Hatena::ブログ(Diary)

地下室のアーカイブス(岩川ありさBLOG) このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter


■ 人文系の研究者・岩川ありさのブログです。
■ メールでのコンタクトはこちらから。
■ Oficial Websiteへ。→Arisa Iwakawa Oficial Website

2018年02月23日

[]書く勇気

2月9日(金)

文学界2018年3月号読了。漫画家岡崎京子さんの特集では、「ガールズトーク」の系譜に力点をおいてお話しされている方が多くてよかった。同時に、文月悠光さんが、時代や他者欲望に応じて女性たちが戦わされてしまうことについて書いている。この二つの力の中で漫画を描いてきたのが岡崎さんなのだなと思う。 「リバーズ・エッジ」を読んだのが中学2年生だった私は岡崎京子作品にはまって随分読んだ。一番好きな登場人物は『UNTITLED』のゆきちゃん。「くだり坂をくだる時 ヒールをはいたふくらはぎに 力が入る がんばらなくちゃ がんばらなくちゃと 力が入る」というところは何度読んでも泣いてしまう。

文學界2018年3月号

文學界2018年3月号


2月12日(月)

多和田葉子『献灯使』論を書いている。書き終わったのだけれども、まだ、これではないと思うことばかり。締め切りを伸ばしてもらう。


2月15日(木)

STUDIO VOICE』vol.412「ドキュメンタリー/ノンフィクション ~見ようとすれば見れるのか~」に、坂上香監督「トークバック 沈黙を破る女たち」(2013)、「セックスと障害とビデオテープ」(ビヨンドメディアエデュケーション&エンパワード・フェフェス製作、2007)、ショーン・ベイカー監督、「タンジェリン」(2015)というドキュメンタリー映画3本を紹介した。どれも、沈黙と戦い、声をあげた女性たちの物語だ。3月17日に発売。

STUDIO VOICE vol.412

STUDIO VOICE vol.412


2月16日(金)

『献灯使』論のことについて、先生に相談にゆくと、前提で終わっていると言われた。言い返せなかった。「論文というのはいつも清水の舞台から飛び降りるようなもの。それが批評。読めているのにもったいない。「献灯使」のおもしろさを伝えるのが使命」等々。思い当たることばかりだった。見たくないところを認める勇気を持つしかない。自分と戦うよりほかないだろう。私は私に対して負けず嫌いだ。


2月18日(日)

昨年、『現代詩手帖』で3ヶ月にわたり掲載されたアンソロジー川口晴美と、詩と遊ぶ」から生まれた1冊「Solid Situation Poems」発売記念イベントがスパイラルカフェで開催。私は2/26発売の『ユリイカ』3月臨時増刊号「総特集=岡田麿里」に寄稿した論考「二次元の詩に責任を持つことー「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」論」を再構成した「論文詩(ろんぶんし)」を朗読した。登壇者の皆さんが新作発表。皆さん、違う読み方、違うパフォーマンスで大変おもしろかった。

・「Solid Situation Poems」はこちらからご購入いただけます。

https://kijinsha.stores.jp/items/5a1a2e2ce5ba082388001faf

2月19日(月)

『献灯使』論、校正段階でたくさん直させてもらった。新しい時代の多和田葉子論になったと思う。

2018年02月08日

[]「鉄血のオルフェンズ」の原稿を書いていた3週間

1月22日(月)

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」について論考を書くので、メモをとりつつ、第1期を見終わった。10時間くらいかけて見たのだが、クーデリアが「声」をえてゆく過程がより鮮明になった。第7話「いさなとり」で、なぜノルバ・シノヤマギ・ギルマトンに左手を出したのかについて考えている。いや、モビルワーカーの30mmマシンガンにシノが右手で掴まっているといえば、確かにそうなのだが、その後も左手がポイントになってくるので、何らかの象徴として読むべきところなのだろうな。


1月24日(水)

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第2期を見終わった。ラスタル・エリオンについては少し見方が変わってきた。「アニメージュ」3年分を見返してみて、いろいろなインタビューなどを読んでみて、はっとすることもあった。しかし、国際法廷(国家がなくなっているという設定なので、圏域間法廷くらいの何か)で鉄華団の訴えを聞いた上で裁かないと、ラスタルは「法」にもとる「正義」を行ったことになる。これでは、悪の表象を自分たちの外部に作り出しつづけなければギャラルホルンは存続できない組織になってしまう。


1月26日(金)

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」Drama CDの「恩人の名前」にシノとヤマギエピソードがあった。私は、今回、シノとヤマギについて書くことが辛くて仕方なかった。マクギリスについてもそうだ。私は彼らの死を目撃した者として書くよりほかない。「孤児(オルフェン)」たちのその生と死が私自身と繋がっていると考えなければ、書いてはならない。


2月1日(水)

中島みゆきさん「夜会工場」vol.2。「泣きたい夜に」からはじまって、「羊の言葉」、「一人で生まれて来たのだから」、「幸せになりなさい」、「あなたの言葉がわからない」。私は、「シャングリア」、「2/2」、「問う女」、あたりが好きだから、とてもうれしかった(「24時着 00時発」とか「橋の下のアルカディア」も好きだ)。中村中さんの「maybe」もよかった。

夜会Vol.17 2/2 [Blu-ray]

夜会Vol.17 2/2 [Blu-ray]


2月2日(金)

松浦理英子さんの講演に。ジェンダーのパワーバランスのことや暴力について意識的な作家。マイノリティの側に立つとはっきりと示している作家。本当に信頼できると感じた。

最愛の子ども

最愛の子ども


2月5日(月)

文章を書くときに目指しているのはふっくらさせること。「ここらへん、まだ、ふっくらしてないなー」と思ったら、どれだけ単語や構成を入れ替えても乗り越えられなくて、必要なのは、もう一度、調べること。そして、面倒だと思っているところ(ややこしい人間関係や歴史とか)をちゃんと把握し直すこと。一手間かけると、すーっと見えてくる。


2月6日(火)

ユリイカ2018年3月臨時増刊号「岡田麿里」特集に「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」論を書き終わった。タイトルは、「二次元の死に責任をもつこと」。ノルバ・シノとヤマギ・ギルマトン、マクギリス・ファリドガエリオ・ボードウィンのことを中心にして、目撃者としての視聴者について考えた。2/26(月)発売予定。

・「ユリイカ」2018年3月臨時増刊号「岡田麿里」特集

http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3144

2018年01月18日

[]歌舞伎黒執事

1月9日(火)

歌舞伎座で壽 初春大歌舞伎。高麗屋三代襲名披露。新染五郎義経は時分の花とでもいうべきか。その美しさははかなく、それがよい。このまま、いやましに練習あるのみであろう。圧巻だったのは、勧進帳。三代揃い踏みもすさまじかったが、幸四郎弁慶がよかった。最後にかけて息もできないほどに魅入られた。


1月13日(土)

「黒執事」Tango on the Campania。いわゆる豪華客船編。シエル役の内川蓮生さんがとてもよかった。ぐっとだまりこむ場面のほっぺたの感じが、子どもなのだが、大人と対等であろうとする様子が表現されていて、愛らしい。エリザベスエピソードも、シエルのことが大好きな女の子の姿がくっきりと浮かびあがってきた。彼女の葛藤をちゃんと時間をかけて描いてくれたのはよかった。そして、「真の」執事と坊ちゃんになるためにシエルとセバスチャンが過ごしてきた歳月を回想する場面はぐっときた。プロジェクションマッピングのうまさもあると思う。何よりも、原作を読んでいる人にとっては、伏線がよくできているなーと驚くことになると思う。この光景を覚えているということはシエルもこの儀式の中にいたということか。

2018年01月07日

[]『新潮』2月号に藤野可織さん『ドレス』書評、『文藝2018年春季号に、青山七恵さんの『踊る星座』書評が掲載されました

『新潮』2月号に藤野可織さん『ドレス』(河出書房新社、2017)の書評を書きました。タイトルは「レジスタンスするドレス」です。生の不穏さや不安定さを透徹した目で描いてきた藤野さんの新作はこの時代のあたりまえと戦うため、レジスタンスするドレスに着替える人たちの話でもあると思います。ぜひ。

ドレス

ドレス

『文藝』2018年春季号に、青山七恵さんの『踊る星座』(中央公論新社、2017)の書評を書きました。タイトルは、「今は六等星くらいに見える星が」です。周囲の人々との関係性に惑いながら、厄介ごとと対峙する「わたし」の奮闘がユーモアと切実さをもって迫ってくる作品です。

踊る星座 (単行本)

踊る星座 (単行本)

2017年12月29日

[]2017年印象に残ったこと

・『文学研究から現代日本の批評を考える―批評・小説・ポップカルチャーをめぐって』に、「ポピュラー・カルチャーと歴史認識清家雪子月に吠えらんねえ」における裂け目」を寄稿したこと


・『新潮』2017年4月号に「どこを見ても記憶がある―多和田葉子『百年の散歩』論」を寄稿したこと。

新潮 2017年 05 月号 [雑誌]

新潮 2017年 05 月号 [雑誌]


・「現代思想」8月号に「コミュニカティブなクィア?―李琴峰「独舞」を手がかりにして」を寄稿したこと


川上未映子責任編集『早稲田文学増刊女性号』に論考「クィアな自伝―映画「ムーンライト」と古谷田奈月『リリース』をつないで」を寄稿したこと。

早稲田文学増刊 女性号 (単行本)

早稲田文学増刊 女性号 (単行本)


・「ユリイカ」11月臨時増刊号「特集*志村貴子」に「志村貴子における約束」という論考を寄稿したこと。


川口晴美さんが編者となったアンソロジー短歌10首を寄稿したこと(「現代詩手帖」8月号)。そして、「Solid Situation Poems」として刊行されたこと。それから、別のところで屋上で詩歌を読む会をしたこと。

現代詩手帖 2017年 08 月号 [雑誌]

現代詩手帖 2017年 08 月号 [雑誌]


・高橋弘希『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』やはあちゅう『通りすがりのあなた』などの書評をたくさん書けたこと。

日曜日の人々

日曜日の人々

通りすがりのあなた

通りすがりのあなた


・『文學界』での「新人小説月評」を一年間担当し、無事に終えたこと。

文學界2018年1月号

文學界2018年1月号


立教大学から、第1回立教大学教育活動特別賞受賞をいただいたこと。

2.5次元ミュージカルやお芝居などいろいろな作品と出会ったこと。「鉄血のオルフェンズ」のシノとヤマギ、マクギリスにはたくさんのものをもらいました。「やすらぎの郷」「セトウツミ」もよかった。

ほかにもたぶんもっといっぱいある。いろいろな出会いと別れに感謝したい。

Connection: close