Mr.Childrenのこと(1)

前から書きたいなぁと思いつつも、敢えて避けてきた話題である。
言わずと知れた、日本を代表するモンスターバンド、『Mr.Children』。きっと好きな人も多いはず。


ミスチルは、僕の音楽生活の常に中心にあり、クラシックやジャズを多く聴くようになった今でもそれは変わらない。中学2年のとき『イノセントワールド』に出会って以来、15年間にわたって(一時期離れたこともあるが)彼らの音楽を聴き続けてきた。最近も精力的に活動していて、2008年末に発表した『SUPERMARKET FANTASY』の出来はすばらしく、いつも「旬」の音楽を届けてくれる彼らにいつも感動をもらっている。もうすでに解散したグループを除いて、今でも昔のアルバムを聴き返しているのは、唯一彼らだけだといえる。

出会い

上にも書いたように、彼らの音楽を聴くようになったのは『イノセントワールド』からである。

イノセントワールド

イノセントワールド

この曲が中学2年のときのクラスの学芸会の発表(歌)の候補になっていて、結局採用されなかったのだが、個人的に凄く好きだったので、次に発表された『Tomorrow never knows』も買った。ドラマの主題化にもなったメガ・ヒット曲である。存在自体は、『CROSS ROAD』のヒットチャートランクイン(CDTV)から知っていたのだがこれら2曲はその後のミスチルの成功を決定付けたと思う。アルバム『Atomic Heart』も買って、家のラジカセでよく聴いていた。当時は結構カラオケが流行っていて、声変わりしていた時期でつらかったけど、いかにしてこの2曲を上手に歌うか、友達とちょっとした競争をしていたほど。僕は生来声が低いので今でもハイトーンボイスは出せないが、ファルセットを組み合わせることでその欠点はほぼ克服しつつある。まあ、それは置いておくとして、ミスチルに限らずこの頃はヒットといえばミリオンが当然、J-POPの全盛期と言えるのかもしれない。ミスチルに出会うまでは、WANDS(すでに解散)、B'zなどのロック系の音楽を聴くことが多かった。この時点では、まだオーディオに目覚めてはいなかったが、家に割と本格的なステレオをそろえていた友人とも出会っていて、すでにオーディオの世界は体験していた。


『Atomic Heart』以前、ミスチルはすでに『Everything』『Kind of Love』『Versus』というアルバムを出していて、まもなくすべて揃えてしまった。それらは純粋で素朴なラブソングが多く、『Atomic Heart』から彼らの音楽は大きくイメージを変えたといえると思う。シングルではないが、『星になれたら』『My Life』などのアルバム曲は、ミスチルファンの中では有名であり、名曲として知られている。

名もなき詩

名もなき詩

名もなき詩

ドラマ「ピュア」に採用されたこの曲は、『イノセントワールド』『Tomorrow never knows』のイメージとは大分違う、多彩な曲だと思う。サビの「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気が付けばそこにある物」の歌詞は有名である。テンポが途中で目まぐるしく?変わる、楽しい曲である。と同時に、この曲以降すごくメロディーが難しくなってきたと感じる。数あるミスチルの曲の中でも人気が高く、僕も最も好きな曲の一つ。「あるがままの心で生きられぬ弱さを 誰かのせいにして過ごしている 知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中でもがいているなら 僕だってそうなんだ」というくだりは、今なお感慨深いものがある。僕のカラオケの定番曲。(ただし通常はキー:-2なので、最後の音変化がつかみにくい)

魅力は

やっぱり表現力の豊かさ、メロディーの多彩さにあるのではないだろうか。歌詞の深さもよく取り上げられるけれども、それは頭で考えながら聴いているとき。『Discovery』以降、桜井さん一人で作詞作曲をしてきているわけだが、一人が作曲していると思えないほどの楽曲の多彩さ。アップテンポであろうがスローテンポであろうが、きちんと曲にあわせて表現を変えられる柔軟さ。ファンを飽きさせない魅力はやっぱりそれだと思う。今のオーディオシステムなら桜井さんの微妙な表現をよく聴き取ることができる。「イマジネーション」で聴けるよ、というならウチに来るべきである。きっと自分勝手な解釈で聴いていたことを痛感する。自分がそうだったからである。昔は「高音さえ出れば・・・」などとずいぶん傲慢な考え方であったが、今ではまったくそんなことは思っていない。できる限り彼の表現力に追いつきたいと思っている(まあ、無理だけどね・・・)。


まだまだ話は尽きない。続きます。