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"Ask not what the net can do for you - ask what you can do for the net."

インターネットの学術利用をテーマにした専門サイトACADEMIC RESOURCE GUIDEブログ版です。記事は主に以下の4点です。

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New!【重要】サイト移転のお知らせ:2011年1月1日より、arg.ne.jpに移行します。過去の記事も移行済みです。本ブログ自体もアーカイブします。



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2009-04-06 (Mon)

[][][]「メールマガジン・SENTOKYO」、第100号に到達(2009-03-01

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専門図書館協議会が発行する「メールマガジン・SENTOKYO」が第100号に到達した(2009-03-01)。

・「メールマガジン・SENTOKYO」第100号(2009-03-01

http://www.sentokyo.jp/mailmag/back/m090301.html

メールマガジン・SENTOKYO

http://www.sentokyo.jp/mailmag/

専門図書館協議会

http://www.jsla.or.jp/

メールマガジン・SENTOKYO」は2004年11月24日に創刊準備号が発行され、2005年4月25日に正式に創刊されている。記事内容は必ずしも専門図書館だけに限られておらず、書籍情報に関心のある方は重宝するだろう。配信登録は誰でも可能なので、購読を勧めたい。

・「専門図書館協議会、「メールマガジン・SENTOKYO」の試験配信を開始」(新着・新発見リソース、2005-01-03)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20050103/1136270724

2008-07-27 (Sun)

[][]2008-07-25(Fri): 専門図書館協議会全国研究集会に参加−2日目

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昨日に引き続き、

2008-07-24(Thu)〜2008-07-25(Fri):

平成20年専門図書館協議会全国研究集会

(於・京都府同志社大学今出川キャンパス京都リサーチパーク

http://www.jsla.or.jp/1/13/13-2.html

に参加。

・「専門図書館協議会全国研究集会に参加−1日目」(編集日誌、2008-07-24

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080726/1217076216

2日目は場所を京都リサーチパークに移している。

京都リサーチパーク

http://www.krp.co.jp/

自分は、

に参加した(敬称略)。小分科会ではコメンテーター的な役割。

以下、当日印象的だったことを中心に。

・「大阪府労働情報総合プラザ大阪社会運動資料センターの存続を巡って(7)」(編集日誌、2008-07-23

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080726/1217076151

で記したように、直前に大阪府の予算が成立し、大阪府労働情報総合プラザの廃止が決まった状態で話された谷合佳代子さんは相当辛いものがあったと思う。その中でも経費を1/4に削減しつつ利用者を4倍にしたという数値に基づく実績を述べ、大阪府の判断への異論を唱えた意義は大きい。また、ブログを中心としたインターネットを活用した広報マーケティングの内容を経験に基づいて語っていたのが印象的だ。同時にそれだけの取り組みにも関わらず、大阪府労働情報総合プラザの廃止という結果については広報の失敗があると分析されていたことには深い感銘を受けた。

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大阪府労働情報総合プラザの廃止を受けて、大阪社会運動資料センターはエル・ライブラリー(仮称)にリニューアルする予定とのことだが、ここでくじけることなく、新しい形の図書館を生み出していってほしい。

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木下みゆきさんが話した大阪府女性総合センタードーンセンター)の場合は、少し事情が異なる。大阪府の検討の結果、「自立化」に向けて1年の猶予期間が持たれることになった。木下さんがこれからの課題として、「仕事を見せること」、そして「できないことも見せること」を挙げていたが、これは重要なことと思う。さらに一歩進んで、その「できないこと」をできるようにするには、どのような支援や対価が必要なのかを主張していくことが必要となってくるだろう。

なお、今回の存続問題を巡って、大阪府女性総合センタードーンセンター)が、

・「府財政再建プログラム案「男女財団自立化」に対するコメント」(大阪府男女共同参画推進財団、2008-06-05

http://www.dawncenter.or.jp/topics/topics_view.jsp?id=2693

・「「男女共同参画推進財団自立化」の1年延期について」(大阪府男女共同参画推進財団、2008-07-24

http://www.dawncenter.or.jp/topics/topics_view.jsp?id=2753

という見解表明を行ったことは自立に向けての貴重な一歩だと思う。1日目に片山善博さんが強調していた「自立とは、自ら考え、自ら判断・決定し、自ら行動する」という言葉につながるところだろう。これは言いかえれば「自由」ということだろう。安易な自立民営化論に与するつもりはないが、図書館の自立性や図書館の自由をあらためて考える機会となった。苦しい胸の内や穏やかではない心中を抑えて、非常に参考となる実践例を話してくださった谷合さんと木下さんに感謝したい。

・「専門図書館協議会全国研究集会に参加−1日目」(編集日誌、2008-07-24

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080726/1217076216

最後の小分科会は予想以上の参加者であった。ご参加いただいた皆さまに感謝したい。ここでも議論は「見える化」が中心であったように思う。以下、乱雑だが、思ったことをつづっておこう。

見える化」という場合の対象は仕事と個人の2つがありうる。図書館仕事見える化することの重要性は言うまでもない。1日目の基調講演で片山さんが語っていた市町村長に対する図書館のアピールはその好例だろう。だが、ここでより重視すべきは、個人のほうだ。なによりも全国研究集会の総合テーマサブタイトルは「成長するライブラリアンへ」と、個人に注目しているのだから。

自分自身を見える化するということは、図書館員にとってかなり難しいことはよくわかる。ましてや、図書館外にも通用する魅力あるロールモデルを確立すること相当難しいだろう。なぜなら日本においては図書館員は個としての確立を求められることが少ないのかもしれない。この問題は日本語での表現が端的に表している。ライブラリアンのことを日本語では「図書館員」ということが多い。「図書館」+「員」がライブラリアンであるという構造。見方によっては、「図書館」に籍がなければ、「図書館員」ではないわけだ。図書館という箱物施設を前提としている存在。それが日本における図書館員

ちなみに、「Librarian」と「図書館員」の差異はWikipedia英語版と日本語版にもよく現われている。

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A librarian is an information professional trained in library and information science, which is the organization and management of information services or materials for those with information needs.

Wikipedia - Librarian

http://en.wikipedia.org/wiki/Librarian

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図書館員(としょかんいん)とは、図書館においてその業務に従事する者のことである。

Wikipedia - 図書館員

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E5%93%A1

図書館員の方々にうかがいたい。みなさんは図書館を辞めたり、図書館がなくなったりすると、図書館員ではなくなるのだろうか?

そうではないし、そうであってはいけない。第1分科会で谷合佳代子さんが「これからは歌って踊れる図書館員ではなく、図書館をつぶされた図書館員」と名乗ろうかと思うという趣旨のことを述べていたように思う。この精神は重要だ。たとえば、研究者大学を辞めても、大学に属していなくても研究者であるという自負を持つはず。ジャーナリストも同様。その他、専門職とみられる仕事すべからくその自負と覚悟がある。ご本人不在の場で申し訳なかったが、小分科会で繰り返し谷合さんを持ち上げたのは、そういうことだ。谷合さんは大阪府労働情報総合プラザ大阪社会運動資料センターがあろうがなかろうが、図書館員であるという覚悟を示していた。だから、私も生涯忘れ得ない図書館員の一人と述べたわけだ。

自分自身のキャラを立てていく方法として、越山素裕さんや森田歌子さんといったベテランの方々から非常に有効なアドバイスがあったと思う。常に自分に尋ねてもらうようにお得意先をつくること。内部ではなく外部に味方をつくること等々。もちろん、そうすることは自分でリスクを背負うことにもなるのだが、得るものも大きいはず。個としての自立を、特に精神的な自立を果たすということは一回限りのものではない。個としての自立ができているか、常に問われるという厳しい日々だ。だが、私個人の経験に基づいていえば、その負担に見合うどころか、その何倍もの充実感を自分にもたらしてくれるはずだ。

さてさて、とはいったものの、最後は図書館員一人ひとりが自分で決めること。「自立とは、自ら考え、自ら判断・決定し、自ら行動する」ことなのだから。さあ、あなたはどうする?

2008-07-26 (Sat)

[][]2008-07-24(Thu): 専門図書館協議会全国研究集会に参加−1日目

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2008-07-24(Thu)〜2008-07-25(Fri):

平成20年専門図書館協議会全国研究集会

(於・京都府同志社大学今出川キャンパス京都リサーチパーク

http://www.jsla.or.jp/1/13/13-2.html

1日目の目玉は、片山善博さん(慶應義塾大学教員・前鳥取県知事)による基調講演「知的立国と図書館のミッション」。

・「図書館は民主主義の「知の砦」」(編集日誌、2008-01-09)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080114/1200272649

でふれているが、片山さんは近年図書館に向けて力強いメッセージを送っている。

片山善博著「図書館のミッションを考える」(「情報科学と技術」57-4、2007-04-01)

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006242732/

・「図書館は民主主義の『知の砦』」(片山善博の直言・苦言・提言、2007-12-27)

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/katayama.cfm?i=20071220c2000c2&p=1

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/katayama.cfm?i=20071220c2000c2&p=2

なぜ、片山さんがこれほどまでに図書館を重視しているのかいささか不思議だったが、「知的立国を支えるのは、自立した国民・市民とその知的支援」という言葉で納得がいった。福澤諭吉が『學問ノスヽメ』で述べた「一身独立シテー国独立スル」という精神が、片山さんの根本にあるのだろう。

しかし、やはり不思議なのは片山さんは人生のどこで福澤諭吉に出会ったのだろう。講演終了後、片山さんがすぐにお帰りになったのでじっくりとお話できなかったが、いずれ直接うかがってみよう。

また、

“改革”の技術―鳥取県知事・片山善博の挑戦

市民社会と地方自治 (叢書21COE‐CCC多文化世界における市民意識の動態)

・田中成之著『改革の技術−鳥取県知事・片山善博の挑戦』(岩波書店2004年、1890円)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4000224425/arg-22/

片山善博著『市民社会と地方自治』(慶應義塾大学出版会、2007年、3150円)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766414063/arg-22/

の本にも目を通しておきたい。なお、正式な聴講記録を専門図書館協議会の会誌「専門図書館」に掲載させていただく予定である。

専門図書館協議会

http://www.jsla.or.jp/

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2007-10-15 (Mon)

[][][]2007-10-13(Sat): 「専門図書館」に記事掲載

5月末日と6月初日に専門図書館協議会総会・全国研究集会に参加したが、そのときの報告内容が会誌「専門図書館」に「Web2.0と図書館−BlogとRSSの活用を中心に」として掲載された。

・「Web2.0と図書館−BlogとRSSの活用を中心に」(「専門図書館」225、専門図書館協議会、2007-09-25)

http://www.jsla.or.jp/books/kikansi.html

・「専門図書館協議会総会・全国研究集会の1日目」(編集日誌、2007-05-31)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20070602/1180750016

・「専門図書館協議会総会・全国研究集会の2日目」(編集日誌、2007-06-01)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20070602/1180750015

・「専門図書館協議会の全国研究集会に参加して」(編集日誌、2007-06-06)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20070608/1181235688

今回特にうれしいのは、森本英之さん(コロンビア大学図書館)による参加レポートが附されていることだ。森本さんのレポートは内容を的確にまとめた上で、分科会のあり方に対する鋭い指摘と問題提起を含んでいる。

他方で、この分科会が過度に計画され発表の焦点が合わされ過ぎているのではないかという疑問も完全には払拭できなかった。(中略)。発表では、Web2.0の特徴の内で多くの人々に支持される面が強調され、意見が分かれる面については、殆ど触れられないか肯定的に意見の違いの存在を際立たせない形で示されるにとどまった感がある。これは、分科会の趣旨を提示し進行させるのには効果的ではあるものの、Web2.0の図書館への導入が何が何でも促進されるべきであるのかという問題への答えに繋がらないばかりか、フォクソノミー、社会タグ付け、ソーシャルネットワーキングといったWeb2.0の特徴とされ又批判されながら第4分科会の発表では間接的にしか触れられなかった面に関して専門図書館でどのように対応したら良いのかに関して手掛かりが与えられなかったと言えるかもしれない。

あくまで第4分科会のスピーカーの一人としての意見だが、第4分科会が十分に準備されたものであったことは事実といえる。3人の講師は事前に何度か顔を合わせ、分科会の方向性に関する議論をしている。当日の方向性について意識を共有し、それぞれの講演内容を確認しあっている。

森本さんが課題として挙げている多角的な議論の不足は確かに事実といえるが、当日はそこまでの議論は少なくとも講師の講演においては最初から射程に入れていなかったように思う。そもそもの前提として、あらためてWeb2.0とは何か、という出発点の確認が必要だったこと、そして観念的なWeb2.0論にしないためには、他の二人の講師による具体的な事例報告による肉づけが必要だった。この前提に立つと、さらなる議論の深みを求めるのは難しい。Web2.0への危惧等の論点は、むしろ質疑応答で対応するというのが講師陣の意識ではなかったかと思うし、私自身はそう考えていた。ここは森本さんとの間に認識のずれがあるようにも感じるが、森本さん自身がレポートの中でふれているようにWeb2.0を論じる講演会やセミナー大学図書館等が積極的に開催するアメリカに比して、日本の現状ははるかに立ち遅れているという実情も考慮する必要があるだろう。

また、当日の講演内容はいずれも図書館側からの情報発信を活発化するためにBlogやRSSの活用を説くものだった。言ってみれば、専門図書館がBlogやRSSの活用を通してWeb2.0を体感することを勧めるまでが第4分科会の主張範囲だったと思う。森本さんが挙げているフォクソノミー、社会タグ付け、ソーシャルネットワーキングの活用は、これより一歩進んだ専門図書館がWeb2.0のプラットフォームを提供し、利用者の参加を促す主体となるものであり、次元が一つ異なる一歩先の話だろう。正直なところ、いまの専門図書館の世界はそこまでの議論をするところには来ていないと感じる。そこまで踏み込んだ議論をするためにも、まずは一つでも多くの専門図書館が借り物の思想や聞きかじりの体験談に基づいてWeb2.0を夢想する段階を越えていかないといけないだろう。具体的な体験と体験に裏付けられた知識なしには、Web2.0の可能性も危険性も論じることに意味はないと思う。

決して体験を絶対視するわけではないが、現在の専門図書館はとかく否定から入りがちな状況にあると考えると、我が事としての経験抜きにことの是非を論じることは、Web2.0に対する否定や静観に通じてしまい建設的な議論は生まれにくいのではないだろうか。

2007-06-08 (Fri)

[][][]2007-06-06(Wed): 専門図書館協議会の全国研究集会に参加して

すでにこの日誌でも紹介しているように、

・「専門図書館協議会総会・全国研究集会の1日目」(編集日誌、2007-05-31)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20070602/1180750016

・「専門図書館協議会総会・全国研究集会の2日目」(編集日誌、2007-06-01)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20070602/1180750015

先週末は専門図書館協議会の全国研究集会に参加した。この催しは毎年開催されており、「立ち上がれ!ライブラリアン NEXTステージへ…」を総合テーマに掲げた今年は、全国から300人の参加者があったという。私自身は個別に開催される分科会と最後に一堂に会して行われる全体会には、パネリストとしても参加させていただいた。その際、用いた資料を再度掲げておこう。

・「Web2.0と図書館−BlogとRSSの活用を中心に−」

専門図書館協議会平成19年度総会・全国研究集会第4分科会、於・日本科学未来館、2007-06-01)【PPT】

http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/doc/sentokyo_sig(20070601).ppt

・「専門図書館員に求められるもの−Webへの取り組みを中心に−」

専門図書館協議会平成19年度総会・全国研究集会全体会、於・日本科学未来館、2007-06-01)【PPT】

http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/doc/sentokyo_conf(20070601).ppt

さて、2日間をふりかえっての感想を記しておきたい。

「Web2.0と図書館」を共通テーマとした第4分科会には70〜80名ほどの専門図書館員にお越しいただいたようだ。第4分科会は、

  • 岡本真「Web2.0と図書館−BlogとRSSの活用を中心に−」
  • 林賢紀「農林水産省農林水産研究情報センターの取り組み事例」
  • 小林昭夫「専図協の情報発信事例」

の順序で各自が壇上で報告した後、会場の参加者を交えたディスカッションという構成だった。しかし、残念ながら盛り上がった討論とはならなかったように思う。あくまで私自身の反省としてだが、Web2.0という話題を扱う場合、もはや講演のようなスタイルは意味を持たないのかもしれない。人数は多くなくとも、ワークショップのような形式で参加者が実際に何かを作り上げるというプロセスのほうが参加者にとっても講師にとっても有益であるように思う。ブログを開設してみることでもよいし、ソーシャルブックマークを使ってみることでもよい。なんであれ、実際に手を動かすという行為を伴ってこそ、Web2.0というテーマは意味を持つだろう。そのような機会があれば、自分のためにもぜひやってみたいと思う。

第4分科会の終了後、同じみらいCANホールで引き続き行われた全体会についてもふれておこう。「立ち上がれ!ライブラリアン NEXTステージへ…」という総合テーマを掲げた場ということもあり、専門図書館(員)によるウェブでの発信が進まないことへの疑問を投げかけた。無礼を承知でかなり強いトーンで専門図書館員の奮起を促したつもりだが、その後の討論では手応えをさほど感じられなかったように思う。残念。

だが、こう思う。午前中に参加した第3分科会の講師・牟田静香さんが、企画した講座に人が集まらないのは、企画が悪いためであり、その責任は企画者である自分自身が負うと自信を持って語っておられた。牟田さんの矜持にならえば、参加者の自然な発言を促すことができなかったのは、私の講師としての力量不足によるものだ。牟田さんは「講座に人を集めるために必要なのは客観性」であるとも述べていたが、冷静に分析すれば、参加者を衝き動かすには自分の問題提起の仕方には客観性が欠けていたようにも思う。この点は殊勝になるわけではなく、素直に反省したい。言葉の力を信じる自分としては、言葉で人の気持ちを揺り動かすことができなけくてはいけない。そして、気持ちを揺り動かすだけではなく、行動へと駆り立てられなくてはいけない。

できるだろうか? 実現は困難だろうか? 一瞬逡巡する自分にこそ、研究集会の場で迷いつつも結局紹介しなかった次の言葉がふさわしい。

「出来る」と言うときには、たった一つの手立てがあれば良いが、「出来ない」と言いきるには、あらゆる可能性を探さなければ言えない。「出来る」と言うより、「出来ない」と言う方が難しい。

(島秀雄・新幹線や国産ロケットの開発者)

そして今日、まったく別件で村井純さんにお目にかかった。ごく限られた時間ではあったが、村井さんの文字通り情熱がほとばしるような弁舌に接し、村井さんが『インターネット』(岩波新書、1995年、735円)で説いた「北風と太陽」の話をあらためて思い出した。

いま、「インターネットを使わなければ時代に置いていかれる」という強迫観念を感じている人がいるかもしれません。確かにそうした恐れを煽るような情報もあるし、そういう伝え方をする人もいます。

しかし、いままでのインターネットの発展の歴史のなかでは、そういう発展の仕方をしたことは一度もありませんでした。

われわれは「北風と太陽」と言ってきました。「こういうものを使わなければ困ったことになるぞ」と、強迫観念を与えてものごとを推進していこうというのは、いわば『イソップ物語』でいう「北風」です。そうではなくて、「こんなによいことが起こるのだ、こんなに有効なものなのだ」と、まずコンピュータサイエンスの分野が成果を示し、そしてほかの分野を動かしてきたのです。

「太陽」のやりかたというのが、インターネットのいままでの発展を支えてきたのではないか、これからもインターネットはそのような形で発展していくのではないかと思っています。

(205〜206頁)

・村井純さん

http://junsec.sfc.wide.ad.jp/people/JunMurai/

・村井純『インターネット』(岩波新書、1995年、735円)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004304164/arg-22/

インターネット (岩波新書)

初心忘るべからず(世阿弥「花鏡」)。北風となるより太陽となろう。この初心にいま一度帰りたい。

ここで締めればきれいだが、一つ二つだけ専門図書館の世界に生きる方々に苦言を呈しておきたい。

参加者のお一人からも指摘があったが、せっかく参加するのであれば、ただ聞いているのではなく、どんな内容であっても発言したほうがいい。自分の疑問に答えが寄せられる可能性があるだけではない。仮に発言した内容が空振りであったとしても、名前と所属を名乗ることによって講師や他の参加者に自分自身、そして所属する組織が知られるまたとない機会となる。ここは貪欲になったほうがいいと思う。

もう一点。これは午前中に参加した第3分科会で思ったことだが、講師を特に外部から招いている場合は、必ずお一人おひとりに対し、誰かがわずかでもコメントしたほうがよい。ゲストである外部講師に対しては、専門図書館協議会の会員館の職員は全員ホストの立場にある。時と場合によっては、参加者という立場に安住せず、ホストの一員としてゲストに対するホスピタリティーを尽くしたほうがよいと思う。

これは単に全国研究集会という場を有効に生かすためのアドバイスとしてお聞きいただければ幸い。

・「全国研究集会が無事終了しました」(SENTOKYOブログ、2007-06-04)

http://blog.goo.ne.jp/sentokyo/e/effc9b234062d157484ca58a4b91a8c2