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記憶の残滓 by arkibito

2017-09-15

帝国劇場 ミュージカル『レ・ミゼラブル』

ちょうど30年前。まだ小学生だった自分が、

よくわからないまま母親に手を連れられて、初めて観に行ったお芝居、

それが日本初演の『レ・ミゼラブル』だった。

『ああ無情』というタイトルで出ていた

子供向けの世界文学をすでに読んではいたものの

お芝居が何たるか、芸術とは何たるかなどという高尚なことを

思い浮かべることさえままならないような少年ではあったが、

それでも、その時見た圧倒的なエネルギーと心震えるような感覚は

今でもはっきりこの肉体に宿っている。

サントラを買ってもらって、

その後ひたすら「民衆の歌」を聞いて歌っていた時期があった。

今でもソラで歌える。

「戦うものの声が聞こえるか、鼓動があのドラムと響き合えば

新たに熱い 生命が始まる 明日が来たとき そうさ明日が!」


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30年という月日を経て、昨日、母親と、

そして自分が観劇した年と図らずも全く同じ年齢の娘と一緒に、

再び感動の世界を目の当たりにした。

生のオーケストラの、時に力強く、時に繊細に奏でられる音の渦、

ほとばしる汗や、激しい息遣いさえも伝わってくるほどの

役者たちの躍動的な歌とお芝居、

天高く届けとばかりに、突き上げられた深紅の旗。

魂が震える感動とはまさしくこのこと。


願わくば、あの時の少年が、その時の詳細な記憶は失っても

その時受け取ったエネルギー残滓、感動の断片だけは

30年たった今でも心の片隅に大事に大事に残し続けているように

娘の心の中に、何かの火が灯って、

それがずっと残り続けてくれたら、

これほどうれしいことはない。

母から私へ、私から娘へ、つながれていく想いと感動。


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2017-09-14

『全体主義の起原』 by ハンナ・アーレント

大好きな番組に、NHK教育でやっている「100分で名著」という番組がある。

25分×4回/月で、取り上げた著書を掘り下げて解説するというもので、

進行役の伊集院光さんが、専門家の解説を誰にでもわかりやすい言葉に変換したり、

示唆に富む論点や視点を提供してくれたり、

その考察力と解説力に毎回脱帽する。

自分の中で、最も難解かつ底知れぬ深さを持っていると感じる文章の1つに、

宮沢賢治の『春と修羅』の序文があるのだが、

その時の回のあまりのわかりやすさに、

この番組はすごいと感じたのでした。



今月の題材は、20世紀を代表する政治哲学者である

ハンナ・アーレントの名著『全体主義の起原』。

自分が彼女の著作に触れたのは、大学時代の研究課題として

20世紀をテーマとして取り組んでいた際に、

ホロコーストとそれを指揮していたナチスの親衛隊の

アドルフ・アイヒマンについて学ぶ機会があり、

そこで彼女の著書『イェルサレムアイヒマン』を読んだのが最初。

そこでは、ホロコーストという人類史上まれにみる犯罪を行ったのは

決して特異な悪魔の仕業ではなく、

淡々と己の業務をこなす官僚的で陳腐な小役人であり、

残忍極まりない処刑器具や兵器ではなく、

書類とペンだけで大量殺戮が実践されてきたことを暴露した。

普遍的で凡庸な人間が、自らの罪を意識することなく、

残忍な行為に加担するメカニズムや社会的潮流といったものに、

鋭く迫った名著である。


その彼女が一躍脚光を浴びることになったのが

この『全体主義の起原』である。

自らがユダヤ人として生まれ育ち、

ある時からドイツ国内で明確に異分子であるとして

迫害され、祖国を追われることになったという視点から、

ナチスドイツに代表される「全体主義」がなぜ世界を征服し、

ホロコーストという「あってはならないこと」をもたらすに至ったのか、

国民国家(nation-state)という枠組みが社会的に成立した時代背景や、

第1次世界大戦の敗戦によって生れ出た大量の難民

拡大する貧富の差がもたらした社会的緊張、

あるいは文化的、民族的背景を丁寧に検証しながら、

追究した名著。


なぜ、いまこの著書が改めて評価され、クローズアップされるのか。

それは昨今の世界情勢、そしてまさにこの日本国内でも、

”外敵”の存在によってたきつけられた

民族主義的な発想や全体主義のきざしが影を落としているからである。

単純なスローガンで大衆を扇動し、

国内外に明確な外敵を作り出すことで目標を単純化し、、

評価を得ようとする指導者と、

わかりやすい政治を求め、

白黒はっきりとモノ言う”強い””頼れる”人物

仮想のヒーロー像を重ねる大衆との利害関係が一致したとき、

世論は一気に一方へと傾く。


そもそも政治や外交といったたぐいのものは、

わかりやすいものでも簡単なものではない。

その複雑怪奇で難解な仕事をいかにやってのけるかというのが、

政治家たる手腕が本来問われるべきところで、

国民もまたその複雑さや困難さを理解したうえで

彼らを評価すべきところを、双方がその関係性を放棄し、

既得権益の傘、世論の動向、突発的なムーブメント

ネームバリューといった、

決して政治の本質的ではない部分、

だが、誰もがとてもカンタンに採点できる部分でのみ評価が下される。


本質が置き去りにされてしまった後は、

ただ「勝つ・負ける」「やる・やらない」「変える・変えない」といった

単純な2者択一の世界になり、

つまりそれは右か左かといった極端な構造として定着する。

そのどちらか一方が力をもって一方を駆逐した暁には、

強靭全体主義が形成され、それが現実化した時点で

もはや思考は停止される。

それは決して、強い結びつきで結託した一枚岩という状態ではなく、

強きものが弱きものを従え、持つべき者が持ち、持たざる者が泣きを見る

いびつな社会である。


アメリカでは、トランプ政権への反対運動が時間を経るにつれて大きくなっている。

また、ヨーロッパでの右翼系の政党や立候補者への警戒が強まっている。

それはある意味、これまで人類が歩んできた歴史を顧みるにつれて、

今の風潮が続けば起こりうるであろう不幸

(それはすでに人類が経験してきたもの)を予測して、

ある意味、必然的に生れ出てきた良心の現れであろう。


一方、わが日本国はどうだろうか。

政治的なものに対するアレルギーがひどい国民性

ムラ社会としてはぐくまれてきた国家的な性質から脱却できない日本では

政治的な発言や、政治思考をひけらかすだけでも、拒否反応を起こされる。

これではいつまで経っても、政治的に国家は成長できない。

そんな国民をあざ笑うかのように、

様々な政策が失敗しても、様々な疑惑や不祥事が起こっても、

またそれらについてほとんど明快な反省や検証、弁明もされぬまま、

北朝鮮中国といった野蛮な隣人がいるおかげで

アベさんがいまだに生き残り続けているというのはなんとも皮肉だ。




2017-09-06

港町ポリフォニー2017

日曜日。

この週末は家族全員が体調不良で停滞気味だったのだが、

以前から予定していたイベントにお出かけ。


今年で5年目を迎える「港町ポリフォニー」という屋内型音楽会&マルシェ

今年初めてお邪魔するのだが、今年から会場が変わって、

真新しくリニューアルした御影公会堂さんで行われました。

予約したチケットが郵送で送られてきていたのだが、

それが手鉤のお手紙まで入って、

ものすごく丁寧で心のこもったものだったし、

イベントの名前からしてものすごく居心地のよさそうな雰囲気が出ていて、

楽しみにしておりました。

このイベントは2DAYSで、その2日目にお邪魔しました。

(1日目は空気公団さんとかコトリンゴさんとかが参加で行けばよかった@@)


阪神電車特急御影まで行き、そこからさらに一駅先の石屋川まで。

そこから川沿いをR2まで上がっていくと、会場の御影公会堂に到着。

よくロードで西方面へ向かう際はこの信号で捕まりますが、

中に入るのはずいぶん久しぶりです。


御影公会堂

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さっそく中に入ると、まず1Fで受付し、バンドをしてもらいます。

正面は言ったところに大ホールがあり、

ちょうど次の出演者の準備中でした。

全館イベントなので、他の部屋でもいろいろなものをやっていて、

とにかく楽しそうなのですが、お昼がまだだったので、

まずは腹ごしらえということで、3Fのマルシェへ直行です!


↓1F受付

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3Fマルシェはすでに、様々なカレーのにおいがしていて食欲をそそります。

大好きな垂水のワンダカレーさんも出店されていて、自分は迷わずそれ!

実はワンダカレーさんには思い出がありまして、

オープンしたころに何度か通っていて、

そこでかかっていたBGMがあまりに気になって、教えてもらったのが

あのカンザス・シティ・バンドでした。


↓3Fマルシェ

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あとは奥さんが、偶然少し前に雑誌で見て気になっていたという

尾道向島南端で、

カカオの輸入から製造まですべてを行っているというチョコレート屋さん

「USHIO」が来ていて、目がらんらん。

即買いして、食べてみましたが、

今まで食べた度のチョコレートよりおいしかった♪

そこからさらにおみやをどっさり買ってました。


尾道チョコレートショップUSHIO

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↓魅力的なラインナップ♪

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それから、鳥取やら高知からも様々なカフェや食堂が参加をしていて

思わず目移りしてしまいます。

で、1人1品ずつ購入してシェアすることにしましたが、

自分のカレーは次女に大半を奪われてしまいました@@@


カレーアジパイ

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↓垂水のワンダカレー鳥取のアジパイさんのチキンカレー・たみさんの?パイクー飯

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ちょうど次の演目がスタートするのでメインホールへ。

Hei Tanakaさんですよ。Hei Tanaka。

トクマルシューゴグループでもイカしてる田中さんですYo。

CDは1枚もリリースしていませんが、カセットは4本出してますよ。

理解の範疇を軽々と超えてますよ。ヘイ!

一周どころか三周半回ってかっちょええです。


↓メインホール

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1Fの自由参加コーナーで、

イワサトミキさんのドレスをまとった女の子の絵に

マステやペイントをしてドレスを着せて、

それを動画撮影をしてイベントのオーラスに上映するというのがあり、

さっそく描き描き。

長女と奥さんのはぎりぎり時間内に動画撮影をしてもらえました。

仕上がりが楽しみ♪


↓animation soupさんの「手のひらで舞踏会をひらこう」

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↓イワサトミキさんのデザインが素敵すぎる

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↓動画撮影中

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次の演目の合間に、ホールの物販を覗いていると、

トクマルさんのブースにyunnikoさんを発見!

シャングリラ梅田ではじめまして以来でした。

色々お話をさせてもらい、

お手製のアクセサリーも購入させてもらいました。

あと、館内をブラブラしていると、

なんと去年アンサンブルズ東京

同じワークショップでご一緒したAさんとバッタリ!

すごい偶然の再会でした。


トクマルシューゴグループのyunnikoさんと!

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それからそれから長女はとにかくワークショップに興味津々で

3FのBOX&NEEDLEさんで、小箱づくりにいそしむ。

音楽とアート、デザインとクラフト

そして自然と食がうまい具合にブレンドされたイベントでなかなか楽しい。

雰囲気も、いわゆるふぇすのようにガツガツしているのでもなく、

フロアもゆったりとしていて子連れでも安心して廻れるので、

これはかなり素晴らしい催しです。


↓BOX&NEEDLEのワークショップ

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そしてお次は、パワー全開の二階堂和美さんと、

これまた全然負けてないどころか元気モリモリの三田村管打団のコラボ

「二×三(ニカケサン)」!

メンバーの中には背中に赤ちゃんをしょった人もいてスゲーです。

とにかくめちゃくちゃパワフル魂全開で、

抱っこしていた下の娘も、その勢いに思わず手踊りしたかと思うと、

するすると降りて盆踊り状態でダンシング!

いやもう最高ス!


↓ノリノリの次女

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↓二×三(二階堂和美×三田村管打団?)

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そして少しのインターバルを置いて、

大トリを務めまするはトクマルシューゴグループ!!

超絶演奏集団、いや音の魔術師軍団の七転八倒の音の渦!

一曲のなかで、何度も何度も、あの手この手で楽器を持ち替え、

マジカルな音楽がフロアに木霊する@@@@

yunnikoさんのギターヒーローもカッチョ良さ8割増しのテクで

ギュイイイイイイイイ〜ン@@@

もう最高すぎる。素敵すぎる!!!

多分世界で最も楽しいユニットではないでしょうか。


すべての演目が終了し、ラストは、自由参加させてもらった

アニメーションを上映。

なんと、トクマルさんが映像を見ながら生で音乗せ。

思い思いに色付けした女の子たちがくるくると踊り、

とても幸せな時間の終わりをやさしく告げてくれました。


トクマルさんが即興で音乗せ

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↓娘の

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↓奥さんの

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最後に、本当は予約時間外だったのだけど、

今回のメインデザインを手がけた

イワサトミキさんの似顔絵描きを無理を言ってお願いして

描いてもらったものをお土産に持って帰りました。

とてもいい記念です。


↓イワサトさんに描いてもらいました

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来年もぜひに!

2017-08-21

パン豆 ひなのや at 誠光社

土曜日。

音楽教室の後、家族で京都へ。

わが家がそろって京都へ行くとするともう本屋さんしかありません。

この日は丸太町の誠光社さんへ。

水の豊かな愛媛は西条で、コメがもっと売れる仕組みを考えるために

7年前にUターンして始められた玉井さんのお店「パン豆 ひなのや」さんが、

ポン菓子の実演販売をしにやってくるということなので、

これはちょっくら、娘たちを驚かせてやろうということでやってきました。

彼女らも当然駄菓子は大好きで、ポン菓子もよく食べてますが、

あれがどうやってできているかは知りません。ヒヒヒ。


↓パン豆 ひなのや

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ということで、いつもの誠光社さんにとうちゃこ。

まずは堀部さんと奥様にご挨拶。

するとすぐに実演スタートということで、軒先へ。

ご近所の方や、ちびっ子たちもどこからともなく集まってきます。

さっそく、鉄の塊を火にかけつつ、グルグル回して、

一定の温度に上がるまで待ちます。

(原理はポップコーンと同じ)

合図とともに、杭が打たれて、ドッカン!

すごい音が路地に響き渡り、びっくり。

今回のは遠征用の小さいものだそうで、

業務用はこれの3倍の大きさがあって、

音も当然3倍でかいそうですが、それでも十分すぎる爆音!


↓みな興味津々

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↓ポ〜ン!!

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一気に発射されたポン菓子が袋いっぱいに飛び出してきました。

それらをザルにあげ、お砂糖を溶かした蜜を回しかけて

しゃもじで混ぜながら、切っていきます。

ほどよく固まってきたら完成♪

実演分はふるまいで配られました。ワーイ。

やはり米がいいのか(西条は水どころ)、

コメの風味と香ばしさが際立ってうまし!

上の娘も、下の娘も、どんだけお替りすんねん!というくらい

娘たち大喜びで、一心不乱についばんでおりました。


↓完成♪

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食べながら、簡単なポン菓子講座。

もともとはドイツかベルギーが発祥らしく、

第一次世界大戦の際に使用された大砲を改良して

穀物を膨張させてカサ増しして、

戦後の食糧難を乗り切ってきたという説があるそうです。

関西では一般的にポン菓子といいますが、関東ではバクダン、

四国ではパン豆、あるいはパットライス、ポン、ドンなどなど

呼び方に地域性があるらしくて面白いです。


↓ポン菓子講座

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娘たちびっくり&大喜びで大成功でしたが、

実は最も喜んでたのは、

全フレーバーを買い占めていた奥さんだったかも。

2017-06-22

『いっさいはん』 by minchi

育児世代に話題の絵本「いっさいはん」の原画展が、

茶屋町のマルジュンであったので、家族で観に行ってきました。

もう、あるあるが、あるあるすぎて抱腹絶倒。

しかも女の子がまるままうちの次女と瓜二つなもんでなおさら。

面白すぎました。


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