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記憶の残滓 by arkibito

2016-11-18

スノーホワイト 白山 日帰り

そうだ、白山に行こう!

そう思い立ったのはわずか1週間前のこと。

ずっと行きたい行きたいと思いながらも行けずじまいだった白山

一番の要因は足がないことだった。

マイカーがあれば比較的近くて行きやすいのだが、

公共交通機関を利用する身としては、金沢で前泊して、

朝一のバスに乗り、麓で再度バスを乗り換えてというとなかなか面倒だし、

無駄に一泊分お金もかかる。

そこで、福井からレンタカーを借りてのアプローチを考えたのだが、

夏場はマイカー規制で、冬場は冬季閉鎖で、

登山口から6km手前の市ノ瀬園地までしか行けない。

今の時期登山バスは運行を終了しているので、

その片道6km・往復12km歩かないといけない。

困って色々調べてみると、

通行規制のかかっているシーズンの

わずかな合間(10月下旬〜11月中旬)だけ

別当出合までの道の封鎖が解除されている。

もうここしかない!と思い立って大急ぎで段取り。


他の人の参考記録を覗くと、

すでに前の週に白山は今季の初冠雪を記録し、

山上は雪山シーズンに入っている。

登りやすい山とはいえ、標高は2702mあるので、

相当な冷え込みが予想できる。

今回は麓で車なので、荷物をデポして行けるので、

多めの防寒衣類や寝袋をパッキング。


20:54発の特急サンダーバードに乗り、

福井駅には22:47着。

降りるとすでに肌寒い。しかもパラパラと小雨。

ここからR8沿いにあるレンタカー屋さんまでは4kmの歩きなのに…

というのも、福井にもたくさんレンタカー屋はあるのだが

24h営業でこの時間帯に空いているのはそこしかないのだ。

福井の道はどこも幅広でがらんとしていて、

なんとなく心細さを感じながら40分ほど歩いてお店に到着。

なぜかレンタカーカラオケ屋の兼用という込み入った複合施設


レンタカーを借ります

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手続きを済ませて、いざヴィッツ発進!

2年ぶりの車の運転なので、最初の10分くらいは軽いパニック。

やはり習慣って大事。やらないと忘れます。

モウロクしたご老人が操作ミスで事故を起こすというのもうなずけます。

店を出て角を曲がったらすぐに停車して、

基本操作やボタンを目指し声出しで確認しました(笑)

R8バイパスで北上を開始し、福井JCTをかすめて、

わずかに中部縦貫道をつかって勝山方面へ。

交通量が少ないので煽られることもなく、運転に集中できます。

あとはナビに従ってR416をトレースし、R157に入ります。

ここからは山道ですが、走りやすい道で、大分運転も慣れてきました。

白峰で大きくUを切る形で、県道33号に入る。

市ノ瀬まではおおむね車線もあって整備されているので問題ないが、

ただ、小雨で真っ暗だし、手取川に沿ってクネクネとしているので

ちょっとドキドキ。


↓2時間ドライブで市ノ瀬

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市ノ瀬からは、一年の大半は一般車の通行が規制されて、

登山バスがピストンする区間

行き違いができない狭い道で、しかもクネクネアップダウンもあり、

一層慎重に15分ほど。

別当出合の手前の駐車場に到着。

駐車場は河原まで下ったところにあるので、

わずかな登りを嫌って、上部の県道の路肩に止めている人が多かったが

自分はちゃんと駐車場にイン。

ライトを消すと真っ暗です。

いそいそと翌日の準備をしたり、寝袋を出したりして、朝まで仮眠。

もっと冷えるかと思いましたが、着込んだおかげでよく眠れました。

5時を過ぎるとすでに出発をしようとしている人や、

麓から車で到着した人などで騒がしくなる。

自分も山に持っていくものと、車においていくものを仕分けしたり、

山上の寒さでバーナーが不能になった場合を考えて、

ここで先に湯を沸かしてサーモスに準備しておいたり。

そうこうしているうちに周囲も明るくなってきたので、

6:15にいよいよ山行スタート!


別当出合の駐車場を出発

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まずは駐車場から県道33号まで少し登ります。

そこから落石ゲートをまたいで、さらに10分ほど歩いていくと、

別当出合のターミナルに出ます。

ここで登山届を提出し、トイレを済ませて、いざ!

一番イージーなのは砂防新道コースで、

そちらへ行くにはまず吊橋を渡る必要があるのだが

冬場は踏板が外されて渡れなくなっています。

(無理に鉄骨を伝ってわたる輩がいるらしいが…)

ということで、この日は、

もう1つの定番コースである観光新道をピストンすることになります。

空を見上げると、前日の小雨はやんでいるものの、雲が舞っている感じ。

雲はおそらく早朝に出るだけで晴れそうだけど、山上は相当風が強そうです。

ここから見る別山のフォルムが鋭くて、本峰よりも気になる存在。


別当出合登山口。奥の橋は踏板が撤去され通行不可

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↓別山が気になる

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さて、吊橋の脇から山道に突入します。

前日の雨で地面はドロドロで、ツルツルに濡れた岩や木やすべりやすい。

最初は大きくジグザグを切っているので、

少し登っては平行移動、少し登っては平行移動だったが、

工事作業用の道をまたぐあたりから、一気に斜度が増し、

長々と急な石畳に息が上がる。

登っていくにつれて空も明るくなり、

別山の枯れたすそ野が少しずつ見渡せるようになってきました。

直登に近いようなしんどい区間もありながら、

1時間ほどで別当坂分岐に到着。


↓のっけから激坂が続きます

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↓少しずつ明るくなってきました

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市ノ瀬からの白山禅定道と合流

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ここからは稜線歩き。

まずは目の前にそびえる出っ張りへの急な登り。

ヒーヒーいいながらクリアすると

そこからは細かいアップダウンが続きます。

稜線の北側の斜面は陰になるので、

雪がちらちらとのこっています。

この辺りからペースを上げて

先発隊の人たちを次々とパスしていきます。

仙人窟をくぐると、

白山の本丸の山塊がどどーんと待ち構えていて圧倒されます。


↓ここからは稜線歩き

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↓朝日が顔を出す

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↓雪が混じりだします

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↓仙人窟をくぐる

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↓あの上が弥陀ケ原

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この観光新道は、左右ともに眺望がよく、

左手には白山釈迦岳が構え、右手には別山と、

崩落をし続ける谷の様子がよく見えます。

いくつかの出っ張りをこなし、一度大きく下るのですが

そこが結構雪がたまっている上に、凍り付いてツルツル滑る。

気をつけなきゃと思った瞬間にズルッ!

大きく尻もちをついてしまいました。

小さな鞍部から再び上りが発生、藪の間を抜けていくと、

ほどなくして殿ヶ池避難小屋に到着しました。

時刻は8:23。

ここでは前泊している人たちが結構いるみたいで

小屋の中はびっしり寝袋が敷かれている状態。

これから山頂に向かおうとしている人たちが

慌ただしく出入りしていました。

朝が冷え込んだので相当厚着をしていたのですが、

そのせいで全身ムレムレだったので、

何枚か脱ぎ気をしてこの後に備えたり、

トイレ休憩などで10分ほど滞在。


↓向かいに見える白山釈迦

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↓振り返って

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↓最高のお天気

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↓殿ヶ池避難小屋

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8:30をまわり、リスタート。

ここからは雪や凍結が目立つようになってきます。

アイゼンまではふようだが、ストック装備で行きます。

山も上部になってくるにつ入れて少しずつ風も強くなってきて

体感が寒い。

岩のむき出しの斜面となり、雪も目に見えて増えてきました。

展望の効いた斜面をえっちらと登り、

蛇塚と呼ばれる小さな窪地を抜けていくと、

別山方面の見事な眺望が迎えてくれました。


↓雪交じりの山

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↓馬のたて髪

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↓滑る!

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↓いよいよ本格的に雪が増えてきた

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↓蛇塚

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↓なかなかの絶景

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早朝はどんよりと雲がちだった空も、

朝日の勢いに後押しされて、素晴らしい青空を見せてくれています。

斜面を横切るようにして取り付けられた道は雪ですべりやすく、

うっかり足を滑らせて右側の斜面を転がり落ちれば大変なので

慎重に歩きます。

そうして砂防新道との合流地点である黒ボコ岩に到着したのが9:22。


↓黒ボコ岩

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黒ボコ岩の分岐を左に折れて少し歩いていくと…

すばらしい雪原が目の前に広がっていました。

ここは弥陀ケ原と呼ばれる一帯で、

麓からは見えなかった白山連峰の最高峰の御前峰がどーん。

なんだこの美しさは!

弥陀ケ原からはこれまでとは違って完全に雪山の世界へと突入します。

北からの風は一層強くなり、

吹き上げられた雪がサラサラと宙を舞っては輝きます。

それらが木々にあたり固まって樹氷があちらこちらにできていました。

他の登山客も一様にその美しさに見とれて、カメラを構えています。

中にはスキー板を抱えた人もいて、

おそらく初滑りを楽しみに来ているのでしょうね。

スキーをしないのでよくわかりませんが、

このくらいの積雪があれば滑れるんですね。


↓弥陀ケ原

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樹氷

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山スキーの人も続々

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弥陀ケ原は木道が整備されていてその上をコツコツと歩きます。

雪が積もっているところはいいのだが、

丸太がむき出しの所は凍結をしていてとにかく滑るので

雪のあるところを選んでずんずん進みます。

そのうち、雪原を抜け、再び急なのぼりへと進みます。

ここは雪が吹き溜っていて、ズボズボと膝くらいまで埋まり、

まだ十分雪が締まっていないので、一歩足を踏み出した途端に、

ずるっと滑り落ちる感じで、なかなか上がっていきません。

登山靴には雪がこびりつき足先が冷たい!

ストックをうまく支えに使って登るのだが、

ストックを抜く度に、折り畳み部分がポキンポキンと折れてしまって難儀。

もうストックもボロボロなので買い替え時かなあ…

15分ほど急登と格闘して、

ようやく前方に室堂ビジターセンターが見えてきました。

小屋は当然閉まっていて売店などもやっていません。

軒先で少し休憩です。


↓室堂到着

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室堂から見上げる御前峰は

まさに白山という名にふさわしいシルエットで、

雲一つない青空とのコントラストが本当に美しく、

ビシビシと冷たい風でこわばった顔も思わず笑みになってしまう。

ひゃほい!


↓青空とのコントラストが眩しいぜ

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しばしの休憩と補給を済ませたらいざ最高点である御前峰へ出発。

荷物をデポすることもできるのだが、一緒に背負っていきます。

山頂までは残り距離にして750m、標高差250mです。

まだそれほど登頂している先発隊はおらず、

わずかについたトレースを頼りに登ります。

室堂から上は、弥陀ケ原で見た雪原よりもさらに雪の量が増し、

しかも強烈な北風が、狂ったように左ほほに殴り掛かる始末で

体感がめちゃくちゃ寒い!!

序盤のブッシュを抜ける区間はまだよかったのだが、

そこから全くむき出しの山肌に突入すると、

もはや登山道らしきものはなくなって、真っ白な雪原。

遮るものが一切なく、暴れる風をモロに受けて前進もままならない。

それどころか、時折ブワ〜ッとトップが吹いて、

足元から吹き飛ばされそうなくらいの圧を受けて、

思わずストックにしがみついて構えなくてはならない。

足元はずぶずぶと柔らかい雪の中に沈んでいき、

右を引っこ抜いては左、

左を引っこ抜いては右を繰り返していく。


↓いざ山頂アタック

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↓白の世界

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↓青石

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↓高天ヶ原

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もう山頂が目の前になってくると、

一転して雪の付き方が穏やかになり、

石畳がむき出しになっているところも出てくる。

つまり、それだけ上部は風が強いということ。

40分ほど雪と風と格闘した末に、

標高2702m、白山連峰の最高点である御前峰に登頂です。

いや〜ラスト厳しかった@@@


↓御前峰登頂♪エビの尻尾がすごい!

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記念撮影の前にまずはお堂にお参り。

お堂はびっしり凍てついておりますが、

囲われているので風から身を守ってくれます。

そして最高点の碑の前で記念撮影。

同じころに到着された方と写真を取り合いっこしながらワイワイ。


↓凍てつく奥宮

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本当は余裕があればお鉢めぐりをしながら、

剣ヶ峰(2,677m)と大汝峰(2,684m)の方へも行ってみたかったが、

ご覧の通りの雪世界。

日帰りなので無理はご法度ということで、今回はパスしました。


↓剣ヶ峰と大汝峰

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何といっても最高に天気がよく、はるか遠く東には

天と地を隔てるように連なるアルプスがズラリ!

劔も立山も、槍も穂高も、乗鞍もオールスターが勢ぞろい!

スバラシイ!

面白いのはある一定の高さ以上は雪に覆われた冬の世界なのだが

それより下はまだこれから紅葉を迎えようとしていて、

はっきりと世界が異なるのがわかります。


アルプスが丸見え!

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↓室堂を見下ろす

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途中から腕時計が完全に馬鹿になり、

頼りにしていたiPHONEも室堂から寒さのせいで起動しなくなり、

時間がわからないので、近くにいた人に時間を聞くと

そろそろ11時になろうとしていました。

山頂は相当寒いのだが、360度どこ見てもウキウキしてしまって

気づけば20分も予定をオーバー。

名残惜しいですがそろそろ下山を開始します。

下山は楽チンで、なかば強引に突っ込んでいって滑っても、

雪だまりのクッションで止まるので、

ザックザックとテンポよく下ります。

途中から続々と、後続の人たちが苦しそうに登ってくるので、

エールを送りつつ、室堂まであっという間でした。


↓冬!

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↓びっしりエビの尻尾。というよりタラバのカニ身っぽい

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室堂で、少しばかりまとまった補給をすることにします。

陽の当たっているベンチに腰掛けて、カレーヌードルの支度。

朝に仕込んでいたサーモスのお湯はまだ熱々だったので、

雪上で余計な装備を広げることなく、あっという間に出来上がり。

しかし、ここで肝心の割りばしが入ってないことに気づく。

ガッデム!!どうしやう?

色々荷物を探っていると、未使用の歯ブラシが一本出てきました。

同じ口に入れるスティックだしこれでいいやと、代用。

山で食べるちょっと固めに仕上がったカレーヌードル

やっぱウマイやぁ〜♪


カップヌードルカレーでお昼

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お腹も満たされ、暖も取れたので体力が一気に回復

元気いっぱいで下山を開始します。

室堂から弥陀ケ原までも先ほどと同じようにズズズ〜っと滑り降ります。

お昼頃となり、お天道様もだいぶん強くなったせいで、

表面の雪が解けてきたようで、

朝のような真っ白さが少し損なわれて、

足元がサクッサクという感触からベチョベチョになってきました。

名残惜しく弥陀ケ原から振り返って白山にさようなら。


↓弥陀ケ原から振り返って

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↓今度は別山アタックだな

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弥陀ケ原をすぎ、黒ボコ岩を過ぎると、季節は一気に逆戻り。

朝登ってきたときにはびっしりとあった雪は

この辺では随分解けて、登山道がむき出しきなっています。

この辺りからどんどん下からの登山客とすれ違います。

中には欧米人のグループもいましたが、

なぜみな半袖半ズボン?

彼らは富士山でもアルプスでも、

びっくりするくらい薄着の人が多いけど、

さすがに室堂から上はその恰好では寒すぎると思うんだけど。

逆に自分は、真冬の山上対策であれこれびっしり着込んでいて

ここまで下ってくるととにかくムレムレで暑い!

殿ヶ池避難小屋に到着すると中には誰もいなかったので、

アンダーのタイツやら何やら全部とっぱらって着替え。

寒いのもつらいけど、暑いのも体力を奪う。


↓観光新道を下ります

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↓砂防新道方面

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着替えを済ませ、小屋を出発。

あとはトントントンと観光新道の稜線のアップダウンをこなし、

最後は急坂を下って

13:50に別当出合の登山口へ無事に下山しました。


↓無事に下山

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そこから駐車場までさらに歩いて、30分ほど準備と一服。

何気に標高差1500m、13kmを歩いてきたのでお疲れモードですが

今回はここから運転

夜間はほとんど交通量もなかったので、

ゆっくり走っていてもよかったけど、

昼間は交通量があるのであちこちに気を配って走らないと。

まずは市ノ瀬までの狭小区間

改めて昼間に見ると久しぶりのドライブにしてはハードな道でした。

白峰までの山肌は色とりどりの紅葉が見事。


↓帰ります

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↓道中の山は紅葉

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R157は意外と交通量があり、しかも谷トンネルまでは登りで

ヴィッツの馬力ではベタ踏みでもペースが上がらない。

幸い後ろからはほとんど車が来なくてよかった。

勝山に入って、ルートを思案。

この時間帯からだと福井市内のR8バイパスはきっとモロ混み。

なので、できるだけR8を使いたくないので、

越前大野から回ってR158で福井を目指します。

どこか寄って行ってもよかったのだけど、

その余裕もなくとにかく安全運転に集中するのが精いっぱいで

福井に直行してしまいました。

やはりブランクは大きいなあ。

無事に車を返却できたのが16:30。

そこから歩いて福井駅に到着が17:00。

まずは帰りの特急の手配をしてから、腹ごしらえで駅そば

福井駅駅そばはツユが旨くてお気に入りです。

あとは30分ほど時間があったので、

駅ビルのみやげ物屋さんであれこれ物色。

17:44の特急サンダーバードに乗り込み、帰阪が19:34でした。


駅そば

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↓またね♪

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ということで、高所登山はおそらく今回がオーラス。

あとは年末まで六甲を中心にパトロールかな。

今年は一般的に天候不順で、毎週末天気が読み辛かったですが

奇跡的にほとんど雨に降られることもなく、

幸せなシーズンでございました。

2016-11-13

スノーホワイト 白山

この週末は、前ノリ日帰りで白山へ行ってまいりました。

ビギナー向けのお山として

老若男女に親しまれる北陸きっての名峰ですが

実はこの山塊は初めて。

やはり初の白山は、その名の通り

山がホワイトな時にこそと思っていたので

別当出合までの道が道路封鎖解除されている

夏季と冬季のわずかな合間を狙って突撃。


ルートは定番の砂防新道は登山口にある

橋の踏板が撤去されているので

観光新道のピストン

何気に登山口からの標高差1500mあって、

真砂坂から少しずつ雪が登場し、

弥陀ヶ原より上は完全雪山。

紅葉を一気すっ飛ばして、いきなりの冬シーズン突入。

室堂からは狂ったように殴りつける風に難儀しましたが

無事に日帰りでクリアできました。

まだアイゼンなどの雪山装備はなくても大丈夫でしたが、

登山靴はビシッと凍り付き、

室堂より上部ではなんども雪に膝までズボズボ。


白山登頂

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とにかく最高のお天気に恵まれ、

山頂からは白いお化粧をしたアルプス

北端から南端までずらり!

はるか南にはうっすらと伊吹山まで見えた!

11月の中旬に標高2700mにいられる幸せを十分堪能できました。


↓快晴!

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↓まさに”白”山

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↓びっしり

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あと、登山口である別当出合までは、

福井からレンタカーを借りたのだが、

車の運転は実に2年ぶり。

しかも夜中に、雨上がりで、土地勘のない場所で

市ノ瀬からは狭く曲がりくねった山道だったので

ドッキドキでした。

やっぱりたまには運転しないと感覚が鈍る。


↓山行ルート

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<山行スケジュール>

06:15別当出合駐車場⇒06:25別当出合⇒07:20別当坂分岐⇒

08:23殿ヶ池避難小屋08:35⇒09:22黒ボコ岩⇒

09:46白山室堂09:55⇒10:35白山10:55⇒11:15白山室堂11:35⇒

11:50黒ボコ岩⇒13:00別当坂分岐⇒13:50別当出合

2016-10-25

『君の名は』聖地巡礼

笠ヶ岳を後にし、10:55の濃飛バスアルプスを離脱。

本当はもっと山に留まりたかったのだけど、

今回はもう1つミッションがあり、次の仕事の素材集めとして

君の名は』の聖地巡礼スポットである飛騨古川へ向かいます。

JR高山線は本数がきわめて少なく、高山BSでバスを乗り換えるのだが、

乗り換え時間が5分しかなく、それを逃すと1時間待たされるので忙しい。

大きなトランクを持ち込んだお客でバスは満載で、

下車に手間取っているうちに、

古川行きのバスが行ってしまう危険性が大いにあったので

機転を利かせて1つ前の国分寺でバスを降りてダッシュし、

どうにか接続に間に合いました。


神岡行きのバスに揺られること40分で飛騨古川駅に到着。

時刻は14:20。

まずは帰りの電車の手配をしておかないと、

特急ひだはめちゃ混み必至。

ということでみどりの窓口へ。

すると、東海道本線木曽川駅付近で事故があり、

そのせいでダイアが乱れていて、

特急ひだは、名古屋まではいかず岐阜止まりか、

車両によって大阪行きしかないとのこと。

とりあえず岐阜まで出れば、名鉄もあるし、どうにかなる。

特急自体が運行するというのを確認して15:35の特急の指定を取る。


飛騨古川駅

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わずか1時間しか滞在できないので

君の名は』の聖地巡礼スポットを一斉取材を早速スタート。

まずは駅前にスポットが集中しているので、そこをささっと。

まずは駅構内にある「ひだくろ」の顔出し看板。

劇中では、看板ではなく着ぐるみでしたが、

主人公たちがはしゃいでいるシーンがありました。


飛騨古川駅構内 ひだくろの看板

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続いて、主人公がヒロインの住む糸守町について

情報収集していた駅前。

そこにタクシーが出てくるのですが、

ちょうど実在する「宮川タクシー」が停まっていました。


飛騨古川駅前 宮川タクシー

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そして、この聖地巡礼の最も象徴的なスポットとして

メディアでも取り上げられている、飛騨古川駅の陸橋からの眺め。

ここはファンの人の人だかりがすごく、

同じショットを撮れるのが1つの窓しかないので、

非常に混雑しています。

ちなみに、これは駅構内の陸橋ではなく、

駅を出たところにある自由通路からの眺めでした。

劇中ではちょうど電車が停車していましたが、

そのタイミングを待っていると時間が惜しいので待ちませんでしたが、

街の方が到着時刻の案内を張り出していたり、

地元では比較的このブームを好意的に受け取っているようです。


飛騨古川の陸橋

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↓陸橋は大賑わい

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↓こんな案内も

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続いては、駅から少し歩いたところにある

飛騨市図書館へ。

ここは、糸守町について主人公たちが調べ物をするシーンで登場します。

本来であれば、公共施設内は撮影禁止のはずですが、

ブームへの理解があって、

受付で申し出たうえで、

通常の利用者に迷惑がかからないように十分配慮すれば撮影OK。

しかもじゃんじゃんSNS等で拡散を希望されていて、

非常に好意的です。

しかも『君の名は』コーナーまで設けられ、

全国各地からたくさんの人が訪れているのがよくわかります。


飛騨市図書館

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↓ウェルカムモード

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↓きれいな館内

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↓特設コーナー

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↓こちらも大賑わい

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続いては、駅と反対側の山のふもとまでダッシュして、

気比若宮神社へ。

ここも主人公たちがヒントを探しているシーンで登場します。

幅広の石畳の階段と、中央の鉄柵が特徴的ですね。

ここにもたくさんのファンがいて、

写真をバシバシ撮っておりました。


↓気比若宮神社

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駆け足でしたが古川駅周辺の巡礼スポットを無事撮り終えたので

お昼ご飯に蕎麦屋に入り、ささっと済ませたら、

もう電車の時間となりました。


飛騨牛冷やしそば

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それにしても正直言ってこんなのどかで静かな山間の小さな町に、

全く不釣合いとしか言いようがない若い人たちが

わらわらと街を歩いていて、ブームの大きさがよくわかります。

この聖地巡礼というのも、ある意味、

形を変えたポケモンGOみたいなものだなと感じます。

正直、自分はあんまし思い入れのある作品でもなくて

(娘と一緒に映画館に観に行ったという意味では思い入れはありますが)

実際、作品の出来も、別にOVAとかわらないようなものだと思うのですが。

嫌いでもないし、それなりにいい作品だと思いますが、

ついこの間地上波でやっていた、ルパンVS複製人間のように、

画は雑でも、奇想天外な物語やキャラクターの個性に

ぐいぐい引き込まれるような名作を見て育ってきた身としては、

ここまで本当に騒ぐものなのかなあという印象が強い。


しかしこれを巻き起こしている現象を考察することは面白いと感じます。

これはきっと、ゆとり世代特有の”ユルい連帯”が

生じさせている現代的な現象なのだと思います。

(ここでいう”ゆとり”とは、いわゆる10〜20代の若者のことではなく、

彼らをゆとりにさせ、彼らのゆとりを許してきた親の世代もまた

所詮ゆとりであるという意味で、

大人になりきれない大人のことを指しています)

つまり、常に誰かと繋がっていたい、世界と繋がっていたいという

一種強迫観念的な深層心理にせつかされながら、

かといってわずらわしいような深い関係性は拒絶する

引きこもり体質という、

二律背反的でわがまま勝手な状況を実現するために、

リアルではなく二次元的あるいは疑似世界の中に逃げ込み、

匿名性という心地よいベールに護られながら、

それを現実として生きていく”ゆとり”の人たちが、

自分たちの正当性を担保するために生み出す”ユルい連帯”。

それは、フェイスブックtwitterLINEやインスタなど

次々形態を変えて登場するSNSの普及や、

猫も杓子ものポケモンGO

毎年次々と生み出されては消えてゆく一発屋芸人のギャグ、

毎年次々と生み出されては消えてゆく、新グルメやスイーツの数々、

メディアで垂れ流される下世話なネタに噛みついて一斉に制裁を加える現象

ここ数年急増したニワカカープファンや、

ただどんちきコスプレをして騒ぐだけのハロウィンの盛り上がり、

あるいは選挙ごとに右へ左へと大きく揺り動かされるムーブメントetc、

すべて同じメカニズムで生じている現象なのだと思います。

自らが何かを創造して道筋をつけていくというのではなく、

余計な労力をかけず大きなムーブメントに心地よく乗っかって

世間との間合いを図ることが大事で、

その現象の一つとして現れたのが、

この『君の名は』ブームなのだと思いますね。

つまり、この作品の良し悪し云々ではなく、

話題になっているということ自体が重要であって、

その流れに乗っかることが、あるいは乗っかれている自分こそが大事、

ということなんでしょう。

この作り手はそのメカニズムや時代的な深層心理を

非常にうまく利用しているという点で

ビジネス的な観点から非常に優秀だと思います。

でもクリエイティブな観点から言えば、

それは結局没個性を助長するにすぎないし、

人を煽動できさえすれ、中身は何もない。

物事の本質を語ることなく、表層の流れにただ身を任せ、

一過性の面白さに満足して、

賞味期限が過ぎると使い捨てをしているうちに、

いつしか己を見失う。

日本は一億総モラトリアムな時代に

突入しているのではないだろうかと危惧してしまいます。


さて、予定通りの時刻となり、高山行きの各停で出発。

20分ほどで高山駅へたどり着くと、

改札前が異常な人だかりでかなりざわついている。

何事かと駅員に聞いてみると、

先ほど古川駅で聞いていた事故の影響が、

予想以上に深刻で、

本来自分が乗るはずだった

特急の車両が事故に遭っていたようで、

しかもその事故で車体が破損してしまったために、

高山まで来て折り返すことができなくなったので

最低でも2時間以上の遅れが発生するとのこと。

そのため1時間後の特急への振り替えのために

みな窓口へ並んでいるのですが、

1つしかないので、長蛇の列と化してしまっていました。


特急の運休で大混乱@@@

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これでは1時間後の特急はもはや絶対に座れないし、

その次の特急はいつになるか目途さえついていないという状況で

帰れない可能性が非常に高くなってきました。

2時間以上待つならそれはそれで、

高山散策でもしてみようかとも思いましたが、

重い荷物をかかえているし、山行と突貫取材で疲れ切っているし、

歩き回れる体力がない。

何よりこういうトラブルの状況は早くに脱するに越したことはない。

何か策はないかと考えた結果、思い浮かんで、濃飛バスターミナルへ。

すると、10分後に、特急岐阜行きのバスがあるではないか!

ただし予約制だったので、受付のお姉さんに聞いてみると、

あと3席まだ空いていますとのこと。

さっそく手配しようと思ったが、その前に、

手元にあるこの特急券を払い戻ししないといけない。

間に合うか!?

とりあえずお姉さんに1席仮押さえをしてもらって、

すぐさまJRの改札へ舞い戻る。

みどりの窓口では到底間に合わないので、

改札の駅員室に話をして即座に払い戻しをしてもらい、

取って返して、バスの窓口へ行って手配完了!

ふぃ〜、バタつくぜ。


高速バスに間一髪切り替え

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こうして16:10発の岐阜行きの特急バスに無事乗り込みました。

この日は朝から、何本もきわどいバスの接続を繰り返して、

もうヘロヘロ@@@

太川さんと蛭子さんがいかに大変か、身に染みてよくわかりました。

2時間ほどバスに寄られて18時ごろに岐阜駅に到着。

するとまだ、ダイヤが乱れていました。

ここでようやく遅延の原因の詳しい情報が得られたのですが、

どうも事故が発生したのは朝の9時台のことだったらしく、

それが今この時間まで回復していないとは、国鉄さんしっかりしてよ!

岐阜駅から、10時台の表示の快速大垣まで行き、

2分しかない乗り換えで鉄橋をダッシュして米原行に乗り換え。

米原駅までたどり着けばそこはもう西日本の管轄。

新快速で帰ることもできたのですが、

もう色々ありすぎて疲労困憊だったので、

ちょっと贅沢に新幹線こだまに乗り換えて帰阪しました。

2016-10-24

さよなら笠ヶ岳 下山も地獄

前日の激闘と、たらふく食べた晩御飯のおかげもあって、

ぐっすり快眠。

5時ごろに目覚ましで目覚め、朝焼け撮影の準備。

といっても撮影は小屋前なので、楽ちん。

まずまずの冷え込みなのでしっかり防寒をして外へ出ると、

すでに東の空がうっすらと明るんできていました。

この日の日の出時刻は6時ですが、

なんといっても目の前に日本で一番高い山脈が横たわっているので

もう少しかかりそうです。

南側の方に目を転じると、

焼岳、乗鞍岳御嶽山がこの日も仲良く並び、

その奥には様々な山が水墨画のように濃淡を帯びて連なっています。

アルプスもしっかりと見えており、

甲斐駒の脇に富士山が静かに佇んでおります。

なんとも穏やかなアルプスの朝です。


↓淡く空が明けます

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↓目覚める槍

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↓東南の山並み

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↓甲斐駒に寄りそう富士山

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そこそこ冷え込んではいるのだが、

驚くほど風がなく、凪いでいて、静か。

少しずつ穂高連峰のフチがオレンジ色に染まりだし、

谷間からこぼれた光で、

こちら側の山も明るく照らされてきました。

そうして徐々に、太陽が姿を現しました。

思った以上に南側、ちょうど北穂の南陵あたりから

ジワジワと光がこぼれ、

影絵のごとくくっきりと穂高連峰が縁どられていきます。

そうして、朝は一気にやってきて、

あっという間に昼間になりました。


↓明るくなってきました

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↓日の出

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↓北穂南陵から朝日

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↓出ました

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朝焼けショーを見届けたら、朝ごはん。

6時をちょっとすぎてしまいましたが、

今期日本アルプス最終日だし、この陽気なので、

あわてずゆっくり山を味わってもよいではないですか。

何人かの人はここからクリヤ谷方面へ下山をされることで、

興味をそそられましたが、比較的長いうえに、難儀な道らしい。

同じ道を戻るのもなあとは思いつつも、

この後、実は別用があるのと、やはりバスのことを考えると、

始発の新穂高で乗っておかないと、

途中の中尾温泉からでは座れない可能性が高いので、

やはり昨日登ってきた笠新道を下ることにしました。


↓朝食

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朝食を終え、トイレを済ませたら、部屋に戻って荷造り。

小屋の人にお礼を言って7時前にいよいよ小屋立ちします。

スッキリとした青空の下、

伸び伸びとしている笠ヶ岳に見守られながら石畳を下っていきます。

足元をよく見ると、方々で霜柱が立っていて、

やはり夜中は冷え込んだようでした。

テン場の脇の石の「サヨナラ」に、

ぽっかりと寂しい気持ちを抱きつつ、

後ろ髪をひかれながら下山の途につくのでした。


↓小屋発ち

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↓スッキリとした笠

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霜柱

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↓サヨナラ

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風はとても穏やかで、

むしろ勢いを増して照りつける日差しで熱くなって、

レインウェアを脱ぎます。

抜戸岩を抜けて、抜戸岳にたどりつきます。

何度も何度も笠ヶ岳をふりかえり、黒部源流の山々を見つめ、

目に焼き付けます。

ああ、また来年かあ。


↓笠が遠くなってゆく

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↓何度も振り返る

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↓抜戸岳への稜線

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↓抜戸岩

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さてさて、杓子平まで一気に駆け下ります。

登りあれだけ大変だったこの坂も、

下りはピョンピョンと快調快調。

眺望が開けているので開放感も抜群で、

気持ちよく杓子平まで下ってきました。

この先で乗越っこせば、この風景ともお別れなので

ベンチから雄大な笠ヶ岳をしばし眺める。

いい山だったなあ。


↓杓子平への下り

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↓杓子平から稜線を見上げる

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↓さらば笠ヶ岳

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この先は、笠新道の真骨頂。

昨日右へ左へ、苦労した文字通りの九十九折れを下っていきます。

かなりいいペースで下っているはずなのに、

目の前の風景に一向に変化なく、全然高度が下がらない!

登りも厳しければ、下りもまた同じ!

中間地点からは眺望もなくなり、

下りの衝撃で痛み出した足と格闘しながら、

黙々とストイックに下山。

笠新道の取り付きについたのが9:45だったので、

杓子平から約1時間30分の格闘でしたが、

もっともっと長く下っていたように感じるくらい長かった!

思っていたバスよりも1本早い便まで、十分時間があったので

林道はペースを落とし、足を休めつつ、

新穂高に戻ってきたのが10:30でした。


新穂高に無事下山

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トイレで、汗びっちょりのウェアを着替えて、

軽くみやげを物色しているうちにバスの時間となり、

10:55出発で、アルプスを離脱しました。

おそらく今期の本格遠征のお山はこれで最後でしたが、

オーラスを、お天気にも恵まれ、

素晴らしい山行で締めくくることができました。

2016-10-22

憧れの笠ヶ岳、地獄の笠新道

木曜日。

早めに仕事を切り上げ、荷物のピックアップに急いで帰宅。

わずかの間に家族の顔を拝んでから出動。

最近は高い駅弁ではなく、

えきマルシェ新大阪内にある

エスニック料理やさんのお弁当が気に入っていて、

それを購入して、お決まりの18:40のひかり480号に乗り込む。

19:33に名古屋着。

いつものごとく、特急しなのに乗り間違えそうになりながら、

シートが反対向きになった特急ひだに乗る。

高山に到着したのが22:15。


高山

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いつもと様子が違うなあと思ったら、

新駅舎がいよいよ運用されていました。

気になって少し見てみましたが、

なんとこれだけ大きなターミナルなのに、

券売機は1つのみ!

朝晩の通勤・通学時間は定期券利用者ばかりだろうし、

それ以外の時間帯では、特急が1時間に1本発着する程度なので、

1つあれば用足りるのだろうけど、

反対側の松本駅に比べると、高山駅は寂しすぎるなあ。

しかもこれが帰路に実際に問題になるとは

この時は思ってもみませんでした。


↓新駅舎

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アルプス最終戦だし、ひさびさの山行なので、

あまり無理なく行きたかったので

前ノリは駅前のビジホでゆっくり。

まあ、無理しようにも

高山にはネカフェも何もないのだけど。


↓ビジホ泊

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金曜日。

6時に起床し、コンビニで水分と食料を買い込んで、

7時初発の新穂高行きの濃飛バスに乗り込む。

流石に平日なので、乗客はまばらでしたが、

何人かの登山客はいました。

天気がすこぶる良く、これは絶好の山日和。

2時間弱で、新穂高ロープウェイの所に到着。

そこから少しだけ下って、

新穂高登山センターで登山届を提出。

ちなみに岐阜県は提出義務があります。

9時を少し過ぎて、いよいよ山行スタートします。

見上げると、すでに今回のゴールである笠ヶ岳

くっきりはっきり見えています。

すぐ目と鼻の先に感じますが、

あそこまでは地獄の登りが待ち受けているのです。


新穂高

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↓すでにゴールが見えてます!

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工事車両用の林道をしばらく歩いていくと、

双六・笠方面の登山口に出ます。

そこから整備された砂利道をひたすら進みます。

途中、お助け穴という風洞があったりしますが、

基本的には単調な林道歩き。

40分ほどで、笠新道の取り付きに到着。

ここからいよいよ本気の登山がスタートします。

朝は肌寒かったので、着込んでいたものを脱いで、

ドリンクをで補給をしたらいざスタート。


登山口

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↓笠新道の取り付き

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林道から茂みに分け入っていくようにして、

笠新道を進みます。

鬱蒼とした緑の間を右へ左へと行ったり来たり、

大きくジグザグを切りながら

少しずつ高度を上げていきます。

この横方向の移動が長いので、

斜度はそれほどきつくは感じないのですが

その分距離が延びるし、

なかなか高度を稼ぐことができません。

道自体は、予想していたよりずっと整備されて歩きやすく、

難所というような難所もなく、淡々と進んでいきます。


↓単調な道が続く

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300mほど上がって、1700m付近から、

木々の間からわずかに眺望があり、

対岸にそびえる穂高の山並みが覗きます。

そしてさらにもう一段上がったところからは、

槍ヶ岳の突先がくっきりはっきり。

そしてさらにワイドに見渡すことのできる穂高連峰

元気をもらいます。


↓1700m地点

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↓ようやくの眺望

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↓1800m地点

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↓槍!

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穂高連峰

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ほぼ11時ジャストに杓子平との中間地点の1920mに到達。

笠新道の取り付きから1時間ですが、

すでに結構歩いたように見えて、

まだ500mほどしか高度があがっておらず、

しかも全長の1/3までしか達していないのですが、

結構ここまででもバテバテ。

この日は天候が穏やかで、空気も涼しいですが、

これがシーズン真っ只中の夏場だったら、

もっとバテバテになっているでしょう。


↓1920m地点。ようやく杓子平までの折り返し

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↓左俣谷が見える

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折り返しを過ぎると深い森を抜け、

眺望がさらに良くなります。

見上げると、切り立った岩場がすぐ目の前にあり、

あそこまでもう手が届きそうに感じますが、

ここからがえらく長く大変でした。

森を抜けたことで眺望はさらに効いて、

それがせめてもの救いでした。


↓少しずつ植生が変わってきた

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↓アッパレ!

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↓槍ズーム

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ひたすら、右へずーっと進んでは折れ、

左へずーっと進んでは折れ、

何度斜面を往復したか、

もはや、わからなくなってきました。

2100m地点、2200m地点と過ぎていくと、

徐々に岩がゴロゴロとした地点へと差し掛かります。


↓杓子平はまだか!

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↓2100m地点

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↓2200m地点

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ゴロゴロとした岩の沢をまたぎ、脇をよじ登っていきながら、

背丈の低い草原を伝っていくとようやく、空が間近に見え、

草のトンネルを分け入っていくと、

ようやく杓子平に出ました。

長かった〜。


↓傾斜が急になってきた

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↓トレイルを振り返って。新穂高、すぐそこに見える…

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しかし、ここで、驚きとショックのダブルパンチ。

ここから見えたのは、笠ヶ岳を起点として、

抜戸岳をぐるりと取り囲む雄大なカールと、

稜線まで続く、壁のようにそそりたつ山肌だったのです。

つまりここは稜線ではなく、

その手前に前衛として立ちはだかっていた

山のてっぺんに過ぎず、

あれだけしんどかった登りが、

まだほんの序の口でしかなかったことを

まざまざと思い知らされるのです。

一方で、一つ大きな壁を取っ払った状態で、

目の前に見る笠ヶ岳の大きさと美しさに

思わず見とれてしまうというのも正直なところ。

周囲の名だたる山々から外れたところにあり、

一見して地味な印象でしかなかった笠ヶ岳の、

隠れた本当の姿を発見したような嬉しさ。


↓杓子平から仰ぐ笠ヶ岳

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↓抜戸岳への登り

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杓子平にこしらえられた小さな木のベンチで初めてまとまった休憩。

実はこの日、胃腸の調子がすこぶる悪く、

朝ごはんも食べずにここまで登ってきて、

腹に力が入らず相当苦労していたのですが、

さすがにここまで来ると

ハンガーノックのような症状がではじめていました。

そこで何か食べようと思ったのですが、

やはり食欲がわかず、これではいかんと、

マーブルチョコレートを1本、

ががががが〜っと流し込んでコーラをグビグビ。

10分ほど休憩をして13時にリスタート。

いよいよ稜線を目指します。


↓急斜面を詰めます

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まずは雄大なカールを右カーブでなぞるようにして歩き、

抜戸岳へとほぼ直登するような形で登りがスタートします。

草ボーボーの草原の間を、幾筋もの岩の沢が伝っており、

そこをジグザグと進んでいくのですが、

杓子平から眺めていた通り、

登り詰めるほどに斜度は厳しくなっていきます。

この辺りになると、

早朝に新穂高を断ったであろう登山客さんに追いつき、

お互いに励ましあいながらパスしていきます。


↓振り返っての絶景!

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↓稜線はまだ先

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登り詰めるほどに手を使う場面も増えて、息も上がります。

いったん窪みのようなところに出ると、

そこから道は穏やかに天へと続き、

導かれるように上がっていくと

ようやく稜線に出ることができました。

時刻は14時。


↓あと一息!

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↓ようやく稜線にでました

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ここで少し休憩したら、少しだけ寄り道。

荷物をデポして、向かう方向とは逆側へ少し進んで、

抜戸岳のピークへ。

稜線から見る槍・穂高は本当に贅沢すぎる絶景でした。

そして稜線まで出ると、

今まで見えていなかった北西の眺望までがお出迎え。

この稜線の先には、平べったい双六岳があり、

その奥に三俣蓮華岳。

鷲羽岳はここからは恥ずかしそうにちょこんと先が見えるだけ。

さらにその奥には黒部源流の山々、つまり、

黒部五郎岳や薬師岳、水晶岳といった面々があり、

その真ん中に、穏やかそうな雲ノ平の大地が

どしんと横たわっているのが見えるのでした。


↓抜戸岳

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↓秋空に映える槍・穂高

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↓黒部源流方面の山並み

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↓黒部五郎岳

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↓双六小屋の奥に野口五郎岳

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この日は本当に穏やかそのもので、

風も撫でるような優しさで、

日差しも心地よく、

空めく秋の雲が泳ぐ様と、

それに身を任せるかのように

優しい表情の槍・穂高の山並みが素晴らしすぎて、

いつまでも留まっていたい気分になり、

なかなかリスタートが切れませんでした。


↓何度見ても見惚れてしまう

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↓ふたたび槍ズーム

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いつまでも飽きることなくここにいられるけれど、

そうも言っていられないので、

ようやく腰を上げて笠ヶ岳を目指して歩き出します。

ここから見る笠ヶ岳と、なだらかに続く稜線は

まだまだ果てしない感じですが、

それでもここまでの激闘に比べればイージーに違いない。

何よりこれほど贅沢な景色を眺めながらの稜線歩き!

ワクワクしないはずがない。


↓いざ笠ヶ岳

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周囲の絶景を愛でながら、稜線歩き。

左手には先ほど上がってきた杓子平のカール越しに

穂高連峰

そして眼下には、朝出発した新穂高が見えます。

途中、抜戸岩と呼ばれる岩の間を抜けます。

さすがに稜線まで来ると、

アップダウンも緩やかになり足取りも軽快に。


↓杓子平ごしの穂高連峰

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↓すぐそこにみえる新穂高だが…

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↓名物の抜戸岩

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↓黒部源流の山々、最奥に立山

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↓小屋までもうすぐ!

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テン場まで来ると、あとは小屋までのひと登り。

ここからはゴローゴローとした岩の間を、

マーカーに従って詰めていきます。

ところどころにガンバレの文字があったりうれしいですね。

そうして15時を少し過ぎたところで、

本日の宿泊地、笠ヶ岳山荘に到着しました。

約6時間の山行でした。

おつかれ!


↓ゴロー場を詰める

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↓応援がうれしい

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笠ヶ岳山荘

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早速、宿泊の受付。

小屋は比較的こじんまりしていて

50人入ればいっぱいという規模。

小屋閉め前日ということでまずまず宿泊客が多いようだったが、

どうにか1人一枚の布団を確保できました。

(ちなみに小屋閉め最終日は2人で1枚とのこと)

もっと早めに到着していれば、

部屋の窓から槍穂高の臨める部屋もありましたが

9時新穂高着のバス便で山行スタートするのは

オーラス組だったようで反対側のお部屋でした。


↓さっそく受付

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↓本日の寝床

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↓小屋前は絶好のパノラマビュー

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すでに山上は肌寒く、すぐに汗だくの服を着替えし、

乾燥室に衣類を放り込む。

もろもろ後片付けをしたら、さっそく山頂へ向かいます。

小屋の脇から、すうっと天へ続く道を10分ほどたどって

標高2897m、百名山の笠ヶ岳に無事登頂。


↓いざ山頂へ

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↓すばらしいロケーション

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さすがに山頂は風が強く肌寒い。

レインウェアを被って、絶景を堪能する。

今朝から出ずっぱりの槍・穂高連峰は全く見飽きることがなく、

本当に贅沢。

振り返ってみると、北側にぽっかりと弓なりに黒い塊があり、

よくよく見てみると、なんと富山湾。

そしてそのはるか奥に並ぶ山並みは能登半島!

まさか海まで見れるとは思ってもみなかったので、大感動。

しかし、不思議なことに、

ほかの人は誰も海が見えているということに

全く気づいておらず、

ひたすら目の前の槍・穂高の姿にかじりついているようでした。

自分の場合は栂海新道でひたすら海を目指したというのがあって

深い山の中でも常に海が見えないかと探してしまいます。


笠ヶ岳登頂♪

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↓三俣蓮華方面

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↓北穂

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↓左・涸沢岳、右・奥穂、ジャンダルムはここからは尖がり

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↓甲斐駒の奥にうっすら富士山

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30分ほど山頂での景色を楽しんだのち小屋に帰着。

しばし寝床で暖を取ったら、夕食の時間までの間、

夕焼けショーを堪能。

白山に沈む夕日、オレンジに染まる穂高連峰

ぽっかりと浮かび上がる月。

もう言葉は必要ありませんね。


↓小屋前から

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↓撮影タイム

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↓夕暮れに焼ける穂高連峰

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↓美しい

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↓朱槍

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↓絵画のよう

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白山に沈む夕焼け

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↓今日よさらば

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17:45から待ちに待った夕食。

この日はマーブルチョコだけでしのいできたので

さすがに食欲復活。

おひつお代わりをして、

ほぼ1人で丸ごと白飯をいただきました。

一緒のテーブルになった人と食後も歓談。

途中抜けだして、夜景撮影。

この日は三脚を忘れたのと、

月が明るすぎて星空は今一つでしたが、

富山平野の街の灯りはばっちり。


↓夕食

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↓眠る穂高

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↓富山の灯

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↓星空

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ということで、笠新道はうわさにたがわぬ急登でしたが

その後のご褒美の贅沢さを十分に満喫した一日でした。

2日目に続く。