記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

さよなら楽天食堂

連休前に、アニキから一通のメール。
あの楽天食堂が閉店するとのこと。
ええ〜!?マジですか…。
夏場にバテバテで食が進まない時や、
メンタルが弱っている時には、必ずお邪魔をして、
滋味深い麺や点心に救われていたのだけど、
それももうできなくなってしまうのか。
せめて最後にお邪魔をして、
もう一度あの味をいただいて、
ご苦労様とお伝えしたい。


とはいえ、会社勤めの身としては、
ランチにはお邪魔することができないうえに、
夜の営業が曜日が限られてしまっている。
結局、閉店の2日前にようやく尋ねることができたのだが、
なんと、すでに店じまいされてしまっていた…
が〜ん。
どうも、閉店の情報を聞きつけたたくさんの常連客の方が
昼間にドドドっと訪れて、
ランチですべての食材を使い切ってしまったようでした。
別のアニキのブログでも、その盛況ぶりのすごさが伝わって、
いやあ困った…


楽天食堂


↓ガ〜ン…


翌日、土曜日。
やっぱり、諦めきれず、ラストチャンスにかけることに。
下の娘を保育園に預けて、
長女の音楽教室の帰りに、阿波座まで足を延ばす。
すると…
12時の開店の15分前というのにものすごい行列。
外はもちろん、2階へ続く階段にも待ち人が並んでいます。
そんなに大きなお店ではないし、
ご夫婦お二人ですべてをされているので、時間もかかるし、
これは少なくても1時間は待たないと…
自分一人ならいいが、娘をこの寒空の下で待たせるのは…
どうしよう。
と思っていると、最後なんやろ、待とうよと、
娘からありがたいお言葉(涙)
後ろの予定もないので、行列に並ぶことにしました。
といってもビル風吹きすさぶ日陰のところで待つのは
なかなかシビアで、すぐに全身が凍り付きます。
娘も寒さに震えているので、
カイロをベタベタと貼りまくり、
ありったけの衣類を纏って防寒したのだが、
寒さと疲労で娘はこっくりこっくり落ちてしまいました。
もうれっきとした遭難。
可哀そうなことに晩から熱を出して1日寝込んでしまい、
申し訳なかった…


↓翌日


↓最後の日


↓大行列@@@


食べ終えた人、途中止む無く離脱する人がぽつぽついるものの、
なかなか列は進まず、
結局、2Fに続く階段にたどり着くまでに1時間半もかかりました。
それでも風が当たる屋外にいるよりはよっぽどましで、
狭く急な階段で身を寄せ合ってさらに30分待ちました。
その間にも外では列が伸びているようなのですが、
さすがにもう出せる分量が決まっているため、
奥さんが泣く泣くお断りをいれて、
今階段にいる人たちまでで売り切れクローズされていました。
ギリギリセーフ@@@


↓2時間待ってようやく中へ


ようやく着席して、注文。
すでに餃子は売り切れていたので、豚まん。
豚まんも2個1セットなのだがもう数がなくて、
最後の1個だけとのこと。
もちろん。楽天食堂最後の1個をありがたく頂戴します。
それから娘と自分で麺を1つずつ。
あわただしく作業されるお二人を見ながら、
もう少し待ちます。


↓辛抱強く待ちます


↓まだかなまだかな〜


そうして、まずは豚まんがやってきました。
ふくよかで惚れ惚れするフォルムですね。
ラス1の豚まんを娘と半分こ。
んんんん、ほかほかで美味しい@@@
ジューシーな餡と、
それを優しく包み込む自家製の皮の天然の甘み。
ありがたや。ありがたや。


↓ラス1の豚まん


しばらくして麺もやってきました。
娘はチャーシューが入ったシンプルな湯麺(タンメン)。
これがまた素朴で滋味深い。


↓湯麺


自分は、もう楽天食堂といえばの熱帯麺。
最初は確か夏限定メニューだったはずだけど、
あまりの人気にレギュラー化された麺。
ココナッツミルクのほの甘さと、ピリッと来る辛み、
そして酸味の3つの味覚が一度に刺激され、
そこにパクチーやセロリといった香味野菜の香りが混ざり合って、
一口スープをすすれば、一気に目の前が、
東南アジアの猥雑で底抜けに明るい屋台へとワープしてしまう。
この味はここでしか味わえないのです。
ああ、素晴らしき熱帯麺。


↓熱帯麺


ということで、あっという間に平らげてしまいました。
まだまだ、食べたい。いつまでも食べたい。
でももうそれも叶いません。寂しいな。
でも、このお店に出会えたことだけでも、
ラッキーだったのだと、今となってはそう思うしかありません。
お会計の際にお二人に感謝とねぎらいの言葉をかけて
店を後にしました。
ありがとう楽天食堂。さよなら楽天食堂。


↓ごちそうさまでした


↓さよなら楽天食堂