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記憶の残滓 by arkibito

2018-04-13

VIVA!霊仙山!

ちょっと時間が経ちましたが、先日のお山の話をば。


このところの体調不良もしかりだが、

年なのか休日になかなか早起きできなくなってきていて、

お山やら自転車やらの出動が間に合わなくなって、

結局ダラダラとした休日を過ごしてしまうというのが続いていて、

そんな体たらくを棚に上げて、

やっぱり山へ行きたい、ロングライドに行きたいと

気持ちだけが先走っているのだが、

この週末は何が何でもお山に行くんだと気合十分で就寝し、

睡魔の誘惑を振り切って早朝の電車に飛び乗りお山へ。


今回のターゲットは、鈴鹿山脈の北限に位置し、

百名山伊吹山と正面向かいにある霊仙山。

以前、真冬に雪山登山で訪れたのだが、

その時は6合目でホワイトアウトに遭い、

無念の途中下山で山頂を踏めずに、ずっと宿題になっていた。

本当ならもう少し早め、

一面雪の白い世界のうちに訪れる予定だったのだが

絶不調のコンディションでずれ込んでしまった。

これ以上遅い時期になるとヒル地獄として有名なお山なので

またしばらく登りそびれる恐れもあり、満を持してのタイミング。


6時台の快速に乗り、どんぶらこっこ米原まで。

そこで乗り換えて、1駅先の醒ヶ井駅に到着したのが8:35。

以前はここから醒ヶ井の養鱒場まで路線バスがあったのだが、

すでになくなってしまっているので、

仕方なくここから4kmほど歩きます。


醒ヶ井

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なかなかお天気が素晴らしいのだけど、

すぐに暑くなって上着を脱いでテクテク名水の集落を歩く。

40分ほどで養鱒場に到着。


↓養鱒場

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しかしここが登山口ではなく、

ここからさらに4kmも退屈な林道をひたすら歩く必要があります。

アプローチが遠いよ〜@@

単調な谷沿いの林道をとぼとぼと歩いていると、

何台かの車が通り過ぎていきます。

車だと登山口まではすぐだからいいよなあと愚痴りながら

黙々と長い長い舗装道路を詰め、

ようやく1時間30分ほどかけて榑ヶ畑登山口に到着。

この日は行楽日和というのもあって、

随分下の方まで路駐の車がズラリ。

小さな東屋で登山届を出して、ようやく山歩きスタート。


↓熊注意

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↓ひたすら林道を歩く

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↓榑ヶ畑登山口

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ゲートをくぐって、進んでいくと、

うっそうとした森の中に、

随分前に放棄された集落の残骸へと分け入っていきます。

雪解けの水が足元を腐らせてぐじゅぐじゅなので、

足の置き場を選びながら進んでいくと、

小さな山小屋かなやに到着。

越冬缶ジュースは残念ながら売り切れておりました。


↓山小屋かなや

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ここから湿っぽい谷底とさよならをして、

一気に急な登りを弓なりになぞり、

小さな尾根にぶつかるところで一気に直登で上まで。

汗拭き峠ではたくさんの人が一服を入れていましたが、

混雑を避けて、ここはスルーしていきます。

大所帯のパーティーに道を譲られながら回廊を伝っていきます。


↓汗拭き峠の急登

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↓登りきって回廊を行く

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小さな岩場を乗越てから先は

南側の斜面をなぞるようにして道は続く。

大洞谷源頭と呼ばれている、

下から合流するかのように沢がぶつかる地点で、

道は急に向きを変えてジグザグ折れてゆく。

そこそこペースを維持して登ってきたので、

オーバーヒートしてしまい、ここで上着を脱ぎます。暑い!


↓大洞谷源頭

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↓四合目

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少しばかり急登を詰めると、

木立が並ぶ広々とした緩斜面に出て、

トレースに従って進んでいく。

しばらくすると北川が開けた見晴台と呼ばれる五合目に到着。

山の管理の方々が重い資材を下ろして休憩されていてご挨拶。

しばし、遠くに見える琵琶湖長浜の町並みを眺めて、リスタート。


↓五合目・見晴台から琵琶湖長浜の町並み

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ここから前方に立ちはだかる

こんもりとした山の塊に取り付いて、

大きく右側にトラバースするように

山肌を横切りながら山上を目指すのだが、

ここからただでさえ急斜面になるのに、足元の具合がすこぶる悪い。

冬の間にしっかりと積もった雪がすべて溶け込んで、

地面がまるでチョコレートフォンデュのように

ひどいぬかるみになっている。

足がとられたり、ドロドロになるのはまだいいとして、

足を差し出した瞬間に、スリップし、

斜面なので滑り落ちるような感覚をどうにか踏ん張ってこらえる始末。

まるで一人ローション相撲のような様相

トレッキングポールを取り出して、それを支えに進むのだが、

それでも油断をしていると、

ズルッ、ツルンと転倒しかける。

思わぬトラップに大苦戦してペースは大幅にダウンしてしまいます。


↓泥地獄スタート

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ようやく急な斜面が落ち着いて、滑り落ちることはなくなったが

足元の状態は変わらずで、

登山靴にべったりまとわりついた泥が重みを増してゆく。

まるでスノーシューを履いて

ぺったんぺったんと前進するような足取りで、

どうにかこうにか中腹の6合目までやってきました。


↓六合目

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ここから先は大きない木々がなくなり、

低い芝と、点在する岩のフィールドをジグザグに詰めていきます。

足元の具合も、少しずつまともな土に変わっていき、

歩きやすくなってきました。

遠く北側に再び琵琶湖の姿が見え始めました。


↓急斜面を詰める

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↓徐々にカルスト地形

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この急斜面が意外とあって、

ジグザグジグザグと岩の間を抜けながら登っていくと、

途中見覚えのある岩と木の姿が。

全開、深い雪の頃にアタックした際に撤退を決めた場所です。

あの時は雪に乗じて、6合目からほぼ直登してあそこまで詰めたのですが、

そこから先、完全なホワイトアウト前後不覚に陥り、

無理をして先へ進んでしまったら、

もう絶対降り口を見つけられないと、後退しました。

このあと予想以上に広大な山上を目の当たりにして、

あの時の判断は間違っていなかったなあと改めて感じました。

雪の季節でなくても、悪天候でガスっていたら、

結構道迷いの危険が高いと思います。


↓前回は右手の木のところで撤退

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そこからもう少しだけ登ったところにお猿岩があり、

ここが七合目。いよいよ山上にやってきました。

前方を見ると、広大なフィールドが広がっていて、

低い芝の草原にぽつぽつと白い岩がむき出しに点在して

見事なカルスト地形を見せています。

予想以上のスケール感に足取りも軽くなります。

振り返れば、豊かな水をたたえる琵琶湖がぽっかりと浮かんでいて

まさしく絶景。

関西でこれほどまで気持ちのいいお山もなかなかないでしょう!


↓七合目・お猿岩

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↓山上は広大なフィールドが広がっていました!

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↓絶景かな〜

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長浜市街

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開放的な山上に出てからは悠々と歩きます。

いまだに残雪が名残惜しそうに横たわっているところでは、

雪をすくったり、足跡をつけたりしながら、進みます。

にょきにょきと映えるように点在する岩をかいくぐっていくと、

小さな池があり、そこが八合目。

そこから右に視線を振ると、

うっすらと白い雪を纏った大きな山の塊が見え、

そこが霊仙山のピークのようです。

トレースはそちらへは向かわず、

まず前方に連なる尾根の一番高いところ、

経塚山をめがけているのでそちらへと向かいます。


カルスト台地をさらに進む

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↓八合目・お池

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↓左手に経塚山、右が霊仙山

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残雪踏み踏み

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少しずつ上りをこなしながら

ゆっくりと大きくなっていく霊仙を仰ぎ見る。

まだあそこはかすかに冬が残っているようで、ワクワクする。

そうして振り返ってみれば、

ここまで歩いてきた山上の庭園がずらーっと広がっていて

これがまたたまらない。

これ、最高に晴れた真冬の日だったら、

一面の銀世界なんだろうなあ。

しかもすぐ向かい側には、伊吹山が堂々と鎮座しているし、

その脇から、白無垢の白山御嶽山

ひょっこりはんと顔を出している。

大阪からほぼ新快速一本で行ける範囲に

こんなアルプス感あふれるお山があるなんて!

いやあ、山を満喫してますよ。素晴らしい。


伊吹山越しの白山

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↓経塚山の中腹から山頂をのぞむ

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↓見事ですなあ

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↓ただっ広い!

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えっほえっほと登りを詰めて、

尾根のピークである経塚山に到着。

ここで少しだけ補給タイム。

何しろ朝はサンドイッチしか食べてなくて、

お腹がペコペコ。

もう山頂までは持たなそうなので、

ここでおにぎりを2つほどパクパク。

しばし休憩ののち、

目の前にどーんと構えている本丸へと出発します。


↓経塚山

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↓左が最高点、右が山頂

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この霊仙山はちょっと変わっていて、

双耳峰という扱いでもないのですが、

”山頂”と呼ばれるピークと、

”最高点”と呼ばれるピークの2つがあります。

どちらから行こうかと悩んで、

ひとまず左側にある最高点を目指します。

大きな雪渓を横目に、ほぼ直登するような形で斜面に取り付きます。

うっすらと雪のパウダーと、

そこからようやく顔を出した緑を踏みしめながら、

上り詰めて最高点に到着したのが11:55。

醒ヶ井の駅から出発して約4時間30分の行程でした。


残雪を横目に

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↓霊仙山最高点

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ここからの眺めもまた素晴らしく、

北側には伊吹山と右手に広がる大垣市街、

そして南東の奥には伊勢湾が山の間に横たわっている。

そこから南側には鈴鹿山脈が縦に連なっていて、

右手側に湖東の町並み。

いやあ、絶景です。


↓1098mの最高点にて。左手に伊勢湾が見える

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↓湖東方面

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↓遠く御嶽

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↓海老のしっぽの食べ残し

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しばらく景色を堪能したのち、

もう一方のピークへと向かいます。

一度鞍部まで下っていきますが、

案の定、足元が緩いので、スリップしないように慎重に下り、

そこから、まるで洋菓子のようなシルエットの”山頂”に向けて、

最後のひと登り。


↓続いてあちらのテッペンへ

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↓クグロフのような道を登りますヨ〜

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↓えっちらおっちら

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そうして、こちらの”山頂”も無事に到着。

さっきの”最高点”よりもこちら側の方が琵琶湖がよりはっきり見渡せます。

ちょっと時期的に遅きに帰した感があったのだけど、

こちらには低木にまだ樹氷めいたものが張り付いていて、

ちょっとしたオマケが嬉しかったり。

せっかくスケール抜群の絶景が広がっているのに、

あっさり下山ももったいないので、

さっきの補給で残していたカップ麺をいただきます。

インスタントでも、この絶景を前には十分なごちそう!


↓山頂とうちゃこ

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伊吹山方面

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琵琶湖方面

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↓冬の名残り

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↓プチ樹氷

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↓定番の昼飯

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20分ほど滞在をして、いよいよ下山をします。

雪渓で遊びつつ、経塚山まで戻ってきましたが、

また同じルートというのも味気なく、

あのドロドロの斜面を下るのは想像しがたいこともあり、

もう1つのルートである柏原コースへ向かうことにしました。


↓さて下山

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↓ズンドコ下ります

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↓雪の斜面

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経塚山の直下で道を折れて、雪渓を横断しつつ、

向こう側の山にポツンと立っている避難小屋へ向かいます。

中は本当に簡素な造りですが、

真冬や荒天時に雪や雨風を防ぐには貴重な避難所になります。


↓経塚山をおりたとこ

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↓霊仙山避難小屋

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小屋から少し進んでいくと、

その先が一気の激下り。

まだ足元がしっかりしているのでスリップの心配はないが、

慎重に下ります。

暗部に降り立つと道が分岐していますが、

谷山谷ルートは台風等で荒れ具合がひどいため

通行止めになっているので、そのまま向かいの起伏へと進みます。


↓四丁横崖の激下り

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↓八合目。谷山谷ルートは通行不可

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ここから、赤テープを頼りに、

ほとんど獣道寸前に頼りない道を進んでいきます。

夏ならばしっかりとトレースがあるんだろうけど、

まだ雪解け間もない時期で、

こちら側のルートを歩く人も少ないようで、

よくよく先を確認しながら進みます。

そのまま進んでいくと目の前を小さな沢が斜めに横切っていて、

ちょうどそこが日陰になっているせいで、

残雪がしっかりと溜まっている。

そこでルートを見失ってしまう。

雪だまりには登山者の踏み跡もついておらず、

沢の先を見渡しても赤テープらしきものは見当たらない。

そのまま横断していくのか、それとも右手に沢を登っていくのか、

あるいは左手に沢を下るのか???

ここは焦らずじっくりと見極めようと目を凝らすと、

左手前方に、うっすらとトレースのようなものが見える。

方角的にはちょっと違うような気もするのだが、

とりあえずそちらへと進んでいくと、

そこを進んでいくとちょっとした広場のようなところに出た。

トレースはうっすらながら先へ進んでいるのだが、

どう考えても谷山谷方面へと向かっているので、

一度ザックを下ろし、現在地を確認する。

幸い広場からは伊吹山も見えるし、

ふりかえればさっきの避難小屋も見えるので

地図と照らし合わせながら現在地を確定すると、

やはり柏原ルートから外れているようだった。

さっきのポイントまで戻ろうとすると、周辺の木立がざわつく。

もしや熊???と構えて、周囲を確認すると

何頭かの鹿が、一目散に逃げてゆくのが見える。

あのトレースは彼らの生活道だったようです。


↓ルートをロスとして、よくわからない鹿の広場に出た

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とりあえず、このまま進むわけにもいかないので引き返しますが、

山の形状から判断するに、そのまま戻るよりも

稜線へ直接向かった方が早かろうと、林の中をごそごそ進む。

足元をよく見ると、丸っこいチョコボールのような鹿のフンが辺り一面に。

しばらく登っていくとなだらかな部分に出て、

その前方に登山客の姿を発見!

ようやく正規のルートに戻れました。

やはりさっきの雪だまりの沢を登っていくのが正解のようでした。


↓迷いに迷ってようやくルート復帰

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復帰したポイントからは急な下りとなります。

ここら辺も雪が結構残っていて、

ルートが全く埋もれてしまっていますが、

はるか下に、小さな標識のようなものが見えているので、

どうにか行先がわかりました。

急な斜面の緩い箇所を選んで

尻セードでズシャーとやったのですが、

途中雪がボコッと陥没をしてはまってしまいました@@


↓七合目までの雪の急斜面を尻セードで

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エイホッと抜け出して、看板まで再び尻セードかけて降りる。

そこからは、東の養老方面へと続く山並みと、

そこに刻まれた林道のラインが見えてきました。

ちなみにあの林道は、

員弁方面へと出るための道で柏原方面へは行かないので

うかつにそちらへ行かないように注意が必要。


林道はあるが、三重へ行ってしまうので注意

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しばらく林道ランデブーするようにして登山道が続いていきます。

登山道林道サヨウナラをするポイントで、

正規のルートは反対の斜面へと続いていて、

それとは別に、もう一つ

そのまま稜線を上がっていく細いトレースを見つける。

恐らく電気関係の作業用のものだろうが、

ちょっと頭に入れておく。


正規ルートを進んでいくと、さらに分岐があり、

そこには標識が立っている。

そのまま斜面を下りるように進む河内道は通行止めになっていて、

斜面を下りずになぞっていく柏原道へ標識通り進む。


↓標識通り、柏原道へ行くが…

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しかし、この斜面に取り付けられた道が徐々に頼りなくなっていき、

本当にこれが正規ルートなの?と思うほど。

それでもさっきちゃんと標識もあった訳だし、進むしかない。

すると、広範囲にわたって雪がへばりついた斜面に差し掛かる。

その先のルートがどうなっているのか一切の目印が見当たらないうえに、

そのまま斜面を横切るにはあまりに危険な状況になってきた。

慎重に雪をかき分けて谷へ下るようにして横断するか、

あるいは、斜面を無理やり登り返して稜線へ出るべきか…

いずれにせよ、そのままのレベルで横切るのは、

雪がなくても険しすぎて難しい状況。

これ本当に正規ルートなの???

さっきの道迷いの件もあるし、とりあえず、

もう少し前進して、違う角度から周囲を見れば

ここから見えない位置に赤テープがあるかもしれないから

それで落ち着いて判断しようと、

目の前の雪だまりに足を踏み入れたのだが、

その瞬間、ごぼっと足元の雪が崩れて、2mほど落下。

ひや〜危ない!!

足を少しくじいてしまった以外には他にけがはなかったけど、

ちょっとヒヤリとしました。

どうにかさっきの場(そこまでは間違いなくルートとはっきりわかる地点)に戻り、

そこから雪の多い谷へ下るのをやめて、

稜線を目指して急な斜面をやみくもに上ります。

そういえば、さっき林道と別れる地点で、

作業道があったはずだから、

そこを一時的にたどれば正規ルートには戻れるだろうという判断。

道なき道をよじ登ってどうにか稜線に出ると、

一定間隔で作業用の赤い杭が打たれていて、

そこをなぞって稜線のピークに出る。

周囲を見渡すと、東に大垣の町並みが見え、北側には伊吹山

この日は晴れていて進行方向がよく確認できるから、

まだ迷っても安心して、とりあえずこっち方面と進めるのだが

本格的にこの山塊に入るのは初めてだったし、

これが天気が良くなかったら、相当迷っていた危険性もあるなあ。


↓仕方なく斜面を登りなおしてどこかのピー

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大垣の町並み

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ピークから、伊吹山の見える方角の斜面を下っていくと、

中腹で休憩をしている女性がいらして、

念のためこっちで合っていますと聞くと、正解ですとの答え。

彼女も、自分と同じポイントで正規ルートを断念して、

こちらに迂回してきたそうです。

そこからすぐ先にあるY字に枝分かれした松のある場所で

正規ルートに復帰しました。


↓特徴的な松

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そこから先は明瞭なトレースを伝って、六合目まで。

なんか八合目からの区間は、

迷いに迷いまくってとっても長く時間が感じられました。


↓六合目

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六合目から再び谷を下っていきますが、

ここでも依然としてまだらの雪面が残っていて、

トレースをかき消しています。

トレースなのか、雪解けの水が集まっている小さな沢なのか、

何本もの筋が谷から放射状に延びていて、

しばらくはでたらめに谷を下って行ったのだが、

知らぬ間にルートが左の尾根へと

離脱するのを危うく見逃してしまうところでした(汗)


↓まだらの残雪が道を惑わせる

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そこから、再び稜線を歩くのだが、

通せんぼするかのように胸まである雪の塊が行く手を遮ったり

トレースを消してしまっている。

だが稜線上では、ルートを迷うこともないので、

そのままその雪を乗り越えて稜線をなぞってゆく。

しかし、これほど高度を下げているというのに、

まだこれだけの雪が残っているとは、

この辺は立派な豪雪地帯と言っていいのかもしれないなあ。

そうして五合目に到着。


↓五合目

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五合目を過ぎると、左手に管理された杉林が続き、

トレースもしっかりしたものになってくる。

時期に前方に黄色いコンテナが見え、

それが四合目の避難小屋。


↓四合目の避難小屋

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四合目から三合目までも

比較的穏やかなトレースをえっほえっほと下っていく。


↓三合目

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順調に高度を下げ、距離も詰めて、二合目まで下りる。

二合目のところはちょっと広場のようになっている。

次はどちらへ進むのかと思ったら、

倒木が行く手を塞いでいる谷底が正解のようだ。


↓小道を行けば〜♪

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↓二合目

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そのまま狭い川底にたどり着くのだが、

この冬の雪の重みのせいか、

斜面の上部から何本のもの木が倒れかけてきて、

沢を埋め尽くしているし、

足元もルートが明瞭についているわけではなく、

沢の中の安定している石をつないでいくような感じ。

これで本当に正規ルートなのかと思うほど荒れていますが

他に迂回できる余地はないので、

上からの落石や倒木に注意しつつ、慎重に抜けていきます。


↓大荒れじゃないか

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ようやくっまともな道に出てしばらく進むと一合目。

ようやく終わりが見えてきたのかなあと安堵しましたが、

しかし登山口まではまだまだ長い距離がありました。

未舗装の林道に出て、

そのまま牧場のようなところを横目にひたすら歩きます。

さらに林を抜けて、名神高速とぶつかるところが柏原登山口

一合目から30分かかりました。

ふぃ〜。


↓一合目

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↓山道を抜けました

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登山口に下山

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しかし、ゴールはもちろんここではなく、

さらに10分ほど集落を歩いてJR柏原駅に到着。

いや〜下りは下りでは長い道のりでした@@

ということで約7時間の山行を終えました。


柏原駅

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長い長いアプローチは難儀ではあるけれど、

素晴らしいロケーションとスケール感のある山に大満足でございました。

2018-04-10

Music Life 『川の流れる街で』 by 島田歌穂

大阪北部にお住いの人なら、

きっと一度は聞いたことのあるあの曲をカバーしてみました。

唄っているのはミュージカル界のレジェンド島田歌穂さんです。

1990年の歌なので、かれこれ30年近いのですね。


D


【川の流れる街で】

唄:島田歌穂

作詞:公文健、作曲: 石川大明


せせらぎの音に 耳かたむけて

何を見つめる 美しい瞳

素晴らしい恋が 生れるでしょう

夢が叶うわ この街で


DREAMING EYES 心秘めて

ときめきのときを待つ


HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

光り輝く ひとときを

HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

川の流れる街で


流れ行く水に 想いを馳せて

二人囁く 限りない未来

新しい恋が 水面に揺れる

波にきらめく 愛の街


SHINING EYES 祈り込めて

新しいときを見る


HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

光り輝く ひとときを

HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

川の流れる街で


HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

光り輝く ひとときを

HAVE A NICE TIME HAVE A GOOD DAY

川の流れる街で

2018-04-03

『梅田哲也/hyslom 船・2017』パフォーマンス・クルーズ

ブログ停滞で少し時間が経ちましたが、

梅田哲也/hyslom 船・2017』パフォーマンス・クルーズについて。


以前から注目していたのだけど、

スケジュールがなかなか合わずにいたイベントにようやく参加できました。

日常のありふれたモノ・コトを使い、

環境や音、光、行動などについて新たな”現象”を引き起こす

ライブ・インスタレーションを行っている、

大阪在住のアーティスト梅田哲也さんと、

様々な冒険や旅を通じて得られた経験や新たなモノ・人との遭遇を

表現に昇華させるアーティスト集団・hyslomの面々が、

大阪の水路や河川・港湾で繰り広げる水上パフォーマンスクルーズです。


あいにく当日は寒の戻りと雨というバッド・コンディションでしたが、

20人ほどが屋根のない小さな船に乗り込んで

東横堀川にある本町橋船着き場を20時に出航しました。

乗客はヘッドホンを手渡され、

そこから様々なアナウンスとともに

言葉のパフォーマンスが流れるようになっています。


本町橋船着場

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↓乗船

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まずは、阪神高速高架橋に閉ざされた

薄暗い東横堀川をゆっくりと南下していきます。

大阪の水路はちょいちょい船で行き来しているので、

比較的なじみの景色ではあるのですが、

夜中に通るのは初めてなので、また違った味わいがありました。

ふしばらくすると前方にhyslom隊の小さなボートが出現し、

船を先導していきながら、

ライティングやもろもろのパフォーマンスを繰り広げていきます。


東横堀川を南下

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いくつもの橋をくぐり、

深緑に淀んだ水面に波紋を刻みながら進んでいくと、

不意に、梅田さんの無線の声が忘れられた水路の物語を紡ぎ始めます。

「ガタロ?何でんねん、そのガタロて…」

まるで怪談話のように低く垂れこめた声が脳天に直接流れ、

その薄気味悪さと、

目の前に広がる非日常の暗闇の世界

(煌びやかな陸の世界の裏側で、確かに存在する暗い水路)が相まって、

まるで異空間へと迷い込んだような錯覚を覚えてきます。

我々は今どこへ引きずり込まれようとしているのか。

まるで長い間川底で息をひそめていた亡霊が、

満を持して水面へ浮上して、

その深い業にまみれた姿を現そうとしているのだろうか。


梅田さんの念仏のような声が異空間へいざなう

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↓鈍色に反射する水面

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そうやって徐々に、

現実と幻想のあわいに堕ちててゆき

片道切符の黄泉の国への渡しを渡ろうかという矢先、

東横堀川はプツリと切断され、

矛先を直角に変えて道頓堀川へと続いていきます。

それまで明かりの刺さない薄暗い洞穴のようなところを

ぬるぬると滑り抜けていたのが、

日本橋を潜り抜けた瞬間に、

眩いばかりの光の世界へと放り込まれ、

ありったけの栄華を誇るネオンの輝きに、

ただただ魅了され、我を忘れる。

それはまるで三途の川を抜けた先にある

お花畑にたどり着いたのかもしれなかった。

走馬灯のように駆け巡る光と雑踏の渦のなかで、

耳元で念仏のように続く世迷言のような物語だけが、

現実と非現実の輪郭を保ち、

ワタクシという自我をどうにか繋ぎとめるのでした。


↓島之内から道頓堀

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↓一気にオモテ世界へ

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戎橋

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おとぎ話の竜宮城の如く煌く道頓堀の幻想が

儚い夢のように過ぎ去って、

目の前に冥界への入り口のように水門が現れました。

道頓堀川水門です。

道頓堀川は潮の満ち引きによって水位が変動してしまうので、

水位を一定に保つための調整弁として水門が設けられています。

門のこちら側と向こう側では水位が違うので、

船舶の通航時にはゲートを閉めて、

水位を調整する役割を担っています。


この門をくぐれば、いよいよあの世の境地かと、

固唾をのんで水位の調整を見守っていましたが、

実はこの門は”アフリカ”への入り口でした。

温かいサバンナの風が髪をそっと撫でたような、

いや、まさか…


道頓堀川水門

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ゲートをくぐると、川の十字路へと躍り出ます。

今辿ってきた道頓堀川中之島から下ってきた木津川がクロスし、

一方は岩崎運河を経て尻無川、もう一方は木津川が南下して、

ともに南港の海へと注ぎます。

一行はそのまま直進して、岩崎運河へと向かい、

環状線の味わいのある鉄橋をくぐっていきます。


↓岩崎橋をくぐって尻無川へ

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この辺りはもう海が間近ということもあり、

雨と風が一層激しさを増してきました。

このしぶきを浴びながら、

ただ船舶の鈍いエンジン音だけを頼りに、

闇夜を切り裂いていく。

そこに自然と生まれる緊張感が、

この屋根のない低身の船をD-DAYの上陸用舟艇へと姿を変え、

今まさに死地へと赴くような錯覚を作り出し、

勢いを増す波の揺れとあべこべに高鳴る鼓動が加速してゆく。


ダンケルクかD-DAYのような緊張感

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せめぎあう住宅地の合間を抜け、

水路は徐々に幅を広げて、水面と夜空が溶け合う頃、

前方の暗闇におぼろげにアーチ型の水門が浮かび上がってきた。

それはまるで、輪廻の環を模ったような出で立ちで、

生ける場所からの離脱を告げる場所として存在していた。

我々はなす術もないまま、

銀河鉄道の夜がいよいよ石炭袋へと引きずり込まれていく要領で、

そちらへといざなわれてゆく。


↓尻無川水門。国内に3機しかないアーチ型水門

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いよいよ、結界を越境して、

河川から闇の海原へ解き放たれると、

どこからともなくhyslom船が現れ、

まるで黄泉の水先案内人のごとく、

まばゆい光線を発しながら波を繋いでゆく。

その光は実に心強く、そしてまた

夜闇に確かな方角を与える北極星のように愛おしい。

少しずつ歩みを速めて、その光へと近づいて行く。

激しい波しぶきに抗いながら、

光の道を絶やすことなく前進し続けてゆくhyslom船は

次第に後方へと小さくなってゆく。

そうしていよいよ、

流れの堰き止められた大正内港へと孤独に歩み出す。


↓アーチをくぐれば海

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↓hyslom船のおでまし

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↓躍動する発光船

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↓さよなら愛しい光

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そこはまるで、かつて栄華を極めた面影を

いまだに引きずり続ける廃墟のように

ただモノクロームの世界が広がり、

切り裂く波と、気張り続ける船のエンジン音以外には

何も聞こえない。

無名の画家の描きかけの風景画の中に

突如放り込まれたかのような、

非現実的な時間の淀みを掻き分けながら、

出口を求めて彷徨い続けていると、

黒々とした建造物の塊の一角に刻まれた僅かな隙間を見つけ、

そちらへと身をねじ込んでゆく。

ゆっくりと水をかいて、反対側へと頭を出すと、

そこには黙々と煙を吐いて呼吸する鉛の街が広がっていた。

夜行性の獣達が、

もはや生者でも死者でもなく得体のしれない我々の気配を察して

じろりと眼を光らせているかのように、

毒々しい蛍光の明かりがそこかしこで点滅し、

何処からともなく漂うケミカルな臭いが、

ここに長く留まることを拒絶している。

我々はできるだけ彼らをこれ以上刺激しないように、

忍び足で遥か彼方に見える一筋の光に向かって進む。

その道すがらに、この廃墟の王国のかつての英雄を祀る

墓標のごとくそびえる鉄骨のオブジェが何体も空を突き刺し、

よそ者の我々が二度と侵入しないように見守っている。


↓船町の工場地帯

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↓中山製鉄所

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↓鉛の墓標

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しばらく静かな運河をゆっくりと遡上していくと、

前方が急に開けてゆく。

振り返れば、あの黄泉の世界の最前線に置かれた鉛の要塞が

少しずつ小さくなってゆく。

我々は再び生なる環を模したような橋をくぐって、

無事に生還を果たした。

しかし、一度目が覚めれば、もはや思いだせない夢のごとく

あの夜の世界はもはやなかったことのように記憶を抹消されてしまう。


↓夜の世界が遠くなる

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↓再び黄泉のアーチをくぐる

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煌々と照らし出された三軒家の水門が、

まるで迷子をしかりつけるような形相で我々を迎え入れ、

この小さな難破船は戻ってきた。

我々の無事を確かめるかのように、

hyslom船は水路の真ん中で役割を終えた光を水の中へと沈め、

今宵蘇らせた水都の記憶を手厚く供養する。

推進力を失ったhyslom船はこの後しばらくの間、力なく漂流したのち、

漆黒の海へと帰っていった。


↓三軒家水門

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沈殿する水都の記憶を頼りに、

普段立ち入ることのない水路をあてどなく巡る旅はこうして幕を閉じた。

伝道師の語りを道しるべに、頭の中で一夜限りの筋書きを浮かべて、

日々横たわっている風景を書き換えるというのは

とてもクリエイティブな作業で、

ただ単に風景を切り取ったり、工場萌えな写真を狙うのではない、

新鮮な境地を楽しむことができました。


大阪ドーム千代崎港にて下船

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↓運航ルート

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類さんに会いに

わが家ではここ数年、

春の訪れとともにあの方とお会いするのが恒例になっています。

5年前に京都某所で行われるイベントに参加して以来、

色々なご縁を得て仲良くさせていただいていましたが、

そのイベントが、毎年の会場の工事のために

違う形で行われることになり、

子連れは参加できないため残念に思っていたところ、

せっかく関西に行くので、

何とか会える時間を作りますとご連絡いただき、

家族全員大喜び。

そのありがたい気持ちに何か答えられないかと考えて、

ささやかですが手作りのクッキーを焼いてお渡しすることにしました。

長女も腕によりをかけて生地を作り、

チョコペンで似顔絵を描き描き。


↓類クッキー

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↓娘の手づくりお持たせ

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イベントは土日の2日間あって、

1日目はイベントはしごや取材ラジオ出演と

分刻みのスケジュールのためお会いすることができず。

その代わりに京都タワーたわわちゃんに会ってきました。

ちょっと霞んでいたけど、京都盆地も一望できました。


吉田類のパラダイスな京都とパリ at 京都伊勢丹

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たわわちゃん

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↓絶景かな〜

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2日目リベンジで、三条のイノダさんでのんびり連絡をまち、

イベント終わりの時間をめがけて会場へ。


↓イノダにて

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そうして次のイベントの合間の少しの時間でしたが、

控室に通していただいて、久しぶりの再会を果たしました。

娘はクッキーを無事に渡せて大満足。

自分からはせっかく春の季節なので、

大阪の桜をと、片野桜を進呈させていただきました。

類さんも、娘たちとの再会を目を細めて喜んでくれました。

短い時間でしたが、感謝感謝です。

またぜひお会いしましょう!


↓酒縁

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↓片野桜を進呈

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↓ありがとうございます!

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2018-03-27

すまホリデー

日曜日。

娘の音楽教室の発表会を翌週に控えての合同練習ののち、

お昼から家族とおでかけ。

直前までどこ行くか〜と相談しつつ、

阪神電車に乗って神戸方面へ。

長女が、遊園地もいいなあというので、

須磨山上遊園へ行くことにしました。


須磨浦公園駅を下りて、ロープウェイに乗り換え。

すぐ目の前が海ということで、なかなかの迫力。

天気はいいのだけど、ガスがすごくて、

直下の須磨海岸や神戸の町並みはよく見えましたが、

対岸の大阪〜和歌山方面はもちろん、

関空すら霞んで見えませんでした。


↓ロープウェイ

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↓うぃ〜ん

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ロープウェイが到着し、

そこで日本で唯一ここにしか設置されていない乗り物、

カーレーターに乗り換え。

「ごぶごぶ」や「ブラタモリ」で脚光を浴びましたね。

急斜面をローラーで行き来させるBOX型の乗り物は、

かなりの年季もので、がたつきがスゴイ!

そして思っていた以上の急斜面にびっくりで、

娘もはしゃいでおりました。


↓カーレーター

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↓すんごい斜度

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↓ブラタモ号とすれ違い

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山上について、旗振小屋までハイキング。

そのあと、遊具などで遊びながらのんびり。

帰りは観光リフトで。

1人乗りなので、長女はだいぶドキドキ、ビビっていました。


↓観光リフトで帰る

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最終のロープウェイまで、

回転展望台でのんびり。

姫路の手柄山のは営業が終わってしまったので、

その分、こちらは長続きしてほしいですね。


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夕方のわずかの時間でしたが、

家族でのんびりできました。

2018-03-22

声が溶けあう瞬間に 太田美帆+青木隼人 声のワークショップ

月曜日。

平日ですが、長女の学校が卒業式でお休みのタイミングで、

去年アンサンブルズ東京でご一緒させてもらった

CANTUSの太田美帆さんが京都でワークショップをされるというので、

これはもうめぐりあわせだという事で、参加してきました。


京都北山の閑静なお宅にお邪魔すると、

地元京都だけでなく、

大阪や遠く岡山からも参加者が集まっておりました。

美帆さんには光栄にも覚えてもらっていて、

再会を喜びました。


↓声が溶け合う瞬間に。

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京都某所のご自宅で

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↓ローズティー

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この日のワークショップは、美帆さんの聖楽に、

FOLKROREの青木隼人さんのギター伴奏を重ねて、

みんなで声を合わせていくというものでした。

最初に、車座になって、

みなそれぞれ音楽にまつわるお話とか、

1人1人自己紹介。

それからまずは皆で音の波を作って、

そこに美帆さんのオディエを乗せていきます。

美帆さんの活動は、なかなか日本では本格的にやっている人が少ない

グレゴリオ聖歌を始めとする教会音楽。

プロテスタントのゴスペルのようにパワフルでソウルフルな音楽とは真逆で

カトリックの静かで厳かな音楽。

大きく声を張り上げるのではなく、

そっと息をするようにして声を出し、

一人一人が自分を主張するのではなく、

自我を溶かして、声を一つに総体となるといった風な感じです。


声を出すというのはいろいろな意味や作用があり、

例えばスポーツなら、大声を張り上げることで、

さらに力を発揮するということがありますが、

今回のような場合は、

猫がごろごろと喉を鳴らして

自癒能力を発揮するようなのとすごく似ていて、

声を出すこと、そしてそれを通じて一体となることで、

癒しだったり心を洗い清めていく感覚でした。


最後には、青木さんの伴奏に合わせて、

各々が一節ずつ好きなメロディーをつけて

ハミングして繋げていったのですが、とても心地よく。


↓声を合わせる

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2時間ほどの声合わせの後は、皆さんでランチ。

鞍馬の奥、静原にあるカフェMilletさんのお弁当。

美味しくいただきました。


↓素敵なランチ付き♪

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美帆さん、ほんと素敵なお姉さんで、

娘にもいろいろ話しかけてくれたりありがたや。

青木さんの人柄がにじみ出た、

温かいスープのように沁みるギターの音色もよかったなあ。

また近いうちに。


↓美帆さんと

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