啓発舎

マジすか? マジすよ

N今日

第1818回 定期公演 Bプログラム
R.シュトラウス交響詩ドン・キホーテ」作品35*
R.シュトラウス交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R.シュトラウス/歌劇「ばらの騎士組曲
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
チェロ*:トルルス・モルク
ヴィオラ*:佐々木 亮

言いたいことはほとんど個人的なので、レヴューを期待する人にはなじまない、と予め言っておく。
しかも、休憩にビール終わって六本木一丁目でワイン帰って自宅でビール状態だ。


◆前回ブロムシュテットさんを体験してしまったこと
◆いくらなんでもこのプログラムはないだろう
◆空回り

あたりが論点だ。

空回りからいく。とことん個人的。

一曲目のドン・キホーテ
チェロは確かによかった。あったかい豊かな音色。ヴィオラも。演奏はばっちりですよ。木管前列縦笛も今日はまあまあ。

ところが。
遊びがない。
全然笑わない、演奏が
笑えるかどうかしかないこの曲で。
レントゲン写真をみせられているようだ。
これで、当方勝手に空回りしてしまったのさ。
と思ったのはたぶんおれだけなんだろう、やんやの喝采でありました、場内は。


ティルは、まあ、ああいう曲だからいいが。
学生のころ夏の演奏旅行でさんざんやった。
ホルンの初日がいつでるか、というのが楽員の関心事だったが、初回から吹き切ったのは、名手がいたからだった。
今回は、福山さん、でしたっけ、だから完璧ですよ。
当方感想は、ヤルヴィといえども、どしゃめしゃの曲はどしゃめしゃだと確認。

次、メイン。
細切ればらの騎士
例のワルツのふわっとするところなんて、そりゃ、ふわっとしましたよ技術的に。
あとなんかありましたか。


要は、空疎な曲をならべて空疎にやります、ということがしたかったのか、ヤルヴィさんは。
きらびやかに。外見を飾り立てて、いかがでしょうか、と。
それならそれでいいのだが、一応就任記念ですよね。
それともなにか、N響はレントゲン撮影機と割り切っているのか。
Aプロの復活はどうだったのだろうか。
五楽章でちゃんと「復活」したか。二楽章のレントラーはどうだったか。



さっきから、乗れず空回りは個人的とか言っているが、当然、実は怪しんでいる。
ヤルヴィさん、あんたは乗ってましたか、今夜。


ブロムシュテットさんと比べてあれこれ言うのは八百屋と魚屋を比べて売ってる品の優劣をつけるようなものかもしれないので、今日はやめておく。
楽曲の良しあしもある。エロイカとリヒャルトのなんでもいい任意の曲を比べて精神性を云々してもしようがない。


でも、例えば、そうだな、広上さんなんかどうか。
広上氏に今夜のプロやらせたら。
ドン・キホーテとサンチョパンサを。遊んでくれるのではないだろうか、団員と一緒に、おおらかに。


さらに飛ぶ。
パパヤルヴィが、紀元は2600年、とか、なんとかのなんとか、とか、滅多に聞けないオールリヒャルトどしゃめしゃプロをやったことがあったが、ずっしり聴きごたえあったけどな。


息子ヤルヴィよ、功を焦るな。
外見はわかった。次は中身だ。
オールリヒャルトの次はオールハイドンあたりで、どうか。