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2011-12-10
わたしはおねえさんを授業する 光村国語 2年生の指導
「わたしはおねえさん」
これは楽しい授業教材だ。
作者は、石井 睦美さん。
人気の「すみれちゃんシリーズ」の中の一作品である。
新しく教科書に入ってきたが、名作なのでこれからもずっと掲載される作品になるだろう。
2学期に入って、最初に教科書が届いたときにパラパラとみて、もしや、と思ったが、実際に単元の授業をやってみると、実に楽しかった。
なにがって、「怒り」がテーマになっているのだ。
「怒り」が、ものがたりの中心テーマになっているなんて、すばらしい。
これは、討論ができるぞ、とほくそえんだ。
子どもたちが直面すべき課題は、
「妹のかりんちゃんの絵を見た、姉のすみれちゃんの心の動き」
である。
怒りが、溶けていく。
なぜ、怒りが溶けていくのか。
そこをどこまで読み解けるのか。
これは、怒りを溶かした経験のある、その経験の深さによるのではないかと思う。教師か子どもかは関係ない。その経験の深さに年齢は無関係である。
教科書の解説および指導案によれば、
姉としてがんばろうとしている自分の姿と重ねて共感できたことが大きいと。
つまり、怒りの感情が出てきていた姉は、妹なりに「がんばろうとする姿」と、自身を重ねた。重ねることによって共感できた。
「おねえちゃんみたいに、おべんきょうしたい。おねえちゃんみたいに、じょうずに、描きたい」
妹が、姉にあこがれている心境。
妹が、姉のように、何かにひたむきに取り組んでみたくなる心。
妹の心に寄り添うことで、見えてくる、感じられてくる。
そのことによって怒りが溶け、怒りのために振り上げた心の中のこぶしをおろして、落書きを消さずに次のページをめくった、ということらしい。
さあ、ここからもう一歩、突き出ていきたい。
怒りの原因は何?
原因なんてあるのか?
あるとしたら、なぜ?
そして、それを根底から溶かすものは・・・?
窓の外に咲いている、コスモス。
コスモスを、妹のかりんちゃんが見ている。
「お花」
お姉さんも、ふと、視線を外に向ける。
コスモスだ。
ここで、怒りは消えている。
すでに、かりんちゃんに共感している。
かりんちゃんの心に寄り添っている。
「宇宙自然界の理」に添っている。(というよりも添う、ということが「理」なのだろう)
かりんちゃんが何を見ていたのか、なにを感じ取ろうとしていたのか、それを知ろうとして窓の外に視線をうつした、その直前から、怒りは消えている。
姉のすみれちゃんは、自分の心の動きがおかしいことに、もうどうやら気付いているらしい。
「怒りはイヤなもの、おかしなもの」
そう感じているからこそ、ふと、われにかえることができた。
だから、コスモスを見る余裕があったのだ。
怒りに対して、なんの疑問ももたない人には、すみれちゃんのように、窓の外を見るなんてこともないだろうな。
そして、ゆれているコスモスの花の美しさに、気付くことだってないのだろう。
(大人の多くは理屈をこねて怒りを正当化するから、いつまでも抜け出せない)
これは、超一級の教材だ。
これを超える教材が、今後、出てくるのだろうか、と思うくらい。
まさに、2年生にとって、最高のプレゼントになるだろう。
