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記憶の残滓 by arkibito

2016-09-18

『君の名は』 by 新海誠

日曜日。

次の仕事に関連があるので

今話題の『君の名は』を観に。

おっさん一人で行くのもこっ恥ずかしいので長女と一緒に。

webで梅田の劇場を予約しようとしたら

すでにどの回もいっぱいだったので、大日イオンまで。

さすがの人気もあって

なかなかエンターテインメント作品としては楽しめる作品でした。

小学生の娘にもわかりやすい話の内容で、

映像も美しく。

こういう作品が今のメジャーになってきたのだなというのが実感。


ただそれが今後の日本のクリエイティブの発展にとって

いいのか悪いのか。

うまい例えではないけれど、

津軽海峡冬景色』のような奥深くて抒情的な歌に対する

恋するフォーチュンクッキー』のような感じというか、

地元の市場で売ってる新鮮で不格好な野菜に対して、

徹底管理されたトップバリュー製品というか、

こういう味付けが濃くて中毒性のある

インスタントなものばかり味わってたら

きっとヤヴァイだろうなあという怖さがあった。

辛口映画評論家としてはちょっと言っておきたい。


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本作の一番の魅力は何といっても背景の精密な描写だろう。

監督の出身地である長野県の諏訪や飛騨地方、

そして東京の風景はまるで本物そっくり。

実際にそのシーンの元になった実物の場所を訪ねる

聖地巡礼も盛んにおこなわれているという。

確かに背景の描写はすごい。

でもそのすごさが、作品の本質である物語の薄っぺらさを

補うというより包み隠す巧妙なすり替えになっていて、

どう、この背景の描き方すごいでしょと

半ばクドイほどの強引さを終始感じた。

背景の描写の精密さというのは、本作に限らず、

日本アニメお家芸ではある。

でも、例えば宮崎アニメの背景の精巧な描写は、

それ自体が作品の主役なのではなく、

物語をより身近にリアルに感じてもらい、

その世界観へスムーズに導入するための

手段の1つに過ぎなかったはずだ。

または、重厚な物語に耐えられるだけの

ビジュアルのクオリティを追求した結果だろう。

確固たる物語。伝えたいメッセージがまずあって、

その骨組みを確かに肉付けするものでなければ

それは単に風景を模写しただけのことに過ぎない。

模写を自慢するだけだったら、それは映画とはいいがたい。

なぜなら、映画とは総合芸術だからだ。

例えば、英語はコミュニケーションの一手段で

習得した英語で何をするのかが大事なはずなのに、

それを学ぶということだけが目的化し、

そのちっぽけなステータスに満足してしまうような小さな人間がいるが、

それと同じような目的と手段の取り違えが大いにある。

背景の描写の精密さというのは作り手も見る側も、

その審査基準が明確でわかりやすいポイントだが、

情熱と労力を注ぐ方向性が割合がどうも違うような気がする。

背景の精密な描写は金と時間をかければ、誰でも実現可能なこと。

それを実際やるかやらないかというのは

確かに大きな差であり、評価されるポイントではある。

でもクリエイターにとって肝要なのは、

現実にあるものを模写することではなく

想像力の豊かさにあふれた物語性や、

誰も考えもつかなかったような世界観を

表現することでなくてはならないと信じたい。


続いて気になったのは演出過多、

特に音楽が雄弁しすぎて、

はっきり言って余計な場面が多かった。

画と音の関係性というのは映画にとっては

おそらくもっとも重要な要素で、

音楽の壮大さで無理やりクライマックスを盛り上げるような

程度の低い作品は、国内外問わず山ほどあるが、

映像にそれらしい音楽を乗っけてさえすれば

もっともらしい作品になるし、

逆にその使い方を誤れば、全く拍子抜けすることもある。

まさに演出のキモ。

本作ではもっと登場人物の感情に寄り添いたい、

感情移入したい感じる場面でも、

いちいち過保護に曲を乗せてきて、

それがインスト曲ではなく、

歌詞付きなので歌が画に勝ってしまって、

感情の余白というか見る側が入り込む隙間が

一切なくなってしまうことがあった。

あれが久石譲さんならもっとうまい塩梅でやるんだろうし、

物語に自信があれば、あえてキモのシーンでは

一切の音をつけずに画に集中させることだってできたはずだ。

何でもかんでも味付けを濃くすればいいというものではないし、

ここでもやはり物語の薄っぺらさをひた隠しているかのような

自信のなさを感じました。

バラエティ番組で、ネタはたいして面白くないのに、

テロップを多めに入れて笑いを盛られているようなあの感覚に近い。

自信がない人ほど音楽に頼る、これ、映画あるあるですね。


あと、意外な問題はそれを見る側のクオリティの低さ、

とくに感動に対する敷居が恐ろしく低い。

これは本を読まないという世代指向の問題、

スマホでのコミュニケーションが当たり前の世の中では

レスポンスのクイックネスがことさら重要視されるようになったり、

LINEスタンプやインスタ投稿のように

中身ではなくヴィジュアル至上主義になっているという点がやはり大きい。

要は物語の精密さではなく見た目重視、

文脈をじっくり読み解くのではなく、

手っ取り早く面白いということが求められる世の中になったということだ。

見る側の指向のレベルが高くなければ

クリエイターは絶対に成長しないし、

逆に成長しないクリエイターの作品がスタンダード化すれば、

見る側のレベルも高くならない。

今の世の中、双方が面倒くさいプロセスを取っ払って、

横着をしている気がします。

その面倒くさいプロセスこそ面白い醍醐味のはずなのですが…


これは別にアニメに限った話ではなく、

実写の邦画やTV番組、漫画、音楽、そして現代アートの世界ですら…

あらゆるクリエイティブであるべき世界で起こっている現象。

実際、映画が始まる前の予告でも、

同じようなテーマ、同じようなキャストが、

2Dか3Dか表現方法が少し違うだけでやっていることは

全く同じことをしている作品のPRばかりで愕然とする。

(胸キュン少女漫画原作を若手実力派俳優と呼ばれる人たちが演じるのばっか)

それらには、何かを表現したいとか、何かを生み出したいとか、

やりたいことをとことんやるという

自分の内面から湧き上がってくるパッションではなく、

何が売れるか、何がウケるかという

他人からの評価を出発点とする打算しか感じ取れない。

そこにイマジネーションはあるのか。

そこにクリエイティティはあるのか。

面白ければ、話題性や興行がよければ名作というわけでは決してない。

残念ながら、同じアプローチを続けるようなら新海さんや細田守さんは、

宮崎駿押井守にはなれそうにない。

2016-08-19

子連れハイク はじめての北ア 蝶ヶ岳 詳細編

さて、充実の前穂〜奥穂の山行を終えたわずか2日後に

再び北アルプスへと舞い戻ります。

今回は単独行ではなく、

今年に入って勢いづいている長女を連れての子連れハイク

娘はもちろん、本格的な高所登山は初めてだし、

2泊3日で母親と離れるのも初めて。

山歩きに関しては彼女の能力はもう実証積みなのだが、

色々な不安を解消するために、万全を期すことからスタート。


まずは日程です。

1人なら蝶ヶ岳へは一泊でも十分ですが、

そんな過酷な行程は無理なので、

1日目は横尾もしくは徳沢泊、2日目は蝶ヶ岳泊、

3日目は下山・帰阪というプラン。

お盆時期が意外と登山客数が減るので

元々そこを狙っていたのですが、今年は特殊事情があり、

8/11(木)が初めての「山の日」を迎えるということで、

その前後3日間は記念式典開催の影響で、宿泊は一杯だし、

交通規制がかかったり、色々と読めない状態だった。

できれば、帰ってきたばっかりで疲労もあるので、

1週間ほどインタバールを開けたかったのだが、

1日目の横尾or徳沢の宿泊予約状況がこの週末は一杯で、

空室がある中で検討した結果、

ベストだったのが8/10(水)だった。

山上の蝶が岳ヒュッテの混雑具合だけが読めなかったが、

宿泊する11日は下の上高地に人が集中して、

山上まで上がってこないと予測できた。

(実際快適だった♪)


荷物も、基本的には自分の荷物は自分で持たせるのだが

何かあった場合のエクストラの着替えだったりなどは

こちらのザックに詰め込むので思ったよりボリューミー。

あとせっかくならあの広い穏やかな山上で夜間撮影をしようと

重い三脚をむりやり突っ込んだので、結構な重量となりました。


出発当日。6時には起床し、

7:03の新大阪駅発ののぞみに乗り込む

久々の新幹線に娘もワクワクドキドキ。

あっという間に名古屋に到着したら、今度は特急しなのに乗り換え。

早起きしたせいもあって、娘はほとんど眠りこけておりました。

松本駅に着くと、「ま〜つもと〜、ま〜つもと〜」というアナウンスに、

娘は反応して、ずっと真似をしておりました。

一旦下車をしてアルピコ交通のチケットを購入。

新島々までは電車でそこからバスに乗り換え。

バスは臨時の2台体制になったため、

後続車を定期便として、

我々が乗る先行車は途中バス停をすっ飛ばしての特急に。

臨機応変の対応はありがたいです。

運転手によるとつい2日前にはR158で事後が発生して

3時間も交通がストップして、乗り継ぎができなかったらしいです。

そういうリスクもあるのねん…

バスでは娘は、徐々に深くなっていく山の様子や、

3つあるダムを自分のカメラでバシバシと撮り続けておりました。

予定よりも10分ほど早く12:40に上高地BSに到着。

大阪から約5時間30分。やっぱりなんだかんだ遠いねえ。


↓3日ぶりの上高地

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3日ぶりの上高地です。特に感慨はありませんが、

翌日の式典にむけて、BSの駐車場一帯にテント会場が設置されていて

そのために若干バスの出入りが大変そうでした。

ちょうどお昼時ということもあり、出発前にお昼ご飯。

車内で寝てしまって食べそびれた駅弁をベンチでしっかり食べます。


山の日制定の記念式典会場

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30分ほどでお昼を済ませたらいざウォーキング

河童橋はものすごい人だかりです。

娘がかわいがっているカッパのぬいぐるみたちが売店にあり、それに喜ぶ娘。

河童橋からは先日登ったばかりの前穂〜奥穂の吊尾根が見事に見えていて

本当にいいお天気。

娘も高原リゾートの雰囲気を楽しんでいる様子でした。


河童橋わたし

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さて、時刻は13:30。

17時までには横尾山荘に到着しないといけません。

横尾までは約10kmの道のり。

普通に行けば3時間あれば行けますが、娘のペースもあるので、

ほとんどちょうどくらいのタイミングなのでそろそろ歩き始めます。

小梨平からは木立の中を進むので、直射日光がなく、

この日はそよ風が吹き抜けてとても心地よし。

川の対岸の明神岳が見えるポイントでは娘は、

文春の記者バリにカメラをバシバシ。

観る者すべてのスケールが今まで体験したことのないものなので

純粋に驚き、楽しんでいる様子に目を細めます。


↓カメラ小僧

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それほどアップダウンもなく、娘の足取りも快調で、

15時前には徳沢園に到着。

これで約束の17時までに横尾に間違いなくつくメドがつきました。

ここでちょっとブレイクということで、

徳澤名物のソフトクリームを。

どこから来てもずっと歩いてこなければ味わえないからか、

ここのソフトクリームは美味しい。

娘も口の周りをベチャベチャにして味わっておりました。


↓徳沢でソフトクリーム♪

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15分ほど休憩をしたら、残りの道をやっつけます。

さすがにこの時間、人通りがぐっと減ります。

娘もさすがに少し足にきたようで、疲れた〜と言いながらも、

ペースを落とすことなく、他愛もないおしゃべりをしながら歩きます。

横尾には16:12に無事到着。


↓横尾着

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すぐに寝床の受付をします。二段ベットの上下を確保しました。

同じ部屋ですぐ真上とはいえ、

実質一人で寝るのがはじめてな娘が気がかりですが、他に手立てはありません。

寝床に着いて、まずは荷物の整理をしていたら、

娘は二段ベッドがいたくお気に入りなようで、

用もないのに梯子を上ったり下りたり、超機嫌よく元気。

そんなに元気ならちょっとお散歩ということで、

暮れなずむ横の谷にかかる名物の吊橋の下に出て、少しばかり川遊び。

水が冷たい!


↓本日の寝床

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しばらく外遊びをしましたが、夕食まではまだ時間があったので、

先にお風呂を済ませます。

当然ながら男女別々で、娘一人で心配でしたが、

まあそれらにりちゃんとやったようです。

風呂あがりにお父ちゃんはおビ〜ル、娘はジュースで乾杯♪

ぷはあ。

晩御飯となり、食堂へ。

周りのおっちゃんおばちゃんに色々質問攻めにされてご満悦の娘。


↓お風呂あるよん♪

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↓夕食

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夕食後はすることもなく、

寝床で消灯時間までお話をして、21時には就寝。

何時だったか、娘が上へあがってきて、足が痛いというので

よくマッサージをしてあげると、もう大丈夫と言って戻っていった。

そんなこともあったので夜中なんどか様子を見に降りるが、

心配をよそにぐっすり寝ておりました。


2日目。

5時ごろになると槍や涸沢へ向かう人たちがごそごそと起き始め、

さわがしくなって、自分たちも目を覚ます。

朝食までの間に荷造りを済ませておく。

朝ごはんはしっかり食べましょう!


↓朝食

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6:25。

いよいよ蝶ヶ岳へアタックを開始します。

トイレも済ませ、荷物の整理も終わり、小屋を出ると、

見事は晴れ模様で、向かいに見える前穂もばっちりです。

早立ちの人はもうほとんど出払い、閑散とする横尾を出発。

槍方面への道の入り口の分岐点から山登りがスタートします。


↓快晴ナリ!

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↓ここから蝶ヶ岳へ向かいます

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深い緑の中を進むと、すぐに登りがスタートします。

今日は稜線まではずっと眺望のない森の中を登りっぱなしになります。

のっけからまずまずの急登が続きます。

昨日の晩に足が痛いと言っていたので心配をしていたのですが、

寝たからもう治ったと、ケロっとしていて、

お父ちゃんの心配をよそに、ぐんぐんペースを上げて行きます。

むしろ、数日前の山行の疲労や、

いつもと勝手の違う山行で

もろもろ気苦労で寝れてないこちらのペースがあらず、

待ってくれい〜。

いやああ、若いって素晴らしい。


↓今日はずっと登りっぱなしになります

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40分ほど登りを詰めていくと、

道の脇に小さなベンチがあり、そこで女性が2人休憩されています。

槍見台と呼ばれるポイントで、振り返ると、

緑の間から槍がエッヘンと胸を張って姿を見せています。

我々も5分ほど休憩。


↓槍見台から見事な槍

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リスタート後も、道の様子は変わらず、

木の枝やゴロゴロの岩の道をひたすら詰めます。

森は一層深く、緑一色の世界。

木々のおかげで直射日光からは逃れられるのですが、

風が入ってこないので、空気が淀んで蒸し暑い。

えっほえっほと登っていくと、標高2000mの標識を発見。

娘にとっては初めての大台突破です。

オメデトウゴザイマス。


標高2000m超え

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そこからも一定のペースで登りつづけ、

7:54に、本家よりも立派な「なんちゃって槍見台」に到着。

誰かが眺望をよくするために木々を伐採したのか、

以前来た時よりも、眺望が開けていて、槍がくっきり。

眺望も大事だけど、木の伐採はあかんと思うけど…

8:00までしばし休憩。


↓なんちゃって槍見台

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↓槍はどこから見てもかっちょええどす

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休憩ののち、再び登ります。

道は相変わらずで、徐々に斜度も上がってきたように思います。

娘を先頭にえっちらおっちら登ります。

眺望もなく単調なのですが、娘は楽しいと言ってくれてちょっと安心。

9:35には標高2500m地点と書かれた標識を通過します。

あともう少し!


↓ひたすら登り

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↓軽い身のこなし

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↓ガンガン進みます

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標高2500m超え

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歩きながら少し娘に森林限界について解説をします。

大きな木はある高さ以上だと、

風が強かったり寒かったりして育つことができないから、

もう少ししたらその高さになって、木がなくなるよ。

そうしたらもうすぐ山の上に出るよと教えてあげます。

しばらく歩くと娘が前を指さして、

「もうすぐ木がなくなるから、なんとか限界やな」とつぶやきます。

その通り、その先からは高い木々がなくなり、ハイマツ帯へと様子を変えて、

青空が広がるようになっています。

ようやく森林限界を抜け、ザレ場を詰めると、常念主稜線の分岐点に出ました。

時刻は10:13なので、約4時間の登りでした。

乙!


↓森を抜けました!もうちょい!

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そうしてお待ちかね。お待ちかね。

振り返ってみると、槍・穂高の山の連なりが、

オールウェルカムでお出迎え♪

娘は思わず、「うぉおおお〜!」と絶叫を上げておりました。

自分も初めてこの光景を見た時には、

日常ではありえない、大パノラマのスケール感に度肝を抜いたものです。

小学生の娘からしたら、その驚きはさらにものすごかったことでしょう。

この景色は自分の足で歩いたものだけしか見ることのできないものなので、

彼女が自分の足で得た経験ということではほんとうにえらいと思います。

この景色をぜひとも見てほしかったので、

天気も味方して本当にうれしかった。


↓槍・穂高の絶景!

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↓見事な槍

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↓再びカメラ小僧

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稜線まで来ましたが、目的地まではあともう少しあります。

山頂と、山頂直下にある本日の宿泊地・蝶ヶ岳ヒュッテまでは

なだらかに二重稜線を30分ほど歩きます。

一見なだらかに見えますが、そこそこアップダウンがあります。

ハイマツ帯の間に細く切られたトレイルを進んでいきます。


蝶ヶ岳まではなだらかな稜線

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自分も娘も、すかっと開けた眺望に

すっかり足の疲労も忘れて快調に歩いていると、

前方でハイカーが数人ハイマツを覗き込むようなしぐさをしていたので

何かなと見てみると、なんと雷鳥の親子でした。

どうもやんちゃなヒナたちがが

あっちこっちにハイマツのつぼみを食べに散ってしまって迷子になってしまい、

お母さん鳥がハイマツの繁みから大きく頭を出しながら、

鳴き声でヒナたちを呼び寄せているようでした。

お母さんの心配をよそに、

ヒナたちはひょっこりむき出しのトレイルに飛び出しては

自由に歩き回って、ちょうど娘の足元を平気で横切りました。

こんなすっきり晴れた日に、

しかも蝶ヶ岳の稜線でばったり出会えるなんて

本当にラッキー。

雷鳥の生息の南限は乗鞍岳なので、

ほぼほぼ南限に近いエリアで見れるのは珍しいことです。


雷鳥さんだぞ

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↓ヒナが走る!

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そんな思いがけない出会いもありつつ、

再びトレイル歩きに戻り、11:00に蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。

かなり早い時間ですが、早速宿泊の受付を済ませます。

12時からしか寝床への案内がないので、

その間休息と、ちょっと早めのお昼ご飯。

なんだかんだで5時間歩き通したのでお腹ペコペコ@@@

自分も娘もカレーを注文してガツガツ食べます。

フライドガーリックチップをかけて食べるとうまいのねん。

のんびりとお昼を食べていたら、もうじき12時という頃合いだったので

ロビーで少し待って、12時に一番乗りで寝床へ。

ちょうど角のカイコ部屋の1ブロックというベスポジをゲット。

混み具合によってはもう1人入ってくる可能性があり、

この日は初の山の日ということもあって

小屋の人も混雑が読めないと困っておられましたが、

結果的に2人で1ブロックを丸々使えて快適でした。


蝶ヶ岳ヒュッテにとうちゃこ

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↓お昼ご飯はカレーです

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さて、無事寝床を確保しましたが、

肝心なことを忘れております。

まだ蝶ヶ岳のトップに登頂していません!

ということで、荷造りと寝床作成を終えて、

お昼からはおさんぽタイム。

まずは小屋から歩いてすぐの山頂へ。

標高2677mの蝶ヶ岳に無事登頂しました!

オメデトウゴジアマス!

ここから振り返れば、先ほどからずっと見えている槍・穂高はもちろん、

ヒュッテ越しに大きな器のような常念岳がどっしりと構えているのが見え、

本当に素晴らしい眺望です。


蝶ヶ岳登頂♪

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↓おさんぽ

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登頂を済ませた後は、

今度は小屋とは逆側に蝶槍まで足を延ばすことにします。

横尾の分岐点までは上がってきた道を戻ります。

再び探してみましたが、残念ながら雷鳥さんはもうすでにおらず。

そうこうしているうちに、安曇野側からモクモクと雲が上がってきました。

勢いよく山を上がってくる雲の塊に娘も興奮気味。

いつものように梓川から吹き上げてくる風が強いために、

この雲は稜線の半分から向こうへは乗越すことはできないため、

半分が晴れで半分が曇りときれいに割れています。

まだ小2だと理科の授業がないので、娘に説明するのが難しいですが

できるだけわかりやすくこの水と空気のマジックについて説明したり。

「へーへー」といいながら面白がっておりました。


安曇野側から雲がモクモク

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分岐点を過ぎ、なだらかな稜線のアップダウンをこなしていくと、

前方に鋭い岩礁が見えてきました。

近づくにつれて、ガレた岩場となり、

梓川の方は結構な高度感。

娘も慎重に前進して、無事に蝶槍に達しました。


常念岳と蝶槍

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↓蝶槍に登頂♪

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ここからの眺めもまた最高で、

本家の槍が槍沢ロッジの辺りから一気に伸びる様は圧巻。

槍はどこから見ても素晴らしいのですが、

ふもとから山頂までタテのラインで見えるのは

この一帯だけだと思います。

槍が鋭く天へと突き刺さるさまとは対照的に、

向かいにどっしりと地に足をつけて構える常念岳の堂々たる様もまた見事。

ああ見えて、意外と山頂は狭く、山頂までの登りは急登です。


↓蝶槍からの槍

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↓どっしりとした常念さん

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蝶槍では結構長い時間まったりしていて、

その間にも、常念から縦走してきた人たちが

ヒーヒーと大汗をかきながら到達してくるのを迎えます。

みな、娘の姿を見つけてすごいねえ、すごいねえと声をかけてくれ、

娘もまんざらではなさそうな感じ。

びっくりしたのは、娘が山歩き用の帽子がない代わりに、

スワローズの帽子を被っていたら、

スワローズファンに発見されたことです。

相手はお父さんと小学校高学年のペアの人でしたが、

まさかレアなスワローズファンに出くわすなんてびっくりで、

それは向こうも同じだったようで、

思わず盛り上がってしまいました。

この後、続々と縦走路からやってくる人たちと

みなさんで写真の撮り合いっこをしたり、楽しい時間を過ごせました。

「この景色、何時間でも見れるし、何枚同じ写真撮ってもええなあ」と

もつぶやくほど、お気に入りの場所になったようです。


↓躍動するカメラ小僧

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時刻は14時を過ぎ、雲も続々と上がってきたので

ぼちぼち小屋へと戻ります。

空身で来たので絶景を横目に軽快に歩く。

途中、ケルンを見つけると、

娘はわざわざ馬鹿でかい石を見つけ出してはおいていきます。

赤茶けた石を見て、

「鮭に似てる」「鮭に似てる」と何度も謎の言葉を発しておりました。

15時過ぎには小屋に戻る。


戻ってきてまずはおトイレなのだが、娘は小屋のトイレは初めて。

水洗ではないので、用を足したら拭いた紙は

必ず目の前のゴミ箱へ入れることと教える。

蝶ヶ岳ヒュッテは、昼間は屋外のトイレしか使えないルールになっていて

そこがまた結構な悪臭がただようトイレで、

娘はトイレから出てきたときには鼻をつまんで「強烈!」と叫んでおりました。

まあこれも山の洗礼の一つですね。


寝床へ戻りお菓子タイムにしようと、

娘のお菓子の巾着を探っていると、

ポテチの小袋がパンパンに膨らんでいたので、

ここでまたまた理科のプチ授業で、気圧の話をしました。

袋がパンパンなのに大笑いの娘。そらおもろいわなあ。


そこから娘と二人で1時間ほどお昼寝タイム。

起き出すと、結構人が込み合ってきました。

幸いにして、寝床は2人だけを確保できましたが、

それなりに混んできました。

17時になって第1弾として夕食。

娘は食べるのが遅いので最後まで残されてしまいますが、

小屋の人に2弾目のテーブルは十分あるので、

ゆっくり食べてくださいと声かけしていただきありがたや〜。


↓夕食

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夕食後は、夕焼けを見に、瞑想の丘までおさんぽ。

最初は大キレットの間に太陽が落ちていく様がよく見れたのですが、

時期に梓川の谷間にみるみるうちに雲が発達して、

その雲が尾根を乗越して安曇野側へとこぼれていくようになり、

はっきりとは夕焼けは見えませんでした。


↓夕焼け その1

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↓夕焼け その2

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少し肌寒くなってきたし、雲がどんどん厚くなって

これ以上眺望も望めないだろうということで小屋へバック。

乾燥室に行って衣類を干したり、

ロビーのテレビでオリンピックを観たりして時間をつぶす。

19時過ぎになって、

テント場が騒がしいので様子を見たら

雲が晴れたようなので、夜景を見に外へ。

この日は半月が煌々と明るくて、

小さな星のきらめきまでは見えませんでしたが

時折星が流れるのが確認できました。

せっかく思い三脚を担いできたので、用意して夜間撮影をしましたが、

やはり満天の星空は捉えることはできませんでした。

そのかわり、眼下に広がる安曇野の夜景や、

眠る穂高岳の黒い山容に、

小屋の所だけ明かりが灯ってる様などはどうにか撮れました。

ちょっとカメラ自体の調子も、前回の山行で悪かったので、

ぼちぼち買い替えを検討せねば。


安曇野の灯

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↓眠る穂高

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↓月が明るすぎて星が撮れないよう

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↓星空

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消灯時間までには寝床へ戻り、おやすみ。

スペース的には十分なのだが、

娘の寝相の悪さに、何度も起こされました(笑)

懸念していた高山病も問題なく。


↓おやすみなさい

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4時ごろ、

早立ちの人たちが起き出してごそごそとしだすのに気付いて起きる。

窓をのぞくと、すでに東の空がうっすらと明かりが刺し始めている。

娘に声をかけて起こし、朝は冷えるので、

下は2枚、上は3枚と厚着させ、小屋の外へ出る。

瞑想の丘の少し先まで行って、そこに陣取って日の出を待ちます。


↓DAWN

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この日はほとんど風もなく不思議なくらいおだやかな朝。

眼下にはふわふわと心地よさそうな雲海が敷き詰められていて、

地平と空の間から朝が少しずつ少しずつ始まろうとしています。

娘も神妙な面持ちで空を見つめ、時折思い出したようにカメラをバシバシ。

そうして、いよいよ朝日が昇り始めると、

そこからはもうあっという間で一気に空が明るくなりました。

娘もこんなのは見たことがないと心底感動しているようで、

連れてくることができて本当によかったなあと思います。


雲海から光がこぼれる

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↓おはようございます

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感動は東の空ばかりではなく、翻ってみれば、

今日も見事な姿を見せる槍・穂高の面々が朝焼けに燃えて素晴らしい。

一つ北にそびえる常念岳も相変わらず魅力的なフォルム。

小屋の向こう側には、うっすらと独立した円錐が見え、

それが富士山だと娘に教えてあげました。

約1時間、それほど冷えることもなく絶好のコンディションで

朝焼けを楽しむことができました。


↓燃える穂高

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↓燃える槍

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↓今日もいい天気!

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小屋へ戻り、5:30に朝食。

小さな娘にとってはお漬物とかはあまり好物ではないものなので

お米と味噌汁ばかりを食べる。

残してはいけないので、代わりに自分がパクパク。

朝ごはんをいただき、長蛇のトイレをすませます。

荷造りを終えたら、公衆電話でふもとの登山口までのタクシーを予約します。

標準タイムで4時間ほどなのだが、

こちら側のルートは初めてなのと、娘のペースが読めないので

少し余裕をもって11:30に来てもらうことにしました。


↓朝食

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小屋の人にお礼を言って、いよいよ6:25に下山開始。

その前にすぐそこなので、お別れとしてもう一度だけ山頂に立ち、

見納めとなる槍と穂高にさようなら。

そこからテン場を抜けて、大滝山方面へのトレイルに入ります。

これから降りていく方面はびっしりと雲海が広がっていて、

あの雲の中へと降下していくことになります。

常念山を左手に臨みながら、お花が咲き乱れる斜面を下っていくと、

トレイルは分岐に差し掛かり、三股登山口方面へと折れます。


↓あの雲の下まで降りていきます

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↓常念さん

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↓三股へレッツゴー

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大滝山との分岐

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これまで蝶ヶ岳は3,4回訪れているのだが、

三股登山道を利用するのは実は初めて。

大体しんどい長壁尾根を詰めるか、横尾へ降りるかなので

自分にとっても新しい道でワクワク。

常に左手に常念のスケール感のある山肌を感じながら、

意外と急峻で歩きづらい道が続きます。

ガイドブックなどでは、ビギナーな山である蝶ヶ岳に登るルートの中でも

最もポピュラーで優しい道という紹介が多いですが、

道は狭く、岩が転がり、斜度もあって、なかなかの道です。

ずんずんと下っているとどんどん足にダメージがたまっていくようです。

最終ベンチ、第1ベンチと書かれた目印をパスしていきますが、

だんだんと道はハードとなり、木の根っこやら岩場を渡るようなところも出てきます。

ひょっとしたら前日の横尾からの登りよりも、

こちらの下りの方がハードかもと感じるくらいでした。

娘も難所は慎重に慎重に足場を選びながら進んでいきます。


↓最終ベンチ

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↓意外と険しい道

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↓第1ベンチ?

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2時間30分ほど延々と降り続けて、蝶沢とよばれる沢の頭に到着。

ここまでの区間はなかなかハードで、思った以上に時間がかかりました。

あまりモタモタせずに、それなりのペースで降りてきたはずですが、

標準タイムより1時間もオーバーしてしまいましたので、

あまり甘く見れない区間だったのかもしれません。

娘も、「疲れた〜」と叫んでおりましたが、

この場所もあまり広いスペースではないので、

もう少し進んで落ち着けるところでしっかり休むことにし、

一呼吸おいてリスタート。


↓蝶沢

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この先もしばらくはゴツゴツとした岩の部分があったり、

痩せた道が山肌に取り付けられただけの部分が多く、慎重に進みます。

そろそろ、朝早くに出発した人たちが上がってきて、

行き違いが頻発しますが、一様に登ってくる人は汗だくで辛そうでした。

眺望を見る余裕もあまりないのですが、

時々木々が開けたところから常念がよく見えます。

あのスケールのある裾野はまだまだ下の方まで伸びていて、

一体この山はどれだけ大きいのかとため息をつきます。

結構な時間、頑張って下ってきたつもりですが、

まだ2000mを切るところまでしか到達していません。

登山口は1300m台なので、まだ半分も来ていないのか!?

4時間程度で降りれると何処の案内にもあったけど、

これは5時間以上かかりそう…


↓常念さんをパチリ

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↓2000mを切ります

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細い道へっこうな行き違いが続き、

その度にお互いに頑張ってと声をかけあって別れます。

小さな娘のエールに勇気づけられる人もいたみたいで、

自分も結構バテバテになりながら、

しっかり声を出して挨拶をしていた娘が誇らしくあります。

長らく続いた急登も2000mを切ると落ち着きだし、

中腹の広い場所に出ます。

そこでいったん休憩をして、娘の靴と靴下を脱がせてマッサージ。

「楽〜♪」と大喜び。

そこからぬかるみに木道をはわした区間などをずんずん進み、

まめうち平に到着したのが9:35。

ここから登山口まではまだ2kmちょいあります。


↓ようやくなだらかな道に

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↓まめうち平

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まめうち平から下は、よく整備された階段状の道が続く。

結構一気に高度を下げるような形だが、

上部の道よりも断然整備されているので安全で歩きやすい。

ただ、下りの衝撃で足が結構ダメージが大きい。

途中、おそらく見納めになるであろう常念にさよならをつげて

さらにどんどん下ります。


↓さらば常念

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がっつりと階段で高度を下げたのちは歩きやすいフラットな森の道となります。

直角に道を右手身曲がったところに面白いスポットを発見。

少し前から、その姿がゴジラに煮ていると話題になった木で、

面白がって木の割れ目に石を敷き詰めて牙のようにしたりして

ますますゴジラのようになっています。

今では「ガオさん」という愛称もつけられて、

蝶ヶ岳の新マスコットとして密かな人気となっているようです。

娘もこの木がお気に入りになったようです。


↓ガオさん

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さて、ガオさんに別れを告げて先へ進むと、

徐々に沢を流れる水の音が大きくなってきました。

少し岩場を下っていくと右手から大きな沢が現れ、

一帯から流れが集まってきました。

そこを抜けていくと、小さな吊橋がありそこを渡ります。

そうしてしばらく進んでいくと、三股の登山口に無事たどり着きました。

そこにある小さな小屋には係員のオッチャンがいて、しばらくお話。


↓吊橋

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↓三股登山口

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しかしゴールはここではなく、さらに800m進んだ駐車場まで行かないと、

タクシーは来ないので、トイレだけ済ませてすぐにそちらへ向かいます。

そうして11:08に無事に駐車場にてゴール!

おつかれさま!

駐車場へ着くと既に1台のタクシーが停まっていて、

名前を告げると予約したタクシーでした。

念のために早い目に待機してくれていたようで、

熱くて何もない駐車場を待ち時間なしで、すぐに出発です。

タクシーのオッチャンによると、ここまで上がってくるときに、

この道のところに熊が出たらしく、まだこの辺をうろついているらしい@@@

きょろきょろ周囲を見回してみると確かに、

猿やら鹿やらを目撃したので、熊もいるのでしょう。



↓三股駐車場。すでにお迎えが来てくれてる!

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快適なタクシーで30〜40分ほどでJR豊科駅に到着。

6000円ほどでした。

次の松本行の電車までは30分ほどありますが、

駅前には何もなく、

空調の効いた待合所でジュース飲みながら待機。

すると、電車遅延のアナウンス。

中央西線特急が鹿をはねたとかで、

10分ほどタイヤが乱れているとのことでした。

予定より少し遅れて入線してきた電車に乗り松本駅まで戻ってきたのが12:40。

下界はびっくりするぐらいに暑くて、ヘロヘロ@@@


JR豊科

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まずは帰りの電車の手配をし、1時間後の電車を手配。

その間に昼ごはんとおみやげ。

娘は久々にマクドがいいというので、駅前のマクドへ。

そのあと土産物を物色。

信州北陸ターミナル駅はそこそこ駅までみやげが充実しているのだが

松本駅はちょっと物足りない。地酒ももっと置いてほしいんだけどなあ。

13:52に予定通り特急しなのに乗り込み、

最初は娘はぐっすり熟睡していたのに、途中で起き出して

そんな短時間で回復したのかよというくらい元気はつらつ。

撮りためた写真などを見ながら、また山に行こうねと約束しました。

名古屋まで来るともう現実世界で、17:03には帰阪。


本格的な登山という大冒険を終えて、娘はまた一回り成長したように思います。

単独で、厳しい日程のなか、難しいコースを制圧するというのも

とてもやりがいがあって楽しいのだけど、

こういう山行もとても充実感・達成感があってよかった。

娘と忘れ難い思い出を共有できて大満足のおとうちゃんでした。

2016-07-27

大杉谷から大台ケ原へ 2日目

2日目の朝。

5時にセットしていた目覚ましが鳴る前には起床。

ゆっくり身支度を整え、5:30に受付へ朝ごはんを取りに行く。

昨日はあれだけアップダウンがありつつも、

ほとんど標高を上げなかったが、

この日は今いる480m地点から1700m近くまで

一気に1200mほどを上がらなくてはならないので、腹ごしらえはしっかりと。


この日は平日なので、帰りのバスは15:30の一本しかないので、

早めに到着しても仕方がないのだけど、

昨日のわずか5kmちょいで4時間もかかったこともあり、

この日も予想以上に時間がかかるかもしれない。

それに気温が上昇してつらくなる前、

午前中にはある程度消化しておきたいこともあって、

6時出発に向けて準備を始める。

もし早く到着できれば、

それはそれで大台ケ原は散策するところがあるし。

すると、例の謎のおっちゃん集団の一人から、

「そんな早くなぜ経つの?」と言われましたが、

早立ちするに越したことがないです。

(ちなみに彼らが何時に出たかは知りませんが、バスが出る5分前にギリギリ到着してました)

で、準備はすぐできたのだが、

恒例のおトイレタイムでなかなか苦戦をしてしまい、

結局出発は6:15となりました。トホホ…


↓朝ごはん

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すでに食堂で朝ご飯をはじめていた小屋の方々にお礼を言っていざ出発。

玄関を出て右手に続く石の道を少し進むと、

大岩の前にロープが張ってあり、そこから一気に谷の上部へと上がります。

すぐに吊橋があり、渡っていくと、道はどんどん上へと延びる。

しょっぱなからなかなかハードです。

しばらく沢とはずれたところをずんずん進んでいくのだがそのうちに、

川面が近づきます。

昨日よりも一段と渓谷の鋭さが増し、

なおかつ渓谷にどんどんと鎮座する岩のサイズも見るからに大きい。

すでに日は高く上がっているのだが、

谷が深く日が差さないので水の色は深めのグリーン。

ほとんど川面に近いところまで降りてきて、

その脇の岸壁を補強された道ずんずん進みます。


↓2日目も最初からハード

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↓ゴロゴロとした大岩の転がる渓谷を抜ける

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↓川は今日もエメラルド

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しばらくして、再び登りとなり、

滑りやすい岩の階段をダブルの鎖を頼りに登っていきます。

しばらく進んでいくと、

黒部の水平歩道の大太鼓付近を思わせるような絶壁の道に出る。

WOW!

ここからは渓谷が激しく蛇行をしながら、

岩壁を容赦なく切り刻んでいる様がよく見えます。

そして進行方向の遠く、はるか上部から

勢いよく滝が流れているのが見えてきました。


↓ワクワクする道は黒部を思い出す

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↓険しい表情を見せる渓谷美

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↓流れは複雑に入り組む

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朝っぱらからスケール感の大きすぎる絶景に先制パンチを食らいながら、

先へ先へと歩を進めます。

しばらく歩いていくと滝壺付近までやってきました。

つい先ほどまでの自然の厳しい表情から一転して、

エメラルドの水を湛える滝壺は本当に翡翠のように美しく、

まるでここは桃源郷かと思えるほど。


↓七ツ釜滝が少しずつ見えてきた

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↓桃源郷かよ、ここは

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その右脇をかすめながら、ずんずん進んでいくと、

ヘリに東屋が建っており、その向こう側は眺望が開けて、

いよいよ百名瀑の七ツ釜滝の全容が姿を現しました。

七つの滝壺があるほどの段瀑で、落差120mもある大滝

ちょうど真後ろに屏風のように山並みを従えて、

そのど真ん中を我が者顔で真っ二つに切り裂く様はアッパレとしか言いようがない。

残念ながら東屋からは全ての釜を確認することはできませんでしたが、

とにかく1つ1つの見どころがいちいち馬鹿でかい!


↓七ツ釜滝(百名瀑)

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しばらく東屋で絶景を楽しんだのちリスタートしていきます。

脇の急な階段をえっほえっほと歩き、支流の谷筋に取り付いたので、

そちらからショートカットするように進んでいるんだと思ったら、

なんとさっきの七ツ釜滝の方へと道は寄っていき、

滝の右横に無理やり取り付けたような急登となって待ち構えていました。

おおう!こんなところによくもまあ道をつけたものです。

滝の迫力を左側に感じつつ、厳しいのぼりをこなしていきます。

木立の間からは先ほどの東屋も見えます。

短時間で意外と登ってます。


↓滝の右手の斜面をへばりつくように巻く道

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無事に難儀なのぼりを通過すると、滝の上部は穏やかな流れとなっていて、

平坦な道をしばらく進んでいくと吊橋を渡って対岸へ。

そこからは、大きな石のテーブルの上を渡りながら進んでいくことになります。

この岩がフラットなんだけどとにもかくにも滑りやすい。

左手の故障明けの身としては、ちょっとしたスリップも恐怖心があるので慎重に。

徐々に谷筋も狭まってきて、険しい表情に変わっていきます。

左の岸壁には鎖がつき、それを頼りに滑らないように進む。

右手の川もついさっきまでの穏やかさを消して、

一軒家ほどもあるような大岩がゴロゴロとする合間を縫うようにして濁流を作っている。

谷はここでも大きく左へと旋回し、えぐいゴルジュを作っていて、

すぐ真横を、もう滝と言っていいほどの急な流れがある真上に、

わずか人が一人どうにか通れるだけの岩の道が申し訳程度についている。

ただでさえ滑りやすい性質の岩なのに、流れのしぶきで洗われて濡れていて、

鎖をしっかりホールドして一歩ずつ確実に前進する。

丁寧に行けば何の問題もありませんが、

たぶんこのルートの中で、一番緊張を強いられる箇所だと思います。


↓川そばを進む

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↓滑りやすい石の道が続く

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↓右側にスリップすれば一巻の終わり

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↓振り返って

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無事に難所を抜け、安定した大岩のテラスにたどり着き、

ほっと一息して前方を見ると、

崩れた大きな岩で谷がすっぽり塞がれているではありませんか!

あそこが、10年前に大雨によって大崩落が起きた場所のようです。


↓大崩落地が見えてきた

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↓谷が完全に塞がれてしまっている

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しばらく休憩ののち、崩落地へと進んでいきます。

岩場を伝って進んでいくと、いくつもの赤ペンキで指示があり、

登山道はまさにその崩落地のど真ん中を抜けるようになっていました。

まるで山が稲妻か何かでカチ割られたのかと思うほど、

間違いなく一軒家か10tトラックほどもある巨大な大岩が

これでもかというほど斜面から川面へと押し寄せ、

谷全体を押しつぶさんという勢いで、

その岩と岩の間に小さな石(それでも本当は大きい)をうまくはめ込んで、

できるだけ安全に抜けれるように道がついていました。

マークに従って、崩落現場にとりつきます。

エッヂの効いた黒い岩の間をずんずんと登っていくと、

崩落地の向こうには穏やかな河原が広がっているのが見えます。

一方、振り返ると先ほど抜けてきた難所を見渡すことができました。

おそらく学生2人組でしょうか、

その難所を今まさにわたっているのが豆粒ほどに見えます。

どこがどう崩落したのか上部を確認すると、

山がスパッと切れ落ちたように半分崩れて、

そこから五月雨式に大岩が谷の方へと流れているのが確認できます。

山が崩れた衝撃で、岩盤が砕け散りこれほどの大岩ができたのでしょうか。

とにかくすさまじいエネルギーがスパークしたのが容易に想像できます。

もしその場にたまたま差し掛かったとしたら、

ちっぽけな人間なんて、有無を言わさずぺしゃんこです。

恐ろしい@@@


↓崩落地のど真ん中を抜けていきます

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↓上部より振り返って

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↓崩落地の向こう側は穏やかな河原

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↓一軒家ほどもある岩がゴロゴロ@@@

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登山道のマークは引き続き、

崩落した岩の間を器用に抜けているのですが、

途中で河原へ降りれそうな個所があったので、

ちょっと寄り道をして降りてみます。

きっと崩落がある前は、

コースの中でもかなり穏やかなエリアだったと思われる浜です。

そのコントラストが何と因果なものか。

谷の先を見ると再び急速に狭まっているのが見え、

たぶんこの河原を進んでも問題ないのだろうけど、

どこかで行き止まりになって無駄足になるのもいけないので、

一応、崩落地の上部へ戻ってご丁寧にルートをトレースしておきます。

結局しばらく岩の間で格闘したのちに、沢へと降りることになりました。

穏やかな浜の脇に、ぽつんと大木が立っていて、そこでしばし休憩。


↓河原に降りて大崩落地を望む

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↓シンボルの大木

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その先からは渓谷は複雑にジグザグとなって、急激に細まっている。

登山道は川面を行くのをあきらめて、

急流から逃げるように大木の脇から一気に登ります。

しばらく急登を詰めると、渓谷はシケイン気味に左右とツイストして

その先に、なんともなだらかな光滝がしなやかに流れています。

ここまで見てきた荒々しい滝とは違って、

まるでスカートのように裾をゆったりと広げた様は

なんだか女性的な優しさを感じます。


↓光滝

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↓なんとなく女性的なシルエット

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道は光滝をまるで畏れ多い場所かのように遠巻きに外れながら、

左手の絶壁へいきなり切り込むような形で急登となる。

谷の本流からわずかに外れて、急なのぼりをかき分けると、

いつのまにか渓谷の上部へとたどり着きます。

ちょうど、光滝の真上辺りまで来て、

覗き込むとかなりの高さに思わず目がくらみます。


↓滝の左側から巻く。高け〜

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しばらく水面からかなり高い位置を道は進み、

その先に吊橋が現れます。

ここでも渓谷は直角に右折をしていて、

水深が深く感じられる溜りとなっています。

吊橋を渡るとそのすぐ際から、隠滝が豪快に水しぶきを上げています。

こんなものすごい場所によくぞ吊橋を渡したものです。


↓隠滝

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隠滝の吊橋を渡ると、再び水面が近くなり、

道も穏やかになります。

しばらく進むと対岸に与八郎滝という細い滝が現れますが、

草木が茂っていてなかなか見えづらい。


↓与八郎滝

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さらに先へと進むと、

渓谷は思い出したかのようにまた荒々しい表情を見せます。

でっかい岩と岩との間を鋭く流れ落ちる激流の真上を歩いていく

岩のステージが続きます。

滑りやすく意外と骨の折れる区間です。

鎖がきちんと整備されているのでそれをしっかりと握って、

段差をよじ登って先へ先へと進みます。


↓深く刻まれた渓谷

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難所は名もなき小さな本流の滝でほぼ終わり、その先吊橋があり、

そこから堂倉の発電用ダムに出ました。

なんだか非現実的な風景をずっと歩いてきたので、

こういう人工的なものがいきなり現れるとびっくりしてしまいます。

対岸に渡り少し進むと再び吊橋があり、左手を見ると、

このアドベンチャーコースの終わりを告げる堂倉滝が見えました。

時刻は8:30。小屋から約3kmを2時間15分の別世界でした。

ここでいわゆる大杉渓谷と呼ばれる、渓流沿いの道は終わりで、

いよいよ、ここからは標高1700mまで一気に登り詰める5kmの山道がスタートします。


↓堂倉のダム

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↓渓谷歩きの終着点、堂倉滝

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水分補給などわずかな休憩ののち、リスタート。

しばらくは名残惜しそうに渓流の上部をトレースするのだが、

時期に係留は右手の山の方へと離れていき、

山道はそれを見送って、いきなり急なジグザグ道となります。

昨日はほとんど高度を上げなかった分がいっぺんにやってきたような

なかなかの急登で、木々の幹や根っこを頼りによじ登るような場所や、

急角度で取り付けられた階段などが続々と登場する。

しばらく歩いていると前方に気配があり、追いついてみると、

昨日泊りで一緒だったバスに乗っていない単独の方でした。

自分が出がけのトイレでモタモタしている間に先発されたようです。

ここからしんどいですねえと言葉を交わして先行していきます。


↓ここから鈍い尾根歩き

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まだ、わずかに朝のひんやりとした空気が残っているのだが、

いきなりの急登の連続に思わず汗が噴き出す。

地図を確認してもこの渓谷終わりから尾根までの区間が最も高低差があり、

登山道は緩急をつけながらも、決して容赦してくれない。

深い木々の間からは青空が見え、今日も暑くなりそうな予感。

周囲の山並みも目線と同じ高さに近づいてきて、

ようやく斜度も緩み始めます。

ほんのわずかに道を下ると、未舗装ながらも整備された林道と合流します。

このまま林道を進めば粟谷小屋がありますが、遠回りなので

標識通りに本ルートの階段を上がると堂倉の避難小屋に到着。

時刻は9:15。約40分の格闘でしたが、思ったより長いのぼりの印象でした。


↓林道に合流

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↓堂倉避難小屋

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10分ほど休憩ののち、小屋の裏手に伸びる道を進みます。

先ほどに比べれば穏やかな道が続きます。

この日は天気が良いので問題ないですが、

熊野特有の雨や霧の中だと、少し道をロストしてしまいそうです。

マークをよく確認して進んでいくと、

途中、粟谷小屋からやってきた道と合流します。

しばらく進むとまた急な登りが発生し、そこがシャクナゲ坂と呼ばれる区間

ここから緩く右に旋回をしつつ、急坂が延々と続きます。

ここは眺望もなくだらだらとした登りで結構バテました。

ようやく鈍い登りを詰めると、今度はいきなり岩壁区間に入ります。

マークに従ってよじ登り、しばらく進むと、シャクナゲ平に到着。

名前にシャクナゲとありますが、それらしい花が咲きそうなところもないし、

眺望も全くなく、急なのぼりのてっぺんにあるわずかの広場でしかありません。

時刻は10:25。


↓シャクナゲ坂

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↓シャクナゲ平

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10分ほど休憩してリスタート。

酷暑を避けて早立ちしたものの、やはり気温の上がり方が尋常じゃなく、

ペットボトル3本分はあった手持ちの水がそろそろ少なくなってきました(汗)

シャクナゲ平からはしばらくは道は穏やかさを取り戻し、

周囲の植生も豊かに緑の世界。

ルンルン気分で進んでいると、前方に鈍い階段が登場。

ここからジャッキーカルパスのような丸太で組まれた階段が延々と続き、

その区間は日差しが直撃して、かなりこたえました。

黙々と階段を上がっていき、

ついに大台ケ原最高峰、標高1695.1mの日出ヶ岳にとうちゃこ!


↓植生が豊かになってきた

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↓鈍い階段が続く…

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↓ラストスパート!

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↓大台ケ原最高峰・日出ヶ岳

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まずは一服と、山頂にある展望台のベンチに腰掛け。

少し整えてから展望台の上からもろもろ撮影。

この日もなかなかのお天気だが、さすがに遠方は霞んでしまい、

肉眼でどうにか熊野灘を確認できる程度。

残念ながら富士山までは見えませんでした。

しばらく撮影をしていると、

続々とハイカーさんが反対方向から上がってくるのですが、

駐車場から1時間程度ということで皆さん軽装で、

大自然から無事にカムバックしたんだなあと実感します。


↓三角点(標高1695.1m)

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↓紀伊山地の山々(北側の山並み)

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↓歩いてきた東側の山並み。うっすら奥には海も見える

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時刻は11:30になろうとしているところ。

このまま30分も歩けば

今回のゴール地点である大台ケ原の駐車場にたどり着けるが、

バスの時間まではまだだいぶあるし、

東大台をぐるっと回って見どころを散策することにします。

そのまま木の階段をトントンと下り、向こう側の高みへ。

正木峠は、笹のグリーンと枯れ木のコントラストが独特の風景を作り出しています。


↓大台ケ原ならではの風景

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元々この一帯は太古の時代からの原生林が広がるところでしたが、

昭和34年の伊勢湾台風による被害で多くの木が倒壊し、

土壌が流出したことが契機となって、

山の生態系を支えていたコケ類が衰退、

取って代わるように笹が生い茂る山となりました。

格好の餌である笹を求めてニホンジカが増加し、

またドライブウェイの開通により観光客数が急増、

土壌の踏み荒らしなどによって、

森林衰退が収まらないという状況になっています。

環境保全の最前線がこの大台ケ原というわけです。


↓枯れ木と緑のコントラスト

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パーク内は木道が整備されていてそこをトコトコと歩いていきます。

いくつか駐車場へと向かう分岐がありますがスルーして、

おそらく大台ケ原イチの絶景ポイントを目指します。

緑と青のコントラストが素晴らしいですが、

大台ケ原に来てこれほどまでに天気がいいのは初めて。

贅沢な注文ですが、

やはり鬱蒼と白い霧のなかにある森というイメージの方が

大台ケ原らしさを感じられます。

そのままずんずんと進んでいくと、

正木ヶ原の先に神武天皇像がぽつんとあります。


↓神武天皇像

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さらにその先へと進み、標識に沿って奥へ奥へと進んでいくと、

大蛇厳(だいじゃぐら)に到着しました。(ぐらは山カンムリに品)

ここは落差800m以上もある断崖絶壁に突き出た部分で、

かなりのスリルを味わえます。

滑落防止にクサリがされているというものの、

滑って落ちればジ・エンドで、

ちょうど断崖に向かって大岩が絶妙にスリリングな斜面になっていて、

見ているだけでも吸い込まれそう。

みなさん及び腰で進みますが、先端まで行くには度胸がいるかもしれません。

自分も先端まで進んでみますが、

うまく姿勢を取らないと怖くて進めません@@

この日は西の空がきれいで、はるか向こうに大峰の山並みがきれいに整列。

すばらしい眺望でした。


↓大蛇厳

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↓先っぽまで行ってみる

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↓振り返って

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↓恐る恐る記念撮影

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ひとしきり絶景(絶叫?)ポイントを楽しんだら、

いよいよゴールに向けて最後の歩み。

分岐まで戻り、そこからシャクナゲ坂(さっきの坂とは違う)をずんずん下り、

シオカラ谷まで。

少しだけ水辺で涼を得て、吊橋を渡ると、今度は急な登り返し!

ヘロヘロの体にムチを打って、オーラススパート。

そうしてようやく大台ケ原駐車場に到着したのが13:35でした。

乙!


↓シオカラ谷

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↓オーラスの坂

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↓大台駐車場にてゴール

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まずはとにもかくにも腹ごしらえ!

バス停前のレストハウスに飛び込んでカレーうどんをすする。

途中、京都のチームのローディー4人組が相次いでゴールして、

がっつり飯を食べておりました。

おそらく9月の大台ケ原ヒルクライムに向けての練習でしょう。

そろそろそっちも再開しないといけないけど、なかなかなあ〜。

筋力的にも心肺機能的にも当時より充実しているのだけど

少なくともレース的なのはもうないかなあ。(てか気づいたらツール終わってた汗)

何より生活の大半をそれに取られるのが今となってはもったいない。

でも旅のツールとして、ロングはぜひ復活させたい!


カレーうどんで腹ごしらえ

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うどんを食べ終え、みやげもひとしきり見て、

ちょっとビジターセンターの展示を見たりしても、

まだ1時間ほど余ってしまいました。

レストハウスのお母さんのご厚意で中で休ませてもらうことにしました。

吹き抜ける風が心地よすぎてついウトウト。

気づけば出発の15分前で、運転手さんがぼちぼちと車にエンジンをかけ始めました。

車内はむせかえる熱気だったので、出発まで車の外で待機。

大台日帰りのハイカーも含めて結構満席に近い状態でした。

予定通り15:30にバスは出発。


↓ビジターセンター

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↓帰りのバス

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バスはゆっくりとドライブウェイを下っていきます。

車窓からは雄大な紀伊山地がずっとお見送り。

ほんの4,5年前にここに自走で来て、深刻なハンガーノックに陥って

工事現場のオッチャンに飯をめぐんでもらったこととか思い出す。(笑)

それにしても、よくまあこんなとこまで自走してきたなあ。


↓さらば大台

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バスは一度、日和山登山口まで寄り道をして、

それからは川上村を突っ切っていきます。

大迫ダム、大滝ダム、懐かしい。

18:10には終点の大和上市駅に到着。

すぐに特急券を手配して18:36大阪阿部野橋行に乗り込む。


↓近鉄大和上市駅

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暑さがたまらなかったけれど、心配していたお天気もずっとよく、

同じ関西とは思えない圧倒的な大自然と、

尋常じゃないくらいのアクセスの悪さを体感できた山行でした(笑)

2016-06-14

ご近所めんライフ

最近は麺ばっかり食べている気がする。

ということでめんライフ。


まずは西中島の人気台湾料理店「一路發」でランチ。

冷し中華です。

さっぱりとしたレモン風味が効いたタレは清涼感抜群で、

蒸し蒸しした季節柄たまりません!

なかなかおいしゅうございました。


↓一路發(イロハ)の冷し中華

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続いてはおなじみの大杉製麺。

いつもついついラーメンを注文するのだが、

今回初めてつけ麺を注文してみました。

が、麺のうまさを前面に出すべきつけ麺にしては特徴がなく、んんん〜。

ラーメンはあれだけ美味しいのに、ちょっとの違いで全然違うんだなあ。


↓大杉製麺のつけ麺

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つづいてもおなじみすなお軒。

結構ここの昔ながらの中華そば好きです。

麺も細麺でガシガシ系なのでスープに絡んでうまいのだが、

最近ちょっと甘味が濃くて後味がベタつく。


↓すなお軒の中華そば

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続いては、めずらしく「つぼや」を利用。

カレーつけ麺は、開き直ったジャンク感が逆に潔くてよい。

ラーメンなのかつけ麺なのか、カレーなのかもはやわからないが、

満足できれば何でもよし。


↓つぼやのカレーつけ麺

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ラストもおなじみの塩元帥。

ひさびさにまともに塩つけ麺を注文。

こう食べるとやはり、この店のスペックの高さを痛感します。


↓塩元帥 塩つけ麺

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2016-06-08

箱根外輪山トレイル 後編(長尾峠〜湖尻峠〜三国山〜山伏〜箱根町〜鷹巣山〜浅間山〜箱根湯本)

さて、後半戦。

長尾峠の先の箱根スカイラインの料金所での休憩を終え、

再び歩き出します。

舗装道路は有料の自動車専用なので歩行禁止なので、

すぐにまたブッシュの切れ目からトレイルに復帰します。

深い森の中に入っていき、そこからにわかに登り基調となります。

ピークを微妙に避けつつ、

尾根の左手側を上ったり下ったりを繰り返していきます。

なかなかに藪が深く、変わり映えがしないので単調になってきます。

一度大きく下ったら、芦ノ湖方面からのトレイルとの分岐。

最初ここが湖尻峠かと思ったのだが、違いました。


↓振り返って、これまでの道のり。中央の電波塔が丸岳。右奥が金時山

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↓まだだ!まだ終わらんよ!

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深い藪を抜けていくと、視界の開ける場所に出て、

スカイライン途中の休憩所みたいな芝の広場に出ます。

ここからは眺望がよく、眼下に芦ノ湖が広がり、

桃源台のところには観光船が停泊しているのが見えます。

そこから視線を上げていくと、

絶賛活動中の大涌谷と箱根山が雲を被っている。

なかなかの絶景。

ただ視線を進行方向に移していくと、前方にでっかい壁が…

とにもかくにも進むしかない。


↓藪を抜ける

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↓桃源台と芦ノ湖

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ドライブ途中に休憩している人たちを横目に、

広場を抜けて再び藪の道へと突き進む。

鈍いのぼりをこなしていくと、そこから真正面に大きなギャップ。

前方に大きな三国山がデーンと立ちはだかり、ラスボス感バリバリ。

その前に、湖尻峠までえげつない激下りが待ち受けているではないか!

すでに25km以上歩いてきて、大物はほぼやっつけたと思っていたのに、

このビジュアルにさすがにマジかよ〜と戦意を喪失しかけました。

削れて意外と歩きにくい下りをどうにかやっつけて湖尻峠に到着。

ここからさっきみたエグイ上り返し。

これはちょっとその日中に帰阪するのは無理ですと

思わず奥さんにLINEを入れ弱音を吐く。


↓おい!湖尻峠までの下り!三国山の登り!

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↓湖尻峠

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鈍いのぼりがースタートし、鬱蒼とした森の中へと入っていく。

天気が悪くなってきたのか、高度があがったためか、

だんだん周囲に白い霧が立ち込めて、ますます湿った世界が広がります。

疲労感と、さっきくらったカウンターパンチで戦意喪失気味で

ペースが自然と落ちてしまう。

これはいかんと、しばらく音楽を流して気分転換しながら歩く。

意外と急な部分が続き、霧のせいか足元がベチャベチャ、

木の根っこやらがツルツルで難儀する。

そのうち背後に気配がするなと思ったら、

トレイルランナーの2人組にパスして行かれました。

そうして14:50によくやく三国山(1102m)に到着。

標高の割に意外とタフな山でした。


↓ガスってきた

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↓三国山

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山頂では先ほどのトレイルランナーが休憩をされていたので、

こちらは通過して先を急ぐことにします。

また抜かれるのもいやなので、ここから下り基調に入ることもあり、

勝手に逃げを打つようなイメージで一気にペースアップ。

尾根の左側の細い細い斜面の道をえっほえっほと進みます。

頭一つ抜けている三国山の山頂付近だけ雲がかかっているのだろうと思っていたのに、

下っていけばいくほどガスは厚くなっていくので、結構天気崩れてきている予感。

かなり大股小走りでペースをガツンと上げて進む。

時々、乗り越えたりする部分があったりするが、道はほぼほぼ平坦。

かなり中途半端なところで、山伏峠を通過。

道の途中に道標がなければあれは全く分からない。

そのうち、斜面を抜けて道が右手へ急ハンドルを切ると、森を抜け、

スカイラインの脇の道となる。

道もおなじみの幅広の藪の間を抜ける道となり、

短いアップダウンをこなして進むと、さらに広々とした空間にでる。

ガスが濃すぎてよくわからないがかなり広い広場のようで、

そこからぬうっと建物をが現れる。

山伏のレストハウスです。


↓山伏峠

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↓山伏レストハウス

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↓ヤギ発見

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この区間は結果的にかなりハイペースで進んできたので、

ちょっとここで小休止。

お昼ご飯もまだだったので、何か温かいものを食べようかとも思ったのだが、

あまり悠長にはできないし、ちょっと高めの金額だったので、

手軽な焼きおにぎりとサイダーだけ。

休憩をしていると先ほどのトレイルランナーの人たちが到着。

それと入れ替わりに出発します。


↓小休止

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さっきの区間で調子を取り戻しペースも上がったし、

引き続き仮想バトルを妄想しつつ、ペースを上げて箱根町を目指します。

再び、藪道を下っていくと、今度は杉林のようなところに出て、淡々と進みます。

一か所大きく下って、小さな沢に架かった木橋を渡ろうとして、

思わずスリップ!

濡れてツルツルの木に足を取られ、

どうにか踏ん張って転倒は免れたのだが、

右足をひねる?攣る?かしてしまいダメージを負ってしまった…

そこを抜けると、かなり幅広の芝の道が続く。

周囲がガスで覆われていて何とも幻想的で、

ここは北海道の牧場かというような感じ。

鈍いのぼりとなっていてえっちらおっちら歩いていると、

右手の藪の向こう側のスカイラインに車が通る度に音楽のようなものが流れる。

速度超過の対策なのか、どうもメロディーロード化されているようだ。

メロディーロードとは、舗装のアスファルトに、溝を切り込み、

車のタイヤが通過する際に生じる摩擦音を調整して、

一定速度で走れば音楽が鳴るようにしたもの。

よくよく耳を済ませて聴いてみると、

この区間は『残酷な天使のテーゼ』が流れるようになっているようだった。

そのうちに、海平と呼ばれる広々とした緑の草原に出る。


↓海平

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そこから再びアップダウンをこなし、ずんずん下っていく。

なかなか急な下りの階段区間が続き、山肌に沿って道は右へ左へ。

そこから前方に長に長いのぼりの階段が続く区間

ここは結構ダレました。

そこを乗り越えていくと、外輪山集遊歩道入り口の看板がかかったところに出る。

ハイスピードで車が行き交う道を慎重に横断して、

向かいの道の駅箱根峠に到着。

自販機で再びアンバサだけ買って、

直ちに流し込んだら、間髪入れずにリスタート。


↓外輪山周遊歩道入口

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↓道の駅箱根峠

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道の駅の駐車場を縦断して、ICの入り口方面へ。

そこに旧街道の看板があり、そこから再びトレイルへ。

ここがエグい下りで、道は細く、難儀。

ようやく斜度が落ち着いてきたなあと思ったら、

今度は、恐怖の石畳区間がスタート。

大昔から踏み倒されてきた石達は角が取れてツルツルに丸くなり、

その上には瑞々しい苔がむしており、

それらが分厚いガスにまみれて程よく濡れており、

本当にもう、どうぞお滑りくださいと言わんばかり。

斜度は緩いながらもあるし、前のめりにでもなろうものならひとたまりもない。

ここは絶対に左手を死守せねばならぬと、ペースを落とし慎重に進む。

岩の上に乗るのではなく、岩と岩との間を狙い足を置き、

道の中央ではなく、道の端の土との境界を歩く。

それだけ慎重を期しても、時折、グラッときてビビる。

超ビビる。

それが1kmちょいほどある。

心底ビビりながらどうにか箱根町まで下りてきました。


↓旧街道へ

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↓滑る!石畳!

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県道737号からR1に出ると、しっかりとした街中に様変わり。

観光客だけでなく、マラソンの練習をしているランナーなどもいて

さすが箱根といった感じ。

ここからはしばらくロードを歩いて元箱根を目指します。

土産物屋の巨大な駐車場や箱根関所跡を通過し、

道をいったんまたいで右側の歩道へ。

恩師箱根公園を左手に見ながら砂利道を黙々と。

そのうち前方に朱の大鳥居が見えて、元箱根の到着。


↓箱根町の中心部へ

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↓箱根関所跡

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↓元箱根

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そこから鳥居横の脇道へ入りにわかに登り。

その先で木の陸橋があり、えっほえっほと重い足を担ぎあげて渡ると…

ひえ〜〜〜〜、また容赦ない石畳区間に突入…

しかも、なかなか傾斜の急なのぼりで、ここにきてかなり堪える…

これも道の脇の比較的ステップを切ってある方を歩いて進むが、

ツルッツルッっと前のめりになりそうでビビりながら進む。


↓恐怖!

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ひとしきり登り終え、石畳区間を終えて、

道なりに進むと県道732号にぶち当たる。

ここはキャノボの際のハイライトとなる「七曲り」へ続く旧東海道。

色々と思い出のある道をまたぎ、

向かいのどさんこラーメンの脇から再びトレイルへ。

平坦で幅広の道を黙々と歩いていくと、右手に小さな池があり、

これがお玉が池かと思ったが、どうも違うようだ。

途中で、道標に従って、左折し、

鬱蒼とした森の中に続く階段状の道を黙々と。

そろそろ周囲も薄暗くなり、ガスがいよいよ濃くなってきた。


↓ここから再びトレイルへ

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↓これはお玉が池じゃなかったようだ

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↓ここ折れて精進池へ

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ここらでスマホの充電が消失…

前日に充電を忘れて、山伏あたりからアラートが出ていたのだが、

ラストまで持たず。

今回は軽量化のために一眼を置いていたのが裏目に出てしまった。

どのみち、日没との争いと、帰阪終電へのラストスパートに専念しないと

そろそろキワキワのタイミングとなってきました。ちょっと焦る。

ガスガスの森を黙々と進んでいると、左手側から車の音が響き始める。

そのうちR1と並走するようになるが、高い壁で遮断されている。

精進池のところでトレイルが切れ、そこからしばらく退屈なロード。

ガスがかなり深くて、前方から車が突然ぬうっと出てくるような感覚で、

そうなると、後方から来る車が歩行者(自分)を見つけるのは難しいだろうから

十分に注意してできるだけ路肩を歩く。

途中R1の最高地点を通過し、

ヘアピンを1つ2つこなすと湯坂路入り口からR1を外れる。


ここからは歩きやすいトレイルが続いていて、ペースを上げます。

標高834mの鷹巣山、続いて802mの浅間山とつなぐ。

ここでヘッデンを装着し万全を期した状態で

ここから、プランニングの際にオーラス区間として目をつけていた通り、

傾斜も緩く、幅広で直線的な道が続く。

とにかく暗闇と白霧を切り裂いて、

ラストはもう速足というよりもほとんどランに近い状態で進む。

ラストは少しガレて九十九折れとなり、そのころにはちょうど足も棒で、

ペースを慎重にしてR1に降りてきたころには周囲はもう真っ暗でした。

無事に歩ききった喜びもつかの間、

そこからさらに駅まで歩かないといけないのですぐに移動。

無事に箱根湯本駅に到着して時計を見ると19:34。次の小田原行が19:38!

なんとかギリ間に合いました。

朝の6:05にここを出発して、19:34着なので、実に13時間30分の山行。

去年の栂海新道に匹敵するくらいのしんどさで、もう全身ボロッボロです。

ここを10時間とかそこいらで走りきってしまう

トレイルランナーはやはりすごいですねえ。


感傷に浸っている間もなく、みやげを物色する余裕もなく、

とにかく切符を買って小田原行きに滑り込む。

改札から電車の停車しているホームまでがこれまた意外とあって、

電車がちょっと出発に手間取ってくれたおかげでどうにかギリギリでした(汗)

乗り込むと、外国人だらけ。

19:52に小田原に到着し、すぐさま新幹線の手配。

できれば乗り換えを少ない便のほうが寝れるのでと期待したが、

どれもすでに×が並んでいて、結局、静岡・名古屋で2度乗り換えることに。

しかも最後ののぞみが広島行き最終だったので、乗り過ごしたら地獄…

売店でめぼしいみやげと補給品(酒はヤバイのでNG)をひっつかんで

ホームに上がったら、もう入線してくるタイミング。

そこから寝れずに新大阪に到着したのが23:13。

タクシー飛ばして23:30には帰宅したのだが、

鍵を回してもドアが開かない!

どうも今日は帰れないと連絡したまま、

携帯の充電を消失して連絡できていなかったので、

まさか帰ってこれるはずないと思って錠もかけていたらしく、

ドンドンとドアを叩くものだから、家族に不審者と間違われる始末…

頑張ってその日中に返ってきたんだけどね!


ということでどうにかこうにか箱根外輪山一周できました。

帰りのリミットがある分、六甲よりもシビアな展開になりましたが、

曇天でも十分魅力的な眺望と、

整備された心地よいトレイルを満喫できました。