ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 このページをアンテナに追加 RSSフィード

"Ask not what the net can do for you - ask what you can do for the net."

インターネットの学術利用をテーマにした専門サイトACADEMIC RESOURCE GUIDEブログ版です。記事は主に以下の4点です。

1. 新着・新発見リソース - 最新の学術サイトの紹介と批評。
2. 編集日誌 - 編集長・岡本真の日誌。
3. イベントカレンダー - 順不同のイベント情報。
4. 産官学連携クリップ - ウェブ産業の産官学連携に関するニュース、講演情報等。
5. メルマガ版 - 本ブログを再編集したメールマガジンの発行情報。

New!【重要】サイト移転のお知らせ:2011年1月1日より、arg.ne.jpに移行します。過去の記事も移行済みです。本ブログ自体もアーカイブします。



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2010-11-08 (Mon)

[][]2010-11-02(Tue): 11/14(日)、Wikimedia Conference Japan 2010 Outreachに登壇予定

2010-11-14(Sun):

Wikimedia Conference Japan 2010 Outreach

(於・東京都国際大学グローバルコミュニケーションセンター

http://meta.wikimedia.org/wiki/Wikimedia_Conference_Japan_2010

で話をする機会をいただいた。趣旨は、

ウィキペディアをはじめとしたウィキメディアの諸プロジェクトにとって、学術コミュニティの存在は、信頼できる情報を生み出すものとして重要情報源であるのはもちろんですが、逆に学術コミュニティからの関心も強まっているように感じます。昨年のWCJ2009では多くの学識者が話す側としても、聞く側としても参加していただけました。研究対象として、教育の場として、そして執筆というかたちでも、関与される例も増えているようです。小規模ですが、 4月22日情報社会学会研究会集合知、CGMにとっての専門家・専門知識:代替、補完、依存の諸相」、6月11日には応用力学ウィキペディア委員会フォーラム([1])という集まりもありました。

2010年ウィキメディアカンファレンスジャパンでは、ウィキペディアウィキメディアから学術コミュニティへのアウトリーチとして、両者の協同について考えることを企画します。

[1]

http://www.jsce.or.jp/committee/amc/wiki/wiki.html

というもの。私の演題は、「学術情報流通の未来に向けた博物館図書館文書館(MLA)の可能性」で、他に以下の講演が予定されている。

参加には事前申込が必要。

2009-01-04 (Sun)

[][]2009-01-02(Fri): 木村忠正さんの講演会レポート

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12月2日(火)に開催された講演会集合知、あるいは、新自由主義の文化的論理Wikipediaにみる社会知の変容とネットワーク社会としての日本社会」のレポート。筆者は小口峰樹さん。

・「【報告】木村忠正講演会集合知、あるいは、新自由主義の文化的論理Wikipediaにみる社会知の変容とネットワーク社会としての日本社会〜」」(東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)、2008-12-15)

http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2008/12/post-160/

・小口峰樹さん

http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/members/data/oguchi_mineki/

あいにく当日は別の予定があり参加できなかっただけに、詳細なレポートの存在はありがたい。これに限らず、東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)は催しのレポートを必ず公開してくれるのでありがたい。

東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)

http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/

以下、自分のためのメモとして気になった個所を抜粋しておく。

木村氏はウィキペディアを分析するにあたり、組織の構成原理として「ガバメント原理」と「ガバナンス原理」を区別する。

木村氏によれば、ウェブに見られる様々な集合知は次の三つの要素に分解できるという。それは、「三人文殊知」、「フィードバック知」、「マイニング知」である。

木村氏は、これら「三人文殊知−フィードバック知−マイニング知」の相互連関が21世紀社会知を構成し、こうした社会知の動的な生成と変遷が人々の関心(attention)をめぐるゲームとして社会的現実を織り成してゆくと述べる。

以上の分析を踏まえ、木村氏は次のように現状の診断を行う。日本社会においては、現実社会そのものというよりは、メディアを通じて形成される現実社会の「イメージ」を主要な参照対象としてネット上での活動が展開されており、しかもこうした活動への参与は現実社会とは切り離された匿名性という様態において遂行されている。これらは相まって、ネット社会と現実社会との間におけるダイナミクスの不在という結果を招いている。したがって、われわれにとっての課題は、われわれが志向する集合知のかたちを描き出すとともに、ネット社会と現実社会との間にダイナミクスを生み出し、集合知を有益な仕方で生成・循環してゆく回路を整備することにあると言えるだろう。

「匿名性」が重要な論点となっているが、木村さんがどのような定義をしたのかがわからず、そこだけは残念。ところで木村さんとWikipediaとの関係だが、

ウィキペディア革命―そこで何が起きているのか?

ピエールアスリーヌ他著・佐々木勉訳『ウィキペディア革命−そこで何が起きているのか?』(岩波書店2008年、1785円)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4000222058/arg-22/

の解説を書いている。この解説で木村さんはWikipediaの参照法を提案しているのだが、その内容がご本人のサイトにも掲載されている。

ここでは、学術的情報源としてのウィキペディアに対する言及の仕方について、 解説文で提案した方法を公開したい。

・解説 ウィキペディア日本社会集合知、あるいは新自由主義の文化的論理

http://www.ne.jp/asahi/kiitos/tdms/work/wikirevolution.html

私は非常に納得感がある提案なのだが、みなさんはどう思われるだろうか。

木村忠正の仕事部屋

http://www.ne.jp/asahi/kiitos/tdms/hp.j.html

2007-11-05 (Mon)

[][]2007-11-05(Mon): Wikipediaの次に来るもの

カレントアウェアネス-R」のバックナンバーを探しただけでも、

・「Wikipediaのオルタナティブを目ざすオンライン百科事典の試み」(カレントアウェアネス-R、2007-10-31)

http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=4435

・「査読付き学術百科事典“Scholarpedia”」(カレントアウェアネス-R、2006-11-08)

http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=2512

・「Wikipediaのライバル?Citizendiumの準備用Wikiサイト」(カレントアウェアネス-R、2006-10-26)

http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=2444

といった記事がみつかるように、Wikipediaに学びつつ、Wikipediaとは異なるものを目指す、様々な試みがあることがわかる。またブリタニカのような伝統的な百科事典にも、おそらく有料会員向けと思われるが記事ごとに「Send comments or suggest changes to this article」という機能が設けられている。

・Britannica

http://www.britannica.com/

インターネットと百科事典というと、とかくWikipediaだけに関心が集まりがちだが、他にはどのような事例があるのだろうか。アメリカやヨーロッパ各国、韓国や中国語圏ではどのような百科事典がウェブに登場し成長しているのだろうか。非常に興味を持ったので、ぜひご教示いただきたい。

2007-08-03 (Fri)

[][]2007-07-26(Thu): 時実象一さんの「ウィキペディア−安易な引用はやめよう」(朝日新聞「私の視点」)をめぐって

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7月24日の朝日新聞「私の視点」欄に時実象一さんが「ウィキペディア−安易な引用はやめよう」という記事を寄せている。

・ときざねそういちのホームページ(時実象一さん)

http://home.highway.ne.jp/tokizane/

時実さんの意見に対しては、

・「ていうかWikipediaも引用するだろ。実際。」(かたつむりは電子図書館の夢をみるか、2007-07-25)

http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20070725/1185374072

・「ウィキペディアを引用するな」(Okumura's Blog、2007-07-25)

http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/1566

といった反応がすでにある。あえてここでコメントを重ねることはないだろうが、

教師は学生・生徒のインターネット乱用の現状を認識し、ウィキペディアを含むインターネット情報については、「利用はするが引用はしない」ことを徹底していただきたい。

という主張には首をかしげてしまう。教育研究の場を含め、インターネットはすでに我々の生活の一部になっている。インターネットからの引用を禁止することは、あまりにも前時代的ではないだろうか。我々は否応なくインターネットと共に生きている。「利用はするが引用はしない」という姿勢で、インターネットに相対することは非建設的な発想と思う。

なお、本誌掲載の記事を紹介しておこう。

・指宿信「ネット文献の引用方法について」(本誌第054号、2000-02-05)

http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/054.html

この記事は本誌で最も読まれており、最も多く紙の文献に引用されている。

ところで、時実さんが記事の中で引用しているのは、Santa Cruz Sentinelという新聞のインターネット版だったりする。時実さんが引いているウィキペディアの広報担当サンドラ・オルドネスさんのコメントは次の通り。

学生ウィキペディアで見つけた情報については出典に当たって調査すべきである。ウィキペディアを引用することは好ましくない。

英語の原文は、以下の通り。

"Wikipedia is the ideal place to start your research and get a global picture of a topic. However, it is not an authoritative source," said Sandra Ordonez, a Wikipedia spokeswoman. "We recommend that students check the facts they find in Wikipedia against other sources. It's usually not advisable, particularly at the university level, to cite an encyclopedia"

・Professors crack down on students' latest ally: Wikipedia(2007-06-17)

http://www.santacruzsentinel.com/archive/2007/June/17/local/stories/04local.htm

また、問題の発端となったミドルベリー大学サイトには次のようなまとめがある。

Wikipedia in academia: History department decision still fueling debate(Middlebury College、2007-03-23)

http://www.middlebury.edu/about/newsevents/archive/2007/newsevents_633084484309809133.htm

ウェブがわかる本 (岩波ジュニア新書)

結局、人それぞれ様々な考えがあるだろうが、私の場合は、大向一輝さんが

・『ウェブがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年、987円)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4005005624/arg-22/

で示している姿勢が教育の場に最もふさわしいと思う。Wikipediaに限らず、インターネットの利用方法に悩む方には、ぜひ一度『ウェブがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年、987円)を手にしてほしい。

2007-04-02 (Mon)

[][]2007-03-29(Thu): Wikipediaを評価する際の観点

・米澤誠「これからの学術研究はオンライン百科から始まる!」(JK Voice[ユーザーの声]、2007-01)

http://www.japanknowledge.com/guest/login/people/ppl200701.html

フリー百科事典の問題点を分析すると、次のように整理できます。通常、ウェブ情報源は「匿名的」で「可変的」であることが問題であるといわれています。私はこれに「無典拠的」を加えたいと考えています。フリー百科事典は、それらからの帰結として無批判的・非アカデミック的な性格とならざるをえないのです。

これに対して、従来型の百科事典は、「非匿名的(記名的)」で「固定的」、「典拠的」となっており、総体として学術的な情報内容をもつことができているのです。

小学館が運営する百科事典サイト「JapanKnowledge」に掲載されたWikipediaへの見解。

Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/

そもそも学術的な観点での満足感をWikipediaに求める必要があるのだろうか。Wikipediaをめぐる論争にはその思いが尽きない。