Hatena::ブログ(Diary)

記憶の残滓 by arkibito

2017-03-28

ジョンとポール”CROQUIS”リリース記念LIVE at 誠光社

日曜日はまた素敵な人と出会いました。

宵待の丸太町。誠光社にて。


最初にそのユニット名を聞いた時に、

思わず笑ってしまった「ジョンとポール」。

しかも、一人ユニット。

マジかよと。

しかもなんだかとっても胡散臭いビジュアルは、

ジョンでもポールでもなくリンゴじゃないか!?

気になって、ようつべで上がっているライブの音源を聞いてみると、

これがまたすこぶるよいではないか!!

ビートルズ感はほぼゼロですが、

ボロロンとしなやかに弾かれたギターの音色に、

なんとも味わい深いヴォイスのつぶやきが心地よい。

ひょっとして天才ちゃうのん?

詳しく調べてみると、今話題の広島県は呉で、

全部セルフビルド宅録DIYで音楽をやっているらしく

基本ローカル広島で細々と活動をしている様子。

ほんと、こんなとこに隠れておったんかっ!!と。

同じ、ギター弾きとしては、一度生で拝見したい。

ちょうど、いつもお邪魔している誠光社さんで

ニューアルバム"CROQUIS"の発売記念のライブがあるとのことで

馳せ参じました。


↓おなじみの誠光社さん

f:id:arkibito:20170326184750j:image:w360


前回の「メカス映画×いしいしんじ」以来、2週間ぶりです。

堀部さんと奥さんに、アレすごかったですねえとライブ前に雑談。

今宵も大変楽しみにしております。

19時となって、ぼそぼそ〜っとライブスタート。

譜面台と、簡単なリズムマシーンと、マイクとギター。

ギターはなかなか小ぶりなサイズでした。


↓いざライブ

f:id:arkibito:20170326190103j:image:w640


さっそく、名曲『ウィークデー』からライブスタート。

一曲一曲が1分、2分程度で、

次々とポップでキャッチーな曲たちが披露されていきます。

いわゆる流行歌のように、ある程度の長さだったり、

AメロBメロ、サビ、転調といった

型にはまったような曲作りに囚われることなく、

耳良いフレーズやコードだけを用いて、

ギュっとエッセンスを凝縮して、

その曲の一番いい部分だけを絞り出したようなそんな贅沢さ。

そのメロディーの上に、文語口語入り混じった、

まったく飾らないつぶやきが馴染むように乗っかる。

コトバ遊びが見事にメロディに溶け込み弾ける。

本に囲まれたこの小さなステージの尺とも見事にマッチして

それはまるで上質の短編小説をめくるような幸福感でありました。


↓染み渡る音色

f:id:arkibito:20170326190313j:image:w360


1時間ほど、ソロで畳み掛けるように弾き語り

そのあと、堀部さんとライブに至る経緯なんかを対談。

そのあとはコンバイン若岡さんのベース伴奏を加えて

さらに数曲。

ラストはアンコールにお応えしての一曲。

あっというまの1時間30分。

素晴らしい夜をありがとう@@@


↓堀部さんと対談ちう

f:id:arkibito:20170326193058j:image:w640


ライブ後、ご本人と少しお話。

とにかく声が素晴らしくて聞き惚れました。

呉は仕事などで時々行くことがあるし、

また別の機会でまた

心地よい音楽に酔いしれたいなあ。


↓ジョンとポールの土肥雅樹さん

f:id:arkibito:20170326200859j:image:w640


↓サインいただきました

f:id:arkibito:20170326201055j:image:w360


↓『ウィークデー』


↓『バナナ泥棒


↓『dayton,ohio 1903』 ※ランディーニューマンの日本語カバー


↓みんな買ってネ♪

クロッキー

クロッキー

2017-03-27

発表会

土曜日。

娘の音楽発表会が午後から。

今まで4年近く一緒にやってきたメンバーが

それぞれ少しずつ違う道を行くことになり、

フルメンバーそろってやれるのはこれがラストかもしれない。

みんな一生懸命、弾いて歌って踊っておりました。

時間やクラスは違うけど、音楽は続けていくし、

どっかでまたアンサンブルを奏でるチャンスはあるでしょう。

演奏会の後は近くの居酒屋で打ち上げ。


f:id:arkibito:20170325202853j:image:w360

本屋改造プロジェクト at スタンダードブックストア心斎橋

足しげく通っている大好きな本屋さん、

スタンダードブックストア心斎橋

そこが、この春から大きく生まれ変わる。

これまでも色々な仕掛けや、

人やモノ、コトの交流の場としては機能してきたけれど、

売る側と買う側の垣根をぶち破って、

双方向的な場所としての在り方を模索されていて、

それをいよいよ実践に移していこうということらしい。

その手始めとして、今持て余していた1F部分を引き払って、

地下フロアに集約し、より凝縮した空間、

お客さんとの距離感を縮めるとのことで、

リニューアル作戦が行われた。


双方向的というのをヒントに、

じゃあ、店づくりからお客さんを巻き込んでいこうよという

何ともオモロイ発想で、リニューアルボランティアを募集され、

こちらとしても、思い入れのある場所、

お店に少しでも携われるチャンス!ということで、

参加してきました。


集まったボランティアはこの日は6人。

みな、このお店が好きという1点だけ同じで、

あとは職業も年齢も全然違う。

10時になり、オーナーの中川さんと、

チーフの五百森さん、中川さんとご挨拶をしていざいざ。


↓さてどうなるやら

f:id:arkibito:20170321100022j:image:w360


すでに、前日の営業終了から、

大移動が始まっていて、騒然としています。

この日と翌日の2日間で作業をして、

少なくとも上のフロアの明け渡しはマストなので、

必要なものをすべて下に降ろし、不要なものを上げる作業

まずはすでにこれまでにバラされていた

本棚や什器類を一斉に上げます。

あれだけの書籍を支える大型の本棚たちなので、

1つ1つのパーツにばらしても、なかなかのサイズと重さ。

ひたすらエスカレーターを往復して、

廃棄置き場へとピストン

ええ、運動なります。


↓どんどん運ぶよ

f:id:arkibito:20170321105307j:image:w360


↓大量に廃棄

f:id:arkibito:20170321111728j:image:w360


廃棄の荷物の運搬をメインに、

他のスタッフさんからの助っ人依頼も受けて、

上のフロアの本を、

できるだけ今の並びをキープした状態で降ろしたり、

インパクトドライバーで本棚をばらしたり、

後はひたすら掃除。

あれだけの広いフロアを2つ分なので、

色々なものが出るわ出るわ、

運べど運べど、全く片付くメドもないような感じで、

こりゃあ、大変だ!


↓大量の本

f:id:arkibito:20170321110441j:image:w360


あっという間にお昼になり、まかないがふるまわれます。

大好きなエピスカレーに、スタッフお手製の小鉢。

汗かいた後のカレーは旨し!

休憩の合間に中川さんも来られて、いろいろお話。

規模的にはサイズダウンだけど、

ぎゅっと1フロアに凝縮させて、

なんかエネルギーみなぎってる感じで、

ますます面白くなりそうだっ!!


↓まかないはカレー

f:id:arkibito:20170321121648j:image:w640


↓まかない2

f:id:arkibito:20170321122109j:image:w360


さて、さて、仕事はまだまだ山ほどどっさり。

引き続き、大量の木材や本に立ち向かいます。

スタッフさんから呼ばれて、別のお仕事、何かなと思ったら、

こんくらいでいいので本棚をノコで切ってと言われ、ギコギコ。

本屋に来て本棚を切ることになるなんて思いもしませんでした。

なかなかおもろい経験ですな。

とにかく、どんどん、じゃんじゃん、

いるもの、いらないものを上げたり降ろしたり。

こういうとき、山で鍛えた体力が役立ちます。

こないだの愛宕山に比べたら、まだまだ行けます!


↓山の如し

f:id:arkibito:20170321161951j:image:w360


途中で、ちゃんとおやつタイムも用意していただいて、

ひと休憩。

でも、これほんまに終わるんかいなあ〜。


おやつタイム

f:id:arkibito:20170321163406j:image:w360


終盤は、1Fフロアの照明外し。

2人一組で三脚を使って高いところの照明をひたすら外す。

1つ1つ外していくごとに、明かりがなくなり、

最後全部はずして、ががらんどうの薄暗いフロアに

どっさり廃棄の山を見るにつけ

ああ、ここなくなるんだなという郷愁を思わず感じてしまいますね。

この最中にも、リニューアルを知らずに続々とお客さんがやってきては、

びっくりして去っていきます。

安心してください!リニューアルですよ!

外した照明は全て、地下フロアに移動させて、

1つ1つ丁寧に汚れをふき取ったら、

今度はそれらを地下フロアの天井に付け替え。


↓照明外して暗くなると寂しい感じ

f:id:arkibito:20170321151613j:image:w360


↓ライト

f:id:arkibito:20170321154830j:image:w360


そうして18時を過ぎて、ボランティア業務終了。

まだ初日で、全然終わりが見えない状態のまま

残していくのは忍びないですが、

翌日は仕事でお手伝いできないので、

あとは翌日のボランティアの方とスタッフさんに託します。

あとはよろしく!

ということで、大好きな本屋さんのリニューアルに少しですが

関わることができました。

なかなかこういう機会はないので貴重な体験

自分で手を加えた分、さらに思い入れのある場所になれました。

もっともっと、いろんな人を巻き込んで

面白い場所になることを応援したいし、自分も巻き込まれたい。

あれやこれや、楽しみだ。


↓終了〜

f:id:arkibito:20170321181317j:image:w360


お仕事のお礼にということで、無敵カードをいただきました。

我が家はここに来たら、本当に大量に本や雑貨を買ってしまうので

これには奥さんも大喜びでした。

遠慮なく使わせていただきます!


↓特典

f:id:arkibito:20170321182640j:image:w360


↓お疲れ様でした!

f:id:arkibito:20170322110349p:image:w640


<追伸>

スタンダードブックストア心斎橋は、

どうにかなんとかリニューアル作業を終えて

3/23から無事に地下フロアにて絶賛営業中!

また今後もいろんなところに手を加えて、

面白い場所にしていくそうで、

双方向的なイベントや仕掛けもこれからどんどん。

本屋改造ボランティアはまた今後もあるそうなので、

興味ある方は要チェック!

2017-03-22

高蔵寺ニュータウン

17時に取材を終えて、クルーと別れてから単独行動。

ちょっと時間が時間だったけど、

どうしても寄っておきたいところがあって。

中央線とバスで向かったのは高蔵寺

先日観た『人生フルーツ』の津端夫妻が住んでいる町。

さすがいいお宅でした。


f:id:arkibito:20170317181901j:image:w360

f:id:arkibito:20170317181936j:image:w360

f:id:arkibito:20170317181950j:image:w360


到着したころは随分暗くなっていたけど、

そこからちょっと移動して、

ニュータウンの真ん中にある高森山に登る。

登ると行っても公園の端から10分もかからない。

暗がりの中、山頂まで。

ここは一帯の山が根こそぎ切り取られ、更地にされてしまったなかで、

唯一残された山。

50年前の当時は禿山だったようですが、

津端さんが音頭を取って地元の子供たちや家族と

どんぐりを植えて森を再生させるという「ドングリ作戦」の成果が実り

勢いよく生い茂る森となっていました。


f:id:arkibito:20170317182341j:image:w360

f:id:arkibito:20170317183857j:image:w360

f:id:arkibito:20170317183914j:image:w360

f:id:arkibito:20170317183935j:image:w360


もうすっかり暮れたニュータウンを後にし、

名古屋へ戻る。

夜はまだまだこれから。


f:id:arkibito:20170317184325j:image:w360

ジョナス・メカス×いしいしんじ 『幸せな人生からの拾遺集』 / 『フローズン・フィルム・フレームズ―静止した映画 』

日曜日のメインイベントは、毎度おなじみの誠光社さん。

映像作家のジョナス・メカスの2012年の作品

『幸せな人生からの拾遺集(Outtakes from the life of a happy man)』の上映に合わせて

作家のいしいしんじさんが”その場小説”を乗せていき、

しかもそれをほぼ同時通訳という形で並べて投影し、

ブルックリンに住むボニー・エリオットさんが”その場翻訳”。

それをyoutubeで同時世界配信するというライブイベント。


↓誠光社

f:id:arkibito:20170312194843j:image:w360


ジョナス・メカスリトアニア出身の詩人でしたが、

ナチスロシアの迫害を恐れてアメリカへと亡命

たどり着いたニューヨークで16mmのゼンマイフィルムカメラを手に入れ、

そこに詩的かつ私的な日常の風景を撮り始め、

インディペンデントムービーの父と称される映像作家です。

自分が映画製作サークルで映画を撮りまくっていた頃に

とても刺激を受けたアーティストの1人。

今回はそこにおなじみのいしいさんが絡んでどんな化学反応が起こるのか、

とても興味があって参加しました。


↓その場小説中

f:id:arkibito:20170312201713j:image:w360


小さなスペースにぎっしりのギャラリー

そこに手製のスクリーンを張って、なんともインディペンデントな雰囲気。

いしいさんとも久しぶりにご挨拶。

時間となり、スクリーンに、メカスの映像、

そしていしいさんのタイプスクリーン、

それからエリオットさんの通訳スクリーンを重ね合わせる。

なんとも不思議な感覚でした。


↓いしいさん

f:id:arkibito:20170312222319j:image:w640


コトバにしても、歌にしても、映像にしても写真にしても、

不可逆的に流れる時間の流れの中で、

その瞬間をFIXして切り取るという行為自体が、

すでに高尚な芸術活動であると信じているが、

ジョナス・メカスの記録映画に映し出される映像の素晴らしさは、

その1シーン1シーンが

彼自身の極めて個人的な日常を切り取ったもので、

彼自身の経験から零れ落ちたものであるはずなのに、

この映像に接した人たち(人種や国や性別を問わない)の

誰もの遠い思い出の中に共通して浮かび上がるような、

記憶とかイメージにおける原始的な”何か”を、

フィルムの中にはっきりと封じ込めているからである。

それはあの日の風であったり、まばゆい光だったり、

子どもたちの甲高い無垢な笑い声だったり、

浜辺に打ち寄せられる波だったり。


何かの機会に、昔を振り返りながら古いアルバムをめくる時、

運動会や誕生日など、特別な行事やイベントの記録のために

撮られた写真たちよりも、

フィルムの余りを使い切るためにだけに

何気なくシャッターを押したショットに偶然に映し出された、

当時のただの日常の風景が切り取られたものに、

強烈なエモーションが湧き上がってくるという経験は誰しもあると思う。

その感覚に近いような映像体験


いしいさんは事前に映像を見ていなかったらしいのだけど、

ちょうど映画のキーワードとなる”波”というフレーズが、

シンクロするように浮かび上がってきて、

ちょっとした奇蹟のような夜でした。


↓翻訳をいただく

f:id:arkibito:20170312223942j:image:w360



2017-03-07

金沢王道コース デザインの本質を探る旅?

北陸旅行2日目。

加賀温泉を9:36に出発して、30分ほどで金沢にとうちゃこ。

さすがシーズンなのと、

新幹線東京から一本ということもあってか、

駅前からものすごい人出です。

こちとら人数もいてベビーカーなので、

無理にバスは使わずにタクシー移動。

金沢に来たら寄らずにはいられないのが21世紀美術館ですね。

美術館内はすごい人で、チケットブースからすごい行列でしたが、

やっぱりここは外すわけにはいきません。


↓金沢21世紀美術館

f:id:arkibito:20170305111529j:image:w360


↓レアンドロのプール

f:id:arkibito:20170305105655j:image:w360


行ったときは、「工芸とデザインの境目展」というのをやっていました。

どちらもモノづくりという意味では同じで、

しかもどこまでが工芸でどこまでがデザインなのか、

線引きが非常に曖昧ですが、

「プロセスと素材」「手と機械」「かたち」「さび(経年変化」

といった観点からその境目を模索するという内容の企画。

例えば、タイプライターとiMAC、

バカラのグラスとIKEAの割れないコップ、

昔のコカコーラの瓶と、今のコカコーラのスリムボトル

石垣とコンクリート壁などといったような

同一の目的で作られた商品を、

古い時代の道具たちを”工芸”、最新のツールを”デザイン”として

対比するという展示の仕方でした。


個人的な感想としては、

ますますその境目がどうなのかわからなくなるような感じでした。

つまりこの企画で”工芸”と位置付けられたモノの方が、

”デザイン”と位置付けられたモノよりも、

デザイン的に優れていると感じたからです。

結論としては、「工芸」とは、

まず最初に何か作業や仕事(料理や木工)があり、

それらを効率かつ正確に行えるものとして生み出された道具が、

機能美としてデザイン的な素質を発するもの。

一方、「デザイン」とは、モノの機能的な内面から湧き出たものではなく、

コマーシャル的な意味合いから表面的に飾り立てられたものであり、

それによって消費行動へと駆り立てるための一種のお化粧にすぎない、

として捉えた方が個人的には随分しっくりくる。


結果的に製品をプロダクトするという行為は同じだったとしても、

その出発点、あるいは考え方の原点が、

いいモノを”つくりだす”ということが、

いつしか多く”売る”というところにすり替えられた時、

没個性化が始まり、真の意味でのデザイン的な魅力を見失う。

誰にでも使い勝手がよく、誰にでも受け入れられる、

けれども、無味無臭、人畜無害な

極めて凡庸なものが世界を席巻することになる。


アパレルの世界でいう”ユニセックス”デザインなどというものは、

文字通り男である女であるという根本的なボーダー=個性すらも

ある意味否定したものだ。

男にも売れる、女にも売れる、シェアが拡大する、売り上げが上がる。

それは商業的には成功かもしれないが、それは求められたものなのか。

昔のスポーツカーや、ビートルなどの

個性的なフォルムやデザインに胸躍らせても、

どのメーカーも似たり寄ったりの現代のツルンとした

家電自動車にもはやロマンは感じられない。

1つとして違いのない真っ白なiphoneに対して

黒電話やピンクの公衆電話のもつ”味わい”とは

決してノスタルジー的な意味合いだけではないはずだ。

しかし機能や効率が格段に向上するのに反比例して、

デザインはどんどん形骸化してゆく。

便利で快適で文句もないが、ただつまらない、面白くない。

これは製品やデザインという世界に留まる話ではなく、

フォーマット化された店舗、住宅、芸術作品まであらゆる世界で

同時進行的に起こっているデザインの砂漠化だ。


町に溶け込んだ老舗の珈琲屋と

スターバックスの対比がわかりやすいかもしれない。

前者は、もちろん商売として

コーヒーを提供するということが前提だとしても、

町の人たちのくつろぎの場を提供するといった

別の側面を持ち合わせていて、

そのお店の持つ場の魅力というものは、

そこにしかない=ユニークなものだ。

一方で、スターバックスは、

もちろんくつろぎの場を提供するということもあるにせよ、

結果的にはサービスを「売る」「買う」という場所でしかなく、

そのお店の持つ場の雰囲気というものは、

全国どこでも同じサービスが受けられるという均一化が支配する。


あるいはビールなど、日本のどこで飲んでも

同じ商品であれば同じ味がするはずだが、

ファミレスやファストフード店で飲むよりも、

老舗の角打ちやベースボールスタジアムで飲む方が

うんと美味しいに決まっている。

また、きっと、そこが会社の会議室や便所だったら

好きなビールも飲めたもんじゃないだろう。

このように、単に商品を売る・買う、使いこなすといった、

消費や効率の範疇に留まらないものを

人は敏感に感じ取って生きているのであって、

そういう部分こそ、人間の求める豊かさそのものだと思うし、

それを追求することこそが、

本当の意味での”デザイン”なのではないだろうか。

今のデザインのほとんどは、

商品を売るためのツールに成り下がっているものがあまりに多い。

現代社会には”消費”という病魔はどこにでも棲みついているし、

どの分野・世界でも巣食っている。

売れること、シェアを占めること、

流行のメインストリームを席巻することが正義だと

本当に信じられている現代社会で、

”工芸”を取り戻すには、

やはりモノづくりの原点を見直すこと、

豊かさの本質を探る必要があると改めて感じました。

そもそも日本人はそういうワビとかサビと称されるものへの

気遣いとか感性に長けているはずだと信じたいところです。


↓「トーマス・ルフ」展

f:id:arkibito:20170305120253j:image:w640


つづいて同時にやっていた「トーマス・ルフ」展。

アンドレアス・グルスキーなどと並ぶ、

ベッヒャー派を代表するドイツの写真家です。

自ら撮影した写真の作品に留まらず、

例えばネット上にあふれる大量の画像データや、

NASAの衛星画像といった既存の画像を加工した作品などを発表しつつ、

溢れかえる画像に囲まれて生きる現代社会においての

写真・メディアの在り方についての視点を与えています。

非常に冷ややかなまなざしから捉えられた写真たちの

無言の佇まいのすごみというか、

そういうところがベッヒャー派ならではでした。

初期の「ハウス」というシリーズの写真が、

自分の感性にぴったりで見入ってしまいました。


↓カラー・アクティヴィティ・ハウス by オラファー・エリアソン

f:id:arkibito:20170305130823j:image:w360


美術館を満喫したら、

すぐ近くにある気になっている本屋さんに向かいます。

「Books under Hotchkiss」という流通に囚われない新しい本屋さん。

2Fがギャラリーのようになっていて、

そこにものづくりや表現者さんの作品を展示して、

そのテーマや内容に関連する本を期間中に1Fで販売をするという形式。

3か月ごとに入れ替えがって、

その度に商品も全部入れ替えるということで、それもなかなか面白い。

この間のスタンダードブックストアさんでの本屋トークや、

さきほどの工芸とデザインの話にもつながりますが、

単に本を物販するということではなく、

本というものを糸口にして、

”知”をやり取りする場をデザインするということの実践とでもいう感じです。

この時は、「Books & Dogs展」ということで、

たくさんの作家さんやデザイナーさんが

犬にまつわる本をチョイスしたものが並んでおりました。


↓BUH - Books under Hotchkiss

f:id:arkibito:20170305132443j:image:w360


↓Books & Dogs展

f:id:arkibito:20170305132905j:image:w360


↓不思議な本屋です

f:id:arkibito:20170305133432j:image:w360


さて、すっかり時間が過ぎて14時近く。

おなかペコペコですので、遅めのお昼ご飯にすることにします。

ということで片町までトコトコ歩いていたのですが、

途中で次女がどこかで片方の靴を脱いで無くなっていて、

慌てて歩いてきた道を戻って、道端に転がっているのを無事救出したり。

昔マカオで長女がサンダルをなくして、

大慌てしたのを思い出しました。

姉妹そろって靴なくすな〜。


で、お昼ご飯には名物の金沢おでんを、ということで、

「赤玉本店」になってきました。

ここの牛スジ煮込みが本当に上品な味わいでおいしくて、

注ぎ金沢に来たら絶対食べたい!と思っておったのです。

昼間からお酒をいただきつつ堪能させていただきました。

んまい!


↓赤玉本店

f:id:arkibito:20170305140914j:image:w360


↓お目当ての牛スジ煮込みを能登の宗玄で

f:id:arkibito:20170305141703j:image:w640


↓金沢おでん

f:id:arkibito:20170305141813j:image:w640


ゆっくり遅めの昼食を済ませたら、

帰りの電車まであまり十分な時間が無くなってきましたが

せっかくなので、ひがし茶屋街までワープして散策。

町家を改装したカフェで一服したり、お土産を物色したり。


↓ひがし茶屋街

f:id:arkibito:20170305152128j:image:w640


↓和カフェで休憩

f:id:arkibito:20170305152216j:image:w360


↓ちょっとブレイク

f:id:arkibito:20170305152955j:image:w360


金沢駅まで戻ってきて、電車の時間まで駅ビルでおみやげタイム。

ちょっと戦列を離れて地酒ブースへ。

自販機で入れたお酒呑みつつ、見て回り、1本お買い上げ。

あとは晩御飯にお弁当とか、色々。


↓ラストの酒

f:id:arkibito:20170305162518j:image:w360


帰りのサンダーバードはモロ混みで大変でしたが、

20時ごろに無事に帰宅しました。

なんだかんだ子連れ旅は大変ですが、

カニも酒もアートも満喫できた北陸の旅でした。

2017-03-06

Music Life 『ないものねだり』 by 橋本奈々未(乃木坂46)

ひさびさに乃木坂ネタ。

このところの勢いがすさまじいですが、

超ライトユーザーな自分にとってはすごいねえと傍観してる感じ。

でもやっぱり橋本奈々未さんの引退は衝撃でした。

”御三家”として初期からグループをリードしてきましたが、

印象として、どころなく哀愁漂う感じとか、

独特な感性や視点があって、

いい意味でも悪い意味でもアイドルらしくない存在と感じていました。

あの年で、人生の中の1つのピークで、

スパっと引退を決められるというのは、すごいなあと思います。




この引退卒業に向けてつくられたソロ曲が素晴らしくてコピーしてみました。

声質は違うけど、なんだか原田知世的なはかない雰囲気というか、

まさしく細野さんたち超一流の音楽家が楽曲を提供していた

古き良き昔のアイドルの曲のようで、とてもムードのある歌。

歌詞の内容を見るにつけ、

10、20代の若者が、見知らぬ東京の地で、

アイドルとなって生きていくというのは、

たくさんのものを背負って、激しい競争を勝ち抜いて

それでも常に笑顔でいなきゃいけない、

とても覚悟のいることなんだろうなと思います。

フツーの日常に戻って幸せになってもらいたいものです。


D


【ないものねだり】

作詞: 秋元康、作曲:丸谷マナブ


カーテンの裾のあたり

木目の床 底冷えする

真冬の夜 ベッドの中

好きな小説を読んでいたい


ゆっくりと過ぎる時が

心を癒してくれるの

慌しい日常の中

1人でいるのが好きになった


なぜ人は誰も

目の前にあるこの幸せだけで

今日を生きられないの

もう十分でしょう

私ないものねだりしたくない


このまま眠くなれば

いつの間にか部屋の明かり

つけっぱなしで夢の中へ

まどろめる自由があればいい


なぜ人は誰も

目の前にあるこの幸せだけで

今日を生きられないの

もう十分でしょう

私ないものねだりしたくない


何かを失うなら

そこまでして欲しいものは1つもない

いま持っているすべてが

私のすべてでいい


そう

目が覚めてもこのままでいい