記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ご近所めんライフ

最近本当にバーガーが目立っているが、密かにめん偵察も継続中です。
今回の1軒目は北新地にある「ペペ」です。うちの実家の飼い猫と一緒の名前。
スナックがたくさん入った雑居ビルの2Fにあり、
明らかにスナックの居抜きの内装で、ほんまにラーメン屋?という感じ。
ここは名物の塩ラーメンを注文します。
出てきた丼を見ると、結構透き通ったスープに、焼つくねとネギ巻きの串がどーん。
緑も色鮮やかでなかなかのインパクト。
さっそく実食。ん〜、ちょっと薄い?塩系にありがちなちょっと物足りなさ。
場所柄、飲んでから来るようなところなので、こんなもんなのかなあ。
スープの味よりも、盛りつけられている香味野菜の青い味が勝っているほど。
炭焼きにされたトッピングなかなか香ばしくてウマかったが、
その味がしっかりあるがゆえに、スープの薄さが余計に目立つといった感じ。
麺はもう少しハリがあった方がこういうスープには合うかも。


↓ペペ


↓ペペ塩800円


2軒目は、大阪ラーメン界でも一目置かれている豊崎の名店「弥七」です。
いつも通勤時には前を通るのだが、食べるのは2回目です。
基本昼間で売り切れるので、なかなか時間帯的に行けない。
ようやく時間を見つけて行ってみるが、案の授行列。
でも4人目ならまだ少ない方。
いよいよ入店し、つけ麺にしようか醤油・塩らーめんにしようか迷った挙句、
ここはオーソドックスに醤油ラーメン。それとヘタめしも注文。
出てきたラーメンは、スープが若干ポタージュぎみ。いわゆる鶏白湯系。
飲んでみるとそれほどしつこく脂臭さがまとわりつくこともなく、
なかなかいい仕事をされています。
味的にも、玉ねぎの刻んだものが入ってアクセントをつけているという点でも
非常に三ツ星製麺所に似ています。(どっちが先かは知りませんが)
あれよりももう少しクセというか濃厚ではなくて、あっさりとした仕上げ。
麺はあまり印象に残らず。
それよりもヘタめしが超うまかった!
確かにおいしかったし、鶏白湯の先駆的な存在として重宝されるのはわかるが
それがもはや関西中に広まりどこでもある程度のレベル食べられるようになっている今、
長蛇の列を並んでまで食べるかと言われればう〜んって感じ。
並ぶのが嫌いだし、並ぶという手間がかかる以上、ハードルは高くなります。
並んでなければまたぜひ食べに行きます。


↓ラーメン弥七


3軒目は、鳥取ライドの締めくくりに寄った福島の「ラーメンまこと屋」。
ここは何度か足を運んでいるのだが、大好きな牛骨スープを出している店。
大阪で牛骨スープ仕立てのラーメンを出している店って意外とない。
コクがありつつも、鶏白湯よりも全然あっさりした喉越しでウマイのに、
なぜ流行らないのか。牛だとやっぱりコストが高いのかなあ。
ここはサービスで麺の固さや、ネギの量を増減できるので、
定番のカタ、ネギ多めで。
いやあ、やっぱり牛骨うまい!クリーミーながらも後味さっぱりで、どんどん。
こういうスープにはやはりガッシリ細麺が一番です。
バリバリ食べて元気100倍。


↓ラーメンまこと屋の牛醤ラーメン


本日ラストは、うどんです。
ご近所の豊崎はさぬきうどん激戦区。
小さいエリアに「讃州 情熱うどん」「たけうちうどん」そして
今回紹介する「うどん屋 きすけ」の3つの名店が凌ぎを削っています。
他の2軒はすでに紹介済みなので、これでそろい踏みになります。
お店はカフェっぽいつくり(前はベトナムカフェだったはず)で、
女性や一人客でも気軽に入れる。
お店の人もフレンドリーで居心地抜群です。
色々なメニューがあるが、どうせなら他の2軒にはないメニューがいいなということで
あげもち梅ぶっかけにする。あげもち大好物なんです。
彩りよく盛りつけられたうどんをさっそく頂きます。
噛んだ瞬間のインパクトはほどよいモチモチ感でソフト。
切るタイミングで少しはねっ返りが来るといった感じ。
先の2軒がいわゆる関西讃岐のゴムゴムグミグミに対して、
硬さのバランスがうまくとれた本場香川に近い感じ。
あともう少し切れ心地がスムーズならバッチリかも。
そしてあげもちのやわらかさに、ほんのり甘みを感じるだし醤油がGOOD!
そこに梅の味をちょいちょいプラスして、まさに暑い時期にぴったりの一杯でした。
この豊崎三羽烏の中では一番の好印象でした。


うどん屋 きすけのあげもち梅ぶっかけ


どちら様もごちそうさま!

『単独行』 by 加藤文太郎

伝説のソロクライマーにして、わが故郷・兵庫の名士、
加藤文太郎が残した山行の記録。
かの「孤高の人」の主人公のモデルとなった加藤の素顔は、
堅物で人を寄せ付けないヒロイズムに満ちた人間像ではなく、
極めて素朴で、不器用で、人懐こさの感じられる「普通の人」である。
その人間離れした体力や忍耐力、実行力は実に驚異的ではあるが、
勇猛果敢に難攻不落の地を落とすといったような 
尖鋭的でドラマチックで派手な冒険者というよりも、
下手なスキーや岩登りを克服しながら静かに山と対峙し語らう姿は、
一般登山者の我々にとっても非常に親近感を覚えるものである。


「単独行者よ強くあれ!」というキャッチフレーズは、
一見男気あふれる勇者の弁に聞こえるがそうではない。
ここでいう強さとは絶対的な体力やスキルを身につけ、
無敵な存在になるということではなく、
自らの「弱さ」を徹底的に自覚するということである。
自らの弱点や克服すべきポイントを明確にし、それに対して万全の対策を練る、
そしてその対策が本当に正しい答えなのかということを
本番前に繰り返し徹底的に試すという、
地味で堅実な作業にこそ偉業を成し遂げる下地が備わっている。
この辺りは、三菱の技師として働いていた加藤の、
エンジニアならではの堅実さが窺い知れる。


新編 単独行 (ヤマケイ文庫)

新編 単独行 (ヤマケイ文庫)


谷甲州編につづいて読んでみたが、
ロングライドに忙しすぎて3月から読み始めてようやく読破。
これを読むことでの山へのモチベーションは計り知れない。
いつか、加藤、そして松壽が没した槍ヶ岳・北鎌尾根へ行ってみたいが、
現状のスキル・経験則はそのミッションをこなすにはあまりに”弱”すぎる。
この計画はおそらくずっとずっと後になることだろうなあ。