記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

お伊勢参り 復路

伊勢参りを無事に済まし、ここからはグルメライド。
まずは伊勢といえば赤福です。
まあ近鉄の駅で買ってもお値段も味も一緒だけど、こればっかりはスルーできないね。
ということで人でごった返すおはらい町を押し歩きして、赤福本店へ。
かなり混んでいるようだったがサイクルが早そうなので、中でいただくことに。
疲れ切った体にあんこが沁み渡る〜。


赤福餅 番茶付きで280円


さていつまでも伊勢でのんびりはしていられません。
岡山・京北での反省を踏まえ、今回のメインディッシュとなるお店に早くたどり着かなくては!
その店はここから35km先の津にあって、11:00オープン。
今が10:00なので開店直後には間に合わないが、どうにか混むお昼までには滑り込みたい。
ということで急いでリスタート。
しか〜し、外宮までのちょっとした上りでも全く踏み込めず、パワーが出せない。
補給は今しがたあんこを入れたのでハンガーではない。
節々がトクントクンと痛く、頭がクラクラ、喉は腫れあがり、明らかに熱がある様子。
すでに燦々と降り注ぐ太陽の暑さもあって、かなり気分が悪い。
しかし、今日こそは是が非でもお目当てのグルメを食べたい!いや食べる!
そのためにわざわざ夜中の寒い中を耐えてきたのだ。
どこまでやれるかはわからないが、津までは絶対に行く。リタイヤするならその後だ。
ひたすら県道37号を集中して走る。往路よりも交通量が増えているので余計怖い。
松阪の手前で近鉄線を越えて、R42に入る。
車線が増えて多少走りやすくはなったものの、さすがにおにぎりなので交通量は多いし、
三重ならではの大型トラックやタンクローリーがバンバン横を通過する。
普段なら絶対避けたいルートではあるが、時間との勝負だし、体力が切れかかっているので
小細工なしでこの最短ルートで我慢。
とにかく日差しが暑い!あの夜中の寒さは一体なんだったんだ!寒暖の差、激しすぎる!
R23に合流してからは、いっそうでかい車のオンパレード。しのいでなんとか津まで到着。
思い返すと三重ナンバーの車にクラクションを鳴らされたことがないな。
津グルメといえば、津ぎょうざやうなぎなどが有名ですが、
今日は黄レンジャーのはしくれとしてカレー道です。


津新町の津城跡の海側にあるレストラン東洋軒に11:45に到着。
このお店は明治22年創業の由緒ある老舗レストランで、
ファサードから見るからに上品なマダムたちが集う本格的な洋風レストラン。
こんな変ななりで汗臭いおっさんが踏み込むには相当に勇気がいるぞ。
がしかし、これを目当てにここまでやってきたので、目前でひるむわけにはいかない。
意を決して中へ入るとこれまた格式のある内装。
さすがこういうお店の店員さんだけあって、心地よく席へと案内される。
ちょうどチャリンコを停めてあるのが見える窓の席でちょっと安心。
その直後から続々とマダムやらええとこの家族やらが入店。混む前でよかった〜。
美味しそうな洋食メニューが並んでいて思わず目移りするが、初心貫徹カレー。
単品だけではさみしいので、サラダと氷菓、コーヒー付きのセット1500円。
しばらくして出てきたカレーは見事に真っ黒。
松阪牛エキスたっぷり、津ブラックカレーです。
さすがこの黒さは1カ月煮込んで作られている証拠。
そしてこのトッロ〜っとした粘りのあるルー。
早速一口、んんん〜濃厚〜。じっくりと煮込まれたうまみが、うまみが、うまみがっ〜!!!
いやあたまらんです。やっぱりカレーは黒に限ります。
インドカレーもタイカレーももちろん好きだが、
どうも自分はあの魔法のランプのような容器(ソースポット)で出される正統派の欧風カレーが好きだな。
といってる間に、ぺろりと完食。んまかった〜。
続いてサーブされた本日のデザートはグレープフルーツのシャーベット。
軽い苦みと冷たさがちょうど体が欲していたものでした。
食後はコーヒーで一服し、大満足のランチでした。おいしゅうございました。
帰りがけ支払いの時に、また来てくださいと言われたので、がんばってまた行きます。
店を出て、チャリの準備をしていると、後ろからおっちゃんライダーさんに話しかけられ、
「この店一人でも大丈夫?こんなつなぎでもOK?」と聞かれ、
気にしなかったら大丈夫ですよと言っておく。


↓東洋軒のブラックカレー


↓1カ月煮込んだ濃厚ブラックルー


↓グレープフルーツのシャーベット


さて、じっくりと休憩しおいしいものを食べて落ち着きを取り戻し、
具合も随分良くなった感じ。これは輪行で帰るほどでもないので、リタイアはお預け。
リスタートしてすぐに、いつものようにお腹からレスキュー依頼でいったん津新町駅でトイレ休憩。
当初の予定では相性の悪いR163を避けて、関まで北上し、
R25伊賀上野まで迂回しようかとも思ったが、そこそこの遠回りになるし、
ちょっと南山城にも用があったので、長野峠を越えていくことにする。
伊勢道をくぐってしばらくまではド平坦。相変わらず路肩が狭くて走りづらい。
しかもところどころで道脇の雑草駆除をしているようで、
いきなり作業しているおっちゃんが出てきてビビる。
片田から少しだけ上りが発生。えっちら上ってまたすぐ平坦。
なぜだか山側から向かい風が〜。そのせいでフラフラなのかと思いきや
再び具合が悪くなる。脱水症状で喉がカラカラでたまらずドリンク補給。
この後、15kmくらい走っては水分補給を繰り返さないと死にそうな状況が帰りまで続き
水ばっかり飲むせいでお腹一杯で補給せずにかなりデンジャーな状況が続いた。
さて、美里宿を抜けると本格的な上りがスタート。
7%でダラダラと上り、ひたすらダンシングでえっちらおっちら。
なんか気温の暑さと体温の熱さとよくわからん感じ。
トップにあるトンネルの手前で斜度がぐぐっと上がり、しんどしんどでなんとか到着。
トンネルが長そうだったので、旧道へ行こうとしたが、通り抜けできませんの標識。
予習した時は、旧道は確かに閉鎖されているが、更にその前の代の道は行けたはずだが、
万一徒労に終わったらいやなので、恐る恐る新長野トンネルへ。
このトンネルがこれまた長っい!
バンバン後ろから車は来るし、歩道?はやけに細くて段差があってあんなとこ走れんので、
完全に肝を冷やしながら、ただまっすぐなラインを維持するのに集中して走る。
この2.5kmもあるトンネルで精神的に大分疲労しました〜。


↓長野峠


さあさあ、峠も無事に越え、ここから伊賀上野までは楽チンダウンヒル♪と思ったら、
あっという間に緩い下りが終わって、ほぼド平坦…聞いてないよ〜
しかも強烈な向かい風が…さっきの上りよりもむしろしんどいぞ!
踏み込んでいくが全然スピードが出ずに、疲労がたまる。
最近なぜか左足の指先がしびれた状態なのだが、この踏み込みのせいで左足の裏に痛みが走り
平田の集落で一旦ストップ。小休憩をとりシューズを脱いでもみほぐす。
リスタート後して15:00に伊賀上野の市街地の到着。
さて、ここからどう帰るか。まあ木津に出るしかないのだが、R163はもう勘弁。
それを避けるには、北へ行くか南へ行くかだが、今日は南へ。
極寒の早朝に通った西大手から再び南下。朝は八幡の交差点を右折したが、今度は左折し旧R25へ。
本当にこれがおにぎり付きかと思うほどのどかな道をダラダラと走る。
多少アップダウンはあるものの旧R25は使える。
しばらくして月ヶ瀬方面へ県道82号に入る。短めながら結構急なアップダウンをこなす。


↓月ヶ瀬温泉


月ヶ瀬の集落からは島が原方面へ県道753号へ。ぐぐぐっと急坂登場。やさしくね〜な〜。
しばらくすると高台に上りきったようで平坦に。
で、お目当ての場所をうる覚え(高山ダムのちょい先としか)で、
R163に戻ってしまう前に曲がらないといけないということだけ考えていて、
あやまって大分手前で曲がってしまい、名張川へ急坂を一気に下ってしまったあとで、
なんかおかしいと気付く…下る前に気付け、オレ!
付近を歩いていた地元の人に道を聞いたら、やっぱり間違ってた〜。
仕方がない…今しゃ〜っと下ってきた激坂を上るしかない…
1kmちょいしかないが、これがまたどえらいしんどい坂。十三峠の中間の激坂部分くらいの上り。
びっしょりと汗をかきながら、ダンシングで上りきる。
元のコースに復帰し、しばらく下ってまた上って、集落が見えたところが目的地。
旧田山小学校跡を再利用して雑貨やデザイン工房などがあるところがあって、
その中にある「cafeねこぱん」でひと休憩するのが目的。
でも…明らかに校門が閉まっている…ひょっとしてひょっとして休みか?
校門の横から中に入れたので、少しのぞいていると、
ここの関係者の方がいらして、ここは月に4日しかあいてないよとのこと。
そうだったのか、予習不足。
でも、せっかくきたのだから、ちょっとだけ待っててあげるからぐるっと見てきていいよと
ご親切に言っていただけたので、ご厚意に甘えて少しだけ見て回る。
第1,2,3土曜と、第3日曜だけのようなので、カフェはまたのお楽しみ。


↓南山城の旧田山小学校


↓cafeねこぱんはあいにくお休み


関係者の方にお礼を言ってリスタート。R163には戻らずに、柳生へ抜ける道を選択。
高山ダムまでは下りず(堰堤上はしばらく交通不可の標識あり)、途中にあった高山大橋への道へ左折。
ダムで堰止められた名張川の絶景を見ながら、真っ赤な高山大橋を渡る。渡ったドンツキ県道82号を左折して南下。
ただ走ったことのない道で、途中エスケープルートがなかったらヘタすると月ヶ瀬へ逆戻り。
不安になって、たまたま車から降りてきた人に道を尋ねると、
やっぱりあった柳生までのショートカット。
しばらくダム湖の回りをぐるぐると走り、1つ目の三叉路を右折し西進。
途中工事でダートになっているところがあったが、難なく県道4号へ合流。
合流したはいいのだが、そういえばもくろんでいた補給ポイントで補給できていなかったので
ヘトヘトでハンガー状態だったので、携帯していた残りの補給品すべてを使い切る。
ああ、疲れてきたぞ〜。でも少なくとも木津か奈良までは出ないとリタイアすらできないぞ!
と気合を入れ直す。


名張川上流


無事に、県道4号に入り、柳生の手前のしんどい上りをこなす。
柳生からはR369となり、アップダウン、アップアンドダウン…
もうこのくらいから意識朦朧としてきます。全然進まない…
悪寒が走り脱水症状がひどい。
ふにゃふにゃになりながら大柳生で須川方面へ県道47号に入る。
須川までは快適な下りだが、そっから再びR369まで幾多の上り。
もう元気ない。
R369に戻って、4〜5kmの下り。ここはいつも交通量が多く、路肩がない。
暗くなってきているし、意識を集中させて危険な下りを慎重に下る。
般若寺で右折。奈良には寄らず、そのまま交通量の多いならやま大通に入るが、
やっぱり時間帯的にかなり車が多くて怖いので高の原の手前で右折。
裏道に入るがお決まりの新興住宅街の迷路にはまる。
すでに日没で暗くて、周囲の状況が分からず、とりあえずあちこちもがいてたら、
見覚えのある所に出た。ここは大好きなパパド・ウルスのところだと気付き、
ちょうど腹ペコだし休憩をと店の前の急坂を意気揚々と上りきったら、店閉まってた…
ガッデム…
ここでもう完全に意気消沈、パワーが出る要素ゼロで、ダラダラととにかく帰る。
が、それももう限界で、命からがらコメダ珈琲に緊急ピットインしたのが18:30。
ハンバーガーとたっぷりカフェオレでしあわせ〜。
で、知らぬ間に意識を失ってたりして1時間すごし、リスタートした頃には、
すっかり外は寒くなってて、もう落ち込みます。
裏清滝も蚊の止まるようなスピードで上りきり、上りより辛い下りを我慢して終える。
もう芯の底から疲れ切った体がさらに冷えて、もうどうにもならない。
あとはいつものルートをトボトボと。
21:00帰宅。
寒さが予想以上に厳しく、距離の割に難易度が高かった…。