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記憶の残滓 by arkibito

2016-04-18

がんばろう熊本!

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日本に生まれた以上、自然災害は免れないのだけれど、

東も西もこれだけ大きなダメージを受けるともう茫然としてしまう…

人生でも1度2度経験するかしないかの震度6〜7もの大地震に、

この数日で何度も押し寄せられる恐怖は想像を絶する。

それでもあれだけの規模、範囲で、

同じ大都市を襲った直下型の地震でも阪神大震災の時よりも被害が少ないのは、

日頃の防災意識のたまもの、

耐震対策の成果が少しでも出ているのではないかというところにだけでも

希望を持たざるを得ない。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、

大好きな熊本阿蘇ができるだけ早くに元気になれますように。

がんばろう熊本

2016-01-21

1.17鎮魂ウォーク2016

今年もまた1.17を迎える。

去年20年という大きな節目を越えたが、

それで阪神大震災が終結したわけではない。

去年も地震だけではなく、

集中豪雨による堤防決壊や土砂災害

竜巻被害や火山の噴火など、

自然災害による被害が出た。

当然、自然というあまりにも大きすぎる相手に対して、

あらがえない部分もあるかもしれないが、

事前の備えや十分な知識、防災意識があれば、

被害を最小限に抑えることはできるはずだ。

日々忙しい生活の中では、ついそんなことを忘れてしまうこともあるが、

せめてこの日だけは一度立ち止まって、

ゆっくりそのことについて考えをめぐらし、

記憶を呼び起こす。


前日はレッスンなどでとてもあわただしく、

そのなかでうっかり、プールでがっつり泳いでしまい、疲労がハンパない。

そして翌日の午前中にはコンクールが控えていて、

なかなかスケジュール的にも体力的にも厳しいのだが、

最終電車に乗って、今年も東遊園地までの震災ウォークへと向かった。

今年も去年に引き続いて、阪神西宮駅からスタートする。

毎年ルートは変えていて、今年は湾岸を歩いていこうと最初から決めていました。

去年まではどちらかというと

今なお残された震災の傷跡を辿るようなテーマでしたが

節目を越え、今年は過去を振り返るというより、

これからの希望、新しいものを発見してみたかったのです。


阪神西宮からスタート

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0:20に阪神西宮駅を出発する。

同じ電車から降りた乗客が、駅から暗方々へと散っていく。

ロータリーを過ぎて、西宮神社参道を歩き、西宮戎にでる。

おなじみの「ひるね」さんのところからR43をまたぎ、

そのまま西宮浜のほうへと進んでいく。

去年は歩き始めから雨が降って相当寒かったが、

この夜は比較的暖かく歩きやすい。

テクテクとえべっさん通りを南下すると、白鹿の工場のところに出る。

震災時には酒蔵も相当ダメージを受けた。


西宮神社

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白鹿

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前浜町で県道193号をまたぐと、そこから先は堤防に仕切られた水辺を歩く。

ここで一眼レフを取り出しいつでもシャッター押せる状態に。

11月にスマホに変え、最初はiPhoneのカメラ機能って

意外といいかもと思っていたのだが、やっぱり所詮スマホのカメラだった。

iPhoneのカメラで撮った写真は一見発色がいいように見えるのだが

それはiPhoneのディスプレー上で見た時に限られ、

PCの大きな画面で見たり、プリントアウトすると、ザレザレで使い物にならない。

おそらく撮影の際に、自動的にISOを上げてくれているのだろうが、

そのせいで画質がひどい。

夜景など暗い場所で撮ったり、ズームアップ撮影には全く向かないことがわかった。

今回は初めからそれがわかっていたので、一眼レフをもってきた。

ただし小さなザックだったため、三脚を持ってこれず、

ちょっと苦戦してしまいました。


↓堤防沿いに歩く

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話を元に戻すと、そのまま堤防沿いに進んでいくと、

小さな船溜まりがあり、海の匂いがする。

そのまま堤防沿いに行くと、目の前に西宮大橋が伸び、

橋のたもとにはたくさんのヨットが停留するマリーナ。

この辺りは、芦屋の裕福層たちの海の遊び場として有名で

なんとなく雰囲気が違う。

マリンクラブの脇をかすめていくと、

その奥には小さいながら西宮浜のビーチがあり、

ビーチの脇にはリゾート感たっぷりのバーやレストラン、

アメリカンなトレイラーが立ち並ぶ異国情緒たっぷりな空間。

こんな面白そうなところがあるなんて、

やっぱり地足で歩くと発見があります。

近隣では珍しいサラサラの砂浜で色々と撮影。


西宮

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ヨットが多数

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↓ビーチ発見

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しばらくビーチで写真を撮り、そこから対岸の人口島へ渡ります。

堤防から内側の道路へ戻ると、西側に芦屋浜の有名なモンスターマンションが、

まるで水辺に浮かんでいるように暗闇の中に姿を現しました。

あそこは学生時代に自主映画を撮影したゆかりの地です。

昼間に訪れた方が実際不気味さのある建物ですが、

夜闇にきらめく遠景もまた別の味わいがあります。

三脚があればもうちょっと撮れたのだけど、それはまた別の機会に。


芦屋浜のモンスターを望む

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そこから道なりに進んでいくと、歩行者専用の小さな跳ね橋。

こんなところにこんな橋があるというのも発見です。

トコトコと渡って湾岸の人口島へ渡ります。

そのまま湾岸線の高架に出て西へ転じる。

途中、神戸新聞の配達工場があり、

あわただしく配達員がトラックに荷詰めをしているところだった。

震災の時に、この神戸新聞が果たした役割は非常に大きかったのは言うまでもなく、

神戸が誇るものの1つだと思う。


↓跳ね橋

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ここからは阪神高速湾岸線の側道的に並走する県道573号をトレースして行く。

この道はチャリンコでは何度も利用しているなじみの道。

人口島をいくつか繋いでおり、その度にアップダウンが伴うが、

その代り橋の上からは絶景が拝める。

まずは西宮浜から南芦屋浜まで1つ目の橋を渡る。

海沿いではあるがこの夜はとても穏やかで風はなく、寒さをあまり感じない。

パチパチと写真を撮るのだが、車が来るたびに橋自体が揺れて

うまくブレずに撮るのが難しい。ここは三脚があっても厳しい。

先ほど遠景にあった芦屋のモンスターマンションを対岸のそばに見ながら

次の深江浜まで進む。

ここは橋自体がかなり高度があり、登るのに一苦労する。

登りきると、前方には神戸の夜景が広がり、

そこからずーっと右へ視界をパンすれば、ひとつながりの街の明かりがあり、

その奥にはべったりと黒く塗りつぶされた六甲の山並みが見える。

もし21年前のあの日にタイムスリップしたとしたら、ここからきっと、

燃え盛る炎の嵐と、黒煙が幾本も立つ恐ろしい光景が広がっているのが見えるだろう。

橋の頂上からいよいよ神戸市に入る。


↓誰もいない

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↓いくつも湾岸の橋を渡っていく

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神戸市に入ります

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↓眠らぬ港湾

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深江浜に入ると、県道573号はおしまいとなり、山側へ戻らねばなりません。

大通りを北へと取り、深江大橋を渡る。

そのままR43も過ぎて、阪神電車に沿って歩くことにしました。

深江から青木の区間では線路の高架化の工事が行われている。

それは街の発展にとっては大事なことなんだろうけど、

ベルリンの壁のように地域と地域が寸断されてしまうようで悲しかったりもする。

魚崎、住吉とすぎ、御影まではずっと線路沿いに進んでいく。

誰もおらず町はひっそりと眠っている。


↓高架化の最中

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御影駅に到着して広場で缶コーヒーを買って少しだけ休憩。

駅の脇にある商店街を抜けて、澤之井と呼ばれる井戸へ寄り道。

ここは古来からの湧水で、御影の地の由来でもあり、

灘の酒(御影郷)を育んだ名水です。

震災を経た今なお、コンコンと豊かな水をたたえています。


阪神御影の高架下の商店街

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御影

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御影からは味わい深い高架下を歩く。

この駅前には名物の立ち飲み屋がひしめいているので

また別でリサーチしてみよう。

徐々に駅前のネオンから離れていき、

眠る街へと再び戻っていこうとしたとき、ふと高架を見上げると、

真っ暗な闇の中に怪しく真っ赤な物体が目に飛び込み、

思わずぎょっとする。

よく見ると、御影でこの日の営業を終了した阪神電車特急が停車していました。

なんとなくちょっと不気味さを感じて撮る。


↓高架は味わい深い

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↓突然火車が現れる

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↓少しホラー

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御影を過ぎ、石屋川まで来ると、そろそろお腹も減ってきて、

間に合うかと思ってR2のもっこすへ向かったのだが、

タッチの差で3時閉店。

そこからR2を疲労感たっぷりで歩く。

西灘で脇道に入る。

岩屋の手前で阪神線が地下へ潜るポイントをまたぐ。

その先、JR灘駅の南側から、一本の遊歩道が伸びている。

これは神戸港まで貨物を運んでいた旧臨海線の線路跡を利用したもの。

マンション群を抜け、R2の上をまたぎ、HAT神戸までを繋いでいる。

R2の陸橋のところ辺りは、当時線路だったころの遺構がちらほらある。


↓旧臨海線を歩く

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臨海線を歩いたら、少し北側へ戻る。

春日野道の商店街を入り、そこから西へ折れて下町の生活道路をずんずん進む。

生田川を渡れば、まだ昔ながらの雰囲気を残した三宮の東側のエリア。

そうして4:30に三宮に到着しました。

阪急北側にある、この長らく仮設の売り場として活躍していた建物も

建て替えのため取り壊されると、つい先日ニュースになっていた。

まだ少し時間があったので、駅前の丼屋で休憩と補給を済ます。

そして30分前には東遊園地へと向かう。


↓春日野道の商店街

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↓おっぱい山

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去年は公園に入るだいぶ手前から人があふれて、

果たして入れるのかどうかというくらいの混雑ぶりだったが

今年は明らかに人手が少ない。

もっとも去年がすごすぎたのかもしれないのだけど。

すでに岳灯篭に入ったろうそくには火がともり、

キビキビと冷たい空気の中、不思議なほど静かに人が佇み、

その時を待っている。

自分は人ごみを分け入って、いつもの場所へ。

そうして、アナウンスと時報が鳴り始め、5:46を迎える。

黙とう


↓竹灯籠

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↓祈りよ届け

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復興は続く…

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今年もまたこの地に立てたことをうれしく思いながら、

震災への想い、防災への意識を今一度はっきりと心に刻み、

慌ただしく家路に着いた。

2016-01-17

21年目の1.17

21年目の震災の日。

この週末は本当にいろいろ忙しかったのだけど

今年も5:46東遊園地まで歩くのは

自分にとっての大事な決まり事として

やはりどうしてもやらねばならない。

去年節目の20年目と比べて、

格段に訪れる人が少なかったのがちょっと寂しかった。

一方で、冷やかし的な感じだったけれど、

それでも若い子らが結構来てくれていたのが印象的だった。

今でも昨日のことのように思い起こす阪神淡路大震災も、

気づけばもう21年前の出来事。

記憶を風化させない、あの経験を語り継ぐことが、

新しい課題となりつつある。

この地球上、それも震災列島である日本に生活する以上、

いつか必ずどこまでまた同じような災害生まれる。

震災を経験し、生き残った者の責務として、

その経験を伝え、生かすこと。

次の災害に備え、未然に可能な限りの犠牲をなくすこと。

そのための小さな小さな、本当に小さなことだけど、

来年も再来年も歩き続けたいと思います。


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2015-07-28

仁川渓谷アドベンチャー 詳細編

日曜日。夜更かしがたたり、起きたのが11:00。

やっぱりちょっと軽く近所のお山行っときますかと思い立つが、

ベランダから降り注ぐギンギンラの日差し。

できれば木立の中か、沢歩きが涼しげでよかろう。

ということで前々からリストアップしていた仁川渓谷に向かうことに決定。

水量がどんなものか、場合によっては途中撤退も大いにありうるが、

まあここ数日雨降っていないから大丈夫でしょう。

といってもある程度濡れるのは覚悟しなければならないので、

カメラは持っていかず写メだけに頼ることにし、

携帯もポッケに入れずに首からかけれるようにする。

そしてザックはプールバッグにして、着替え一式とヘルメットだけ。

沢歩き用のアイテムは残念ながら持っていないので、

速乾性の上下と、先日の火打山でドロドロになった登山靴で。

ちょうど丸洗いするところだったので、沢水で汚れを落としませう。


ブランチを食べて12:30ごろに出動。

1時出発の特急に乗り西北で乗り換えて、仁川に到着。

コンビニでドリンクと補給品を買い込んで13:36に山行スタート。

駅からすぐに仁川沿いに歩き始めるが、その時点でびっくり。

なんと川に結構な水が流れて、ちゃんとした川になっている!

お隣の逆瀬川もそうだが、

枯れっ枯れで乾燥した川底の地肌が丸見えなイメージしかなかったのでちょっと意外。

ひょっとして先日の台風で降った雨の貯水量が思ったより多いのかな。

それにしてもこれでは相当ルートが水に浸かって、難易度が高そうだ…

ずんずん歩いていくと、前方の左手にこんもりとした甲山、

そしてその右側にへばりつくような住宅街が見える。

子供のころから何度もトライした仁川の激坂の一部がここからでも確認できます。

まさに阪神のユイの壁ですな。


阪急仁川駅

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↓前方左手に甲山、右手は仁川のユイの壁

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その激坂も今日はスルーして、さらに川に沿って上がっていくと、

百合野橋に到着します。

このすぐ左手奥には地すべり会館があります。

阪神大震災の際にこの地で深刻な地滑りが発生し、

34名の方がお亡くなりになっています。

盛り土による宅地造成が原因でした。

この辺りは高級そうな住宅が山の際まで続いていますが、

地形的には相当に険しい場所なのだと改めて思い知らさせます。


↓いつもは枯れた川なのに、水勢がものすごい…

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百合野橋を反対側に渡り、河原へ降りる橋はスルーして

そのまま川上のけもの道を進みます。

すぐに両岸が切り立った峡谷へと姿を変え、

その間を白い泡をまき散らしながら激しく水が流れています。

ほんのわずか入っただけでものすごい山奥に分け入ったかのような錯覚を覚えます。

しばらくけもの道を進んでいくと、川へと降りる場所に差し掛かります。

飛び石を伝って、前進をしていくと、

石積の小さな堰が出てきました。

これは左手側の水が来ていないところに露出している

石積をステップにして越えていきます。

落ちる水のしぶきがかかって涼しい〜。


↓まずは石積の堰堤を越える

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堰を越えてさらに奥へ進んでいくと、大きな岩がどーんと右手に鎮座しています。

この仁川一帯は、ロッククライミングの古い名所だそうで、

この岩はムーンライト・ロックと呼ばれているそうです。

そこへたどり着くには2度3度と浅瀬や飛び石のある個所を渡っていくのだが、

もうくるぶし辺りまでの浸水は気にならなくなってきました。

このムーンライト・ロックの直下をぐりっと右にカーブしながら奥へ進みます。


↓大岩ムーンライト・ロック

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大きく右に折れながら、大岩の先へ回り込むと、

いきなり賑やかになります。

なんと、たくさんの大学生くらいの子らが、水遊びに興じているのでした。

どうも、峡谷の上部を伝ってくる巻き道が、

この少し先にある滝の手前まであるらしく、そこを通って

このヒミツの水遊び場にやってきているようでした。

若い子らが水着を着て楽しそうに遊んでいる横を、

ヘルメットを被った重装備のおっさんが、ズブズブと水の中を歩いてきたので

みなからギョっとされます。

ちょっとバツが悪いですなあ。

滝壺の先では落差5mほどの滝があり、直接は登れないので、

いったん左手の岩場をあがります。

そこにも休憩をしているたくさんの子らがいて、

道を開けてもらって、巻き道を伝っていくと、滝の上部に出ました。


↓振り返って。飛び石で渡るのは早くも限界

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↓さらに奥へ

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↓滝壺は格好の遊び場になっていました

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↓滝の上部へ左から巻く

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滝の上部からはいよいよ両岸の幅も狭まり、渓谷の核心部に突入。

浅瀬といえる浅瀬はもはや見当たらず、

でかい岩がゴロゴロと川に転がっています。

その岩を伝ってできるだけ進んでいきたいのだが、

岩は存分に濡れてツルツルと滑りやすく、

慎重に進まないと水に流されそうな感じ。

数少ない手がかり、足掛かりだけでは前進もままならず、

意を決して水中をジャバジャバ歩かないといけない場面もいよいよ出てきました。

膝下浸水は当たり前で、場所によっては腰元まで浸かるようなところもあり、

もうそこまで達すると、濡れる濡れないはもうどうでもよくなり、

開き直って進めるようになりました。

そうして第1の関門である水門に到達しました。


↓できるだけ浅瀬を歩く

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↓水門

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ここは2段の堰堤になっているのだが、丈が結構あってよじ登れそうにない。

なにより水の勢いが結構あり、直前の滝壺も相当深く、肩くらいまで浸かるほど。

一か所だけ(下の写真の一番手前の子が立っているところ)、

大岩があるのだがそこでさえ腰まで水に浸かる感じ。

事前リサーチではその岩をステップに堰堤をよじ登れとあったのだが、

それはもっと水が少ない時期のことで、このままでは何もかもが水没してしまう…

どうしようか悩んだ末に、手前に沈んでいる枯れ木を伝って、

左手の岩場をよじ登ることにした。

かなり難易度の高いクライミングになるが、最悪落ちても下は水なので死にはしない。

でも携帯も含めてすべて水没することになるので必死で取り掛かります。

枯れ木はかなり不安定で歩くたびにコロコロと動く。

どうにか岩場に到着したら、

まず縦に入った岩の切れ目に右腕を突っ込み、そこを固定して、

左手を左の岩のかなり上の方の手掛かりにどうにかかけ、

そこからまず左足をわずかな段差に押し上げます。

体を持ち上げたら、宙ぶらりんの右足をクラックの先、

水門側の岩のわずかな張り出しにかけます。

これでベタっと岩場に張り付いた状態になり、そこでいったんキープ。

筋肉がピクピクする@@@@@

手を入れ替えるため、力を籠め、左手を外し、

その手をクラックに突っ込んで固定したら右手を自由にさせ、水門側の岩をつかむ。

これで若干の横移動となる。

そうして、左手を目いっぱい踏ん張って、

左足をどうにか右側の岩場に持ってきてあとは岩場を登るだけ。

どうにか水に落ちずに水門をあがることができました。ゼエゼエ。


↓左下の倒木を足掛かりに、ロッククライミングの要領で岩をよじ登る

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↓水門上部から。

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このちょっとしたクライミングで結構体力を使ってしまったので、

水門の上でしばし休憩。

濡れてもへっちゃらな子らがひょいひょい水門をあがってはダイブするのを見て、

ワシャ一人何をやっとんのやろ〜と思いますが、

難所を抜けれたことにちょっとした満足感もありました。

ここからは深いゴルジュとなり水の流れが速くなります。

川幅もほとんど狭くなり、ズブズブと浸かりながら、進みます。

小さな落差がいくつもあり、そういうスポットでは水の流れがものすごい。

足を入れた瞬間にふらっと流されるような感覚になるので、

踏ん張りながら進みます。


↓まだまだ続くよ

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↓油断すると足を取られる

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↓もう浸かるしかない

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↓振り返って。どこ歩いてきたかすでに不明

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瞬間瞬間が、結構神経を使う場所ばかりで、

ひたすら川の流れと前方の具合を確認しながら、

一歩ずつ立ち止まって、次の足場をどうするかを考える、を繰り返していきます。

川幅いっぱいにで岩場がないところは、よく集中して水中を覗きやると、

うっすらと川底が見え、砂が堆積して浅瀬になっているところと、

流れが速く削られて深くなっているところを見分けられます。

川のできるだけウィークポイントをつきながら、

ずんずん進んでいくと奥に巨大な堰堤が登場しました。


↓奥にでかい堰堤が見えてきた

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第2の難所、大井滝砂防ダムです。

ゴオオオオオ〜という爆音を上げながら、

豪快に水しぶきを上げております。

ここでしばらく立ち往生しました。

これをどうやって越えていくのか…

必ずどこかに巻き道が存在しているはずなのだが、

それらしいものは見当たらない。

右の切り立った岩場をよく見ると、

頼りないロープの切れ端が千切れてへばりついています。

さらに上部にはハーケンの跡も見える。

しかしここはさすがにロープがないと厳しすぎる。

あまりに危ないのでしばし躊躇し、撤退しようかどうしようかずいぶん悩む。

しばらく考えたのち、上れるだけ登ってみようと思って、

2つめのステップまで上るが、明らかにこれは装備なしで登るようなところじゃない。

靴も濡れて滑るし、これは絶対落ちると思って直登を断念します。


↓大井滝砂防ダム

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↓右の危ない岩場

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↓結構な高度感

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これで撤退かあと失意のうちにバックしようと思った矢先に、

油断してずるっと足を滑らせ、深みに!

大慌てでリカバリーして、どうにか岩の上に戻ります。

おおおおお、超焦った@@@@@

体は幸いどこも打たずに無事だったのだが、荷物はすべて水没してしまいました。

心配なのは首からかけていた携帯…

見ると電源が落ちてしまっています。

振ってみたりあれこれやってみるとどうにか再起動しました(汗)

でも湿気てしまったせいかボタンが思うように作動しなかったため、

しばらく電源を落として放置することにし、

念のため、ヘルメットの中に放り込むことにしました。

このまま撤退も悔しいと思い、両岸の上部を確認しながら少し戻ると、

左手のちょっとした沢の上部へ足跡があったのでそちらへ進み、

峡谷の上の方まで巻いて、どうにか堰堤を越えることができました。

堰堤の手前で、ちょっとだけ休憩。

靴の中に大量の砂礫が流れ込んで痛かったので、脱いでみると、

こんもりと小石や砂が採れました。火打の泥は流せても、また今度は砂です。

未開封のペットボトルがかろうじて無事だったので、水分補給だけして

あとはしばらく放心。

ん〜思ったよりハードだなあ。


しばし休憩ののち、滝上部を進んでいきます。

もうこの辺りは全く足場がなくて、深みをズバズバと進んでいきます。

そうすると先ほどよりも少し小さめの堰が登場。

右手側に完全に弱り切ったロープがつるしてあり、そこから登ります。

ロープはあまりに頼りがないので、

体を岩に押し付けるようにしながらバランスを保って、どうにかよじ登ります。

ふぃ〜しんど。

ここで今一度携帯をいじったら、どうにか復活しました(汗)


↓怪しいロープを使ってよじ登る

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↓水量が半端ない

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そこを登りきると、河原が広くなり、笹が生い茂る平坦な場所に出ます。

しばらく進むと、千刈ダムから神戸まで続く神戸水道の水道管が上部を横断しています。

右手にはその上へと続く巻き道を確認。なにかあればここまで戻ってこればOK。

ひとまず行けるところまで遡上してみます。

水道管の直下は結構深くて流れも速く慎重に。

倒木を支えにぐいっと川の中央のでかい岩に飛び移る。

そうして何度も流れを行ったり来たりしていると、

前方右手に巨大な岩壁が見えてきました。

仁川のバットレスです。

近くへ行ってみるとクライミング用の穴がいくつも見えました。

真下から見上げるとなかなかの高さ。


↓仁川バットレス

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↓真下から見上げる

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さすがにここは登れないので、それをぐいっと右に旋回しつつ進みます。

このカーブのところは、かなり水深があり、流れも急で

川に入ってあっちこっちルートを探ってみたのですが、

残念ながらここで水量に阻まれてしまいました。

仕方なく先ほどの水道管の巻き道までバックします。

引き返そうとクルリと反転したが、

もう自分がどこを辿ってきたのか全くわかりません。

我ながらえらいところを歩いているなあと時間します。

遡上と違って、引き返すときは流れに押され気味に進むので、

足を取られぬように慎重を期し、どうにか水道管まで戻ってきました。


↓ここで巻き道まで引き返す

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↓水道橋(神戸水道)までバック

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↓橋直下が深く流れ速い@@

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そこから水道管の管理用の階段を伝っていくと、

下流から続いているけもの道に合流。

そこをずんずん進み、いったん開けるところに出ます。

眼下にはこの渓谷最大の落差のある仁川渓堰堤が見えました。

さすがにあの堰堤を巻ける場所はないので、

どのみちここまでバックしないといけなかったのですが、

せめて堰堤を真下から覗いてみたかったです。

また水の少ない時にリベンジ。


↓仁川峡堰堤

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そこをさらに進んで、ずんずん下っていくと、ただっ広い河原に出ました。

そのまんま広河原という場所で、周辺では家族連れが思い思いに憩っています。

先ほどまで、アドベンチャーど真ん中だった景色とは全く雰囲気が変わりました。

奥には甲山がポコンと張り出して、なんとものどか。


↓のどかな広河原に出る。左は甲山

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水遊びに興じる子供らや家族連れの間を、

全身ずぶ濡れのまるで帰還兵のようなおっさんが無言で通過します。

レストハウスを過ぎ、五ヶ池ピクニックロードの橋の下を進み、

再び野生の世界へと戻ります。

いくつか沢を行ったり来たりしつつ進んでいくと、前方に大きな堰が。

そこで、右手側から回り込んで巻き道を発見。

この神呪堰堤は3連になっていて、なかなかの見応えです。


↓巻き道

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↓3連の神呪堰堤

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そこからはしばらく川の流れとさようならして、

ブッシュの中を突き進む巻き道を進む。

ちょうど顔の位置にたくさん蜘蛛の巣があって、ベタベタとくっつく!

ああ、先週顔を腫らしたばっかりなのに!

小さな簡易の橋を渡ってしばらくのところで、

道が右手に分かれているところがあり、その先の急峻なガレ場を登ると、

遠く千里の方まで一望できました。


↓ガレ場を登る

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↓隠れ絶景ポイント

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再び元の道に戻り進んでいくと、広い沢へ降りることができます。

少し戻ると、神呪第2堰堤がありました。

そこからは水が引いた広い沢を歩いていくことにします。

この頃からもう、日がずいぶん沈んできました。

本当はこの先も川は続くのですが(宝殿の直下辺りが源流)、

そろそろ帰路を考えねばなりません。

地図を取り出して、あれこれ思案をして、

北山貯水池に出てバスを拾うのがベストとはじき出してそちらへ向かいます。

最後の徒渡(かちわたり)を渡り切って、少しけもの道を彷徨うと、

甲山に張り巡らされた自然道に出ます。

そこを少し進んでいくと、急に前方が開けて、北山貯水池に出ました。

これで今回の山行は終了です。乙カレ〜。


↓神呪第2堰堤

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↓最後の徒渡を越えたところ

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↓甲山のヘリを突っ切る

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↓北山貯水池でゴール

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ひとまずバス停で確認すると東回りのほうが

もう10分ほどで到着というベストタイミング。

服は歩いているうちにずいぶん乾いていたのだが、

靴にたまった水や砂がたまらんので、靴を脱いで乾かします。

生乾きのままで申し訳ないが、バスに乗り込み、

そのまま終点の阪神西宮駅へ。

そこからまっすぐ梅田に出て帰宅。

さすがにこの泥っ泥、ベチャベチャで寄り道はできないワ。

帰宅後、真っ先にシャワーを浴びて冷えたビール。最高♪

ということで、ちょっとご近所で沢歩きという軽い気分はどこへやら

がっつり本格的な沢歩きになりましたとさ。

2015-04-10

Music Life 音楽の父、細野晴臣 : YMOという宇宙

久々に自作以外の音楽紹介。

すでに何度か紹介をしていますが、

日本のミュージックシーンの父である細野晴臣さん。

震災直後にリリースされた『HoSoNoVa』がこのところのヘビロテです。

もはや説明不要だが、日本語ロックの元祖であるはっぴぃえんどから、

ユーミンや数々のアイドルたちと繰り広げたニューミュージック、

そして今なお多くの影響を与え続けるYellow Magic Orchestraw、

アンビエントでワールドミュージックな放浪を経て、

たどり着いた境地はもうきわめてシンプルなもの。

酸いも甘いも全部味わい尽くし、余計なものを一切合財そぎ落とし、

ただ朴訥とつぶやかれる音の一滴一滴の濃厚さ。

6月の味園ユニバースでのコンサートが楽しみだ。


↓悲しみのラッキースター

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↓ラモナ

D


自分も今年に入って音楽活動を再開しているが、

もうやっていることが全然違うわけです。

自分が今音楽を作る場合、まず、

いかに音を足していくかという観点でスタートしていくわけです。

まずはギターの弾き語りでメロディーを浮かべて、

そこにベースライン乗っけて、ギターソロを入れて、その他のアレンジを入れて、

どんどん音に厚みを出していく、いわゆる足し算の音楽をやっているわけです。

しかし細野さんの場合は真逆で、できるだけ必要最小限の音へ絞って絞って、

全く無駄をなくして調和を目指す、引き算の音楽なのです。

もうあれもこれも音楽と名のつくもののほとんどをやりきってしまって、

アレンジなんてどうにでも操れるわけで、

足そうと思えばいつでもいくらでも足せるわけですが、

それをどんどん研ぎ澄ませていけばいくほどやはり向かうのは

シンプル・イズ・ベストということなんでしょう。

わかりやすく例えれば、自分があれもこれも食材を継ぎ足して

煮込み料理をせっせと作っているのに対して、

細野さんは、無駄を一切廃して食材の持つ本来の味わいだけで勝負する、

超一級の寿司職人みたいなものです。

それができるのも一つ一つの音を出す精度が全然違う。

自分のように音を重ねて重ねて粗を埋めるのではなく、

単発の音だけでも音楽できるだけの自信と懐の深さなんだろうと思います。

その自信というのはやはり、

きちっと音楽のロジックを試行錯誤の中で学んできたという経験なんだろうと思います。

自分にはまだまだそこまで自分の出す音に自信がない。

ないから音を厚塗りして隠す。そういうことだろうなと痛感している。

そりゃあ遊びでやっている自分と、

音楽歴数十年のプロでは全く相手にもならないのは当然わかってます。

でもここまで圧倒的に違うともうかないませんね。


HoSoNoVa

HoSoNoVa


ちょっと話は逸れるが

同じYMOつながりで坂本龍一教授の音楽番組『スコラ 音楽の学校』を観なおしているのだが

これがまたものすごく面白い。

音楽を理屈でとらえる、名曲をばらばらのパーツに一旦分解をしてみて分析をしてみると

こういうカラクリがあったんだ、こういうテクニックが隠されていたんだとものすごく興味深い。

音楽というクリエイティブな分野ではもちろん、

フィーリングやイマジネーションはとても重要なんだけど、

そこにしっかりとしたロジックが加わると、意図した世界観だったり、狙った音がカチっとはまる、

ということを今さらながらに再確認した次第です。

自分も若いころは、コードなんて知らねぇ〜、

ただギターをデタラメにかき鳴らして、どんちゃん騒げばOKみたいな感じだったが

振り返ると、あれは音楽なんかじゃ全然なかった。

今では、音の構成とか、メロディーラインのつながりだったり、あるいはリズムの外し方とか、

よく考えて作るようになりました。

心地よいメロディーライン、気持ちのいいグルーブ感、

こういった感覚的な部分をできるだけ楽曲の中で再現するには、

思いつきではなく意図的に出すということをしないと生まれないのだと最近わかってきました。

まあ今さらと言えば今さらなのですが、

音楽の核心に一歩でも近づけただけでも音楽を再開してよかったかなあと思う今日この頃。