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記憶の残滓 by arkibito

2017-03-24

渥美トレイル 弾丸縦走

愛知県のカニの爪のひとつ渥美半島には

背骨のように山がポコポコと連なっていて、

それを繋いだ手軽なトレイルがいくつかあるようでした。

せっかくなら最高峰を通るルートを歩こうと思って

雨乞山から最高峰の大山をつなぐ

渥美トレイルを歩いてみることにします。


予定通りのバスに乗り込み、30分ほど走って、

石神バス停に到着したのが12:03。

ここから半島を縦断する形でトレイルを歩き、

南側の海岸線にある越戸バス停まで。

バスの時間が15:09か17:09の2択しかなく、

大阪までの帰りを考えると当然前者を狙っていくしかない。

となると逆算するとほぼ3時間で完歩する必要がある。

初めての山塊なので距離感がイマイチわからないのだが、

あまり悠長に歩くことはできないだろう。

でも、トップでもせいぜい330mだし、

まあこないだの愛宕山ほど地獄でもないはず。

序盤にできるだけ頑張って、後半に余裕を持たせるため

スタートから巻きで参ります。


↓石神バス停

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まずはバス停から国道をまたぎ、石神の集落へ。

一応、ポイントに雨乞山への案内があるのでそれにしたがって

のどかな村落を抜けていきます。

すでに右側には雨乞山が見えていて、

ずーっと直線の道を歩いていくと、

貯水池の所で案内があり、そこを曲がります。

そして池の脇から舗装が解けて、トレイルがスタートします。


↓集落内を標識に沿って

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↓雨乞山がみえてきました

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貯水池横からトレイルスタート

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いざ山道へと勢い勇んで舗装を外れた途端、

目の前に衝撃的な光景が!

なにこの激坂!!

ほぼ垂直に感じられるようなガレガレの道が、

はるか上部まで連なっているではありませんか!?

いや、これがずっと続くようなら絶対ヤヴァイでしょ。

いきなりのカウンターパンチに目がくらみますが、

行くっきゃない。

取り付いて、手も思いっきり使いながらよじ登るような感じ。

でもガレッガレなので、足元が滑る滑る。

ずり落ちないようにして、

必死のパッチで体を押し上げていきます。

すぐさま全身から大汗が吹き出ますが、

立ち止まるとずり落ちそうなくらいなので

斜度が安定するまでは体を動かし続けてとにかく登る。

ようやく上部の人工物のあるところでわずかな平地があり、

早くも一服。

いやあ、無茶なトレイルのつけ方をします。

これ、下る方はもっと怖いと思う。


↓写真では平坦に見えますが、真垂直に感じるくらいの激坂

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↓とりあえずここで激坂緩む

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そこからは、常識の範囲での急坂に変わりますが、

のっけからこのハードトレイルは予想してなかった。

徐々に斜度は落ち着いて、ブッシュの間を進んでいきます。

高度的にはロケットスタートのように一気に上げてきたので

すぐ目の前に雨乞山が現れ、

振り返れば、眺望も一気に開けてきました。


ブッシュの間を進む

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↓雨乞山の山頂が見えてきた。後ろには三河湾がちらり

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↓10分ら足らずでこれだけ上がってきました

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そこからも、決して安易な道ではなく、

岩礁を越えていくような個所を何度もこなしていきます。

ただ、特段滑落など危険を感じるような場面はありません。

高度を上げるにつれ、麓の集落だけではなく、

三河湾とその向こうにある蒲郡一帯まで望むことができます。

すぐ目の前が海だとなかなか眺めがよくて気持ちがよい。


↓岩場もあり面白い

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↓なかなかの見晴らし

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さらに上がっていくと、今度は南側の眺望も開けてきます。

見渡すと、これから進んでいく山並みが見え、

その一番先に、電波塔が目印となった山。

あれが、最終目的地であり、今回の最高峰となる大山

こう見ると、結構な距離がある上に、

アップダウンが相当ありそう。

時間的な縛りがあるうえに、

しょっぱなの激坂に面食らっているので、焦ります。


↓はるか遠くに最終目的地の大山電波塔

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そこからも岩場は続いていきます。

なかなかどうして野趣に富んだ面白い道です。

しばらくして平坦なところに出ました。

くちなし台という標識があります。

個々も南の眺望が開けていて、

右手に物見山、奥に大山が見えます。


↓岩も登ります

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↓くちなし台

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↓左のピークが大山、右のピークが物見山

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そこから、ようやく穏やかになったトレイルを進んでいくと、

前方に雨乞神社の標識。

本線を少し外れて、右の枝道へと進んでいくと、

大岩をくり抜いた洞に小さなお堂がありました。

”雨乞”というだけに、

この辺りは干ばつがひどかったのかもしれませんね。

せっかくなのでお賽銭を入れてお参り。


↓雨乞神社

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↓お参り

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すぐに本線へと戻り、トップを目指します。

ここからもなかなかの岩場が連続していきます。

登山口からはわずかに30分ですが、

すでに高いところまで来てます。

えいほえいほと登りきって標高233mの雨乞山に到着。


↓なかなかの岩場

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↓登り切るとさらに眺望が良くなってくる

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なかなかの見晴らしで開放感があります。

眼下に広がる福江の町並みの先に、

三河湾の一番狭まる湾の入り口に浮かぶ

篠島日間賀島佐久島があり、

対岸に延びるのは知多半島

いやあ、ええ山です。


三河湾を一望。向こうは知多半島

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↓雨乞山とうちゃこ

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↓海薫る絶景かな

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さて、若干の休憩と撮影タイムを済ませて

次に向かうは物見山。

南側に向かってトレイルが続いていて、

割と平坦にブッシュの間を抜けていきますが、

せっかく急登を詰めた甲斐なく、どんどん下っていきます。

眺望はなくなり、深い緑の中、しんどい登り返し。

この辺りは歩きやすいのでサクサクと飛ばして、

10分ほどで物見山に到着。


↓平坦な尾根歩き

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↓と思いきや、アップダウンがありそう

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↓物見山

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物見山からは、さっきまで見えていなかった

大山までの間の具合が確認できます。

あそこまで、まだ2度3度ドンブラコと登り返しがありそうだ。


↓まだまだトレイルは続く

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物見山の山頂を後に、比較的平坦な尾根道をずんずん進むと、

前方に分岐点。

せっかくなので寄り道をして、直進します。

先客が休憩していた弁当岩をスルーして、その先の

タコウドという不思議な名前のピークまで。

残念ながらここは眺望なし。

弁当岩で少しだけ眺望を楽しんで、さっきの分岐までバック。


↓分岐点から少し寄り道

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↓弁当岩

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タコウド

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ここから南側の斜面を一気に下る。

ガレッガレで滑りやすいトレイルで、

うっそうとした森の中へ落ちていくようにして

ズシャーズシャーと下っていきます。

この山塊はどうやらどこから登っても下りても、

急なようです。

そうして鞍部にある糀峠に到着。

ここからはいくつかの道に枝分かれしていますが、

ここは迷いなく大山方面の登りへ。


↓糀峠

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ここからも、短いながらの急登を詰めることになります。

しばらく登ると鉄塔のある広場。

振り返ると真正面に物見山がドーン。結構迫力を感じます。


鉄塔

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↓振り返って物見山

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鉄塔の広場からブッシュに分け入って、

再び急登と格闘。

一気に登って、つつじ山という表示のあるところからは

斜度がいったん緩む。

緑の回廊のようなトレイルを進んでいくと、

再び岩場のよじ登る区間があり、汗がしたたり落ちる。

登りきると分岐があり、本線を少し外れて、

狼煙(のろし)山と呼ばれる小さな広場に出ます。

ここからも電波塔のある大山が見えます。

まだまだ先は長い。


↓つつじ山

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激坂続く

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↓狼煙山

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↓南側の眺望

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一旦分岐まで戻り、本線を進むと、

まるでマレフィセントな暗くて怪しい雰囲気の

深い森の間を縫うようにして進みます。

この辺りは斜度は収まり、平坦な道だが、

木の枝に合わせるかのようにクネクネと道も曲がっていきます。

しばらく進むと、目の前に突如の大岩が現れ、

その割れ目の間をトレイルは進んでいます。

そこをえいやと登りきると、

そこが観音の腰掛けと呼ばれる岩でした。


↓魔女の森のような道が続く

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↓目の真の大岩を登ると…

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深い深い森が一帯を支配する中で、

この大岩だけがぴょこんと突き抜けて、存在を主張して、

まるで陸の孤島のようです。

すり鉢状の平地のヘソに位置していて、

周囲の山を見上げることができます。

もともと渥美半島自体、太平洋から吹き付ける風の通り道なのだが

この付近はさらに風が幾方向からも舞い込んでくるのか

バタバタと強く吹いています。

時刻は13:30を少し過ぎたところ。

スタート地点のバス停から

持ち時間の約半分を使ってここまで来ました。

残りの道のりを1.5hで歩破しないとバスに間に合いませんが、

目測では、少なくとも半分は来ているので、

今のところは大丈夫そう。

少し岩の陰で休息を取り、おやつとおにぎりで昼ごはん。


↓観音の腰掛け岩から狼煙山を振り返る

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↓海も見える

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10分足らずで休息を終えて、リスタート。

岩の向こう側から再び深い森の中へと進みます。

空が曇ってきたので、ますます森の中は薄暗くなり、

グリム童話のような不気味な雰囲気が高まります。

しばらくは平坦でしたが、じきに斜度が上がっていきます。

15分ほど登っていくと、前方が丁字路の分岐になっていて、

その真ん中に臍石(ヘソ石)と呼ばれる岩の塊がゴロン。

そこに登ってみると、ようやく目の前に大山が姿を現し、

その脇からちらりと太平洋が見えました。


↓再び森の中

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↓臍石

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太平洋が見えた

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あとひと山登り返せばと、めどがついてきた矢先に、

ついにスマホが馬鹿になります。

表示ではあと18%の電力のはずなのに、

気づいたら落ちていて、

再起動して写真を1枚撮るとまた電源が落ちてを繰り返し、

そのうち再起動もできなくなりました。

ここで困るのが、今回の遠征で腕時計をし忘れてしまい、

スマホが起動しないと時間がわからない。

ここまでの状況だときっとバスの時間には間に合うが、

細かな時間がわからず調整ができなくなってしまったので

とにかく急げるところは急ぐということに

徹しないといけなくなった。

今回はまだメドがついているし、低山だからいいけど、

この夏の遠征でもちょっと気を付けておかないといけないな。


しばらく尾根道を歩いていくと、

あつみ大山トンネルの方からの登山道と合流。

いよいよチマコッピに向けてオーラスの登りです。

で、これがまたキツイ。

この山塊はどこも本当に最短真直でトレイルがついているので

全部急登に感じます。

10分ほど急登とと格闘して、

最後は汗ダラダラで山頂に達しました。


↓いよいよラストスパート

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↓最後までキツイ!

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標高327.9m、渥美半島最高峰、大山

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山頂にはずっと見えていた電波塔があり、

その脇に展望台が設けられていました。

登ってみると、北側にはここまで歩いてきた山々が連なっています。

西側には午前中歩き回った伊良湖方面の様子と海が見えます。


電波塔と、伊良湖岬

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↓雨乞山方面

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↓お決まりのシェー

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さて、あまり悠長にはできませんので、

ひとしきり眺めを楽しんだらすぐに下山開始。

表参道側の道は幅は広く、先ほどまでと比べると歩きやすいが

こちらもなかなかの急坂で、がれています。

海へと一気に下る道なのですが、

残念ながらこの道上からは海は見えず、ちょっと残念…


表参道

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20分ほど、ガシガシと下って、

白山神社の鳥居でトレイルは終了。

お疲れ様でした。

眺望もよく、岩場などバリエーションに富んだコースで

なかなか面白い山でした。

ただし、標高に比べて、アップダウンがきついので

油断していると大変かと思われます。


白山神社の鳥居にて無時下山

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↓海が目の前

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↓振り返って大山

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とりあえず無事に下山はできましたが、

ゴールはここではありません。

R42へと出て、左手に進んで歩いていくとバス停を発見。

時刻表を確認すると15:09。

スマホがなんとか一瞬再起動で来て、

時刻を確認すると20分前で、ホッ。

ということは、2時間40分の山行だったということになります。


道は交通量が多く、路肩もないし、

バス停と言っても標識だけなので、

民家の石垣に座ってコーラを飲みながらバスを待ちます。

時刻通りにバスが来て乗り込みひと段落。


↓越戸バス停

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無事に三河田原駅に戻ってきました。

10分後に出る豊鉄に乗り、豊橋に戻ってきたのが16:22。

そこから16:45発のこだまに乗って名古屋着。


↓三河田原駅

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豊橋駅

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おなかペコペコだったので、

新幹線ホームのきしめん屋さんでしっかりいただいてから、

乗り換えて、帰阪したのが19時頃でした。

ということで、名古屋遠征編、完結。


↓味噌きしめん

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↓山行ルート

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<山行スケジュール>

12:03石神バス停⇒12:15雨乞山登山口⇒12:32くちなし台⇒

12:35雨乞神社12:37⇒12:40雨乞山12:45⇒

12:55物見山12:57⇒13:02分岐⇒13:05タコウド13:06⇒

13:10分岐⇒13:15椛峠⇒13:17鉄塔⇒13:22つつじ山⇒

13:25狼煙山13:27⇒13:32観音の腰掛け岩13:40⇒

13:55臍石13:57⇒14:15大山14:20⇒

14:40白山神社鳥居⇒14:45越戸バス停15:09

2017-03-23

渥美半島 菜の花まつり

せっかく愛知に来たので、

なにか見れるものはないかなあと思案の2日目。

元々は違う目的地があったのだけど、

それは別に今回じゃなくてもいつでもよくて、

春らしいところはないかなあと思っていたら、

topcymさんのブログで、

渥美半島菜の花が満開という記事を見つけて、

これだ!と思って行ってみることにします。


ただこの時点ですでに三重苦を背負ってます。

まず所持金。

前日のテーマパークでせっかくなのでと

娘2人にお土産を買ったらええ値段で汗。

しかもこの後乗るバスの運賃が結構かさむうえに現金払いのみ。

次に時間。

今回も公共交通機関を使うわけだが、

渥美半島の先はバスしかなく便数も少ない。

菜の花まつりだけではもったいないので、

そのあと近くの山を登るのだが、下山時刻がぎりぎりで

15:09のバスに乗る予定だが、それを逃すと次の便は17:09。

何もない場所で待機だけは避けたいので、グズグズできない。

そして、運賃と時刻を入念にスマホでリサーチしていると、

電池残量がみるみる減って、朝の時点で30%台。

いろいろヤバイが、所持金はなんとか全部はたいても1000円は残るし、

時間もいつものペースで行けば大丈夫でしょう。

行くっきゃないよなと、朝6:00に起床。


笠寺駅出発

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笠寺駅7:13発の普通に乗り込む。

大府快速にに乗り換えて8:07豊橋に到着。

個々のホームは不思議で、端から新幹線在来線名鉄線⇒飯田線と、

なぜかJR私鉄と混合した状態でホームが利用されている。

ん〜ナゾだ。


↓ナゾのJR名鉄混合の豊橋駅

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豊橋駅から少し離れたところにある豊鉄新豊橋へ。

豊鉄に乗るのは初めてです。

8:15に渥美線菜の花号に乗り込み、

8:50には終点の三河田原駅に到着。

前日の台湾ラーメンの逆襲にあい、トイレ駆け込み。


↓はじめての豊鉄

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菜の花

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9:00田原駅発のバスに乗り、渥美半島の先っちょを目指します。

以前flecheの際に走って以来の渥美半島はなんとも空が広く、

海を間近に感じられる、のどかでいい場所でした。

駅の待合所でもらったイベントのチラシでは、

臨時のバス停で止まってくれるはずなのだがよくわからないうちに

通り過ぎていたみたいで、結局恋路ヶ浜のバス停で気づいて

慌てて下車。時刻はすでに10時。

運転手さんに聞いても要領を得ないので、

自力で会場を探すことにします。


↓三河田原駅

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このバス停からは2ルート分かれていて、

今バスが来たR259を戻るか、あるいは南側のR42を進むか。

チラシの会場は堀切海岸の方だったのでR42を進むことにする。

しかし結構な断崖の道なので、

こう配8%の上り坂をえっちらおっちら…

11:30頃の戻りのバスには乗らないとあとの予定が狂うのですが、

予想以上に歩かされることになり、ちょっと焦ります。


↓あの上まで歩かないといけない

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ずんずん伊良湖ビューホテルの建つ高台へと登り、

振り返ると、恋路浦とその先の伊良湖岬の絶景。

そして海の向こう側には答志島と三重県鳥羽伊勢が見えます。

予定外でしたが、回り道をするといいこともありますね。


↓絶景です

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伊良湖岬。海の向こうは鳥羽

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この道は渥美サイクリングロードとなっていて、

絶景を見ながらロードを走らせることができるので、爽快だろうなあ。

でも歩きだと、なかなかの距離です。

ビューホテルの先へぐるっと回り込むと、

標識が立っていて断崖をそのまま向こうの

堀切海岸へ下ることができるようです。


↓堀切海岸

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途中、椰子の実記念碑がありました。

島崎藤村の詩『椰子の実』のモチーフは、

実は柳田國男からこの地に流れ着いた椰子の実の話を

聞いたことが元になっているのです。

ブルースのアニキ、濱口さんがライブで必ず歌ってくれるのですが、

叙情豊かなすばらしい曲ですね。


↓椰子の実記念碑

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↓こんな事業もあるのですな

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↓オマケ


さて、さらに階段を下って浜辺に降りると

日出の石門というところに到着。

眼前に、ドーナツのように穴の開いた大岩があり、

きっと季節によってその中に朝日がぽっかりはさまるのでしょう。


↓日出の石門

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↓日出の石門

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↓のどかな海

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そのまま東へと続く長い長い海岸線を進んでいきます。

けれど行けども行けども、まつり会場のようなものが見えず、

かなり焦ります。

たまたま歩いていた地元のおじいちゃんに道を尋ねると

もっともっと向こうだよと教えていただき、

そこからペースアップしてようやく会場に到着できました。


太平洋

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菜の花まつり会場

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浜側から会場に入ると、防風林の先に一面の菜の花畑!

思っていた以上に広くてびっくり。

まばゆい黄色一面で、まさに春爛漫、心がうきうきします。

菜の花畑の間に作られた小径を歩いて、

色々とカメラを構えてバシバシ。

先に小高い丘が設けられてあって、そこからもバシバシ。


↓満開

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↓春ですねえ

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↓小さな丘

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↓スゴイ!

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↓春!

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↓行ったり来たり

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↓アップで

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↓思ったよりすごかった

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↓会場を後にします

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あまり十分な時間が取れなかったのが残念だけど、

しっかりと春を感じられて大満足で会場を後にします。

といっても、バス停がわからないのだが、

とりあえずR259へ出るために、黙々と田畑の間を歩きます。

R259に出ましたが、やはり臨時のバス停を見つけることができず、

仕方なくシーパーク方面へと歩きます。

結構歩いて伊良湖神社の信号の所に明神前バス停を発見。

バスが来るまで15分ほどあったので、ベンチで小休止。

朝が早かったのに、ここまで結構な距離歩いたので

すでにお疲れモードですが、

なかなかここまで足を延ばすことがないし、

もういっちょ気合を入れていきます。

2017-03-20

名古屋出張

この週末は名古屋に出張。

のついでに、またもや詰め込み遠征。

所持金ギリギリ、時間もギリギリ、スマホの充電もギリギリで、

いつもの崖っぷちながら、あれやこれやしていました。

今まで名古屋愛知は魅力を感じてなかったけど、

掘ればいろいろ面白い。

京都編もまだハイライトを書けていないのでぼちぼち。


↓伊吹〜

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名古屋だぎゃ

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2016-09-18

『君の名は』 by 新海誠

日曜日。

次の仕事に関連があるので

今話題の『君の名は』を観に。

おっさん一人で行くのもこっ恥ずかしいので長女と一緒に。

webで梅田の劇場を予約しようとしたら

すでにどの回もいっぱいだったので、大日イオンまで。

さすがの人気もあって

なかなかエンターテインメント作品としては楽しめる作品でした。

小学生の娘にもわかりやすい話の内容で、

映像も美しく。

こういう作品が今のメジャーになってきたのだなというのが実感。


ただそれが今後の日本のクリエイティブの発展にとって

いいのか悪いのか。

うまい例えではないけれど、

津軽海峡冬景色』のような奥深くて抒情的な歌に対する

恋するフォーチュンクッキー』のような感じというか、

地元の市場で売ってる新鮮で不格好な野菜に対して、

徹底管理されたトップバリュー製品というか、

こういう味付けが濃くて中毒性のある

インスタントなものばかり味わってたら

きっとヤヴァイだろうなあという怖さがあった。

辛口映画評論家としてはちょっと言っておきたい。


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本作の一番の魅力は何といっても背景の精密な描写だろう。

監督の出身地である長野県諏訪や飛騨地方、

そして東京の風景はまるで本物そっくり。

実際にそのシーンの元になった実物の場所を訪ねる

聖地巡礼も盛んにおこなわれているという。

確かに背景の描写はすごい。

でもそのすごさが、作品の本質である物語の薄っぺらさを

補うというより包み隠す巧妙なすり替えになっていて、

どう、この背景の描き方すごいでしょと

半ばクドイほどの強引さを終始感じた。

背景の描写の精密さというのは、本作に限らず、

日本アニメお家芸ではある。

でも、例えば宮崎アニメの背景の精巧な描写は、

それ自体が作品の主役なのではなく、

物語をより身近にリアルに感じてもらい、

その世界観へスムーズに導入するための

手段の1つに過ぎなかったはずだ。

または、重厚な物語に耐えられるだけの

ビジュアルのクオリティを追求した結果だろう。

確固たる物語。伝えたいメッセージがまずあって、

その骨組みを確かに肉付けするものでなければ

それは単に風景を模写しただけのことに過ぎない。

模写を自慢するだけだったら、それは映画とはいいがたい。

なぜなら、映画とは総合芸術だからだ。

例えば、英語はコミュニケーションの一手段で

習得した英語で何をするのかが大事なはずなのに、

それを学ぶということだけが目的化し、

そのちっぽけなステータスに満足してしまうような小さな人間がいるが、

それと同じような目的と手段の取り違えが大いにある。

背景の描写の精密さというのは作り手も見る側も、

その審査基準が明確でわかりやすいポイントだが、

情熱と労力を注ぐ方向性が割合がどうも違うような気がする。

背景の精密な描写は金と時間をかければ、誰でも実現可能なこと。

それを実際やるかやらないかというのは

確かに大きな差であり、評価されるポイントではある。

でもクリエイターにとって肝要なのは、

現実にあるものを模写することではなく

想像力の豊かさにあふれた物語性や、

誰も考えもつかなかったような世界観を

表現することでなくてはならないと信じたい。


続いて気になったのは演出過多、

特に音楽が雄弁しすぎて、

はっきり言って余計な場面が多かった。

画と音の関係性というのは映画にとっては

おそらくもっとも重要な要素で、

音楽の壮大さで無理やりクライマックスを盛り上げるような

程度の低い作品は、国内外問わず山ほどあるが、

映像にそれらしい音楽を乗っけてさえすれば

もっともらしい作品になるし、

逆にその使い方を誤れば、全く拍子抜けすることもある。

まさに演出のキモ。

本作ではもっと登場人物の感情に寄り添いたい、

感情移入したい感じる場面でも、

いちいち過保護に曲を乗せてきて、

それがインスト曲ではなく、

歌詞付きなので歌が画に勝ってしまって、

感情の余白というか見る側が入り込む隙間が

一切なくなってしまうことがあった。

あれが久石譲さんならもっとうまい塩梅でやるんだろうし、

物語に自信があれば、あえてキモのシーンでは

一切の音をつけずに画に集中させることだってできたはずだ。

何でもかんでも味付けを濃くすればいいというものではないし、

ここでもやはり物語の薄っぺらさをひた隠しているかのような

自信のなさを感じました。

バラエティ番組で、ネタはたいして面白くないのに、

テロップを多めに入れて笑いを盛られているようなあの感覚に近い。

自信がない人ほど音楽に頼る、これ、映画あるあるですね。


あと、意外な問題はそれを見る側のクオリティの低さ、

とくに感動に対する敷居が恐ろしく低い。

これは本を読まないという世代指向の問題、

スマホでのコミュニケーションが当たり前の世の中では

レスポンスのクイックネスがことさら重要視されるようになったり、

LINEスタンプやインスタ投稿のように

中身ではなくヴィジュアル至上主義になっているという点がやはり大きい。

要は物語の精密さではなく見た目重視、

文脈をじっくり読み解くのではなく、

手っ取り早く面白いということが求められる世の中になったということだ。

見る側の指向のレベルが高くなければ

クリエイターは絶対に成長しないし、

逆に成長しないクリエイターの作品がスタンダード化すれば、

見る側のレベルも高くならない。

今の世の中、双方が面倒くさいプロセスを取っ払って、

横着をしている気がします。

その面倒くさいプロセスこそ面白い醍醐味のはずなのですが…


これは別にアニメに限った話ではなく、

実写の邦画やTV番組、漫画、音楽、そして現代アートの世界ですら…

あらゆるクリエイティブであるべき世界で起こっている現象

実際、映画が始まる前の予告でも、

同じようなテーマ、同じようなキャストが、

2Dか3Dか表現方法が少し違うだけでやっていることは

全く同じことをしている作品のPRばかりで愕然とする。

(胸キュン少女漫画原作を若手実力派俳優と呼ばれる人たちが演じるのばっか)

それらには、何かを表現したいとか、何かを生み出したいとか、

やりたいことをとことんやるという

自分の内面から湧き上がってくるパッションではなく、

何が売れるか、何がウケるかという

他人からの評価を出発点とする打算しか感じ取れない。

そこにイマジネーションはあるのか。

そこにクリエイティビティはあるのか。

面白ければ、話題性や興行がよければ名作というわけでは決してない。

残念ながら、同じアプローチを続けるようなら新海さんや細田守さんは、

宮崎駿押井守にはなれそうにない。

2016-08-16

前穂〜奥穂 縦走

2日目。いよいよ本番です。

朝の4:30には起床し、ザックを整理。

向かいでご一緒した佐賀からお越しの方に、

頑張ってと声をかけていただき、いざ出発。

人気のない河童橋から、目的地である岳沢〜前穂を見上げると、

すっきりクリアな空。気合が入ります。

明神池まで続く、梓川の左手につづく木道をずんずん進む。

朝もやの中、向かいにそびえる霞沢岳も静かに見守ってくれています。

10分ほど歩いて、岳沢の登山口に到着。


↓すっきり快晴

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↓霞沢岳もきれい

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↓岳沢登山口

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5:00。いよいよアドベンチャー開始。

岳沢登山口からはうっそうとした緑の中をしばらく進みます。

道中には650mほど上部にある岳沢小屋まで

ナンバリングがされていて、距離感がつかみやすい。

本当なら岳沢小屋からスタートしたいところが、

あそこはキャパの問題で完全予約制で、

しばらくは週末は満杯で予約不可になっていたため、

この区間はハンデとして、早く消化したいところ。

ペースを上げて進んでいきます。

NO.7のところには自然のクーラー・風洞がありましたが

まだ朝も早く涼しかったので、あまり実感できず。

NO.5辺りまで来ると、河童橋からも見えていた、

石の沢に出ます。

ここからは、さっきまでいた上高地が眼下に広がり、

上部を見上げれば西穂の方からせまってくる

荒々しい岩礁の稜線が威圧するかのようにそそり立っています。


↓岳沢小屋までの10カウント

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↓No.7付近にある風洞

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↓徐々に登ってきました

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↓西穂から伸びるえぐい稜線

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道はこの岩の沢のヘリに沿って続き、

岩の区間と緑の区間を交互に行き来しながら

にわかに高度を上げていきます。

ちらちらと小屋が上部に見えてきますが、まだ先。

NO.2の手前で登りは厳しくなり、

えっほえっほと登っていると、

岳沢を発ったばかりの人たちとの行き違いがはじまります。

急登を登ると、道は左へと折れ、岩の沢を横断します。

沢を渡って少し登れば、岳沢小屋に到着。

時刻は6:30。

できるだけイージーなところで時間を稼いで、

その分難易度の高いところでゆとりが持てるようにと

少しペースを上げてたのが功を奏しました。

小屋ではおトイレと、前日に朝食代わりに手配した弁当を食べる。


↓岳沢小屋

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7時となり、いよいよ重太郎新道に突入します。

ここから前穂高岳まで、わずか2kmで

900m以上も高度を上げることになるので急登必至です。

重太郎新道とは、穂高岳山荘の初代主の今田重太郎さんが、

事故の絶えない前穂高に安全な道をと切り拓いた登山道で、

当時幼かった娘さん(紀美子さん)テントに寝かせながら

作業されたそうです。

そのテントを設営した場所が今は紀美子平と呼ばれています。

北アルプスの一般ルートの中でも急登と知られている道で、

小屋から上部を見やれば、その過酷さが一目でわかりますね。

いざ!


↓ここから一気に900m標高を上げる

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まずは岩の沢を再び対岸へ渡り、

テン場の脇をかすめて進みます。

ゴローゴローとした岩の道は

急斜面をジグザグと高度を上げていきます。

道幅は徐々に狭まり、カーブの部分では

両手で岩をよじ登るような格好で

徐々にハードな展開になっていきます。

そうして急登と格闘していると目の前に、

重太郎新道名物の長梯子が現れました。


↓にわかにハードな展開に

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↓重太郎新道名物の長梯子

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早速梯子に取り付きます。

見た目は意外と怖いような感じがしますが、

自分は人工物がしっかりと設置されているところの方が安心感があります、

もちろん、ロープとか鎖とかがあるところというのは

それなりに危険度が高いから設置されているし、

その設置されているものも、

経年劣化などで必ずしも信用してはいけないのだけど、

そういうところは案外、自分でも危険というのが頭にあって、

自然と緊張と集中しているので、怖い思いをすることが少ない。

むしろそういうのが全くないのに、危ういガレ場とかの方が足がすくみますし、

難所を抜けた先で、ほっと気を抜いた場面などの方が事故が多い。

ここは梯子が長いので

渋滞だったり、下りだったり、ウェットコンディションだと

確かにちょっと慎重になりそうです。

しっかりと梯子をホールドして上部へあがると、

左手の明神だけとの間にあるえぐい岩の沢が目に飛び込んできて、

ひや〜っとします。


↓落ちたら終わり

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ここからは道はジグザグと急斜面に無抵抗に振り回されながら

幾多のハシゴや岩場の連続。

周囲に植生があるのでそれほど高度感は感じませんが

とにかく岩にへばりつく感じで骨が折れます。

急斜面と格闘していると上部がにわかに広がり、

カモシカの立場と呼ばれるちょっとした平地に出ました。

重太郎新道はひたすら真上に続いているので、

眺望にほとんど変化はありませんが、

眼下に常に見えている岳沢〜上高地の景色は徐々にワイド感を出し始め、

それと対比するように、西の稜線はその鋭い牙をむき出しに威嚇し始めます。


↓カモシカの立場

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↓カモシカの立場から見える西穂の稜線

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↓振り返ると、焼岳と乗鞍岳がきれい

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立場で少しだけ休憩をして先へ進みます。

ここから先はいよいよ本格的な岩場の道となり、

リスタートして早々にスラブ状に展開する鎖場が登場。

手置き場、足場を確認しつつ抜けていきます。

そこからさらに急な岩礁もあり、かじりついて登ります。

ここから岳沢小屋を出発した人たちに追いついたり、

逆に早くも上から降りてくる人たち(奥穂から来たのか、ご来光帰り?)との

行き違いが頻繁に発生。

難儀な岩場で結構わちゃわちゃと忙しく、

恐怖感や高度感を感じている余裕なく、ひたすらに急登を詰めます。

この間、結構な高度を稼いできましたが頂はまだまだ先。

さすがは重太郎新道です。


↓難儀な鎖場もぬける

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↓急な岩礁もよじ登る

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↓パーティーをパスしてひたすら登る

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↓まだまだ頂は遠い…

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えっさほっさと急登を詰めて、8:30には

7合目に当たる雷鳥広場というわずかなスペースに出ました。

わずかに息を整えてリスタートします。

個人的にはここから8合目に当たる紀美子平までの区間

一番難儀な区間で、結構な角度の岩場を鎖をサポートに使用しながら

グイグイと登っていく。

ちょうど上から、韓国のご一行が一斉に下りてきて行き違いが発生し、

難しいところで互いに道を譲りあいしながらで大変でした。

みな、礼儀正しく、「がんばって」「アニハセヨ〜」と声かけ頂きました。


↓7合目に当たる雷鳥広場

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↓急な岩場区間に差し掛かる

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難儀な岩場を抜けると小さな梯子で岩礁を抜け、

さらにそこから急斜面の岩場を詰めます。

道幅が限られているのだが、

韓国のご一行さんの列はまだまだ終わらず、

お互いにわずかな足場を確保しながら譲り合い。

岩にかじりついて詰めていくとその先が騒がしく、

向こう側へと抜けると、そこが紀美子平でした。

ふぃ〜。やっと着いた!


岩礁を越えたらもう一息!

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↓鎖場の連続する難所で行き違いも多発

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↓紀美子平

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ここでは多くの人が休息を取っていて、

自分も一角で小休止。

いったんザックを脇にデポして、

前穂の頂上まで空身でアタックします。

ここからの登りがさっきの7〜8合目よりもさらに岩登りな感じで

えっほえっほと登っていきます。

9合目の槍見平からは穂高の山並みの間から

ちらっと槍が穂先を見せているのが見えますが、

山頂まではおあずけして、とりあえずトップを目指す。


↓9合目の槍見平

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9合目から上も、浮石が多い岩場の登りで、

一部結構な高度感を感じるような場面もあったり、

一筋縄ではいきません。

慎重に歩を進めて、9:20に標高3090mの前穂高岳に登頂しました。

乙!


↓岳沢方面。御嶽までばっちり

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山頂は想像していたよりもずっと広々としていて、

大きな岩がからからと積み上がったような広場になっています。

せっかくなので、一番奥の方まで進みます。

そこからの眺めは本当に素晴らしかった!

まずは何と言っても、これから向かう先の奥穂高岳の威圧感!

吊尾根の先にそそり立つ岩の殿堂は、

前のめりでこちらを覗き込んでいるように感じるくらい圧倒的。

今からあの細い回廊を伝ってあちらへ行くのかと思うと、

思わず武者震いをしてしまいます。

そして、真っ先にその姿を求めてしまう槍ヶ岳。

この日もしっかりと北アルプスの中心に堂々と鎮座しています。

その槍からこちら側へ向かって鋭い稜線が向かってくるのが見え、

改めてものすごいところに来てしまったという実感が湧きます。

視線を東へ転ずれば、はるか眼下の梓川沿いに

明神池や徳沢の小屋がミニチュアのように見え、

その上部に、蝶ヶ岳〜常念岳〜大天井岳〜燕岳と常念山脈のしなやかな山並み。

そしてさらにそのはるか奥に針ノ木岳や鹿島槍、

そして後立山の山々までが延々と続いています。

事前の天気予報では二転三転していた天候も、

文句のつけようのない晴天で感無量でした。


↓絶景かな〜

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↓常念・表銀座方面

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20分ほど絶景を楽しんだのち、

紀美子平までの下降をスタートします。

登りに難儀した道は下りは一層難しく、慎重に下っていきますが

途中で思わぬトラブルが発生。

槍見平まで下ってきて、奥穂のショットを撮ろうとポケットを探ったら

なんとスマホがない!WHY?

山頂では撮影をしたので、その時までは間違いなくあったので、

その間に落としたのか?

でも、落としたらきっと音やら何やらでわかるはずなのに?

でも紛失したのは山頂からの下りなのは間違いないので

向き直って再び山頂へ登り返します。

周囲にいた人たちや、先行で登っている人たちに、

あったら教えてください!と声をかけながら戻っていると、

上部の人がスマホがここにあるよと教えてくれ、

しかもわざわざそれを私に降りてきてくれました。

ありがたや〜@@@@

そこはちょうど、段差が大きくて、

降りるのに尻をつかないといけないところで、

おそらくその動作の際にズボンのポッケから

ニュルっと静かに押し出されてしまったのだと思います。

皆さんお騒がせいたしましたm(__)m

なんだかんだで、どうにか紀美子平まで降りてきました。

ただでさえ緊張感が続くゾーンにいるのに、

思わぬトラブルで軽いパニックになり、

少しここで休憩を入れて落ち着きを取り戻します。


↓紀美子平まで戻ってきました

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10分ほど休憩をしたのち、いよいよ吊尾根にアタック!

道自体はすでにここからほぼ全容が見渡せます。

よくよく目を凝らすと所々にカラフルなザックが動いているのが見え

こちらから見ると、ええっつ!?あんなところ歩いていくのと

少しばかりビビってしまいます。

特にここから見える奥穂高の威圧感はすごくて、

それを目の当りにするだけでもひるんでしまいますが

ここまで来た以上は突撃あるのみ!


↓いざ吊尾根!

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細い細い道が岳沢側につけられていて、

そこをえっちらおっちらと進みます。

しばらく進んでいくと、上部の難儀な岩場から声が?

何かと思ったら前穂の頂上から降りてきた人で

「道をロストしてこっちに来てしまったんだけど、紀美子平どっち?」

と聞いてきた。

いやいや〜そんな危なっかしい岩場に来るまでに

なぜ気づいて引き返さないのよ。

オッチャンのいる岩場から縦走路までは結構段差が大きいし、

岩の状態もよくないから、

正規ルートまで引き返した方がいいですよと声をかけたのですが

「いや〜登り返すの面倒なんで」とかいいながら

無理やり縦走路まで下りてきて、そのまま反対側へ消えていきました。

いやいや、無事に一般ルートへ戻れたからいいけど、

それは結果論でしかなくて、もしあそこで滑落されたら、

周囲の人も放っておくわけにはいかないわけで、迷惑かけるでしょうが。

そもそもあんなわかりやすいところで道をロストして、

それにすら気づいてない程度なんだから、

そういう人がこんなところに来て勝手はいけません!


さて、オッチャンの無事を一応確認してからリスタート。

すぐ目の前に山の端の岩礁が目に飛び込んできます。

先行する単独者さんが、

そこを通過するのにルートを決めきれずにまごまごしています。

山の切れっ端のところで、なかなか高度感がありそう。

しょっぱなから難しそうです。

少し遅れて、自分も岩に取り付きます。

左側はすっぱり切れ落ちていて、

滑落すればはるか800m下の岳沢小屋まで10秒で着けそうな勢い@@@

マークに従って慎重に岩を乗り越えます。


↓出だしからハード

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その先も山肌に沿って細い道が続いており、

山の凸凹に応じて切れっ端の部分では同じように岩礁が待ち受けていて

その度に、スリリングな岩場を越えていく、というのが繰り返されます。

不思議なもので、この辺りまで来ると徐々に高度感にも慣れて、

恐怖心がなくなってきます。

ただ、そうなってからの油断が怖いので、

集中集中と声に出しながら慎重に歩きます。

前方の奥穂の絶壁と、西穂から続くエグイ稜線のむき出しの岩肌が

本当に迫力満点で迫ってきていて、目がくらくらします。

その無慈悲な光景に、思わず、

少し前に温かく迎えてくれた前穂の方を振り返ってみると、

先ほどの歓迎はどこへやら、

こちら側もギザギザのタテガミをなびかせて早くも他人行儀な表情。

あまりに巨大すぎるモンスターの間に挟まれて、

あまりにちっぽけな自分の存在に途方もなさを感じてしまいました。

とはいえ、ここで停滞するわけにはいきません。

じっくりと一歩一歩前進します。


↓左側はすっぱり崖DEATH

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↓西穂からのギザギザ

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↓前穂のギザギザ

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途中、分岐点(?)とマークの書かれた場所を通過し、

ひたすら細いトレイルを詰めていきます。

この吊尾根はアップダウンはそれほどきつくないし、

スキルを要するところもそれほどないのですが、

左側は常に切れ落ちており、緊張感で体が硬くなって疲れます。

岩場になると、多少滑りやすいところもあるので

慎重に足場を確認しながら進んでいく必要があります。

この日はとっても天気が安定して、晴れていたので

時折、立ち止まって深呼吸をしながら、

眼前に広がる絶景に癒されながら進むことができましたが

これが雨だったり、発達した雲の中に巻かれていたら

さぞかし不安だったと思います。


↓まだまだ先は長い

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↓振り返っての前穂

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↓集中集中

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↓上高地はずーっと眼下に

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ちょうど中間地点辺りで、わずかのスペースがあり、

先行していた3人パーティーさんと一緒に小休止。

ここからはようやく岳沢と反対側の涸沢を眼下に見ることができました。

大きい小屋床屋の間には色とりどりのテントが咲いているのが見えます。


↓涸沢カール

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リスタートすると、ここからは少しずつ高度を上げていきます。

岩場の傾斜がにわかに急となり、

万一足を滑らせたら谷底というのが頭をよぎりますが、

必要以上に恐怖心を抱いてもよくないので、

気を紛らわせながら進みます。

そうして進んでいくと、

徐々に奥穂のトップの岩の塊が近づいてきました。


↓緊張感のある岩場が続く

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↓がんがん登ります

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↓おそらく吊尾根で一番の難所にさしかかる

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吊尾根のほぼ終盤に差し掛かり、

この区間最大の難所にぶち当たります。

絶妙に嫌な角度で岩の斜面が結構な長さ続いていて、

そこには一本の鎖がぴろんと垂れ下がっているだけ。

意を決して取り付きます。

まず鎖の末端まで上がるのに、

意外と岩がフラットで難儀します。

どうにか鎖まで来たら、それを補助に、

岩の段差や切れ目を使って三点確保で登る。

上部に行くほど傾斜が急ですが、

必死に岩と格闘してどうにか上がりきる。

最中は登るので必死ですが、登りきってその区間を振り返ると、

谷底まで滑り落ちるように展開する岩場に

さーっと血の気が引きます。

下りの場合は絶対怖い@@@


↓長めの鎖場に突入

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↓振り返って。落ちたらタダじゃすみません

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↓垂直に近いところも

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長めの鎖場を抜けると、さらにその先、岩と岩の間に鎖場。

ここは、中央に突き出た岩が結構邪魔で、

腕力で無理やりよじ登ります。

そこを抜ければ難所は終了で、少し登れば南陵の頭に到着。

そこからはもう山頂がすぐそこで、

たくさんの登山客が見えることでちょっと一安心。


↓少しの間をおいて次の鎖場。中央の出っ張った岩が越えづらい

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↓難所を抜けてほっと一息振り返り前穂

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↓南陵の頭

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そこからはカラカラとした大岩が転がる

なだらかな区間となり、進んでいきます。

左手側からは名高いジャンダルムがそそり立つ稜線が近づいてきます。

そうして12:05に北アルプスの最高峰、

標高3190mの奥穂高岳に登頂しました。

いや〜念願の奥穂です!


↓ジャンダルムが近づく

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↓日本第3位の頂

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さすがに奥穂は人が多く、にぎわっています。

トップにある祠で、絶景を堪能しながら写真の順番待ち。

すぐ前方のジャンダルムは本当に敵意むき出しの荒々しさで、

眺めているだけでも萎縮してしまいそうな感じ。

でもよく見るとあそこのトップにも何人か人が立っていて、

そこからの危うい稜線上にも歩いている人が見えます。

純粋にすごいですね。

自分はちょっとあそこにはよっぽどのことがない限り、行けなさそうです…

翻って、槍方面もこれまた文句なしの絶景。

さっきの前穂からは見えなかった、笠ヶ岳や薬師岳といった面々も見えます。

すごいねえ。

こんな景色、いつまでもずーっと飽きずに見ていることができます。


↓ジャンダルム

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↓見るだけでも恐ろしい岩の要塞

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↓奥穂から見る槍

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さて20分ほど写真を撮ったり満喫して、時刻は12:30。

実は腹ペコなのと、おトイレがそろそろということで、

名残惜しいのだが、穂高岳山荘を目指すことにします。

祠から先へ伸びるトレイルへ進み、

右側へとくるっと回り込むような形で岩場を降ります。

そこからは比較的フラットな岩場の区間を歩いていきます。

途中で山口から来たというオッチャン2人組と合流して

色々山話をしながら進みます。

徐々に前方が切れ落ち、向かいの涸沢岳との谷間に赤い屋根が見えてきました。


↓穂高岳山荘が見えてきた。奥は涸沢岳

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↓小屋直上の難所

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奥穂の名所となっている小屋直上の2連梯子にたどり着きます。

ここは時期や時間帯によっては長蛇の渋滞が発生し、

しかも登りと下りで同時なので、

ヘタをすれば1時間待ちとかもありうるところなのですが、

この日はスイスイと通過できました。

すぐ下に小屋が見えていることもあって、

あまり恐怖感も感じません。


↓名物のハシゴ

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↓小屋から涸沢を見下ろす

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そうして奥穂の山頂から30分弱で穂高岳山荘に到着。

しかし、よくこんなところに小屋があるものです。

小屋は涸沢から上がってきた人たちでごった返しています。

まずは何より腹ごしらえということでカレーを注文。ビールは我慢。

速攻でペロリ。


で、ここで思案です。

当初の予定だとこの日の終着点はここで、

この小屋で一泊を考えていたのですが、時刻はまだ13:00。

この調子なら、向かいの涸沢岳に登った上で、

涸沢に降りることができそうです。

というのは、穂高岳山荘のHPでは

この日は超混雑日のマークがされていたし、

実際この時間でこの混雑ぶり。

宿泊受付にも今日は1枚の布団を3人でと書かれてあります。

これだけ登って疲れている上に、3000mの山上で、

ひどい寝床は避けたいもの。

それであれば、涸沢まで降りれば、小屋は2つもあり、

それぞれがこの山上の小屋よりもキャパがあるので、

下で混んでもまだマシじゃないかと考えたわけです。

しかも、この日に下山していれば、

明日朝イチで北穂にもアタックが可能!

(奥穂〜涸沢〜北穂の稜線は実力不足なのではなから考えず)

実際はこれが欲張って策に溺れるという結果になります…

実は穂高岳山荘では、エクストラチャージを支払えば、

1人1枚の布団で寝ることが可能だったわけで、

予定通りここで宿泊していれば、

快適な寝床をゲットでき、夕焼け&朝焼けショーも観れたのでした…

涸沢の盛況ぶりを完全に甘く見てしまっていました。

それが悪夢の一晩をすごすことになります@@@


↓カレーで腹ごしらえ

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この時点ではそんな結末になるとはつゆ知らず、

涸沢に降りるために準備を始めます。

トイレを済ませ、小屋の外にザックをデポして空身で涸沢岳へ向かいます。

テン場とヘリポートを横切って、ガレた岩の道をずんずん進みます。

道はそれほど難しいところ、高度感もないのですが

高所なので登りはとにかく息が切れます。

15分ほどで標高3110mの涸沢岳に登頂です。

山頂には標識が刺さっているだけでほとんどスペースがなく、

岩の間で休憩をして景色を眺めます。

前方には険しい稜線が北穂まで続いていて、

所々にカラフルなザックが取り付いているのが見えます。

このまま前進してみたい気もしますが、

ここから先は事故多発の超難所。

安易には行けません。

そしてはるか眼下には涸沢。

あそこまで今から下っていくのか。


↓涸沢岳への登り途中。向かいは奥穂

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↓涸沢岳

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↓目の前に北穂があるが、この区間はさらに難易度アップ

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涸沢岳にわずかに滞在したのち、穂高岳山荘へ飛んで帰る。

時刻は13:30だし、あとは下りだけなので、涸沢には十分下れると判断。

ザックをピックアップして、下山を開始しました。

穂高岳山荘のテラスから眺めると、

本当に高度感を感じるようなところですが、

道自体は谷底の方まで細長く続く岩礁の間を

ジグザグジグザグと続いていきます。

ここはザイテングラートと呼ばれ、ほぼ固有名詞化されていますが

要は主稜線ではなくて支尾根という意味です。

ひたすら岩の道を詰めてずんずん下りますが、

難しいところはあまりないように感じました。

下からは必死の形相で登ってくる人が絶えず、

頑張って頑張ってと声をかけながら行き違います。

下の方まで来ると若干の鎖場がありますが、

ここも難易度も恐怖度も低め。

無事にカールの岩殿まで降り立ちます。


↓ザイテングラートを降ります

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↓鎖場もありますが難しくない

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↓登りはしんどいだろうなあ〜

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下ってきた道を見上げてみると、

すごい角度で山が反り返っていて目がくらくら。

これは確かに登りは辛そうです。

右手側には今朝歩いた前穂からの吊尾根のギザギザが見えます。

もはや名残惜しい…

徐々に近づく下界をみやれば、

涸沢名物の色とりどりのテントの賑わいが大きくなってきました。


↓ずいぶん下ってきました

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↓涸沢のにぎわい

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↓午前中に歩いた吊尾根

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カラカラの岩の沢を歩いて涸沢小屋に到着したのが15:10。

約10時間30分の大冒険が終わりました。

おつかれさま〜。

早速、宿泊の受付をします。

本日の様子を聞いてみるとなかなか今日は混みそうな様子でした。

通された部屋は、受付の後ろにある洞穴のような地下への階段を下ったところ。

しかも残念なことに二段ベットの上の段で、梯子を上るのが難儀でした。

また、この部屋はとにかくどこからも遠くて、

トイレも乾燥室も食堂も売店も、

いちいち靴に履き替えたうえで、

薄暗くて足場の悪い階段を登らなくてはならなくて本当に不便でした。

しかも、寝床も、布団をぎちぎちまでスペースに詰めただけで、

貴重品とかメガネなど枕元に置きたいモノたちを置くスペースもなかったり、

細かいところが結構不便な造りでした…。


↓涸沢小屋着

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とりあえず荷物を置いて寝床を確保したら、

晩御飯まではフリーなので売店へ行って

早速、生ビールセット♪

テラスから今日歩いてきた吊尾根を見ながらの祝杯です。


↓生ビールで祝杯♪

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ゆっくりビールを味わったら、

にぎわいを見せる涸沢を散策しますが、

どうも同じ山というフィールドを共有しているだけで、

文化的には異なる人種が多いようで、

サークル活動の延長のようなナンパなノリの若者グループの乱痴気騒ぎとか、

しこたま飲んで酔っ払ってタチの悪い中年グループの横暴さだったり、

アルピニズムというより、

単に都会でできることを山に持ち込んだだけという風な雰囲気が

涸沢全体にあって、

元々人ごみの苦手な自分にとっては、

あまり魅力的に映る場所ではありませんでした。

彼らの楽しみ方を否定するわけではないのですが、

自分が間違った場所に来てしまったなあと感じてしまいます。

また、高山に囲まれた深い谷なので、眺望は開けておらず、

紅葉の時期なら山肌を愛でるのも楽しいかもしれないが、

すでに上の景色を知っている山を見上げても、

あそこに戻りたいなという思いになるだけで、

山上に留まらずに欲張って下ってきた後悔だけが募ります。

それでも、それらをぐっと我慢して、明日は北穂!と

この時点までは考えていたのですが…


17:30となり晩御飯。

窓側の席に案内されたので、吊尾根を見ながらの食事。

料理はなかなかおいしゅうございました。


↓晩御飯

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谷底にあるので日暮れは比較的早く、

19時には暗くなって、することもなく、寝床へ戻りますが

結果的に、布団1枚を3人でシェアするという、

回避すべく努力したはずの最悪のパターンに陥るという…

できるだけ寝床に入る時間を遅らせるため、

売店へ行き、TVでリオオリンピックの開会式をぼうっと見る。

それも21時には消灯となるため、悪夢の寝床へと舞い戻る。

さらに最悪なことに、この日一緒になった同部屋の連中は

そろいもそろって大イビキ軍団。

右も左も、ガーガーと眠れやしない。

なのに、どうつもこいつも、周りがイビキでうるさいと

自分のことを棚に上げてののしって険悪なムード。

1人のイビキが止まったなと思ったら、次はその隣の奴がイビキ、

さらにその隣、隣。

スペースも全く寝返りを打てるスペースはなくて、

右から左から肘や膝が入り、おっさんの寝息が顔にかかるので、

途中からもうあきらめて、体を起こし、座して眠る努力。

結局、朝になるまで一睡もできず。

今まで生きてきた中でこれほど最悪な夜はありませんでした。

10時間かけて、3000m峰を3つ登った昼間の疲労よりも、

7時間もの間、極度に狭い場所でなにもすることなく

ひたすら待機するだけの夜間の方がはるかに疲労しました。

一晩で心も体も芯から疲れ切ってしまい、

もはや翌日に北穂にアタックするという野望は消え失せてしまいました。


最終日へ続く…