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記憶の残滓 by arkibito

2016-07-01

Music life にほんのうた

前回に引き続き、日本の歌を。

今回は故郷を想う心を歌った曲を2曲。


故郷という言葉は、そもそも遠い距離感を帯びていますね。

つまり、生まれ育った土地に自分はすでにおらず、

はるか遠いところからの視点から語られた言葉ということ。

その距離が、人に様々な想いを抱かせるのです。

24時間いつでもどこでも繋がっているというのは

便利なのかもしれませんが、

心の豊かさという点ではやはりどうなのか。

距離とか間とか、競争激しい現代社会では

コストとしてしか勘定されないようなもの、

実は大事なものだと思います。

そして、ネットワークが発達し、

もはや場所や土地に縛られることから解放されつつある

現代社会においてでも、

ゲニウスロキ(地霊)は間違いなく存在している。

動物に帰巣本能や縄張り意識があるのとまったく同じで

人間も土地に縛られ、土地に根差しながら生きている。

それはもう間違いのないことだと思います。


さて、本題。

まず1曲目はもはや説明不要、

日本人なら誰もが知っている『ふるさと』。

とても美しい曲ですね。


ふるさと

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ふるさと

作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一


兎追いし彼の山

小鮒釣りし彼の川

夢は今も巡りて

忘れ難き故郷


如何にいます父母

恙無しや友がき

雨に風につけても

思い出づる故郷


志を果たして

いつの日にか帰らん

山は青き故郷

水は清き故郷


2曲目は『椰子の実』。

愛知伊良湖に滞在していた柳田國男

浜に流れ着いた椰子の実の話を島崎藤村に話し、

藤村がその話を気に入り創作したもの。

敬愛する濱口祐自さんのレパートリーの中で、

数少ない歌う曲で、自分もぜひ弾いてみたいと思っていた曲です。

胸にジーンと響きますね。


椰子の実

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椰子の実」

作詞:島崎藤村/作曲:田中寅二


名も知らぬ 遠き島より

流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の岸を 離れて

汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)


旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる

枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚(なぎさ)を枕

孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

 

実をとりて 胸にあつれば

新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)

海の日の 沈むを見れば

激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙


思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお)

いずれの日にか 国に帰らん

2016-06-22

Music Life にほんのうた

そろそろ音楽活動も復帰したいところだが、

まだ少し左手の違和感がぬぐえず、騙し騙し弾く感じ。

リハビリを兼ねて最近弾いているのが日本の古い歌。

年を取り、子を授かった心境の変化なのか、

最近は民謡とか童謡とかの素晴らしさに気づかされることが多い。


古くから伝わる民謡・童謡は、

必ずしも西欧の音階のルールに縛られるのではなく、

むしろ大和国独自のリズムや階調だったり音色がして、

日本人の心にダイレクトに響く。

また、商業的に創作された音楽ではなく、

生活や風土の中から自然発生的に生まれ、

伝承されてきた歌というものには、

その土地に根ざした力強いメッセージが宿り、

極めてシンプルな音数で無駄がなく美しい。

それは日本の歌に限ったことでは決してなくて、

南米ボサノヴァタンゴ、南欧のフラメンコやファド、

ロマのジプシー音楽、ケルト音楽、サルサ・サンバ、

アメリカ南部のカントリーブルースなど、

音楽の根元に共通して流れている大きな何かだと思う。

それは、コード進行がどうだとか、

テクニックがどうとか表象的な話ではなく、

音楽というものの持つ本質的なもの、

つまり、歌やリズムがなぜこれほどまでに

人間を煽動し、欲情させ、熱狂させるのか、

という根っこの部分である。


上の娘もそうだが、下の娘はとても歌が好きなようで、

歌っている間は機嫌がよく、ギターの音も気になる様子。

それで最近はよく弾き語りをしてご機嫌を取ることが多い。

そこで今回紹介するのは、子守唄を2つほど。

子守唄は、まだ口のきけない赤子とお母さんを繋ぐ

大事なコミュニケーション手段です。

と同時に、音楽がこれほどまでに実際に作用を及ぼす(この場合、眠らせる)

という点ではなかなかに興味深い。

ある意味究極のイージーリスリングヒーリング音楽ですね。


さて、1つ目は、「ゆりかごの歌」。

子守唄と聞けばこの歌を真っ先に思い出す人も多いのではないでしょうか。

大正10年に北原白秋が発表した唄です。

当時は多くの文人が童謡を制作していたらしく、

その中でも非常にわかりやすく丁寧な言葉づかいで人気だったそうです。

他にも「待ちぼうけ」「ペチカ」「あわて床屋」などを残しています。

ゆったりとしたテンポで、「ね〜んね〜こ♪」とやれば、

本当に心地よく眠りの世界へと落ちていきます。


↓ゆりかごの歌

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続いては「竹田の子守唄」。

とても抒情的で深く美しい曲です。

京都の竹田地区で歌われてきた民謡で、

クラシック作曲家の尾上和彦によって再発見されたのち、

50〜60年代の政治・労働運動の一環として盛んとなったうたごえ運動や

のちのフォーク・ブームに乗り、

1969年に「赤い鳥」によって歌われたことで全国的に広まった曲。

この曲は時代や政治的な事柄によって翻弄されてきたという

とても悲しい歴史をもっています。

この歌の歌詞の中に「在所(ザイショ)」という言葉が出てきます。

意味としては、一般的な地方の田舎、または郷里を指すのですが、

それとは別に「ブラク」を指す言葉としても用いられることから、

それが当時のメディアから放送禁止歌として

長らく封印されるという憂き目にあってきたのです。

歌詞の意味としては、

奉公に出された子が、奉公先の赤ん坊の世話をするのだが、

この赤子がまたよく泣いて困るし、

お盆と言えば昔は楽しい思い出があるが、

今となっては楽しみなど1つもなく、ただただ痩せる思い。

早く奉公を終えてすぐ川向こうに見えている親の家に帰りたいが

こんなに近くても遠い存在だという内容。

もちろん赤ちゃんを優しくあやすための子守唄もたくさんありますが、

子守をする側のつらい想いを描いた子守唄というのも意外とたくさんあります。


↓竹田の子守歌

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2016-06-12

細野晴臣 港町ツアー at 味園ユニバース

金曜日。

待ちに待った細野晴臣ライブショウ!

仕事終わりにさっそうウラなんばは、味園ビルへ。

花金ということもあって、界隈は呑兵衛たちで大変混雑。

駐車場からぞろぞろ並んで、いざユニバースへ。

いつ来ても、やはりアンダーグラウンドに広がる亜空間に

思わず時めいてしまう。


↓細野晴臣ショー

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↓味園ユニバース

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今回はスタンディングで、

中央のフロアを開放してダンスホールみたい。

あの上等なソファは後方にしつらえられてそちらでも観覧できるが、

せっかくならと、フロアの脇の奥手に陣取る。

そしていよいよライブスタート!


↓大盛り上がり必至

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ギターの盟主・高田漣さん、

全身でダイナミックにリズムを刻む伊藤大地さん、

めくるめくメロディを一手に受けるクールな伊賀航さんの

おなじみのメンバーの先導に合わせ、

ポパイよろしくパイプをふかしながらひょこひょこと

ハリー細野が凱旋で一気にボルテージUP!

そこから惜しみなくロック第一世代の本領発揮。

今年で御年69歳とは思えぬエネルギッシュでホットでクールな演奏。

かっちょよすぎる@@@@

『The house of blue light』『ポンポン蒸気』など定番のナンバーから

白雪姫から『ハイホー』などなど。

小粋でロックでブギウギ陽気なサウンドがなんとも心地よく。

素晴らしすぎました。

途中MCで高須クリニックの張り切りすぎるジングルの話とか

鳳慶介のモノマネとか、大爆笑でした。

去年ははじめからご本人がアンコールは疲れるからなしねとお断りされて

本当に帰ってしまったんだけど、

今年はアンコールあり!

『SPORTSMEN』『BODY SNATCHERS』の2曲で〆!


↓今宵はスタンディングです

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で、アンコール後に再びアンコールの合唱が始まったのだけど

きっとこれはないなと思って

早めにハケようとステージの後方へ移動すると、

な、な、な、なんと!

ソファーのある関係者席に、神様・松本隆さん!!!

実はライブ中にMCで細野さんも、

どっかにいるんじゃないのとつぶやいていたのだけど

まさかこの人込みで発見できるとは!

しかもみんなまだアンコールの合唱中で

前方のステージに注目が行っていて、

周りに気づいている人がほっとんどいない。

これはチャンスとばかりに近づいて手を差し出すと、

握手をしてくれました!

その直後、アンコールがやっぱり叶わず、

観客が動き出したタイミングで、

ささっと通用ドアからステージ裏へと消えていかれました。

まさに千載一遇、ほんのひと刹那のチャンスでした。


↓えっっ!!!松本隆!!!???

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細野さんの音楽と演奏を生で聞けるのですら貴重な体験なのに、

まさかまさか敬愛する松本さんにまで遭遇するなんて

本当に奇跡のような夜でした。

2016-05-16

Music Life 『SUN』 by 星野源

ギプスが取れたんで、ギターもボチボチ再開。

といってもちょうどネックを押さえる形状が一番患部に響くのだけど…

NO MUSIC,NO LIFE!

で、ちょっとリハビリにコピーしようと思って選んだのが、

言わずと知れた大工の源さん。もとい星野の源さん。

最近長女のお気に入りでございます。

逆に奥さんは役者としてしか知らなかったので、

この人歌えんの?と不思議がってましたが。


このお方も最初に発掘したのは細野さん(何度目の晴臣か〜♪)。

お互いに楽曲を提供しあったり、仲がよいし、

源さんのメロディーラインとか、アルバムのビジュアルとかも

明らかにYMOな匂いがプンプンしてますよね。


今回は自信最大のヒット曲『SUN』をば。

コード進行が速いので、折れた手首にはちょっとハードすぎました。

終盤、血行不良で指が痺れてしんどかった。


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2016-05-13

80年代が止まらない

i-phoneに変えてから

iTunes storeで80年代の曲を大人買いしまくってしまう。

もうi-phoneの中が全くの時代錯誤だが、

CDで丸ごと買うのではなく

一曲ごと切り売りで買えるのがいいところ。


それにしてもやっぱりあの頃の曲は名曲ぞろいだ。

それまでの洋楽の受け売りから、J-POPが独り立ちを果たすキワの時代。

TV番組でも当時は生バンドの演奏が大前提なアナログな部分と、

YMOの台頭や小室哲哉の登場などによる

テクノやデジタルの世界が新規参入し混ざり合う手探りの時代。

洋楽から歌謡曲、アイドル曲、フォーク、ロック、パンク、

はたまたド演歌まで、現代以上にジャンルの垣根を超えて、

毎週毎週ランキングをしのぎを削り、

いい曲がジャンルを問わずに正当に評価されていた時代。

まさに群雄割拠、カルチャーのるつぼの真っ只中で

誰もが必死に時代に追いつけ追い越せと汗をかき、

おもしろそうなことなら何でも取り入れようと貪欲となり、

自由で奇想天外な発想が、

規制やらコンプライアンスやらの縛りなしに、

生のままで発散されていた時代の産物には、

危うすぎる魅力で光り輝いている。

現代の、デジタルにコピーされたような商品たち、

徹底的に殺菌消毒され無難に仕上げられたものにはない、

作り手の人間臭さと危うい刺激にあふれている。


ギリギリ70年代に生まれた自分にとっては、

この80年代は前音楽史にあたる。

つまり、自分はまだ小学校に入るか入らないかの年頃で

そのころに音楽といえば、

学校で習うような童謡だったり、せいぜいアニメ曲でしかなく、

今のように音楽を音楽と認識する前であった。

ただ当時の音楽はテレビやらなんやらで間違いなく耳にしていたし、

当時よく遊んでもらった親戚の年頃のお姉さんたちが

結構音楽好きだったこともあり、

このころの音楽が無意識に刷り込まれていて、

自分の音楽のベースに間違いなくなっている。

そのことに気づいたのは結構大人になってからなのだけど、

無意識に刷り込まれているからこそ、より強烈なのだ。


前フリはこの辺にして、ここ最近のヘビロテ曲をいくつかご紹介。

まず1曲目は、本田美奈子さんの『Oneway generation』。

当時テレビドラマの主題歌にもなっていました。

稀代のヒットメーカー筒美京平のキャッチーで力強いメロディが本当に元気をくれる。

作詞はこれまだ大御所の秋元康。

歌詞の内容が、まるで『制服のマネキン』や『サイレントマジョリティー』と

ほぼ同じような内容。時代を越えてブレてないのがすごい。

この頃は特に、体制に対する反体制とか、大人への反抗心とか、

長いものに巻かれず、大きなものに対して丸裸でぶつかっていく

そういうエネルギーがあちらこちらで炸裂していたように思います。

それにしてもこのPVの本田さんの超絶無敵の可愛らしさ!

イチコロでドキュン♪とはまさにこのこと。

アイドル最前線にいながら、これだけの歌唱力なのだから、

当時のアイドルは今のアイドルと違って

本物のプロフェッショナル、選ばれたスターだと言えますね。

志半ばで病に倒れられてしまったのが本当に残念…


↓『Oneway generation』 by 本田美奈子(作詞:秋元康/作曲:筒美京平)

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お次は別の意味で、道を誤った人ですね…。

この歌はアニメ三銃士のテーマ曲でした。

この曲妙に耳の残ってるんですねえ。

Youtubeだからこそ見れるなんて、

うれピーマンモス(死語)


↓『夢冒険』 by 酒井法子(作詞:森浩美/作曲:西木栄二)

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偶然と言えば偶然ですが、もういっちょ同じ筋の人。

『思い出のマーシー』。

ラッツのメインボーカルと言えば鈴木雅之だと思われがちですが、

意外とアルバムなんかだとマーシーがメイン張ってる方が多かったりします。

それにしてもこの頃はダンスも切れっ切れですね。

昔はドリフとかでも必ず当時の流行歌のコーナーとかがありました。

途中途中に、師匠の姿が見れます。

いつか遠い先にでもぜひ再結成を。


↓『め組のひと』 by ラッツ&スター(作詞:麻生麗二/作曲:井上大輔)

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ラストの曲は当時一世を風靡したお化け番組

「欽ドン!良い子悪い子普通の子」から生まれたユニット

「イモ欽トリオ」の『ハイスクール・ララバイ』

自分が80年代というので真っ先に思いつく曲です。

この曲も実は、作曲・松本隆、作曲・細野晴臣という黄金コンビ。

まったく日本の音楽史を語る上で細野ワールドからは逃れられません!!!

当時人気だった「たのきんトリオ」と「YMO」のパロディーで、

バラエティ番組から派生という今ではよくあるパターンの先駆け。

そして、楽曲以上に印象的なのが、コミカルな振り付け。

金爆のはるか30年以上前に

すでに”エア”を確立させてしまっているのですからすごいです。


↓『ハイスクール・ララバイ』 by イモ欽トリオ(作詞:松本隆/作曲:細野晴臣)

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