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記憶の残滓 by arkibito

2016-07-25

秘境、大杉谷 1日目

さかのぼること1か月。

ようやくお医者さんから左手完治の宣言を受け、

本格山行を企て、チャンスをうかがうべく、

ずっ〜〜〜〜っと天気予報とにらめっこ。

何しろ明ける明けると言いつつも、一向に明けない梅雨空。

しかもよりにもよって土日なると天気が下るという

全くもってありがたくない状況が続いている。

本当は遅くても7月の頭には行くつもりにしていた大杉谷も、

迫りくる酷暑と、アルプス開きを考えると、

チャンスタイムのリミットは目前だった。

連休を迎え、ここで行けないとまたお預けになりそうなところ、

天気予報は雨の予報…

一瞬あきらめかけたが、

月・火なら奇跡的に雨の谷間の晴れが期待できそう。

ただその日程だと、なけなしの夏休みを1日取得する必要があり、

雨になってしまえば貴重な休みのカードを

みすみす捨てることになるリスクがある。

ええい!ままよ!男なら突っ込むべし!

ということで、半ば勢いでバスと小屋の予約を入れる。

入れてしまえば、もう行くしかないということで、

いそいそと準備を始める。


標高はそれほど高くはないけれど(小屋は480m)、

今季初の本格遠征なので重くなるがそれなりのウェアを用意する。

あとは全く未知のエリアなので、見聞きしたイメージで

黒部峡谷のような危険個所なはずなので、

ヘルメットを持っていくことにする。

そしてもう1つ、ヒル対策。

やはり渓流沿いで雨の時期なので出ると聞いていて、

ヒル除けのスプレー(ヒル下がりのジョニー)と、

あと材質的に女性用のストッキングを嫌うらしいので、

奥さんに不要になった膝下用のものをもらう。

1日の移動時間はそれぞれ長くても6時間程度だし、

補給品とドリンクは最小限度に抑える。


で、いよいよ出発当日の月曜日。

見事な晴れ!やった!

地下鉄を乗り継いで鶴橋駅へ向かい、そこから近鉄特急

当初のプランで予定していた便だと、

津駅JR特急に乗り換えるタイミングが5分もなかったので、

早めに家を出れたので、安パイで急きょ、

もう1本早い便に間に合うように、

石橋を叩いて鶴橋に来たのだが、

いきなりダイヤが大幅に遅れている!!!

どうも大和高田付近で早朝に人身事故が発生して、

10〜15分も遅れが生じているとのこと。

予想外のトラブルで早くもDNSの大ピンチ。

すでに事故処理は済んでいて、順次運転再開をしているとのことなので

これ以上の遅れは発生しなさそうだが、果たして…

7:11鶴橋発の予定だった賢島特急は7:25過ぎてようやく出発。

予定よりさらに一本速い便を目指してきたのが幸いしたが

この便は賢島行きなので津へ行くには

伊勢中川名古屋行きの特急に乗り換えないといけないが

その乗り継ぎが間に合うか間に合わないか、微妙なタイミング…

10分の遅れならギリギリ、15分の遅れならアウト。

他に案はないのかとスマホ情報戦を展開。

要はJR特急南紀1号に乗り継げれば津でなくてもよいのであって、

便を早めた結果、近鉄特急の行き先が変わったのだから、

乗り継ぎ駅を津から松阪に変更すればなんとか間に合うのがわかった。

そこで車掌に行先変更を告げて、ようやく落ち着きを取り戻す。

予定通りの便(名古屋行き特急)だったら、津への到着が遅れて、

乗り継げてなかったので、本当に早めの行動をしていて助かりました。

松阪には9時前に到着をし、20分ほど乗り継ぎ時間があったので、

駅前のパン屋で朝飯と昼飯のパンを購入。

そして9:18に無事、JR特急南紀1号に乗り込みました。

9:47にJR三瀬谷駅に到着。

ここまでですでに色々あって、ほんと疲れた@@@


JR三瀬谷駅

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↓のどかな里

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駅では、住民らしい人たち(明らかに登山目的でない)を含め、

パラパラと5,6人が降りただけで、

電車が行ってしまうと周囲は静けさを取り戻す。

抜けるような青空と、周囲の緑がなんとものどかな小さな駅です。

駅舎を出て、一度踏切のあるところまで大きく迂回し、

線路の反対側にある「道の駅伊勢おおだい」に到着。

ここから登山バスが出発するのですが、まだバスが来ておらず、

道の駅で散策をして待つ。

そのうちにそれらしきバスがやってきて乗り込む。

お一人様2500円。

自分のほかには、学生2人組、ナゾのおっさん4人組の3パーティーのみ。

この謎のおっさんグループは、

結局翌日の帰りの特急まで一緒になるのだが

身なりも装備も登山者っぽくないし、地図も持ってなさそうで、

しかもバスの運転手に帰りのバスはあるのとか、

全くノープランで、まるで慰安旅行の延長といった感じ。

そんなんでも完歩しちゃうんだからすごいねえ。

さてこのバス、4人以上そろわないと

運行されないのでこの2パーティーがいなければ登山できませんでした(汗)

週末ならそれなりに人数いるんだろうけど、

祝日・平日の2日コースとなるのでこんなもんでしょうか。

とにかく無事に登山バスに乗り込むことができて一安心。


道の駅伊勢おおだい

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↓大杉渓谷登山バス(3日前までの要予約)

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定刻通り10:30にバスは出発。

すぐにR42をはずれ、宮川沿いに進んでいく。

伊勢フォレストピアの先から

すでに山奥の渓谷といった趣が出てくる。

R422に入ると、すでにキラキラと清流が美しく、

そこかしこで鮎釣りをしている人や

行水をする子供たちが目に飛び込んでくる。

R422から県道53号に入ると、周囲は険しくなり、道も細く難儀に。

しばらく進んでいくと宮川ダムがあり、

貯水池の脇にある大杉自然の家でいったん停車。

ここまでで約1時間。

ここでトイレ休憩が10分あり、登山届もここで提出。

ここからは遊覧ジェットが発着していて、

渓谷を水面から楽しむこともできます。


↓宮川ダムにある大杉自然の家

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ダム湖の遊覧船

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再びバスが走り出すと、道幅はさらに細くギリギリ。

新大杉橋でダム湖の対岸へ渡るのも一苦労。

複雑に入り組んだ渓谷をなぞるようにして道がついているので、

スムーズに前進することができず、

右へ左へ振られながらさらに1時間弱。

ようやく登山口に到着します。

下車した他の人たちは、降りた駐車場にある東屋で昼食タイム。

自分は、身支度を済ませたらすぐに出発することにしました。

歩道をもう少しだけ歩いていくと、宮川第3発電所があり、

その脇を進んでいくと、登山道がありました。

いよいよ渓谷歩きのスタートです。


登山口の先、宮川第3発電所から山行スタート

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↓本日は6.2km先の小屋を目指す

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↓ヒル対策もばっちり(ストッキングはきちんと履かずに折り返して靴に巻く)

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しばらく整備された歩きやすい山道を進むと、

その先に、様々な警告のプレートが掲げられたゲートがあり、

その奥には、見るからに険しそうな岩をくりぬいた道が

頼りなく続いているのでした。

一度、ふ〜っと大きく息を吸いこんだら、いざ突撃。


↓ここから本格的な渓谷へ

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まるで黒部の水平歩道を思わせるような、

固い岩盤を最小限度歩ける程度にくりぬいた岩の道が続きます。

左側は川面まで数十メートルの断崖となっていて、

落ちれば一巻の終わり。

岩壁の方には頑丈な鎖が取り付けられてあって、

時々それを頼りにしながら進みます。

それにしてもそのはるか下に見える水の美しいこと。

太陽の光に照らされて薄く緑を纏いながらも、

川床までスッキリとクリアに澄んでいる。

あまり見とれていると吸い込まれそうな感覚になってしまいます。

道自体は黒部よりもさらに幅があるし、鎖も設置されていて、

難易度的には見た目ほどは難しくはない。

ただ、この岩が全然グリップせずにツルツルと滑りやすいので注意が必要。

この一帯の岩は、チャートという物質が含まれているらしく、

非常に頑丈で、その頑丈さのおかげで、水がなかなか浸食できずに、

このような複雑怪奇でスケールの大きい渓谷を作り出したようなのだが、

そのせいで岩が滑りやすく、

なんでもないフラットな区間でも、グラッと来てしまう。

これが場所が場所なら恐ろしい結果を招かないとも限らず、

あまり気が抜けません。

基本的に川に沿って道は続いているのだが、

蛇行している場所で険しいところなどは

岩場をショートカットするように乗っ越す場面も多々あり、

意外と細かいアップダウン、それもツルツルの岩場が連続します。

そして、支流の谷との出合では必ずと言っていいほど吊橋がかかっていて、

これが結構揺れます。

高度なスキルを要する場面はありませんが、

なかなか思った以上に骨が折れます。


↓水平歩道を思わせる断崖の道

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↓早速鎖場も登場

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↓結構揺れます

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徐々に川面へと高度を下げながら、道は続き、

そのうち白い石で敷き詰められた河原へと降りれるくらいになってきました。

こんな奥地までポツポツと釣り人がいて、

自分も降り口を探して河原へと降りてみます。

川面に近づいてみると、ますます水の美しさが際立って見えます。

水に触れてみるととても冷たく、タオルをドボンとつけて

早くも噴き出す汗をぬぐい涼を得ます。

ああ、生き返る@@@

この河原から来た方面を振り返ってみると、

ちょうど自分が歩いてきた道の上部が実は大日厳という強大な絶壁でした。

しばらく川の写真を撮ったりなんだしてリスタート。


↓透明感!

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↓大日厳(山カンムリに品が正式な漢字)

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エメラルド

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道は引き続き、渓谷に沿って進みます。

この辺りはまだ川面からも近く平坦。

時折苔むす緑の谷を抜けたりして、熊野らしい風景の中を進みます。

ただ、最初に絶壁の道が登場した以外は、

意外なほど平坦でフツーの道がこの辺りでは続くので、

ひょっとして期待はずれかと感じてしまったほど。

川が一度大きく右手へと折れるあたりから、

登山道は川面を外れて徐々に高度を上げていきます。

時期的なものもあるだろうけど、右も左も木々や葉っぱが生い茂り、

せっかくの川の美しさも木々の間からうっすらと除くほどで、

特にカメラで狙うにはポイントが限られるし、

確かに渓谷美は素晴らしいのだけど、

ここでしか見れないものでもないし、う〜ん。

と、歩きはじめて約1時間は頭の中でクエッションマークが浮かんでいました。


↓苔むす谷

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↓河原沿いに出ます

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登山道はどんどん地底から離れ、高度を上げていきます。

美しい渓谷の道、それも深い森の中なので、

さぞかし涼しい道だろうと思いきや真逆!

地獄のような暑さに早くも疲弊してきました。

とにかく渓谷があまりにも深いため、山の尾根を吹く風が降りてこない。

しかも複雑に蛇行し入り組んでいるために、

せっかく降りてきた風もすぐに岩壁にぶつかって消えてしまう。

ほとんど無風状態で、あまりにも強い日差しに焼かれた空気が

谷一帯に充満し、強烈な草いきれで窒息しそうなほどにエグイ暑さ。

川の水で涼を得ようにも、その川ははるか眼下に遠のき、

最小限に抑えてしまった手持ちの水を本当にチビリチビリとやるだけ。

去年の栂海新道の水攻め地獄を思い出します。

あまりに暑く、自分でも顔が真っ赤になっているのがわかるほどで、

途中から熱中症の症状も出て、それがとにかく堪えました。


↓再び崖道

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↓深い渓谷

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ひたすらに痩せた道を前進していくと、結構な高さの吊橋に出ました。

日浦杉吊橋。

ここも歩く度に、結構ぐわんぐわんとたわむので

高所恐怖症の人は結構大変かも?

ここは結構高い位置なので、渓谷を見渡することができますが、

谷はまだまだ奥へ奥へと続いています。

この先のあたりから徐々に、

前日に小屋宿泊されたであろう下山の人たちとの行き違い。

みなさん、暑い暑いとうなされておりました。

水越谷の出合から、渓谷は右へと急旋回をしていきます。

渓谷のずいぶん上を高巻きしながら進んでいくと、

対岸に滝が現れました。


↓日浦杉吊橋

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↓ひたすら鎖場

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千尋滝という名前で、幾段にも渡って水が流れ落ちています。

最初に見えるスポットからは、それなりにきれいですが、

まあフツーの滝かなあという印象しかありませんでした。

近くの東屋で小休憩をして、その先へ進んでいくと、

渓谷側に視野が開けた部分があって、さっきの滝の方を振り返ってみると…

なんと、山のてっぺんから水が勢いよく吹き出して、

絶壁を洗っているではありませんか!

さっきはフツーの滝とか言ってすみませんm(__)m

先ほどの位置からは、あまりにスケールのでかい滝の

ほんの膝下しか見えなかったのです。

ある意味ドッキリに近いサプライズにまんまとはまってしまいました。

それにしてもあんな山のてっぺんに近い位置から

あれだけの水が流れ落ちているなんて、何処に水源があるんでしょう?


↓千尋滝。きれいだけど小規模かなあと思いきや…

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↓山のてっぺんから落ちてる@@@

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千尋滝の全容に圧倒されたのち、再び歩き始めます。

すでに時刻は14時を過ぎ、看過できないほど暑さがこたえ始めます。

すでにバテはじめ、熱中症の兆候も出始めて、フラッフラ。

それでももう後戻りはできないし、すでにぬるくなっている首巻のタオルで

何度も額をぬぐって、少しでも体温を下げる。

道は谷の形状に沿って蛇行を繰り返し、細かくアップダウンを繰り返していく。

途中、支流の谷にわずかな水の流れがあり、そこで思わずザックを置いて休憩。

岩の間をちょろちょろと落ちる水を両手ですくって、

全身にバシャバシャとかけて火照った体を冷ます。ああ、気持ちいい。

何度も何度もタオルを流れにつけて水を含めて、

全身をぬぐうというのを何度も繰り返します。

それでようやくボオーッ意識が薄くなっていた頭もようやくマシになり、

もうしばらく涼んでからリスタートします。

この先も、意外とのぼりが続き、

木の道やら岩梯子のようなところをせっせとこなしていく。


↓滑りやすいチャートを含んだ硬い石の道

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↓支流の水で涼を得る

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↓岩場をいくつも越えていく

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ある程度本格的な登りが終わったと思ったら、

今度は谷底へ向かって大きく下っていきます。

下りきると、鋭くえぐられた谷の間を勢いよく

深緑の水がトグロを巻いているのが見え、

その先が少し岩の広間のように空洞になっているところに出ました。

その広間をぐるっと谷筋に沿って回り込んでいくと、

渓谷はそこから左に旋回しています。

もう少し進んでその左手に伸びている谷の奥の方を確認すると…


↓広い岩の広場に出る

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↓シシ淵

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ここがシシ淵と呼ばれるところで、

よくポスターなどでもここの写真が使用されている大杉谷のシンボル的な場所です。

川がここで直角に折れているため、

角部分に激流がぶつかって削られ、そこが広間のようになっているという具合で、

ちょっと頑張って大岩を下れば、川べりの砂浜に降りることができます。

砂浜と言っても砂地はわずかで、トラックほどの大岩がゴロゴロと転がっています。

周囲は断崖に囲まれていて、真上にぽっかりと青空が見えているだけ。

なんだか火口の中にいるような錯覚。

岩を伝ってさらに淵の方へと進んでいきます。

この区間だけ、岸壁と岸壁の間隔が狭まり、見事なゴルジュを形成しています。

そのゴルジュの遠く先には2連の滝が落ちているのが見えます。

まるで高千穂峡のようでもあり、もののけ姫にでも出てきそうな

神聖な空気が漂っています。

そこで再び冷たい水で涼を得て、しばらく撮影しながらまとまった休憩を取ります。

しばらくすると、後ろが騒がしいので見てみると、

同じバスにのっていた2組が現れ、

オッサン連中は服を脱いで砂浜からドボンドボンと行水。

無邪気でエエですなあ。

自分は十分休憩も撮ったし、静かな山歩きをしたかったので、ここらでリスタート。


↓シシ淵

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↓右手からゴルジュを巻いていく

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流石にこのゴルジュの中を行くのは無理で、

登山道はその真横の崖を一気に駆け上がる。

その道もさらに反対側にでっかい名もなき滝がゴウゴウと水を落として、

結構滑りやすいので注意が必要。

ゴルジュのちょうど真上に出て、

谷底を除いてみると、かなり高度感があってビビビ。

あんまり覗いていると、あのエメラルドの水に吸い込まれそうなのでほどほどに。


↓道の真横にも滝

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↓ゴルジュを覗き込む。なかなかの高度感

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そこからずんずんと進んでいくと、

先ほどゴルジュの間から見えていたニコニコ滝に到着。

なかなかチャーミングな名前ですが、二連の滝なのでそう名付けられたのだそう。

ここも木々が生い茂って、撮影できるポイントが限られているので

全体をうまく捉えるのが難しいですが、なかなかに美しい滝でした。


↓ニコニコ滝

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道はまだまだ続いていきます。

いつもなら10kmくらい平気で歩いているのに、

それほど本格的な登りもないくせに、

ここまで4kmしか歩いていないのにバテバテです。

暑さがひどいというのもありますが、

なかなか骨の折れる道です。

しばらく高巻きの道を歩いていると、前方に大きな吊橋が見えてきました。

しかもその吊橋の奥に聳え立つ平等厳の無慈悲な絶壁具合がすさまじい!

100mほどものそそり立った岩の壁に思わず絶句してしまいました。

このスケール感、写真で伝わればいいけれど…


↓平等厳。デケー!!

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さて、なかなかの高さに設置された吊橋を渡ります。

高度感もなかなかあるし、ほかの吊橋同様に結構ゆれるのでちょっとビビります。

35年前には、この吊橋が落ちて死者も発生しているというのを聞いていたので余計に。

原因は、一度に渡れる人数制限の警告を無視した大人数パーティーが、

山行の遅れを心配し、どうせ大丈夫だろうと高をくくって、

一度に渡ったためにケーブルが断絶、1人が滑落死亡、1人が重傷だったそうです。

去年の槍でもマナーや決め事を無視して無茶をする人を見ましたが、

やはり勝手して、一歩間違えれば大参事なわけですからね。

ちなみに現在の吊橋は2012年に新しく付け替えられたものなので、耐久性はばっちり!


↓スリリングな高さの吊橋

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無事に対岸へたどり着くと、今度は急な岩沢の急登となる。

岩の沢というか、

大昔に上部が崩れて砕け散った大岩が散乱しているといったようなところで、

マーキングを頼りに道をトレースして行く。

そうして対岸からくるっと平等厳を回り込むようにして道は進んでいきます。

再び短めの吊橋で渡って、ひと上りをしたら、

その先からきれいに岩が並べられた石畳となり、ずんずん下っていくと、

再び吊橋があり、その奥に建物が!

深い谷底を流れる激流の、はるか上部に頼りなく揺れる吊橋。

その先に、絶壁にへばりつくようにして建っている古びた小屋。

なんだかここだけを切り取って見ると、エベレスト街道の宿場町のよう。

登山口から歩いて4時間40分、ついに本日の宿泊地・桃の木山の家に到着です。

乙!


↓これもまた絶景

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↓桃の木山の家

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まずは受付です。

「顔真っ赤やで〜」と言いながら、お姉さんが快く迎えてくだいました。。

1泊2食付で9000円なり。

この一帯は国定公園に指定されているので、テント・野営の類は禁止。

(ってそもそもそんな余裕あるスペースもないけど)

行程的に1dayで歩き通すのは至難の業なので、ここがほぼ唯一の宿泊地です。

それにしてもこんな奥地の絶壁によくもまあこれだけの建物を建てたものです。すごい。

まずは寝床に通されると、お一人先客の方がいらっしゃいました。

バスにはいなかったので、マイカーの方でしょうか。

この日は結局このお一人+バスの人だけでしたので、寝床は十分1人1枚確保です。


↓本日の寝床

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小屋のお姉さんから「もうお風呂沸いてますよ〜」とお声かけ頂きます。

え?ここ風呂あるの?びっくり!でもありがたや〜

ということで、早速一番風呂をいただきます。

湯船は2人はいればぎゅうぎゅうといったサイズですが、それでも十分ありがたい!

かけ湯をしてドボンすると…

熱い!!!!!!!

死ぬほど熱くて、思わず飛び出します。

かまど炊きなので、底の方が熱くって、1人ダチョウ倶楽部状態でした。(笑)

慌てて入るのは危険ですね。

ゆっくりと洗い場で時間をかけて、ようやく入浴していると、

バスのほかの2組が続々到着されるのが窓から見えましたので、

順番を譲るために風呂を出ます。

熱々の風呂で疲れた体もシャキ〜ンと正すことができました。


↓かまど風呂

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風呂を上がっても夕食まで30分ほど余裕があり、

小屋の周囲(といっても玄関回り)を写真を撮ったりして過ごす。

17:30となって、セルフで受付に晩御飯を取りに行き、

渓谷沿いの食堂で食事

今晩は海老フライ&トンカツ定食。がっつりモリモリ。

あとは、おビールをいただいて一人祝杯。プハア♪

最高です。


↓食堂

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↓晩御飯はトンカツ&エビフライ定食

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食後はすることもなく、暑さで疲労しすぎたせいか、

19時までには寝てしまいました。

夜中激しい水の音がするので、雨かと思って起きるが、

渓谷の川の水の勢いが強いようでその音でした。

部屋は窓を網戸の状態でも寒くなく、ちょうどいいひんやり具合で、

ぐっすり安眠できました。

翌日はいよいよ大杉谷の核心部を経て、

大台ケ原の最高峰・日出ヶ岳まで1300mの高低差を上がります。

2日目へ続く…

2016-06-27

子連れハイク ホーム黒岩

日曜日。

この時期はまったく天気が読めないし、

事前準備や予約が必要な遠征はちょっと難しい。

先週は尋常じゃない夜中の雨もあったし、

今週末もお山は無理かなと思ったがまさかの晴れの予報。

本格的なお山に行こうか、あるいはひさびさロングでもと思ったのだが、

同じく雨で自宅にこもりきりの長女も気になるし、

お山に行くかと誘ってみると、満面の笑みで行く!

ということで、夏のアルプスに向けて、

ちょっと難易度を上げて、荒地山にご招待。


ブランチを食べて出発。

この日は阪神競馬場へ向かう人で特急電車が混み混みでした。

12:30に阪急芦屋川駅に到着。

トイレを済ませたらいざ出発。

20分ほどのロードで、すでにカンカン照りに汗がダラダラ。

ドンツキから森へ入ると、上から冷たい風が吹いて一転心地よく。

茶屋に着くと、いつもはちょろちょろの川の水が勢いよくしぶいている。

ここ数日の大雨でどうも水量が増えているようなので、

高座谷は大丈夫か少し心配…

高座の瀧に到着して少し休憩。滝も今日は勢いよく、

上部にあるもう1本の滝も下からよく見える。


↓高座の滝。今日は水勢が多い

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しばし涼を取ったのち、出発。滝の左にある巻き道を登る。

久々のお天気の週末ということもあってか、

この時間でもこの日は結構人の往来が多かった。

地獄谷の入り口のほうは広範囲で水没していました。

あとからやってきた部活帰りのような格好の女子3人組が

そちらへと下っていきます。

我々は岩の階段を登り、いつもの分岐から主稜線はずれ高座谷へ。

滝の勢いからするとこの辺りは思ったより水の量は多くなく、

普通にずんどこ奥へと進みます。

娘ももうこういった道はお手の物でスイスイ進む。

2つめの堰のところ、川向かいにイノちゃん発見。

久々にお見かけしました。結構でかいねえ。

と思っていたら、あとからヒョコヒョコと4頭のウリ坊たちが出てくる。

娘は初めての野生のイノシシに大興奮していましたが

餌をやってはいけないのはもちろん、ちょっかい出してもいけないので

川の向かいからそっと写真を数枚だけ。

必要以上の慣れあいはお互いに不幸な結果を招くだけなので。


↓イノ来た

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↓ウリ来た

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そこから川の左手の道を進んで次の堰。

そこで飛び石を伝って対岸へ渡るが、ここはいつもより水が多く、

娘も慎重に石を伝ってわたります。

そこから斜面を登って、城山尾根から続く登山道と合流。

そこで、シャシャっと足元に動くものが。

ヘビ?と一瞬ドキッとしましたがトカゲさんでした。

娘も恐る恐るでしたが、いろいろ生き物が登場して盛り上がる。


↓対岸へ

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トカゲさんコンニチハ

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荒地山の連続堰堤に出ると、堰は水のカーテンでおめかしをして、

いつになくきれいでした。

水を除くと、あれはでっかいオタマジャクシなのかイモリなのか、

真っ黒なやつがたくさん気持ちよさそうに泳いでいる。

上部に上がると、堰にたまった池にはいつものように錦鯉の姿。


↓荒地山第二堰堤

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そこから足場の悪い急登を詰めて、分岐点へ。

そこを右へ折れるのだが、一部水没している。

大丈夫かなあと心配しているとそちらからハイカーが歩いてきたので

先の具合を尋ね、行けそうだったので進みます。

通常のルートは水没しているので迂回して、堰堤の底までいったん降ります。

対岸の山肌はこのところ崩落の一途でかなり荒れていて、

この日は大量の雨水で山の地盤が緩んでいる危険性もあるので

頭上にも十分注意を払って進むことにします。


↓分岐先が水没してる

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と、その矢先に、谷底に、非常に重く鈍いズズ〜ンという音が響く。

どう聞いても非常に不安で不気味な音で、

ひょっとしてどこかで落石?

もしくはキャッスルで誰か滑落?と、とっさに身構える。

娘も何?何?と不安がるので、とにかく安全な場所でしばし待機。

上部やこれから進む方向に異変がないのを確認してからリスタート。

キャッスルと奥高座の滝の分岐点までは、岩の沢を詰めないといけないのだが、

この日は水量が多く、ほぼほぼ沢歩きの状態。

服が汚れたり水に浸かるのは大丈夫だから

とにかく安全な場所を確かめて確実に登りなさいと指示して、進みます。

大きな岩や枝を縫うようにして分岐点に到着。


↓キャッスル分岐へ向かう

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↓ちょっとした沢登り状態

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分岐を右に折れて、ちょっと段差の大きな岩の間を抜けてキャッスルに到達。

この日のコースのコンディションや、少し荒れた区間なので、

行く前から一番心配していたのですが、

娘はしっかり進む方向を見定めながら

両手両足を慎重に使って無事クリアできました。

たどり着いたキャッスルはこの日も

多くのクライマーさんで大賑わいを見せています。


ここで少しだけ休憩を入れていると、おじさんが、

「さっきキャッスルの巻き道の入り口のところででっかい落石があったか、

この先進むなら十分気を付けてよ」と声掛けをしてくれました。

やっぱり、あの不気味な音の正体は落石だったようです。

ちょうど登山道のど真ん中に、

なにかで削られたように地面がむき出しになっている個所があり、

その脇に不自然に電子レンジサイズの岩がごろり。

こんなものが頭に直撃でもしたら、怪我じゃすまないです。

たまたま被害はなかったようですが、よく人が集まっている場所だし、

登山道の真ん中なので、本当に恐ろしい…


↓大賑わいのキャッスル

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↓落石現場

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本当は娘が意外とここまで難所をあっさりクリアしているので

キャッスル脇の巻き道を登って、

岩梯子〜ボルダー群へともうワンステップ行こうかと思っていたのだが

巻き道が危ないということなので、断念し、

そのままC-4方面へと進むことにします。

奥高座の滝の上部を水平になぞっていくところで、

娘がスリップして谷側にバランスを崩してとっさに掴んで事なきを得る。

油断禁物だがや。


↓奥高座の滝上部周辺から

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C-4を過ぎれば、そこからは穏やかな山道で、

頭上から岩が降ってくることもない。

緑が濃いので直射日光に晒されることもなく、

心地よい山歩き。

途中、単独女性の人とすれ違う。

どうも地図を持っていないうえに、

荒地山から適当に歩いてきたらこんなところに迷い込んでしまって

ひさしぶりに人に出会えて、安心した〜と泣き疲れる勢い。

あかんがな!

女性に下りルートをレクチャーしてお別れしてずんずん進み、

ラストに岩場をずんずんと詰めて、

元旦以来お久しぶりの黒岩にとうちゃこ。


黒岩

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黒松の根元まで岩場を登らねばならないが、

娘のサイズでは少し難儀。

で、ようやくテラスにたどり着くと、

その向こうには絶景が広がっていて、

娘も思わず、「ワアアア〜」と感嘆の声を上げていました。

幸いこの時間帯は誰もおらず貸切状態、

のんびりとおやつタイム

黒松のパラソルが絶妙に日光を遮り、

谷からの涼しい風が何とも心地よい。

眺望は果ての方が霞んでしまっているけれど、

大阪平野の街並みや大阪湾はしっかり見えていて、

あの島はどうだとか、あの線は高速道路だよとかいろいろ教えてあげると、

「すごいね、すごいね」と興奮気味の娘さんでした。

なんだかんだと40分ほどまったりと黒岩で過ごしました。


↓絶景かな〜

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おやつタイム

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↓の〜んびり

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↓親子タイム

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15:40となって、帰宅の途につきます。

もう少し登って荒地山のてっぺんを過ぎ、

魚屋道へと進んでいると、行き止まりの枝道との分岐で

ふらふらと悩んでいる男子大学生風の子がいる。

中国韓国からの留学生と思われ、なまりのある日本語で、

どっちが道ですかと尋ねてきたので、右の道が正解で、

道なりに行けば魚屋道というメインストリートに出ますよと答えたのだが

どうもピンと来ていない感じ。

そのまま娘と道を進んでいると、後ろから静かに一緒に歩いてこられ、

自然と3人体制となります。

魚屋道まで出たので、右へ行けば六甲山のピーク、

左へ行けば風吹岩経由で、芦屋か岡本ですよとお伝えするが、

やはりピンと来ていない感じ。

ここから道は滑らかになるのだが、雨のせいか結構ぬかるみがひどかった。

風吹岩に到着すると、まだ結構なハイカーさんで賑わっていた。


↓風吹岩

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↓がんばりました♪

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風吹岩で撮影をしたり休憩をしていると、

さっきの青年がどっちですかと聞いてきたので、

左はロックガーデンを下って芦屋

右は岡本で、自分たちは岡本へ下るよと言うと、

じゃあ一緒に岡本に行きますというので、またも3人で。

娘といろいろ話をしながら下るのだが、

嫌な雰囲気ではないんだけど、

なんとなく”千と千尋”のカオナシみたいに、

青年はただ黙って静かについてくる。


途中、春になると桜並木がきれいな階段区間の途中にある

見晴らし台のベンチで小休憩。

娘におやつを上げる時に一緒に、

おひとつどうぞとお渡ししたのだが「大丈夫。ありがとう」と一言。

その時に少しだけ話をしたのですが、京都の大学に通っているそうで、

山も六甲も初めてというビギナーさんだということがわかりました。

その後無事に保久良神社まで下りてきて、せっかくなのでお参り。

ちょうど5円玉が3枚あったので青年にもどうぞというと、

仏教徒なので大丈夫です」とのこと。(笑)

青年とはそのまま岡本駅前まで一緒に下りてきました。

ほとんど会話をすることもなかったですが、

かといって不快というわけでもなく、

最後にはお礼なのかジュースをおごると言ってくれたのですが、

礼には及びませんよと、手を振ってさようならをしました。

ちょうど電車がやってきたので、そのまま帰宅。


今回は距離的にはさほどですが、

岩場があったり、沢歩きがあったり、

今までより少し難易度の高い山行でしたが、

彼女なりにきちっと三点確保やルーティングもして、

ほとんど問題なく歩ききることができました。

娘の方も、バリエーションに富んだコースを楽しんだようで

生き物に出会ったり、黒岩からの景色を眺めたり、

写真を撮ったり、充実していたようで満足顔。

娘の著しい成長を目の当りに大満足のお父ちゃんでした。


<山行スケジュール>

12:30芦屋川駅⇒12:50高座の滝⇒13:30荒地山第2堰堤⇒

14:00キャッスルウォール14:05⇒14:56黒岩15:40⇒

15:50荒地山⇒16:30風吹岩16:40⇒17:30保久良神社⇒17:50阪急電車岡本駅

2016-06-02

箱根外輪山トレイル 前編(箱根湯本〜明星ヶ岳〜明神ヶ岳〜金時山〜乙女峠〜長尾峠)

前日の金曜日。

手首の様子うかがいで病院へ行くために午後休をもらう。

手首の方はまあ順調と言えば順調だが、

まだ完全にくっついてはおらず、

グリグリ回したり、ひねったりはできるようにはなってきたが

加重するとピキン、ズシンとなる。

とはいえ、手首を安静にして様子を見るしかないので、しばらくは我慢。

通院している病院はセレッソ大阪の選手が訪れるほどの人気の病院なようで

結構毎回長時間待たされるのだがあっさりと。

方々のブログを拝見して、みなそろそろ暖かさに誘われて、

あちらこちらへの冒険談。

GWも返上して、シャニムニ仕事をして、

ようやくフリーな週末を迎えることのできる身としては、やはり血が騒ぐわけです。

とはいえ、手負いの状態であまり難易度の高いことはできない。

手に負担がかからないような状況で、がっつり冒険をするにはと考えると

低山縦走が一番。

地元関西でいえば、六甲と信貴生駒交野はすでにやっているし、

思いつくのはダイトレか京都周遊トレイルか、はたまた高島トレイル?だけど、

どれもちょっと晩秋の時期に残しておきたいところ。

アクセスが良くて、できれば眺望が望めるところはというと、

以前に金時山に登って、これは一度制覇してみたいと考えていた箱根外輪山を思い立つ。

以前、二度ほどキャノボでお世話になったあうさんが

本格的なトレランをされていて、一周された時の記事も印象に残っていた。

あんなハイペースで完走はできないけど(汗)

体調的にはいろいろと不安要素は尽きないのだが、

万一体力が尽きてリタイアとなっても、途中いくつもエスケープ離脱可能だし、

怖気づいていかないより、ダメ元でいけばよろし。

ちょうど週末は、直前に雨が降って気温が下がり、

直射日光のない曇天が期待できる絶好のチャンスで、逃す手はない。

まあ毎度のごとく、不安と期待でごちゃごちゃになりながら、

家を飛び出すのであった。


18時台の新大阪は本当にものすごい混雑で、

切符を買うにも券売機に長蛇の列。

アルプスの遠征の場合は乗継の特急列車の最終が決まっているので、

シビアなのだが、今回は小田原まで行くだけなのでゆとりがある。

名古屋まではのぞみ。一旦下車して、晩飯に「みそかつ弁当」を購入。

後から来たひかりで小田原まで。

翌日は大ハードなので、ネカフェや野宿ではなく、

常宿のビジネスホテルに宿泊

なんだかお疲れモードでノンアルコールなのにあっさり眠りに入る。


↓みそかつ弁当

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↓小田原の常宿にて宿泊

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当日。5時起床。

すぐに支度を整えチェックアウトしたら、

コンビニでドリンクと補給品を購入。

5:33の始発の箱根登山鉄道に乗り、

5:47には出発地点である箱根湯本駅にとうちゃこ。

いつもそうだが、いったん山行に入るとトイレができないので、

時間がかかってでも、スタート前にしっかり出してから出発する。

どうもこの日は腹の調子がまずくて、時間がかかってしまう。

6:05にいよいよ出発。


↓箱根登山鉄道

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↓箱根湯本駅

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さて、スタートしたはいいが、まずはオシリのことを考えるべし。

この日中に完走して帰阪するには20時までには箱根湯本に下山をしないといけない。

一般のコースタイムだと14.5hとあるが、それよりは早く回れるだろうと考え、

13hで完走したとして、19時台には下山できる算段。

しかしそれもほぼコース全体フルスロットルで歩いた場合であって

本当にぎりぎりのボーダーラインなのだ。

そんな時間に追われた状況で、ナイトハイクを考えると、

火事場のクソ力でスパートできる区間をラストに持ってきた方がよいだろう。

ということで、全体としては難易度が高いとされる

反時計回りをチョイスしてスタート。

まずは駅を出て、箱根登山鉄道の下をくぐり、「かっぱ天国」がある側へ。

のっけからコンクリの激坂が登場します。

まだまだ元気は有り余っているので、ペースを上げて登ります。

ミュージアムを過ぎたあたりから斜度は緩み、しばらく舗装道を進むと、

阿弥陀寺の入り口に差し掛かります。

阿弥陀寺までは結構鬱蒼とした緑の中を九十九折れ。

朝は結構気温が下がってひや〜っとしていたので

ロングのシャツを着ていたのだが、

いいペースで激坂を上がってきてすでに汗が噴き出してきたので

Tシャツに着替えます。


↓いきなり激坂スタート

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↓ここから山道

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↓阿弥陀寺

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阿弥陀寺の右手から本堂の裏に回り込むと、

塔ノ峰へと続くトレイルの始まり。

序盤は野放図の竹藪の中に、長らく放置されていたのかと思うほど荒れた道で

朝露に濡れた木々や石が滑りやすく、道も細く、

やはりここがラストだったらば、大変だったろうなと。

しばらく直角に斜面を登るような形だったが、

そのうちに斜面と並行するようになり、

いったん大きく山を右手からなぞるように進む。

少しだけ登りが発生したのちは、

森の中にほぼフラットにつけられたイージーな道が延び、

そのうちに標高566mの塔ノ峰にとうちゃこ。


↓荒れた山道

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↓山上まで来ると穏やかに

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↓1つ目のピーク、塔ノ峰

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時刻は6:50。

ピークというよりも山道の分岐点という方がピッタリな

何もないところで、撮影を済ませたらさっさと次へ進みます。

ここからは若干の下り基調で歩きやすい道が続く。

じきに右手側の茂みが薄まって眺望が出てきます。

この日は予報通り、スカッとしたお天気ではなく、

雨は心配なさそうだが、厚く雲が垂れ込めてどんよりとしている。

その雲間から、方角的に松田や秦野方面の街並みが遠くに見える。

さらにその裏手にある山並みのもう1つ向こうの山並みは丹沢山ではなかろうか?

そして視線を左へと旋回し、進行方向に目をやれば、

雲間から大きな山が1つ2つ。

今から向かう、明星ヶ岳と明神ヶ岳である。

どちらも1100mほどなのに、やけに威圧感を感じるのは、

コンディション不足のせいだろうか。

歩きやすい穏やかなトレイルも長くは続かず、そのうちに一般道へと出る。

ここからしばらく、意外と交通量の多い舗装道を歩くことになる。

山肌に沿ってクネクネと距離を伸ばすので、ダレてくる。

そのうちヘアピンカーブを抜けた先の路肩に登山道の入り口を発見。


↓松田方面の眺望。奥は丹沢山系?

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↓舗装道に出る

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↓明星ヶ岳登山口

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再び山道へもぐりこむ。

鉄塔の先から結構ガレた急斜面がありそこをえっちらおっちらと登る。

一旦斜度が落ち着いたと思ったら、杉林の間に壁のような垂直の登り。

気を引き締めてエイヤと登りきると道は直角に折れ、

その先は穏やかとなり、緑の間を抜けていく。

軽快に森の中を抜けていくと、長いドロドロの溝のような切り通しがあり、

そこをジワジワと登っていく。


↓急登

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↓穏やかなトレイル

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↓ドロドロ@@

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その先進んでいくと、道の周辺はボーボーに伸びた竹藪の間を進んでいく。

意外と背丈があり、眺望を隠しているだけならいいのだが、

ちょうど自分の顔の高さに、ぴょーんぴょーんと垂れてきているので

それをいちいちかき分けるか、頭を上下にせねばならず、意外とお邪魔。

時々左の竹藪がの切れ目に

ちらちらと箱根(太平台?)の街並みが見える。

箱根登山鉄道のスイッチバックのキーンという金属音も時折。

道は引き続き穏やかで、そのうちに、

2つめのピーク、明星ヶ岳(924m)にとうちゃこ。8:05。すでに2時間…

何やら石碑のようなものがあり、広々とした場所ではあるが、

残念ながらここも眺望はなく、ただの通過点。


↓太平台温泉の街並み?奥は二子山

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↓2つめのピーク、明星ヶ岳

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かなり広々としたまっすぐ続く緑の道を進んでいく、

宮城野方面への分岐をスルーして進んでいくと、

時々ボオンボオンと爆発音がする。

いきなりだったので、もしや箱根山が噴火!?とビビるのだが、

どうも音が鳴っている方向が微妙に違う。

何度も何度も色々な種類の爆発音がするので、なんだろうと考えてみたら、

金時山の向こう側からどうも音が聞こえてくるので、

あれはきっと御殿場の自衛隊演習場の訓練の音だろう。

この日は、大きい大砲のような音や、パラパラと機関銃のような音やら

ずっと物騒な音が一日中聞こえてきました。

ここから前方に大きく立ちはだかっている明神ヶ岳を目指すのですが

そこまでに緑の凸凹がだら〜と続いているのが見通せます。

まだまだ序盤戦すら先は長い!


↓トレイルを直進

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↓向こうに明神ヶ岳が見える

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左手に斜面にへばりついた強羅のリゾート地を見ながら、

緑生い茂るトレイルを上ったり下りたりを繰り返す。

このトレイルには50mおきに道標が打ってあり、

歩いた距離の目安になる。この辺で約7kmくらい。

ただ50mずつだと細かすぎる気がしないでもないけど…


↓強羅の街並みと奥に大涌谷

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↓50mおきの道標(この写真は箱根峠付近のもの)

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しばらくアップダウンをやっつけると、鞍部に出て、

宮城野への分岐。

ここから前方にようやく人影が出るようになり、

何人かをパスしながら、狭い九十九折れの道をやっつけていきます。

周囲は竹藪から、ブッシュへと変わったかと思うと、

急に荒廃したガレ場へと変化していきます。

周囲に高い木々がなくなり、

ゴツゴツとした石と赤茶けた土の広がる山肌に変わったと思ったら

標高1169mの明神ヶ岳に到着。ここまでちょうど3時間。


↓ここから急登スタート

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↓歩いてきたトレイルを振り返って

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↓ワイルドな斜面

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↓はるか向こうに湘南の海

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ここからは真正面に強羅〜大涌谷〜箱根山を望むことができるのだが

この日は雲が低く垂れこめて見え隠れ。

シンジ君よろしくしばし黄昏ていると、

登ってきた方向からトレイルランナーさんが到着。

しばし休憩と補給で休めてから出発です。


↓3つ目の明神ヶ岳

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道は再び豊かな緑に覆われながら下り基調。

ちょうど前方に、次の目的地・金時山が

ボコっと雲に突き刺さったような格好であり、

そこに向かって緑の尾根が表情豊かに波打ちながら引き寄せられているのが見えます。

まだまだまだ先は長い。

しばらくすると、道はガレて、急斜面となって一気に高度を下げるようになります。

ふらついて左手をついたらいけないので、

いつもよりも慎重にガレ場を下っていきます。

道も、西へ進んだり、南へ転じたり、細かく進路を変えながら。

今からこの日最高峰を目指すというのに、

こんだけ下っていいの?と不安がっていると

「火打石岳」という標識のある鞍部に出る。


↓今度は金時山を目指す

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↓火打石岳とあるけど…鞍部だよねえ

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そこからいったん深い森の右側の斜面にへばりつくようにして

細い道がつけられてあって、そこをなぞっていく。

山を右側から迂回するような恰好で乗り越すと、

そこから先は再び竹藪の中。

勢い余った笹が顔のあたりをなでるので

最初は手で払ったり、よけたりしていたのだが、

きりがないので、途中からは無理やり突撃していく。


この辺りになると対向者が結構増えてくる。

みんな全身びっしり山ファッションに身を包んでいるが、

汗だくで疲労している。

自分なんかTシャツに、パンツは膝までまくって、

それでも汗びっしょりなのに、

猫も杓子も雑誌に載っているような格好を律儀にしている。

こんな低山で何をそんな重装備する必要があるのか、

40Lの見るからに重たそうな馬鹿でかいザック抱えて

雨も降っていないのにオサレなレインウェアを着て

暑いなら脱ぎゃあいいのにねえ。

あっぷだうんをこなしているうちに、眺望がききはじめ、

左手には仙石原、正面にはニョッキした金時山がどーん。

緑の草原を抜けるようにして矢倉沢峠に下る。


↓仙石原が見えてきた

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↓そそり立つ金時山

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ここはいくつかの登山道が分岐していて、

その1つは仙石原の登山道につながっており、

そちらからたくさんの登山客が上がってきている。

分岐点にはうぐいす茶屋があり、

この先体力的にきつい区間が続くし、

どうせ金時山はすごい人だろうから、

ここで腰を下ろして休憩を入れることにする。

150円でサイダーを購入し、ベンチに座っていると、

わざわざグラスに目いっぱい氷を入れて提供していただいた上に、

みそコンニャク2本のオマケつき!

キンキンのサイダーは乾ききった喉を見事に潤してくれ涼を得る。

みそコンニャクもスルスルとのど越し良く、

味噌との相性もばっちりで、

これほど元気の出るものとは今まで知らなかった。

こんにゃくさん甘く見てました!

最高のおもてなしで元気復活し、意気揚々と金時山の登りに挑む。


↓矢倉沢峠にあるうぐいす茶屋

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↓ちょっと一服。このセットで150円!

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しばらくは緑の原っぱの間を抜けるのだが、

じきに足元は土がむき出しとなり、大きな岩がゴロゴロとしてくる。

長く泥まみれの階段場や、ロープ場などもあり、

これまでと少し様子が違ってくる。

難易度的には全然問題なく、恐怖感を感じる場面も一切ないのだが

とにかく金時山界隈だけはものすごいハイカーの数なので

ちょっとしたところでも渋滞が起こって大変。

上からも下からも、老若男女問わず人が行き交う。

少し停滞しつつも、箱根湯本からジャスト4時間で

この日のチマコッピ、標高1212mの金時山に到着。

案の定ものすごい人が小屋の周りや、岩場にびっしりなので、

看板のところで写真を撮ったらすぐにスルー。

本当ならここから富士山の姿を拝むことができるはずなのだが

分厚い雲が視界を遮っていて全く見えず。


↓金時山の前後はゴツゴツした岩場が続く

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↓大賑わいの金時山

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この金時山は一周の円の西北の角に位置しており、

ここを起点としてトレイル東西から北南へと転じ、

いよいよ核心部に入っていく。

まずは乙女峠を目指して、荒々しい稜線を下っていく。

矢倉沢からの道もなかなかワイルドではあるが、こちら側もなかなかのもの。

しかもこちら側から上がってくるハイカーもかなり多く、

ロープ場などでは停滞する。

途中、長尾山という地味すぎるピークを抜けるために鈍い登り返しがあり、

そこから再び一気に峠まで下っていく。

乙女峠のすぐ手前に展望所として、ベンチとテーブルがあり、そこでしばし一服。


↓地味な長尾山

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↓乙女峠

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ほとんどのハイカーは、

矢倉沢〜金時山〜乙女峠の区間だけに集中していて、

この先から狐につままれたように人がいなくなる。

道も先ほどとは打って変わって幅広で穏やかなトレイル。

相変わらず右手から砲弾の音が聞こえる以外は静かな山歩きが楽しめる。

わずかにに右手の空が晴れた瞬間に富士山の先っぽだけチラ見。

そのうちに、右手に電波塔をみやって、丸岳(標高1156m)に到着。

ここにもベンチやテーブルが備え付けてあって、

眼下に仙石原を見下ろす絶好の展望所。

何人かのパーティーがのんびりくつろがれているのを横目に先へ進みます。


↓電波塔のある丸岳

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↓富士山の先っぽだけ

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↓隠れ絶景スポットの丸岳

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ここから先は、丈の低い笹に囲われたなだらかなトレイルを下っていくのだが

この辺りは本当に眺望がよく、風が抜けて何とも清々しい。

眼下に見える仙石原の様子と、その先にある芦ノ湖、

そしてトレイルの先に続いていく緑の稜線は、

思わず走り出したくなるほどの光景である。

軽快な足取りでトレイルを下っていくと、徐々に竹藪の中へと潜り込んでいき、

稜線の左手側をなぞるようにして同じような道が続いていく。


↓仙石原

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↓富士見台

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↓長尾峠

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長尾峠を過ぎ、さらに竹藪の中をずんどこずんどこ進んでいくと、

右手側の繁みの向こうがにわかに車の音で騒がしくなる。

ここからトレイルは御殿場方面から箱根スカイラインへと続く道と

沿うようにして進んでいくことになる。

途中で一度、駐車場へ折れる分岐をスルーしたのだが、

料金所を少し過ぎた辺りの繁みの切れ込みから、

料金所へといったん出ることにする。

思惑通り、トイレと自販機を発見し、ここで少しだけ一息つくことにした。

トイレで汗まみれの顔を洗い、

大好きなアンバサの炭酸をあおり疲れを癒します。


↓箱根スカイラインの料金所で一服

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ここで距離だけでなく難易度も加味して、全行程のほぼ中間。

序盤にキツイ坂と標高の高い山をほぼ攻略したという安心感はあるが

ここからは距離が課題となる。

ほとんど休憩らしい休憩も採らずに黙々と歩き登り、

疲労も確実にたまってきています。

足はまだ全然行けるのだが、体がカッカして頭がぼんやり。

ここでしっかりと一息ついて、後半戦へと挑むのであった。

つづく…

2016-04-07

NEWマウンテンギア

といっても自分のではありませんねん。

今夏のアルプス登山でびゅうのために、娘さんの装備を一式買い揃え。

ちょうどディスカウントもあってGFの好日山荘へ。

ザックは、娘サイズのちょうどいいものがすでにあるので、

登山用の子供靴と、厚手の靴下、それからレインウェア上下と、

トレッキングパンツ。

難しいコースには行かないし、悪天候では絶対突っ込まないので

最低これだけでもちゃんと装備があれば十分。

あとは本番までに、靴やウェアが馴染むように、近場でのトライアル。

本当は、娘の装備分を追加で背負うために、

自分のザックも今より大きいサイズ欲しいのだけれど…


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2016-03-15

子連れハイク 紀泉アルプス(霊山峰)

出産もあり家のことで今月からあわただしく、

月末にはピアノの発表会も控えていて、

ほとんどアクティブな活動ができない。

といっても、バッティングセンター通いや、土曜日の水泳教室など

運動はしているのだけど、それはあくまでトレーニング。

唯一予定のあいていた日曜日、ちょっと空模様が怪しいのだけど、

お山に行くなら今月はここしかない!

色々とどうしようかと考えていたのだが、

最近やきもち気味の長女も相手してあげないといけないので、

一緒に行くかと誘ってみると、「行く!行く!」と大乗り気。

そこで娘と一緒に行けそうなお山を前日から物色。

毎度毎度六甲ばかりも芸がないし、娘も新しいお山に行ってみたいというので

大阪近郊でほどほどの難易度で面白そうなところを検討した結果、

大阪・和歌山県境に広がる紀泉アルプスに決定!


ところが、翌日曜日。娘が9時ごろからずっと起こしてくれていたのに、

お父すっかりお寝坊をして起きたのが11時!

スマン!と大急ぎで支度をして出発。

天王寺で紀州路快速に乗り継いで、

出発地点の山中渓駅に到着したのがすでに13:15と、かなり遅めのスタート。


↓山中渓駅スタート

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手持ちの食料では少し不安だったので、駅前の雑貨店でお菓子を買い、

トイレを済ませていざスタート。

ちょっと心配なのは最終ゴール地点である六十谷駅までまさか約20kmの表示(汗)

初めての山域なのでひょっとして目測を誤った可能性が…

ざっくり見てせいぜい12〜13kmのはずなんだけど。

とりあえずピークの霊山峰までは標準2.5hとあるし、

難易度の高い場所は皆無で、途中エスケープもあるから

縦走するかどうかは状況次第で、とりあえずスタート!

自転車で走りなれた御ノ山峠へと続く県道64号を少し和歌山側へ歩いていくと、

脇に登山口への案内が掲げてありそちらへ。


県道から枝道に入ります

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踏切を渡って、ドンツキを折れ、グランドの手前を折れていくと

いよいよ山道に入る。

阪和道の下をくぐるトンネルを抜けると、

そこから一気に斜度が上がる。

思ったより急な斜面なので、

娘を先行させて自分が後ろからバックアップしつつ進んでいきます。

久しぶりのお山でまだ歩き方がおぼつかないが、

少しずつ感覚を取り戻し、サクサクと進んでいきます。


↓山道スタート

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小さな沢の上部にどんどん進んでいくと、

先ほどくぐった阪和道の脇を進んでいきます。

徐々にシダの緑が生い茂るようになっていき、斜度も緩んできました。

今回はチマコッピでも490mということで、

六甲でいえば荒地山よりちょっと低いくらいなので、

早くも上部の空が見え始めました。

ようやく尾根らしいところに出ると、道はかなり平坦となり、

ペースを上げてずんずん進んでいきます。

駅から40分ほど歩いて、主稜線との合流点に到達。

本当かこのT字路を左へ進むのだが、ちょっとだけ寄り道で、

右へ折れ100mほど行くと銀の峰第1パノラマ展望台があり、

そこでちょっとばかし休憩。

お天気が良くないので展望は期待していなかったのだが、

意外と見えました。


眼下には阪南の街並みがあり、その先には大阪湾

長い長い連絡橋の先には関空島が浮かんでいて、

そこから飛び立つ飛行機の轟音が届いてきます。

どんよりとした大阪湾の左手には淡路島があり、

右手には六甲の山並みが横たわっています。

よくよく目を凝らしてみると、その2つの山塊の切れ目に当たるところに

明石海峡大橋がうっすらと確認できます。

なかなかの眺望で、娘も感動して

「頑張って歩いて、この景色見れたら、うれしいよなあ」と言いながら

バシャバシャと自分のカメラのシャッターを押しています。

お父はその、山の良さがわかっている言葉がうれしおす。


↓第1パノラマ展望台より。左手に淡路島、右手に六甲山

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10分ほど休憩したら、先へと進みます。

娘も絶景のおかげで気分高揚して、元気いっぱいにリスタート。

分岐まで戻り、そこから案内に従って直進していきます。

尾根道はほとんどフラットで歩きやすく、

娘はずんずんとペースアップ。

「あんまり序盤から調子乗ると後半バテるで」と声をかけるのだが

「あとで難しいところ出て時間かけないといけなくなるかもやろ、

だから簡単なところで時間稼ぐねん」と返答される。

なかなかわかっておるではないか!

たくましい隊長を追従しながら、ひたすら進んでいきます。

標高が高いわけではないので1つ1つは大きくはないのだけど、

尾根道の縦走路なので、細かいピークがポコポコと連続するため

徐々にアップダウンの応酬となっていきます。

道自体は非常によく整備されていて歩きやすいのですが、

このアップダウンがボディーブローのように効いてきます。

これぞ縦走=アルプスという所以でしょうか。


↓たくましい隊長

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四ノ谷山という中間地点ほどにあるピークで道は西側へと折れ、

いったん大きく下る。

そこから徐々に岩が露出したようなコースとなっていくが、

難しいところはそれほどなく、ただひたすらに回廊を進んでいく。

遠くに少し高い山があり、

おそらくそこが今回の目的地の霊山峰のはずだが、

なかなかどうして結構遠そうだゾ。

ただ、ひきかえすとしてもそれはそれで歩いてきてしまっているし、

行くしかないのである。

娘も「今さらギブアップなんて許さへんで」と息巻いている。

途中、松ぼっくりが散乱する小さなピークがあり、

その先に鉄塔のあるピーク。

ここは少し眺望が開けていて、和歌山方面の山々や、

和泉葛城山へと続いていく山並みが見通せる。


↓鉄塔のあるピークより和泉葛城山方面をのぞむ

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そこで少しだけ休憩をしたら先へ進む。

地図で確認してもおそらくあと15分ほど歩けばピーク。

途中いくつか、箱作方面からの道を巻き込みつつ、

徐々にしっかりとした上り坂となる。

えっほえっほと登り詰めて、山中渓駅から2時間20分で

標高489.9mの霊山峰に到着。

山頂は広場のように整備されていて、ベンチがいくつか設置されています。

南側の眺望が開けていて、和歌山市街の一部がのぞいています。

ここで少しまとまった休憩。

コンビニで買っておいたおにぎりとお菓子を食べて栄養補給。

ここまであまり休憩を取らずに歩き続けだったので、

ちょっと娘も足にキている様子だが、

「疲れているだけで休んだら治るわ!」となかなかのタフネスぶり。


標高489.9mの霊山峰

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↓ちょいと一息

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時刻はすでに16時となり、あまり日没まで猶予がなくなってきました。

日が長くなってきたとはいえ、18時には暗くなってしまうし、

一応ライトは2つ持ってきてはいるが、

できれば使う前にはせめて舗装道には出ておきたい。

ここ霊山峰は紀泉アルプスのほぼ中央部に位置していて、

いくつか下山ルートがある。

針路を北にとって、鳥取池まで一気に下り、

そこから長々と舗装道をあるいて箱作方面にも行けるが、

あまり舗装道が長すぎるのも味気ないし、深い山間に入っていくことになるのでパス。

南へ行けば、さらにルートあり、

地蔵山から西に進路を取り、井関峠を経て六十谷駅へ向かうもの、

地蔵山から東に進路を取り、そこから紀伊駅へ向かうものと、六十谷駅へ向かうもの、

あるいは落ち合い集落へと降りて山中渓へも向かうことができる。

どのルートでも、それぞれ駅まではだいたい同じくらいで約1時間30分はかかる。

ひとまずは地蔵山へ向かうことにして出発。

霊山峰から地蔵山までは平坦な道が尾根伝いにはわしてあり、サクサクと到着。

前方の笹群の向こうには、紀ノ川の流れと和歌山の市街地が広がっています。

そこを左に折れていくと展望広場があり、ここでしばし撮影タイム。

なかなかの眺望で、夜に来れば素晴らしい夜景が撮れそうだ。

ここから見ると街へ出るにはその手前にふさがるようにして並んでいる

山並みを越えていかねばならないようだ。

まだまだ先は長い。


↓地蔵山の分岐

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↓青少年の森の展望広場からの絶景

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↓紀の川や和歌山市街地が間近に

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展望広場を抜けて、緩やかな下りの道をずんずん進んでいく。

尾根伝いに、さっきの山塊との間の谷を回り込むような形で進み、

途中で分岐点に到着する。

標識には直進=紀伊駅、右折=六十谷駅とあり、ちょっと悩むが

下り方面に道がついている右をチョイスして進んでいくことにする。

結局、一番長い尾根道ルートをチョイスすることになりました。


↓紀伊駅へ行くか六十谷駅へ行くか。後者をチョイス

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道はそれほど急でもなく、ただひたすらに長いというだけで難しくない。

娘がいよいよ足が痛い痛いぞ!とつぶやくようになってきました。

大丈夫?と聞くと、頑張って歩いてる証拠やから大丈夫と、

休憩せずに歩き続ける。

17時を過ぎて日没との戦いも迫ってきただが、

それに加えて、空模様が悪くなり、鉄塔を過ぎるころにいよいよポツポツ振ってきた。

なかなか過酷な状況になってきました。

「お父が寝坊しなかったら、もうゴールしてたのに、ごめんな」というと、

こんな状況でも気丈にも娘は戦う気満々で、

「雨と太陽(日没)に勝とう!」とこちらが逆に励まされる始末。

親バカながら、決してめげない娘が心強い。


↓雲行きが怪しくなってきたゾ…

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幸いにしてまだ真っ暗というほど暗くもなく、

雑木林の木々が雨よけをしてくれているのでまだそれほど影響がないが、

少しだけペースを上げて進む。

いよいよ尾根道から下り、ただっ広い谷を下っていくと、

小さな簡易の橋があり、その先で道が三方に分岐。

そこから、水路道という面白そうな道をチョイスして進む。


↓水路道を往く

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この水路道が結構急峻な崖の真上に設置されていて、

反対側は崖、反対側は水路が掘られているので、

道幅が結構なくて慎重に進む。

道は一向に下る様子を見せずに山肌に沿って水平に続く。

道自体もなかなか朽ちていて歩きづらく、

とにかく崖側には落ちないようにと注意しながら進む。

さっきの分岐でもっとイージーなルートをチョイスすればよかったなと思いつつ、

もうだんだん暗さが増してきているし、

引き返す余裕もなく、このまま突き進みます。


↓下山口に「また来いよな」の看板

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崖の下には民家と舗装道が木々の間から見え、

どうにかあそこへ降りれないものかと思いつつ進んでいくと、

下山こっちの標識があり、急なけもの道がつけられていて、

そちらへと折れる。

最後の最後で、なかなかに険しい崖を滑り降りるようにして

無事に舗装道に出たのが18:09。

まさに日没寸前に安全圏へと脱出できました。

「地球に勝ったど〜!」と娘も大喜び。

しかし最寄駅まではまだもう少しあります。

にわかに強くなりつつ雨に当たりながら、

川沿いに進んでいくと、JRの電車が走り去るのが見え、

ゴールゴールと叫びながら、六十谷駅に到着したのが18:27でした。

紀泉アルプスはよく整備されていて歩きやすいし、

エリアが広くルートバリエーションも豊富なのでなかなかよいお山でした。


↓六十谷駅とうちゃこ

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スマホのヘルスメーターを確認したら、20km以上歩いていると出ていて、

やっぱり本当に20kmあったのかと、無茶なプランニングに反省しつつも、

しかし実際に、小1の娘が20kmを弱音を吐かずに歩ききってしまったということに

とにかくびっくりしてしまいました。

わが娘ながら、エンデュランス能力高け〜!

帰りの電車では、山行を振り返りながら、お菓子とジュースで祝杯を挙げ、

足痛い足痛いと爆笑しながら、無事帰宅。

「お山の後の、ごはんとお風呂はやっぱり最高やね〜」と終始ご機嫌の娘と、

その娘の様と成長ぶりに思わず破顔するお父であった。


<山行スケジュール>

タイム:5時間2分

距離:20.8km


12:35天王寺駅⇒13:18山中渓駅13:25⇒14:05銀の峰第1パノラマ14:12⇒

14:30四ノ谷山⇒15:45雲山峰16:05⇒地蔵山16:19⇒青少年の森16:25⇒

16:40三差路⇒17:55水路道⇒18:09大関橋⇒18:27六十谷駅18:34⇒19:30天王寺駅


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