『歴史知識学ことはじめ』『レファレンスサービスのための主題・主題分析・統制語彙』『法情報サービス図書館の役割』」(編集日誌、2009-04-04

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090405/1238918528

読書記録最終回

・「読書記録−横山伊徳、石川徹也編著『歴史知識学ことはじめ』(勉誠出版2009年、1785円)」(編集日誌、2009-04-09

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090412/1239530413

・「読書記録−指宿信編『法情報サービス図書館の役割』(勉誠出版2009年、2100円)」(編集日誌、2009-04-12

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090413/1239555115

鹿島みづき著、愛知淑徳大学図書館編『レファレンスサービスのための主題・主題分析・統制語彙』(勉誠出版2009年、2625円)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4585071253/arg-22/

を読み終えた。

レファレンスサービスのための主題・主題分析・統制語彙

まずは目次を再掲。

http://www.bensey.co.jp/book/2089.html

正直なところ、本書の主要な部分については、私の範疇を超えており、正面から批評することは難しい。おそらく図書館関係の雑誌に本格的な書評が出ると思うので、そちらを参照していただいたほうがよいだろう。

ここでは、本書における著者の基本的な考えといったところに絞って感想をつづっておきたい。私にとって最も評価したい本書の特徴は、本書が安易な反インターネット論に基づいて書かれているわけではないことだ。いや、むしろインターネットの登場を受けて、図書館図書館学には何ができるのかを突き詰めて考えた末に本書が生まれたのだろう。「はじめに」ではこう述べられている。

サーチエンジンで検索される玉石混交の莫大な情報に、くまなく目を通すことは非現実的です。しかし、振り返ってみれば、これはインターネット情報資源に限ったことではありません。国内で年間8万冊出版される本の情報、あるいは数万冊を所蔵する小さな図書館が蓄えた情報でも同じです。その内容のすべてを個人がチェックすることは不可能です。

すでに述べたように、著者が安易な反インターネット論に与しているわけではないことは、ここに明らかだろう。そして、インターネットの存在を肯定した上で、図書館図書館学の可能性を論じたのが本書ということになるだろう。第4部「課題と展望」の第10章「主題分析の先に見えるもの」にある

世界的な連携が容易なインターネットでつながった世界だからこそ、次世代の情報の組織化を担う新パラダイムに対応する意義が高まりました。情報無差別に発信・検索されてしまう現在のインターネットのなかで「図書館は違う」と示すことは可能です。そのためには、統制語彙の活用を一例とする付加価値情報とそれを支えるインフラが求められています。

(168頁)

という一文がそのことをよく示しているように思う。

さて、内容には踏み込めないとしたが、気になった点を一つ二つだけ述べておきたい。いずれも本書の範囲や著者の責任を超えると思うが、

  1. 日本語としては難しい専門用語
  2. 日本語翻訳されない専門用語

をどう扱っていくかが、今後の課題ではないだろうか。著者自身、「次世代図書館を目指す活動の中で、私たちは何をどのように準備すればよいのかを真剣に考える必要があります」(168頁)と述べているが、まず直近で考えるべきは、この点だと思う。本書の書名にある「主題」「主題分析」「統制語彙」といった言葉、あるいは「レファレンス」「ファセット」「パスファインダー」といった言葉を、日本語の世界に生きる我々が理解し使いこなせるような言葉へと、概念レベルから捉えなおして言い換えていくべきではないだろうか。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/arg/20090420/1240181091
 |